梓「中野梓です。昆虫系女子です」
の書ききれなかった分を引き伸ばした番外編です。
虫分が足りないことを先に断っておきます、ごめんなさい。
おひるやすみ!
梓「冬、かぁ」モグモグ
梓「冬が来ると虫はみんな死んじゃう。死なない子たちも冬眠する」
梓「冬って、退屈」ハァ
純「梓ー、何黄昏ちゃってんのさ」
梓「あ、純…とか言う人」
純「私たち、半年以上友達やってるよね?」
ワイワイガヤガヤ
梓「…」モグモグ
純「…」モグモグ
ワイワイガヤガヤ
梓「…」モグモグ
純「イチゴオレうめえ」チューゴクゴク
梓「…ねえ知ってる?」
純「急にハイトーンな声出してどうしたの?」
梓「イチゴオーレは染色にコチニールカイガラムシを潰して作った染料を使ってるんだって」
純「…ふーん」ズゾゾープハッ
梓「……ッハァ゛ーーーー」
純「え、何そのあからさまにつまんなさそうな顔とため息」
―――
純「そういや憂はここ数日休んでるよね、梓なんでか知ってる?」
梓「純とか言う人はそんなことも知らないなんて、本当に憂の友達?」
純「その呼び方やめて、地味に傷つくから」
梓「オーストラリアに旅行に行ってるんだってさ、唯先輩が昨日言ってた」
純「アンタも昨日知ったんかい。にしても学校を堂々と休んで、いいご身分だねー」
純「また大好きなお姉ちゃんのためだったりして」
純「そこで私は考えた!今から話すことは、もしかしたら真理大発見な哲学!!」
梓(あ、どうでもよさそう。ご飯食べよう)
純「私が思うに!憂は存在しない!!あれは憂のお姉ちゃん、唯先輩の一部である!」キリッ
梓「ふんふん」モグモグ
純「あれに意思は存在せず、ただ唯先輩の…ナワバリ?を主張するために独立した(ry」
純「いわば…ファンネル、でもなく…分身、でもない……子機?」
梓「へー、純とか言う人は発想がおもしろいなー」
純「なんか私のことじゃないみたいだからやめて」
ほうかご!
純「じゃねー」
梓「うん、また明日。……さて、部活いこ」
ドアガチャバタン
憂「よかったー!梓ちゃんまだ残ってた」
梓「あれ、憂?帰ってきてたんだ」
憂「うん、さっきね。梓ちゃんに会いたくなって学校来ちゃった♪少しお話しよ?」
梓「(ちょっと嬉しいかも…)えっと、いいよ。…オーストラリア、楽しかった?」
憂「うん!お土産も買ってきたよ!」
憂「はい、成田空港のペナント」
梓「」
梓「あ、ありがとう(喜ばなくちゃ…)」
憂「オーストラリアのお菓子も持ってきたよ、一緒に食べよっか?」ガサゴソ
―――
憂「…ってことらしいよ?面白いよねー」
梓「ふーん、誰もが杖を持っている、ねえ…」モグモグ
梓「あ、そういえばさ。唯先輩、最近あの薬」
憂「ビタミン剤だよ、梓ちゃん」
梓「…ビタミン剤、飲んでないよね?唯先輩」
梓「冬は虫が少ないし、確保大変でしょ?大丈夫なの?薬で抑えなくて」
憂「対策してるから大丈夫だよ!それに…飽きちゃった♪」
梓「何に」
憂「そういえば梓ちゃん、クリスマスって、予定ある?」
梓「ううん、特にないけど…親もいないし」
憂「あは♪やっぱりそうなんだー!」
梓「」イラッ
梓「…で、何?」
憂「うん、今年のクリスマスも、家でどうかなって話」
梓「えっと…何の話?」
憂「あ、ゴメンネ、梓ちゃんは今年が初めてだよね。
去年、軽音部の皆さんと一緒にクリスマスパーティをやったの!」
梓「へぇー、そんなこともしてたんだ」
憂「それを、梓ちゃんから軽音部の皆さんに伝えてほしいなって」
梓「うん、構わないけど…なんで唯先輩じゃないの?」
憂「伝言の類は絶対忘れるお姉ちゃん可愛いっ!」
梓「うん、大体わかった」
―――
梓「今日は、クリスマスについて憂から伝言があります」
唯「そうなんだー?憂そんなの言ってなかったけどなー」
律「クリスマスってことは、あれか」
紬「まぁまぁ、話は後にしてお茶にしましょう。今日は趣向を凝らしてみました!」
紬「…っせい!」ドンッ
紬「と、いうことで今日は、コタツとミカンよー♪」
律「すげぇ!」
澪「よくこんなの持ち運んだな…」
ドアガチャバタン
さわ「みんな久しぶりー…って、ずいぶん様変わりしたわね、この部屋
