かえりみち!

律「なんか…ごめんな?結局練習できなくて」

梓「私も…すいません」

澪「…ううん、いいんだ、楽しかったしさ!」

紬「そうね、今日は澪ちゃんが帰ってきたし、また5人で楽しくやりましょ!」

律「ああ!やっぱり楽しいのが一番だよ!」

澪「もちろん、練習もするからな!」

律「わかってるってー!」

アハハハ…

梓「じゃあ私、クツワムシ逃がしてきます!お疲れ様です」

律「おう、じゃなー!」

律「…そういや、唯は?」



唯「…じゅるり」ソローリソローリ

唯「…しっ!」バッ

ジジッ!ブブブブブ…

唯「セミにぶっかけられちゃったよぅ///」ハァハァ



律「いてて、カブトムシって力強いし、爪は鋭いし、つかまれると痛いんだよな」

梓「ですね、それでいて喧嘩は紳士的。カブトはまさに日本男児ですね!」

紬「それにしてもこの子、普段はずっとゼリー食べてるわ…さっきだって」

梓「クワガタに比べて大食いですからね…ちょっとその辺は鑑賞するとき残念です」

梓「もぐりっぱなしのクワも大概ですけど」

梓「でも、この手に乗せるとせわしなく動くコクワ…ああ…っ可愛い…///」

律「そういやカブトムシのえさってこのゼリーでいいのか?」

梓「はい、私たちはブリーダーではありませんし、よっぽど悪いものでなければ問題はありません」

紬「でも前に梓ちゃん、私がクワガタのゼリー持ってきたとき、「なんでこんなのカロリーばっかりの持ってくるんですか」
  ほんと金とお茶しか能の無い先輩ですね、チッ」とか言ってたわよね。あれちょっと傷ついたんだけど」

梓「ああ、あれはですね…種類と個体によりますが、基本的にクワガタは嗜好性で選ぶんです」

梓「産卵の時期なんかはまた事情が変わってきますけど」

律「あーごめん、語らせちゃったところで悪いんだけど、そうじゃなくってさ」

律「スイカとかあるじゃん、ああいう果物のほうがいいんじゃないかな、って思って」

梓「ああ、そういう意味ですか。えーとですね、スイカはダメです。カブトがお腹壊します」

梓「あげるならリンゴがいいですね。でもやっぱり、ゼリーがベストです」

紬「えっ…じゃあせっかくスイカ持ってきたんだけどダメなのね…捨ててくる」

律「いやなんでだよ!食べようよ!!」



律「ってなことがあったわけで」

紬「今日はみんなでスイカを食べましょう。塩もあるわ♪」

澪「たまにはこういう素朴なのも悪くないな」

唯「…」プルプル

澪「…唯?」

バンッ!

唯「何考えてるのムギちゃんっ!?」

澪「ゆ、唯!?」

紬「え…えっ?ど、どうしたの唯ちゃん」オロオロ

唯「酷いよ!見損なったよ!ムギちゃんは役に立たないけどお茶だけは間違いないと思ってたのに…」

律「まだ言うか…」

唯「なんで今の話の流れであずにゃんにスイカを出せるの!?この人でなし!!」

梓「えっ私?」

唯「あずにゃんお腹壊しちゃうよ!スイカダメだよ!ゼリー出しなよ!!」

律澪「えっ」

紬「ご、ごめんなさい唯ちゃん、梓ちゃんも…はい、ゼリー」コトッ

梓「唯先輩は私を何だと思ってるんですか…ていうかムギ先輩もゼリー出さないでください」

紬「え?何で?…ああ、カロリー高いのじゃだめなのよね♪」

梓(うわ、この人根に持ってる)



ドアガチャ

澪「おはよー…って、今日は私が一番乗りか」

澪「…」

カサカサ… カサカサ…

澪「気づかなかったけど、意外と騒がしいんだなこの部屋…」ソワソワ

澪「…」トタトタ

澪「…うーん、やっぱり私には良さがわからない…」ジーッ

澪「戻るか」ガタッ

澪「…ひ、暇だなあ」

澪「……あーあーかーみさーまおねーがいーふたりーだーk」

ブブブ!!

