~焼き肉屋!~

唯「足いった……足の裏むくんでるし最悪。しばらく揉んどくか」

律「ヒールなんか履いてくるからじゃん」

唯「何回言わせるの?アイドルなんだからオシャレには気を遣わなきゃいけないんだっつーの」

律「まるで私がアイドルじゃないみたいな言い方すんなや」

梓「まあ高めに評価したとして、田井中さんは売れないグラビア辺りがお似合いですよ」

律「お前は狙いすました猫耳でもつけてファンに媚びとけよ、それくらいしか需要ないから」

唯「えーと……あれ?」ガサガサ

唯「あー、誰かサラサラシート持ってない?ちょっと汗かいたわ」ガサガサ

澪「まだ残ってたかな」ガサガサ

律「そういや今日持って来たっけ」ガサガサ

紬「あれ?ない……内ポケットに入れたと思ったけど」ガサガサ

梓「私のどこにしまったっけ…」カサカサ

律「お。…あったわ、ほれ」ヒョイ

唯「ん。貸すとか珍しくない?明日大雨でしょ」フキフキ

律「一枚300円になりまーす」

唯「死ね」

律「生きる!!!!!」

梓「あ、今の顔イラつきますね」イラッ

唯「つーか田井中がシート持ってるとか意外」フキフキ

梓「持ってなさそうですよね」

律「ああいうのキャラ付けだから。普通に美容には気つかうし」

唯「まぁ女だし当たり前か」フキフキ

梓「そうですね」フキフキ

律「なに勝手に使ってんだよ しかも四枚も」

梓「あ゛ーーーーー生き返るわぁーーーーー」フキフキ



ジュージュー

唯「うん。美味しい」モグモグ

律「やっぱ焼き肉サイコーだわ」モグモグ

梓「田井中さん肉取りすぎですよ」モグモグ

唯「カッペ女は農家らしく野菜でも食べてなよ」モグモグ

紬「そうよカッペの分際で肉食べんじゃないわよ」モグモグ

梓「カッペはカッペらしく野菜の生かじりでもしやがって下さい」モグモグ

律「カッペカッペうるせーんだよ!!カッペにだって肉食う権利あんだよ!!」

澪「ちょっと律。うるさいぞ」モグモグ

唯「うわ……田井中うるさ……」

紬「店なんだから静かにしろよ……」

梓「そんなんだからカッペなんですよ」

唯「ほんとカッペって空気読めないよね……」



唯「……」スッ

紬「ふう」ヒョイ パク

唯「あ」イラッ

唯(このサッポーロが……こっちの肉でいいや)スッ

律「お、この肉うまそう」ヒョイ パク

唯「………」イラッ

唯「ねぇ。さっきからお前らわざとでしょ?」

律「は?何が?」モグモグ

紬「何の話?」モグモグ

唯「とぼけんじゃないよ。さっきからわざと邪魔してんでしよ」

紬「被害妄想?言いがかりも大概にしてよね」モグモグ

律「本当にな。お前がトロくさいだけだろ、人のせいにすんな」モグモグ

紬「ねー。気分悪いわよねー」モグモグ

唯「はあ?ざけんなよ。さっきもこういう事あったでしょ?合計四回も阻止されてんだよこっちは」

澪「肉くらいで喧嘩するなよ」

梓「マジで大人げない女たちですね。もうちょっと心にゆとり持ちましょうよ」ヒョイ パク ヒョイ パク

唯「肉くらい?秋山、いま肉くらいって言った?」

律「秋山、お前また私は大人なんですアピールか」モグモグ

紬「本当いい加減にしてね。今はカメラ回ってないですよー」モグモグ

澪「そうじゃなくて。肉はたくさんあるんだし」

唯「こいつらが私の邪魔してきたのがムカつくんだよ。肉なんてどうでもいいし」

律「だから邪魔してねーし」

紬「被害妄想うっざ…食欲なくすわ」

梓「私は琴吹さんの色の悪すぎな眉毛を見てるほうが食欲なくします」ヒョイ パク ヒョイ パク

紬「私はその触角みたいな何かのほうがキモイと思う」

律「いやその眉毛は私も食欲なくすわ。さすがに」

唯「つか話それてるだろ」イラッ

梓「こうしてる間にも肉を食べ続ける人間がいるのを忘れない事ですね」ヒョイ パク ヒョイ パク

唯「ちょっと中野。さっきから食べすぎ。もう残り少ないんだけど」

梓「焼き肉は戦争ですよ?戦争中に言い合いしてるのが悪いんです。焼き肉ナメんなって感じです」モグモグ

律「こっちが黙って見てたらマツコデラックスばりに食いやがって」

紬「いっそマツコデラックスみたいになればいいのにね」

梓「低身長ってキャラ付けなんで無理です。デラックスになるくらいなら死んだほうがマシです」モグモグ

律「いいんじゃね?あずさデラックス」

澪「うわ……想像してしまった……死にたい」

梓「チビなんですよ?低身長デブなんて土偶やスプーより気持ち悪いです」

紬「じゃあ身長大きくしたら?160代の中野とか新鮮じゃない」

唯「身長が高いなら少しくらいデブでも気にならないかもね」

梓「小ささがウリって事務所に言われてるんですよ?でぶにゃんなんか誰も見たくないんですよ」

律「もういいじゃん、でぶにゃんで」

唯「もっと知りたいな でぶにゃんのこと」

梓「勝手にネットで調べて下さい。あと肉なくなりますよ」ヒョイ

律「あ………」

唯「最後の一枚……」

唯「よこせ  澪「平和的に解決してくれよ」

唯律紬「…………」

唯「……めんどくせーな」チッ

唯律紬「―――じゃんけん……」



唯「ぽん」パー

律「ぽん」グー

紬「ぽん」グー

唯「っしゃあらぁっっ!!」

唯「はっ!やっぱり私が勝ったね。まぁ正直、肉は食べたくないけどお前らを負かしたかったようなもんだから」

律「ホント性格わりーなお前」

紬「田井中も人のこと言えないけどね」

梓「まったく同感ですね」

律「は?お前らも大概だろ」

紬「はいはいカッペは黙っててね」

律「あ?この成金女が」

唯「貧乏だからって妬むのは止めなよ田井中」

梓「妬み、かっこわるい」

律「うっぜーマジで。やってらんねーわ」バン

澪「だから律、さっきからうるさいぞ」

紬「机叩かないでくれる?うるさいから」

梓「周りの迷惑になるから止めて下さい」

唯「他の客に気付かれたらどうすんのよ」

客A「あ……あれってHTTじゃない!?」ヒソヒソ

客B「うわ!マジ!?本物だ!!」ヒソヒソ

唯「ほら……」

律「うわ」

梓「面倒ですね」

客A「あ、あの……すみません!お食事中に」

客B「一緒に写真撮ってもらっていいですか!?」

唯「いいですよ」ニコッ

紬「喜んで~♪」

律「みんな写りきらないからもうちょっと寄らなきゃな」

客A「あ、唯ちゃんの後ろの梓ちゃんの顔が見えない…」

客B「ごめんなさい~、ちょっと中腰になってもらっていいですか?」

唯「いいよ~」パリパリ

梓(腰曲げたらまたバリバリなってるし……)

唯「これでいいかなぁ」パリパリ

客B「はい!すみません」

律(さっきから隣でバリバリうるさいんだけど……)