とりあえず私もおコタ入れてー」
唯「悪いねさわちゃん、このコタツ、6人用なんだ」
さわ「足りてるじゃん!」
律「コタツの中、あったかいナリィ…」ヌクヌク
澪「ミカン、おいしい…」モソモソ
唯「あずにゃん食べさせてー」
梓「…ミカンを見てると思い出します。幼さゆえに、残酷だったあの日」
澪「今日は何もない日常で終わってくれると思ってたのに!」
唯「断りすらされない」
梓「アブラムシ、知ってますよね」
さわ「ゴキブリのことでしょ?」
梓「ババア乙」
さわ「」
梓「あれ、紫とか黄色とかいて、カラフルですよね。それが梅の木なんかに大量に集まってて…」
澪「うわああああ…やめろー…」ガタガタ
梓「もう、そんなに怖がらなくても…わかりました、やめますよ」ハァ
澪「ほ、ほんとか…?」
梓「ただ、大量に集まった姿がそのミカンみたいだな、って話ですから」ニヤリ
澪「」
律(…あれ?残酷、ではないよな。それに見た目もたぶんそんなに…)
唯(なんであずにゃん途中でやめたんだろ…よし)
唯「澪ちゃん、いいこと教えてあげる!」
唯「まず、このりっちゃんのスティックと、ミカン一切れをまとめて澪ちゃんの手に乗せます!」
澪「?…あ、あぁ」
唯「…」ガシッ
澪「ヒッ…な、なんでそんなに私の手を強く掴むんだ…」
唯「ダメだよ力抜かなきゃー。リラックスリラーックス♪」
さわ「何々?面白そうね」
梓(何するつもりだろ、この人)
唯「こうやって手で包んで…わかる?柔らかいでしょ…」スッ
澪「あ…///」
紬「なんだかエロティックな光景ね…」ウットリ
律「ミカンとスティック握ってるだけだけどな」
唯「さて澪ちゃん。…突然だけどさっきのアブラムシの話、続きがあってね?」
澪「えっ」
唯「こっちが枝でぇ…ハァハァ、す、すすすごく気持ちいいんだよぉー///」ジュルリ
梓「まさか…しまった!(おとなしかったから気づかなかった!)」
唯「イメージしてね!今、澪ちゃんが握ってるのは…」
澪「な、なんd」
唯「アブラムシさんだよぉぉっ!!」ググッグチュップシャッ
澪「へぅっ」ガクン
唯「はぁぁっぁぁぁぁぁん////」クチュクチュ
梓「澪先輩!!」ダッ
澪「」
梓「…白目むいて気絶してる」
律「なまじ想像力が高いばかりに…あいつしばらくミカン食えねーな」
唯「かか可哀想なアブラムシさん…私がお汁をすすってあげるよぉ///」ペロペロゴクゴクグチュグチュ
紬「この状況、見た目だけなら十分いけるっ!」
さわ(こんな気持ち悪い部活になってたんだ)
梓(来るかも…)ササッ
唯「虫、むしぃ…!」ダダッ
梓「あれ…、かばんの方に…?」
唯「はぁ、はぁ、虫ぃ……ああ!ははっあったああ♪ひひひ!」ダラダラ
プシッギーッカパッ カランカラン
唯「…はあああ…」ザラーッ クチャクチャゴクン
唯「………っ!っっ!」ブルブルッ
唯「っはぁ…落ち着いたよぉ」
梓律紬さわ「」
梓「あ、あの…何食べたんですか…?」
唯「ただのミルワームの缶詰だよ?むき栗みたいな香りがしておいしいんだぁ」
梓(あれが憂の対策か。…ヤバい薬とか入ってないよね?)
律「っと、いっけね。梓の話忘れるところだった、それで、クリスマスが何だって?」
梓「あ、はい。クリスマスパーティの話です。今年もうちでどうですか、と」
律「そうなんだ?いやあ二年連続だとさすがに悪いかなって思ってたんだけど、
憂ちゃんがいいって言うなら今年もお願いするか!」
唯「やったぁ!ぐっじょぶだよ憂ー!他のみんなも大丈夫?」
紬「私は大丈夫よ♪」
さわ「私はパス。先約があるの…性なる夜の、ね」キリッ
律「たぶんさわちゃんは誘われてないと思うけど」
さわ「フヒヒ、ごめんなさいねぇ?あなたたちはせいぜい子供らしく楽しんでちょうだい♪」
律(うぜぇ…)
唯「澪ちゃん…はいいや。もちろんあずにゃんは参加s…あずにゃん?」
梓「……はっ!ボーっとしてました、すいません!私は大丈夫です、空いてます」
律「よーし、んじゃあクリパは唯ん家に決定!各自交換用プレゼント忘れんなよ!」
律「では解散!」
梓「クリスマス、かぁ…」
最終更新:2011年05月02日 16:11