─第4話─
憂「お姉ちゃん、この前のテストどうだった?」
唯「テストなんかないよ。 なかったよ」
憂「中間テストがなかったってことはないよね」
唯「そんなことわからないよ」
憂「お姉ちゃん」
唯「本当になかったんだよー!!」
「ウソだったら私、この家から出ていくよ!!」
唯「というワケで、家から出ていくかどうかの瀬戸際になっちゃった」
ドラ「なぜそんなことになっちゃったの?」
唯「だって私は ばか だから…」グスッ
ドラ「おぉよしよし」ナデナデ
唯「うぅ、分かってくれるのはドラちゃんだけだよ~」ウェ~ン
ドラ「ごめん、何も分からないよ」
ドラ「つまり憂ちゃんにテストを見せたくなくて
ウソをついたと」
唯「私が0点とった愚かな姉だと知るやいなや
きっと憂は侮蔑の眼差しを向けてくることは必至だよ~」
ドラ「危険があぶないね」
「というか0点とっちゃったの?」
唯「ハンパなことがキライだからね」
ドラ「終わりだね」
唯「追試があるから、それでいい点とって
それを中間テストだったって事にして
それを憂に見せようと思うんだ、それそれ」
ドラ「一つの文章に『それ』が多いなぁ」
「既に国語は絶望的だね」
唯「でも国語が0点でも、他の4教科で100点とれば
平均点90点はいくよ!!」
ドラ「数学も絶望的だね」
「しかも国語で0点とっちゃうくらい日本語不自由な子が
他の教科で100点とれるのかしら」
唯「いいから追試で100点満点とれる道具を出してください」
「お願いします」
ドラ「ぼく なんだかドラ焼きが食べたくなっちゃったなぁ」
唯「ところで 最近、私のパンツが3枚なくなったんだけど…」
ドラ「災難だね」
唯「そしてドラちゃんは最近、よくドラ焼きを食べていたよね」
ドラ「きっと臨時収入があったんじゃないかな」
唯「ムギちゃんに監視カメラを借りて部屋にセットしておいたんだけど
今から2人で見ようか」
ドラ「ぼく なんだか ただで唯ちゃんの手助けをしたくなってきちゃったなぁ」
唯「次はないからね」
ドラ「うん」
テケテテン
ドラ「アンキパン~」
「これを使えば どんな問題もスラスラ頭に入っていくんだよ」
唯「でも それってどう見ても注射器だよね」
ドラ「この時代では 覚せい剤というらしいね」
唯「未来のひみつ道具じゃないじゃん!!」
ドラ「ごめん……実はアンキパンはドラ焼きを買うために
売っちゃったんだ」
唯「売るなら覚せい剤を売ったらよかったのに」
ドラ「クスリを売るのは犯罪だよ」
唯「あっ、そっか。ごめんね変なこと言って」
ドラ「しょうがないなぁ唯ちゃんは」
唯「コンピューターペンシルってなかったっけ」
「勝手に問題を解いてくれる便利なエンピツが」
ドラ「あれは総理大臣に貸してるから今は手元にないね」
唯「えっ、総理大臣に?」
ドラ「日本が抱えている問題をスラスラと解き続けているってことさ」
唯「でもあんまり日本という国はよくない状態らしいよ?」
ドラ「コンピューターペンシルにも解けない問題はあるんだよ」
唯「そっかぁ」
ドラ「ようするにテストで0点とるより
憂ちゃんに怒られることが問題なんだよね」
唯「うん、この国の将来があぶないんじゃ
私の将来を憂いても仕方ないからね」
ドラ「よーし、それじゃ…」モゾモゾ
テケテテン
ドラ「ヘソリンスタンド~」
唯「なぁに それ?」
ドラ「このヘソリンガスをおヘソから注入すると
辛いことや痛みを感じなくなるんだ」
唯「それなら憂に叱られてもへっちゃらだね!!」
ドラ「トラックにはねられても幸福感に浸ることができるんだよ」
「体はボロボロになっていくんだけど」
唯「なんか結局、麻薬みたいだよ」
第4話 完
─第5話─
唯「明日、マラソン大会があります!!」
ドラ「がんばってね」
唯「そんなワケあるか!!」ウギー!!
