――

DIO「……」

プッチ「どうした、DIO。今日はえらく機嫌が悪いみたいだが」

DIO「関係ない」

プッチ「……そうか」

DIO「……プッチ」

プッチ「なんだい?」

DIO「金を工面して欲しいんだが……頼めるかな?」

プッチ「……使い道は、聞かない方がいいだろうな」

DIO「すまない」


――

唯「……りっちゃん。来てないね」

紬「…………やっぱり、昨日の事が・……」

DIO「オイ」

唯「あ、DIOちゃん!……りっちゃんは今日は来てないよ?」

DIO「聞かなくても見れば分かる」

紬「あの、DIOちゃん」

DIO「さわ子に言っておけ。『今日はこのDIOも休む』と」

唯「……うん」

DIO「邪魔したな」

……

唯「……どうしよう、このまま、バラバラになっちゃうのかな?」

紬「なんとか……なればいいけど」

紬(DIOちゃんのあの荷物……何だったのかしら?)


――

律「……」

律「……もう、夜か」

律「はは、学校、サボっちゃった……」

律「こんな顔で学校行けないもんな……はは……は……」

コンコン

律「……窓?」

ドンドン!!

律「まさか、な」

バキィ!!

律「!?」

DIO「……壊れてしまったか」

律「……でぃお?」

DIO「寝ていたのか……風邪か?」

律「……」

DIO「……おい、リツ」

律「……」

DIO「何故そっぽを向く。話しているのはこのDIOだ。壁じゃあないぞ」

律「……」

DIO「話したくない、か。ならば俺はこれを置いて帰らせてもらう」

律「……それ、なに?」

DIO「知りたければ自分で起きてここまで見に来い」

律「……やだ」

DIO「いやだと?我儘を言うな」

律「ふんだ、DIOのプレゼントなんてどうせ死体か何かだろ!」

DIO「……ドラムセットだ」

律「へ?」

DIO「聞こえなかったか。ドラムセットを買ってきたと言ったのだ」

律「な、なんで?」

DIO「……欲しいんじゃなかったのか?」

律「あ、あたしがいつドラムセットが欲しいって言ったよ?」

DIO「違ったのか?合宿の晩に新品のドラムセットを使った後、俺にすり寄ってきただろう。
    てっきり『買え』と言っているのかと思ったが……」

律「そんな高い物買えなんていうかよ!!」

DIO「五月蠅い、昔から貴様は何か欲しい物があると事あるごとにこのDIOにすり寄ってきただろうが!」

律「そ、それはそうだけど……」

DIO「しかし……このDIOの早とちりか」

律「じゃあ、なんでこの前怒鳴ったんだよ」

DIO「貴様の事だ。どうせ『ドラムセットを買ってやる』なんて言えば百万位するのを買わせようとするからな」

律「はぁ!?そ、そんなことで怒鳴ったのか?」

DIO「そんな事?死活問題だろうが」

律「……よかった、じゃあ、嫌われたわけじゃなかったんだな」

DIO「貴様は俺の犬だろう?飼い犬を嫌う主人が居るか」

律「…………ヘヘ、そうだよな!」

DIO「やっと、いつもの貴様に戻ったな」

律「そうか?」

DIO「なんだリツ、酷い顔をしているじゃあないか」

律「なんだとぉ~、この絶世の美女を捕まえておいて酷い顔だと!?」

DIO「何が絶世の美女だ。泣きじゃくった跡が丸見えではないか」

律「これは……へへ、ちょっと色々あってな」

DIO「元気しかとりえが無いようなリツでも泣く事があるのか」

律「あたしも人間だからな。そりゃ泣くさ」

DIO「それを見せたくないから今日は休んだのか。まったく馬鹿馬鹿しいな」

律「だってさ、元気しかとりえの無いあたしが泣いてたなんて分かったらみんな驚くだろ?」

DIO「フン、もういい。俺は帰るぞ」

律「おお!また明日な!!」

DIO「………………リツ」

律「ん?」

DIO「貴様は笑っていろ。それが一番だ」

律「……ああ!」

律「へへへ~、DIOが買ってくれたドラムセットぉ~」

律「ちょっと練習してみよっと」

律「新品だぁ~~、へへへへ」

――

DIO「で、風邪をひいたと?」

律{はい……}

DIO「貴様はアホか!!」

律{なんだよぉ~!窓壊してったDIOが悪いんだろ!!}

DIO「知らん!!夜中は寝るのが当り前だろうが!!どうするつもりだ!学園祭に間に合わなかったら!!」

律{うう……ごめんなしゃい……}

DIO「まったく、とんだ駄犬だな貴様は」

紬「仲直り、したみたいね。あの二人」

梓「でも、風邪って……大丈夫なんですか!?」