澪「ひっ」ビクッ

澪「……早くみんな来てよお…」



梓「…澪先輩独り言すごいなぁ」

律「面白いからもうちょっと見ていたいけど、それとはまた違う理由で入りにくいな」

梓「ですね。まぁそういってちゃきりが無いんで入りませんか?」

律「そだな!」

ドアバターン

澪「」ビクッ

律「よっすー♪」

梓「お疲れ様です」

澪「おおおお脅かすな!!せっかく人が落ち着いた時間を過ごしてたのに…」

律「落ち着いた時間、ねえ?」ニヤニヤ

澪「な、なんだよ…」

律「梓」

梓「はい。あーあーかーみさーまおねーがいーふたりーだーkひぃっ!」

澪「」



律「今日はカブト戦わせようぜっ!」

梓「えぇー…?あんまりそういうことさせたくないんですけど…」

律「お願いっ!一回だけだからぁっ!」パン!

梓「仕方ないですね…一回だけですよ?」

ガタッ

澪「え…え…出すの?」

律「うん、そだけど?」

澪「だ、ダメだっ!ああ危ないじゃないか」

律「大丈夫だってばー。噛むわけじゃないんだし」

澪「それは…わかってるけど…飛んだら怖いし…」

律「…!」ピコーン

律「みーおー」

澪「な、なんだよりt」

ブブブブブ

澪「うわああっ!」ドターン

律「あははは!転んでやんのー」

梓「律先輩!その持ち方やめてください!…私もときどきそれやりますけど」

澪「…」ガタガタ

梓「…大丈夫ですよ、澪先輩」

梓「とりあえず地面に這いつくばっとけば飛んできたりしませんから」

澪「え、私そんなことしなくちゃならないの?」

梓「でもオシッコとかは諦めてくださいね」

澪「」



梓「さて、じゃあ木をセットして」

律「お、専用の用意してあるんだ。なんだかんだ言って梓もやる気だったんじゃん!」

梓「う、うるさいです///…じゃあ、やりますか!」

ギチギチガガッギギ

律「よーしいけー!そんなチビ助ぶっ飛ばしちまえー!」

梓「がんばって!大きいだけの相手に負けちゃダメ!!」

澪「…(楽しそう、だな)」※伏せてます




律「いやぁ楽しかったー!」

梓「まさかの大接戦でしたね!」

律「さて、片付けるか…あれ、こいつら足引っ掛けあいやがって…」

梓「あ、気をつけて律先輩。私それで失敗しましたから…昔ですね…」チラッ

澪「(今私のほう見た!)ちょっと待って梓!聞きたくない!聞きたくないから!!」

梓「…」ニタリ

澪「無理強いしないって言ったのに!?」

梓「昔私の飼ってた子、今の律先輩の持ってる二匹と同じ状態になったんですね」

梓「幼かった私は「ふたりとも力持ちだなー♪」ぐらいにしか思ってなかったんですよ」

梓「私それがなんだか嬉しくなっちゃって、歌なんか歌いながらグイグイと引っ張ったんですね」

梓「そしたら…可哀想に」

梓「二匹とも、足が根っこから、ブチッ、って」

澪「うわああああああああ…」ガタガタ

梓「私、悲しくて泣いちゃいましたよ♪」ニタニタ

律「その割には今梓滅茶苦茶いやらしい笑顔なんだけど」

梓「いや、久しぶりだから嬉しくて」



唯「あ、ガイグルゲルの弦が錆びてる…」

律「ギー太をどうしたらガンドランダーになるんだよ」

梓「そんなことより皆さん、次の土曜日は買い物に行きませんか?」

梓「ほら、ゼリーはありますけど結局ケージや霧吹きは買ってないじゃないですか」

律「そういやそうだっけ。よし、じゃあ土曜日全員参加で駅前な!」

唯「えー、でもお金ないよぉ」

梓「ギター売ればいいんじゃないですか?」

唯「そっかぁ!あずにゃんって知能高いね!」ガバッ

梓「…」サッ

澪「軽音部から楽器なくしてどうするんだ!!」

律「でも触ってないのは事実だけどな…はは」

紬「あの…その日は私都合が…」

唯「別にいいよ!今回はお金出してもらうわけじゃないし」

紬「」



どようび!