ドラ「なにか怒らせるようなこと言ったかなぁ」
唯「42キロも走ってられないよ!!」
「死ぬぜ!?いいの!?」フンス -3
ドラ「落ち着いて、ほらアイスだよ」
唯「わぁい~、あまいの好き~♪」
ぺろぺろぺろぺろぺろぺろ
唯「あ~おいしかった!」
ドラ「よかったねぇ」
唯「ふんふ~ん♪」
ドラ「話をそらしておいてなんだけど
キミの将来が心配になってきたよ」
唯「ああっマラソン!!」
「アイスなんかでダマされるもんか!!」
ドラ「すごい忘れてたよね」
唯「ドラえも~ん;;」ビェ~ン
ドラ「わかったわかった」
「ようするに走っても疲れない道具とか出せばいいかな」
唯「私が苦痛を感じることなくマラソン大会を終えることができれば
なんでもいいよ~」
ドラ「ようし、それじゃ…」ゴソゴソ
テケテテン
ドラ「ヘソリンスタンド~」
「このヘソリンガスをおヘソから注入すると
辛いことや痛みを感じなくなるんだ」
唯「またか」
ドラ「そうはいうけどね、そんなに都合のいい道具はないんだよ」
唯「え~、なんか速く走れる道具とか いっぱいありそうだけど」
ドラ「例えばチーター並のスピードで走れるチーターローションがあるけど…」
唯「それそれ!!そういうの!!」
ドラ「実際、唯ちゃんがチーター並のスピードで走ってたら
みんなどう思う?」
唯「……唯ちゃん、がんばってるなぁって」
ドラ「思わないよ!!キミのまわりにはトンマしかいないの!?」
「チーターのトップスピードは時速100キロなんだから大騒ぎになっちゃうよ!!」
唯「それってボルトより速いの?」 ※タイムパトロールに捕まる
ドラ「すごく速いよ!!」
唯「そっかぁ」
唯「仕方ないや」
「そのヘソリンガスっていうのを使ってみるね」
ドラ「じゃあ、おヘソ出して」
唯「はい」メクリ…
プシュ
ドラ「…どう?気分は」
唯「ん~、わかんない」
ドラ「試しに唯ちゃんのお腹をパンチするよ」
唯「え~、おそろしい事を言うロボットだね」
ボスッ
唯「ぐぇあっ」
ドラ「…どう?気分は」
唯「ぅ……あれ?なんか気持ちE~!!」
ドラ「ボクも興奮してきたよ」
「女の子を殴るのがこんなに快感だったなんて」
ボカボカッ
憂「なんだろうこの音、お姉ちゃんの部屋からなんか聞こえる」
ガチャ
憂「お姉ちゃん、ドラちゃん、なにやってるの~?」
ドラ「フヒ~ヒヒヒヒwwww」ボカドスッ
唯「すっげえ痛いけど!!面白いから、イイィィッ!!!!」ヒッヒヒwwww
憂「わあああ!?何やってるの!?」
「ドラちゃん、お姉ちゃんを叩かないで!!」
ドラ「ハァハァ、か、カン違いしないでよね!?」
「これは唯ちゃんに頼まれたからやってるだけなんだからね!?」
憂「そんなツンデレ風に言われても…」
唯「う、うぃいいいぃぃwwww、憂も蹴ってええぇぇええwwww」
憂「狂ってるお姉ちゃんかわいいぃぃ!!」バギィィィッ
唯「あひぁ!?私の足がっwwwwww!?」
ドラ「すげぇえwwwwwwローキック一発で折ったwwww」
─マラソン大会当日─
澪「唯は?」
律「足が折れたから休むらしい」
第5話 完
─第6話─
※まねきねこダック調
梓「唯先輩と♪あずにゃんが♪」
「力を合わせて♪みんなの幸せを~♪」
唯「その結果、澪ちゃんのベースがバラバラになりました」
梓「ごめんねこダック」
澪「みんなの幸せは どこに消えたんだ」
梓「いや、ヒマだから澪先輩のベースで
ジグソーパズルしようぜって話になって……」
