ドアガチャ

梓「お疲れ様です」ドアバタン

シーン

梓(先輩たちは京都に修学旅行かあ…いいなあ)

梓(まだクワガタたちも動き出さないし、特にすることもないなあ)ギッ

梓「……」ボーッ

ギィギィ ギィギィ ピッ

梓「もしもし」

唯『あ、あずにゃーん?寂しがってるあずにゃんのために今からハラビロオナ』ピッ



梓「……全然針が進まない。今まではこんなとき、何してたっけ?」

梓(…帰ろう。澪先輩に預かった幼虫も見なきゃだし)ガタッ

ドアガチャ

純「お、やっぱりここかー。梓、今から憂の家に行かない?今日休んでたし、お見舞いにさ」



ひらさわけ!



ピンポーン ピポピポピポピポピポピーーーーーン ポーンピンポーン

純「出ない…寝てるのかな?」

梓「…勝手に入ろうか」

純「通報されても知らないよ?」

ドアガチャ

純「おじゃましまーす…」ソローリ

梓「鍵もかけずに出かけるなんて、無用心だね」

純「いやいや、こういうパターンは家主が死んでたりするんだよね」

梓「……あそこに倒れてる憂みたいに…?」タラリ

純「なーんて、…えっ」

憂「」シーン

純「ギャアアアアアアアア憂いいいいいい!!!!」

憂「…何」



純「もー脅かさないでよー!」

梓「さすがに私もあせったよ…ていうかあれだけ鳴らしたんだから出てよ」

憂「ごめん」

純「今日休んでたけど、調子悪いの?」

憂「ううん」

梓「ところでずっとうつ伏せで動かないけど、何かの擬態?」

憂「違う」

純「…テンション低いね」

憂「うん。お姉ちゃん、いない。私、退屈」

純(なぜカタコト)

憂「息めんどい」

梓「いつもの憂じゃない…」



―――



純「じゃあ私たち着替えとか取ってくるから!」

憂「また後でね!」

梓「なんだかんだでお泊りすることになってしまった」

純「実は私友達の家に泊まるのって初めてなんだよねー♪すっごい楽しみ」

純「それにしてもホント憂ってお姉ちゃん大好きっ子だよねー。お弁当まで作ってるんでしょ?」

梓(お弁当…ね)パカッ カチカチ

純「梓、何してんの?」

梓「ちょっと用心しておこうと思って」

純「ふーん…?」



またひらさわけ!



梓純「こんばんはー」

憂「いらっしゃーい♪ご飯はちょっとだけ待ってね?」

純「いいよ、こっちだって急に押しかけちゃったんだし」

憂「それもそうなんだけど、梓ちゃんからリクエストのメールが来てね?ほら」パカッ



~~~

From:義姉ちゃん
Sub:今日の夕食
本文:
用意してくれるのは嬉しいけど、
部外者もいるんだから虫は出さないでね?

~~~



純「部外者って何ですか…」シュン

憂「だから、材料なくてちょっと変な感じになっちゃうかもだけど、ゴメンネ?」

梓「ちょっと待って、ナチュラルにおかしいよね、その登録名」



憂「もうそろそろ炊ける、かな?」

純「スタンバイオッケーっす!」チンチン

憂「おかずはマシュマロ豆乳鍋とチョコカレー鍋、どっちがいい?」

純「食卓につくなり究極の二択!?」

梓「えっと、憂…どっちかじゃないとダメなの?」

憂「やだ、二人とも本気にしちゃって!冗談だってばー♪」

梓(ほっ)

純「う、憂ったら冗談きついなー?アハハ…」

憂「ちゃんと両方ともあるから♪」ゴトン

梓純「」

憂「では、いただきます!」パン!

梓「……」モグモグ

純「…ウップ、ごめん、私ちょっとおなかいっぱいになってきたかも…憂?」

憂「残しちゃダメ、残しちゃダメ、残しちゃダメ、残しちゃ…」カタカタカタカタ

純(憂…体張ってるね)ホロリ



梓「意外といけるねこれ。二人とももう食べない?残り食べちゃうよ」カチャカチャ

憂「……!」アゼン

純「なん…だと…。梓、あんた普段何食べてんのよ…」

梓「んー。今週は親がいなかったから、ずっとご飯と昆虫ゼリーだったかな」モグモグ

憂「あ、梓ちゃん…!」ブワッ

純「虫にでもなる気かっ。そんなんだから梓はちびっこいんだよ…」



憂「お風呂も入ったことだし、何しようか?」

梓「寝るには早いもんね。実はビデオ持ってきたんだけど…」

純「あ、見たい見たーい!!どんな奴?」

梓「色々。虫王、むしむしQ、クワガタ取り企画詰め合わせ、などなど。もちろんNHKも……交尾も」

純「ですよね」

憂「梓ちゃんって虫王はOKなんだ?」

梓「色々問題はあるとは思うんだけど…カッコイイから、ね」



純「なんか一気に退屈になったー!」グデー

梓「仕方ないなあ。じゃあ他の…」

ギィギィ ギィギィ

梓「げっ…唯先輩だ」

憂(あ、今の着信音って…)