                                                      to be continued→




唯「……りっちゃん、よくならないね」

梓「もう本番前日ですよ……大丈夫なんでしょうか?」

紬「今は信じるしかできないからね……」

DIO「クソッ!!ドラムが居なければ成り立たんじゃあないか!!」

さわ子「……さすがにドラムは代役を立てるって事が出来ないからね」

――

律「熱、下がってきたけど」

律「うん!今日は何だか風邪気味だしもうこのまま休んじゃおーっと!!」

――

唯「もしかして、もっと別の病気なんじゃ……」

DIO「あり得るな。ナントカは風邪をひかないと言うし」

梓「いや、そういう意味のことわざじゃないと思うけど……」

――

律「……大統領どうやって倒すんだよこれ」

律「それにこの能力って……あいつだよな?」


――

唯「とりあえずお見舞い行って見ようよ!」

DIO「それは駄目だ」

唯「え?」

DIO「仮に見舞いに行ったとして貴様ら貧弱なモンキーどもが同じ病気にかかったらどうする?」

唯「あ、そっか」

紬「じゃあ、どうすれば……」

――

律「……おお、そう言えばSQM今日発売だったか?」

律「岸辺露伴の読み切りが乗ってるし、買いに行くか……動くのめんどくさいけど」

――

DIO「……」

律「……」

DIO「な・に・を・やってるんだ貴様はッ!!!!」

律「痛たたたたたたたた!!!やめろDIO!!変わる!顔の形が変わる!!」

唯{ええー!ズル休みー!?}

DIO「ああ。今朝には完治していたが、動くのが億劫だったらしい」

唯{そうなんだー。でもよかった、別に酷い病気とかじゃないんだね?}

DIO「やはりただの風邪だったようだ」

唯{うん、わかった!じゃありっちゃんによろしく言っといて!}

DIO「……わかった。『よろしく』言っておくよ」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

律「な、なぁDIO」

DIO「最後に何か言っておきたい事はあるか?」

律「ごめんなさい」

DIO「そうか、じゃあ」

律「……あれ?……殴らないのか?」

DIO「……病み上がりというのは嘘じゃあないだろうからな。さっさと帰れ。処刑は学園祭の後だ」

律「……」

DIO「何を呆けている。帰るぞ」

律「……」

DIO「……」

律「なぁ、DIO!」

DIO「なんだ」

律「疲れたからおんぶしてくれ!」

DIO「……なんでこのDIOが」

律「えぇー!?いいじゃんか!おんぶおんぶー!!」

DIO「ええい、クソ!街中で騒ぐな、うっおとしい!!……乗れ」

律「おー、やっぱお前背ェ高いよなァー」

DIO「貴様が小さいだけだろう」

律「女は小さいくらいがちょうどいいんだよ。DIOだって190もある梓に絡まれたらいやだろ?」

DIO「……それは嫌だな」

律「だろ、だろ?女は小さい方がちょうどいい!分かるな?」

DIO「……知らん」

律「昔は良くお前におんぶしてもらってたんだよなー」

DIO「いつの話をしている」

律「んーとな。……小学校くらいか?あたしが迷子になるとさ、決まってDIOが迎えに来てくれて」

DIO「貴様が己を弁えずにどこまでも歩いて言って、挙句ピーピー五月蠅いからだろうが」

律「……昔もそうやって憎まれ口叩きながら運んでくれてたんだよな」

DIO「貴様が全く進歩が無いと言う事だ」

律「DIOも昔から全然変わって無い」

DIO「フン、永久を生きる存在であるこのDIOがそこ10年で変わってたまるか」

律「……なぁ、DIO」

DIO「なんだ」

律「これからもずっと一緒な」

DIO「……」

律「べ、別に深い意味は無いぞ!?その、ちゃんとあたしが呼んだらこうやって背負いに来てくれって事で……」

DIO「フン、断る」

律「……そっか」

DIO「貴様をおぶるのなんてもうこれでこりごりだ。さっさと犬らしく自分で主人の元に走ってこれるようになれ」

律「だから犬じゃないって……まぁいっか」

DIO「……」

律「じゃあ、このDIOの背中のあったかさも今日で感じ納めかぁ~」

DIO「……貴様は少し静かにしてはいられんのか」

律「はいはーい。じゃああたしは寝るから、家についたら起こしてくれよな……」

DIO「……フン」


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