澪「その発想がまずおかしい」
唯「でもパズルって頭の体操になるんだよ!」
澪「狂った頭を体操させてもエンジン全開で暴走するだけだった」
─平沢邸─
唯「そういうワケで澪ちゃんがスチームみたいにカンカンなんだ」
梓「なんか ほとぼりを冷ます道具を出してください」
ドラ「キミたち、まったく反省してないよね」
梓「いいから出せよロボット」
ドラ「ショックガン」ズバ
梓「ギャア!!痛い!!痛い!!」ゴロゴロ
ドラ「きけんがあぶない」
梓「危ないのはお前だよ!?耳無し糞ダヌキ!!」
ドラ「ショックガ
唯「待って!!それ ショックガンじゃないヤツだよ!!」
ドラ「バラバラになったベースはどこにあるの?」
「タイムふろしきで簡単に直せるけど」
梓「燃やしたのち、念のため灰は海に捨てました」
ドラ「澪ちゃんのベースは吸血鬼かなにかなの?」
唯「バレないように証拠隠滅しようとしたんだよ」
梓「中途半端はキライですからね」フフン
ドラ「シャックガン」ズバ
梓「ギャア!!痛い!!熱い!!」ゴロゴロ
ドラ「顔が気に入らなかった」
唯「怖いロボットだなぁ」
ドラ「澪ちゃんはなんて言ってるの?」
梓「よく分からないけど弁償しろと言っているんですよ」
ドラ「ぼくはキミの思考回路の方がよく分からないよ」
唯「澪ちゃんのベースも お高いものだから
弁償したら こづかいなしの高校生活になっちゃうよ~」
ドラ「人として このクズ2人に弁償させるべきだと思うけど
それを待っていたら澪ちゃんは
いつまで経ってもベースが弾けなくて気の毒だなぁ」
テケテテン
ドラ「とりよせバッグ~」
唯「有名なヤツだね」
ドラ「え~っと、澪ちゃんのベースと同じヤツは…」ゴソゴソ
ニュウッ
ドラ「これかな?」ジャジャーン
唯「あっ、澪ちゃんが持ってたのとおんなじベースだ~!!」
梓「このベースってどういう仕組みで出てくるんですか?」
ドラ「どっかの楽器屋から盗んだのさ」
梓「泥棒だ!!どろぼうロボット!!」ワー
唯「上から読んでも下から読んでも
どろぼうろぼっとだね!!」
ドラ「下から読んだら『とっぼろうぼろど』だよ」ズババ
梓「ギャア!!痛い!!気持ちいい!!」ゴロゴロ
唯「あずにゃんが ついに何かに目覚めちゃった」
梓「でもコレ、右利き用ですよ」
ドラ「それがどうした」
唯「澪ちゃんは左利きなんだよ~」
ドラ「ふふ、あんぽんたんだなぁ」
「こうやってフエルミラーにうつせば…」カカッ
唯「あっ、左右あべこべのベースが鏡の中から出てきたよー!!」
梓「レフティ仕様ですね、たぶん」
ドラ「そして右利き用のギターは元の店に戻しておくってワケさ」
唯「なるほど~」
ドラ「謝ってよ」
梓「ん?」
ドラ「ぼくのこと、泥棒ロボット呼ばわりしたことを謝ってよ」
唯「めんどうくさいロボットだね」
梓「お前が『楽器屋から盗んだ』って言ったんだろ この機械が」
ドラ「俺達は機械じゃねぇ!!」
「100度の熱湯~」バシャッ
梓「ギャア!!熱い!!それ 未来の道具じゃないし!!」ジタバタゴロゴロ
唯「でもあずにゃん 気持ちよかったんでしょ?」
梓「はい」
唯「とりあえず澪ちゃんにベースは返したので一件落着です」
「あずにゃんは今回の件で何かに目覚めたようです」
「私も実は 悶えるあずにゃんを見て何かに目覚めそうになりました」
「みんなが幸せです」
「よかった~」
第6話 完
最終更新:2011年05月02日 11:50