憂「ゴマダラカミキリ?」

梓「正解。さすが憂は純と違ってわかってるね」

憂(…そっか♪)

梓「えっと…本文なしの動画ファイルだけ?って、いっぱい来るし」ギィギィ ギィギィ

純「あ、気になる。見せてー!」

憂「私も!」

梓「別にいいけど…」ピピッ



唯『――てすてす。いけてるかな?えーと、平沢唯、桜ヶ丘高校の三年生です!』



憂「わあ、お姉ちゃんだ♪」バシッ

梓「なんか始まった。ていうか憂、携帯返して」

純「自己紹介から始まるとか、なんだか…」

憂「怪しいビデオみたいだね!」



唯『あずにゃんへ。なんでか電話が繋がらなくなったので代わりに動画で送ります』

唯『見ててね…』プチプチ シュル パサッ



純「ちょちょちょっ、なんかヤバくない?」



唯『今から、さっき捕まえたヨコヅナサシガメ』バシッ ピッ



憂「あっ」

梓「危うくセルフ拷問見せられる所だった…削除っと」カチカチ

純「でもさあ真面目な話、よく軽音部続けてられるね?私だったらさっきので即逃げ出してる」

憂「純ちゃんひどーい!」

梓「まあ私も唯先輩のことはどちらかと言わなくても嫌いだし、よく逃げ出したくなるよ」

梓「でも、頭おかしくした責任があるしね…仕方ないかなって」

純「妹の前でよくもまあそこまで言えるもんだ」

憂「梓ちゃんったら、素直じゃないなあ。お姉ちゃんのこと大好きなくせに♪」

梓「ありえないから」

憂「でも結婚の約束もしたんだよね、義姉ちゃん?」

純「えっ、二人ってそういう関係なの!?詳しく教えて!」ドキドキ

梓「憂、怒るよ?純も。……もう!二人とも早く寝よう?こんな話してても面白くないよ!」ガバッ

純「あ、逃げた」

憂「ふふっ、今日はもうお終いにしよっか?電気消すね」パチン



~~~



唯「あずにゃーん、あずにゃーん」

梓「その声は…唯先輩?どうしてこんなところに…」

唯「あずにゃん見て!私、あずにゃんが好きすぎて虫になっちゃった!」ワシャワシャ

梓「先輩…素敵…」キュン

唯「あずにゃんだって、ほら!」ワシャ

梓「わあ、私の手が毛深い前足に!それだけじゃない、足が増えてる!」

梓「六本の足があるってこんな気持ちだったんだっ」カサカサ カサカサ

唯「たくさん昆虫ゼリーを食べたかいがあったね!」

唯「ねえ、あずにゃん………しよ?」ニュー

梓「そ、そんな…唯先輩に生殖器が…!」

唯「そう、私と本当の昆虫セックスをするの。やっと一つになれるね、梓」

梓「嬉しい…」グスッ



唯「絶対に放さないよ」ガシッ

梓「ああっ、先輩の力強い顎が私を押さえつけてる…」カサカサ ギチギチ

唯「ほら…私のお腹、背中と違って柔らかいでしょ」グニッグニッ

梓「はい…唯先輩のお腹が脈打ってるのがわかります…」ドキドキ

唯「じゃあ、行くからね。しっかり受け止めてね?」ニュウ プルプルプルプル

梓「ゃああっ!!先輩の生殖器凄く鋭いよおぉ!」



―数日後



梓「はあ、はあ、はあ…唯先輩、私、いっぱい卵産みますね…唯先輩?」

唯「」チーン

梓「死んでる…体力を使い果たしたんだ。一人でも頑張らなきゃ!」




梓「んんっ…ふぅ、んあっ…」ムニュウ ムニュウ

梓「ふう。私と唯先輩の子供…絶対に守らなきゃ」

梓「そうだ!ずっと抱えておけば安心だよね!」ペタペタ

梓「可愛い子供たち。元気に生まれてきてね♪」カサカサ



―――



梓「お腹が…熱いっ!まさか!?」

カサカサ カサカサ カサカサ
 カサカサ カサカサ カサカサ

梓「う、生まれたあ…」ジワッ

梓「ここから、私の最期の仕事」

梓「はじめまして、子供たち。私はあなたたちの……」

梓「…ご飯だよ」

カサカサ カサカサカサ バリバリカサカサ
バリバリカサカサ カサカサ カサカサバリバリカサカサカサカサ

梓「ふふ…見てますか、唯先輩。みんな…あなたに、似て…食い、しん…坊…で…」

梓「」ガクッ


~Fin~
        製作:N○K



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