客B「いきまーす」ピピッ

客A「じゃあ……ピース!」

梓「ピース…」

紬「ピース♪」

唯「えへへ、ピース!」パリパリッ



客A&B「あ、ありがとうございました!」

唯「いいよ~♪」

律「喜んでもらえて私らも嬉しいよ」ニシシ

客B「これからも頑張って下さい!お…応援してます!」

律「あはは、ありがとう!」

梓「ありがとうございます」ニコ

唯「これからも頑張るから、よろしくね~!」

紬「よろしくねっ♪」

客A「はい!それでは!」タッタッタッ



唯「ちょっと田井中」

紬「お前マジで反省しろよ」

律「あ?もういいだろ別に」

紬「あんたのせいでバレたんだからね」



唯「あー食った食った」

律「食いすぎて気持ち悪い」ウプッ

唯「太らなきゃいいけど…」

紬「明日太ってたらいいわね」

唯「うるさい。腐れ眉毛」

梓「もし太ったら思いっきり笑ってあげますよ」

律「私も笑ってやるから安心しろ」

澪「いい加減にしなって。それより会計どうするんだ?」

唯「割引券つかうんでしょ」

澪「でも五人分の肉頼んだから……割引券だけじゃ払えないんだ」

律「いくらになるんだ?」

澪「お代は……これ」スッ

全員「………」ゴクリ



唯「………」ピラッ

律「見間違いじゃないよな?」ピラッ

梓「店のミスとかじゃないですよね?」

唯「桁数、打ち間違えてない?」

澪「残念ながら違う」



――――――――――

お会計


¥102000

――――――――――



律「じゅ……」

梓「…………」

唯「いやいや。おかしいだろ、誰がこんな食ったんだよ」

澪「これはいくらなんでもおかしい。誰かが食べすぎたんだ」

紬「でも誰がとか分かんないでしょ今更……」

梓「今となっては誰のせいか分からないって事ですね……」

唯「ちょっと待ちなよ。自分でどれくらい食べたか覚えてるでしょ」

澪「それを大体でいいから言えばいいのか」

梓「そんなの意味ないですよ。ズルして少なく言われる事もありえます」

紬「はあ?疑ってんの?」

唯「何それ?わざわざズルとかしないし」

澪「でもやっぱり自己申告したほうが良いんじゃないか? もし計算が合わなかったら店員さんの間違いかも、って可能性もあるし…」

唯「うーん…」

律「でもそんなことありえるか?」

梓「こんな話し合いは時間の無駄です。いい加減、現実を見つめて下さい」

唯「中野。ちょっとウザイんだけど。なに仕切ってんの?」

梓「皆さんが現実逃避するからです。このままじゃ埒があかないって言ってるんですよ」

澪「まぁ…そうだな」



唯「そうだ。割引券は何円分あるわけ?」

律「そうだ、割引券があるんだから大分安くなるはずだろ」

梓「いくらなんですか?」

澪「えーっと……」ガサガサ



澪「……800円………」

唯「はぁ!?」

律「お前バカじゃねーのか!?」

紬「あんだけ割引券、割引券って言って期待させといて!!」

梓「800円分しかないのに誘うなんて頭おかしいんじゃないですか!!」

梓「800円なんて はした金、豚の餌にもならないです!! まともな神経してたら五人も誘おうと思わないです!!」

梓「頭どうかしてます!!」



律「やっぱり誰がこんな食べすぎたのか推理したほうが…」

唯「私もそう思う。自分が食べた分より多く払わなきゃなんないとかアホみたいだし」

紬「うーん……でも今更だし…」

梓「まぁ、過ぎたことを言っても仕方ありません。10万越えたことは事実ですから諦めましょう」

梓「それよりも目の前にある問題を片付けるべきです」

律「だからリーダーでもないのに仕切んなよ二期メン」

澪「でも、梓の言う通りだな」