唯「お待たせー!!」

澪「遅いぞ唯ー」

唯「別に澪ちゃんに言ったんじゃないよぉー」ヘラヘラ

律「…どこ行こうか?」

梓「この近くにいい店はないので…仕方ないですね、ホームセンター行きましょう」

律「おっ、いいね!今の時期ならそこでも結構揃ってそうだし」

梓「とりあえず必要なものをメモしてきました。あとはいいのが見つかったら適せん買って行きましょう」




律「あー…すずしー…」

唯「あぅ…ちょっと冷房効きすぎだよぉ…」グッタリ

梓「じゃあ、とりあえずこのメモの分、ケージとマットとシートに霧吹き、あと皿木を買いましょう」

梓「虫コーナーはっと…あった」

梓「ふんふん~♪」ガサガサ

澪「何してるんだ梓?」

梓「あ、澪先輩。丁度いいところに」

澪「嫌」

梓「まだ何も言ってないですよぉ」

澪「梓が私にそういう反応するときって大体わかるから。だから、嫌だ」

梓「そうですか…じゃあいいです」シュン

澪「というか梓、キャラ変わったなぁ」

梓「そうですかねー?」ガサガサ

澪「うん、変わったよ。最初はもっと自己中で、誰にでも慇懃無礼って感じだった」

澪「でも今はみんなと打ち解けて、積極的にみんなと行動するっていうかさ」

澪「…兎に角、前より人として楽しい、ってこと」

梓「そんな酷かったですか?私。…でも、なんだか照れますね」…ガサガサ

梓「…ぁ」

澪「梓が来てから練習を一切しなくなったのと、律に似てきたのはいただけないけどなっ」

梓「あはは…いいじゃないですか。昆虫部で。楽しいんだから」

澪「良くないっ」ペシッ

梓「いてっ…あ、いいんですか?そんな事してー?」

澪「え?」

梓「せっかくいいもの見つけたのに見せてあげませんよー?」

澪(梓のいいものって間違いなく虫関係なんだろうなぁ…別に見たくないなぁ…)

澪「うん…別に」

梓「えっ…」ショボン

澪「わー!ごめんごめん、み、見たいなあー叩いてゴメンネ梓ー!」

梓「…しょ、しょうがないですねぇ、許してあげます♪」

澪「…で、結局いいものって何なんだ?」

梓「よくぞ聞いてくれました!今日は幸運な日です!!」

梓「見てください!この皿木っ!!」バッ

澪「ん…何の変哲もないただのs」

澪「」

梓「カミキリさんが入ってましたぁ!可愛いです♪」

梓「これも子供の頃に一度だけ発見して、それからずっと今まで探してきました」

梓「まさかここで出会えるなんて…私、軽音部に入ってよかったです!」

澪「まさかこんな軽音と関係ないことでそういわれるなんて」



律「おーい、いつまで皿木選んでるんだよ!もう他のみんなかごに入れちゃったぞ?」

梓「すいません…でも見てください!当たりです!」

律「おおぅ!そんなのあるんだぁ。すげー…」

梓「えーと、マット、霧吹き、シート…これで問題ないです。あ、ハエ取りテープ、いいですね」

梓「…せっかくだから、塗るゼリーとか栄養液とか試してみません?」

律「おお、いいなあ!さんせー!」

律「いやー買った買った!」

梓「ちょっと重いですね。こういうときに荷物持ちのムギ先輩がいないのは不便です」

律(不憫なムギ…)

澪「あれ、そういえば唯は?」

梓「…ここに」

唯「」

律「おー唯、すっかりダウンしてるなあ…唯?」

律「…し、死んでる」

梓「…」グッ

澪(あ、今梓ガッツポーズした)



唯「うぅ…ひどいよりっちゃーん…生きてるよぉ…」

律「あっははー!いやーわりーわりー!でも買い物もう終わったから出ようぜ」

梓「そうですね、次はどっか適当なところでご飯食べましょうか」

梓「…冷房がよく効いた場所で」

唯「」


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