唯「そういや忘れてたけど、半額割引券じゃなかったわけ?そう言ってたよね?」

澪「う、うん……半額割引券もあったんだけど…」



澪「家に置き忘れてきたみたい……」スッカラカン

紬「どんだけドジれば気がすむんだよ…」

梓「秋山さん……最悪です」

梓「とんだ役立たずです。もうすっ込んでて下さい」



~お会計!~

唯「もういいや。面倒だから田井中が払ってきてよ」

律「寝言は寝て言え。お前が払ってこいや平沢」

紬「中野が行けばいいんじゃないの?」

梓「どうでもいいから平沢さん行って来て下さい」

唯「あ?お前がさっさと行けよ二期メン」

紬「イラつくわね。早く行きなさいよ田井中」

律「ウゼェ。とっとと全財産使って払いに行けや琴吹」

梓「ガタガタ言ってないでリーダーらしく払って来て下さい田井中さん」

律「はあ?じゃあお前が後輩らしく先輩の分も払ってこいよ」

梓「何でですか?普段リーダーらしいこと何一つしてませんよね? リーダーはリーダーらしくリーダーの責任をまっとうして下さい」

律「はあ?」

澪「律、静かにしろ。もうちょっとボリューム下げて」

紬「マジでカッペよね……」

唯「チッ……これだからのぶ子は……」



律「お前が払いに行けよ。希姫羅々(笑)」

唯「は?気安く呼ぶんじゃねーよ多田舎 のぶ子」

律「サッポーロが行けよ。どうせ金持ちなんだろ?サッポーロ」

紬「あんた達のために払うくらいなら豚に食べさせたほうがマシ」

梓「役立たずですね。そろそろ本格的にHTTにいる意味ないんじゃないですか?」

梓「琴吹さん経済力だけでHTTにいれたようなモンですよ」

梓「ま、その経済力も親のお陰なんですけどね」

紬「親の力を使って何が悪いわけ?金のないコジキ共がやかましいんだよ」

律「でたーww琴吹さんお得意のww」

唯「親の七光りwww親の七光りwww」

紬「中野。あんた一番下なんだから払いに行きなさいよ」

梓「人気が一番下の人には言われたくないですね」

唯「いいから行けよDQNネーム」

紬「名前が羅飛栖(らぴす)って……生きてて恥ずかしいとは思わないの?」

梓「くっ……」

唯「テストや受験票に書いてる時どんな気持ちだった?ねぇねぇ?どんな気持ち?」

唯「学校では何て呼ばれてるの?友達からは?お母さんからは?」

梓「嫌あぁああぁああぁああぁ」



~2時間後~

唯「はぁはぁ…」

紬「はぁはぁ…」

梓「はぁはぁ…」

律「いつまで譲り合ってんだよ!このままじゃお会計を誰が払うかで迷ってる大阪のババアみたいじゃねーか!!」

紬「まるでオバハンの井戸端会議ね」

唯「……もういい、この役立たず共が。埒があかないから私が払って来る。 そのかわり利子つけて返してもらうから」

紬「平沢は引っ込んでて。私が払ってあげるわ。そのかわり一ヶ月以内に二倍の利子つけて返してもらうから」ガタッ

澪「それは困る!二倍も利子が付くくらいならムギじゃなくて私に払わせてくれ!」ガタッ

梓「さっき秋山さんには言い過ぎましたから……私が秋山さんの代わりに払います。 それに私は後輩ですから、先輩にばかり払わせられません」ガタッ

律「待てよ!ここまでバカにされたまま黙って引き下がれるかよ。 最後くらいリーダーらしいとこ見せてやるさ」ガタッ

澪「邪魔するな!」

紬「そっちこそ!」

梓「お前ら邪魔です!」

律「私だって立派なリーダーだってこと分からせてやるんだよ!」

唯「邪魔なんだよお前ら。だから私が払うっつってんじゃん」ガタッ

律澪梓紬「どうぞどうぞどうぞどうぞどうぞ!!!」

唯「だから!!それはもういいって言ってんだよ!!!!」


オマケ END