律「夏と言えば!」
梓「夏と……言えば?」
紬「夏と言えば!」
DIO「もうそんな時期か」
唯「合宿だーー!!」
――
律「という事で、今年も合宿をすることになりました。はい拍手!」
紬「ぱちぱち~」
唯「合宿だよあずにゃん!」
梓「合宿って……どこでするんですか?」
紬「今年も私の別荘です!」
梓(別荘!?)
唯「あずにゃん、合宿はいいよー、合宿は!なんてったってね~……えーと」
梓「言い淀むって事は……いい事ないんじゃ」
唯「DIOちゃんの腹筋が触れる!!」
唯「痛い……」
律「痛いよなー?アイツのアイアンクロー」
梓「つまり、強化合宿って事ですよね」
DIO「そうだ。と言ってもこいつらは昼間は遊んでばかりだがな」
梓「へ!?なんで……」
紬「DIOちゃんね、太陽の光アレルギーなのよ。太陽の光に当たると煙になっちゃうんだって」
梓「煙!?」
DIO「という事だ。昼間は俺が動けないから遊ぶしかないのだよ」
梓「でも、でも、お昼に練習してもいいんじゃないですかね?」
DIO「それは貴様らで話し合え。このDIOは知らん」
唯「まあまあ!夜は練習するんだし!」
紬「二日に一度だけどね」
梓「ふつかにいちど……」
律「よし、ムギ!しおり作るぞ、旅のしおり!修学旅行っぽくさ!」
紬「いいわね~」
――
唯「でぃーおーちゃーん!迎えにきったよー!!」
梓「……大きい」
唯「ほら、あずにゃんもDIOちゃんよぼ!!」
梓「あ、はい。でぃ」
唯「プッチさぁぁぁぁん!!!!」
梓(誰ー!?)
――
プッチ「そうか、もうそんな時期か」
唯「あれ。DIOちゃんから聞いてませんか?」
プッチ「いや、最近なにか嬉しそうにしていたから、何かあるのだろうとは思っていたが」
梓(蜜柑のスジみたいな髪型だなぁー……)
プッチ「夜までここに居るんだろう?何も無いところだがくつろいでいってくれ平沢唯くんと、えーと……君は?」
梓「み、みかん!?」
プッチ「蜜柑?蜜柑がどうかしたかい?」
梓「い、いえ」
プッチ「そう言えば君と会うのは初めてだったね。DIOから話は聞いているよ。えっと、確か…………中野」
唯「あずにゃんです!!」
プッチ「中野あずにゃん君、か」
梓「梓です」
プッチ「そうそう、小腹は空いていないかい?今から昼食にしようと思っていてね。良ければ君達の分も作るが……」
唯「ほんとですか!やったねあずにゃん!!」
梓「へ?」
唯「プッチさんの料理はおいしーんだよ!ほっぺた落ちちゃうよ!!」
梓「そうなんですか」
プッチ「あずにゃん君は甘いものが好きと聞いている。ついでに何か甘い物がないか探してこよう」
梓「梓です」
唯「よかったね、あずにゃん!」
梓「あずさです!!」
――
DIO「……今年はユイとアズサか」
唯「うん!あずにゃんも一緒だよ!!」
梓「……」
DIO「どうしたアズサよ。乗り気でないのなら来なければ良かっただろう」
梓「……DIO先輩!」
DIO「なんだ」
梓「私の名前は梓です……梓なんです!」
DIO「何を当たり前のことを言っている。それと抱きつくな、暑苦しい」
唯「変なあずにゃんだね」
プッチ「そろそろ日没だ。唯くんもあずにゃんくんも出発の用意をしてくれ」
唯「はーい!」
DIO「だ、そうだ。このDIOもやらねばならん事が残っている、さっさと離れろアズサ」
梓「……」
DIO「だから抱きつくなと言っているだろうがッ!!」
――
DIO「こいつらは、まったく学習というモノをしないらしいな」
唯「……」 すやすや
律「……」 すやすや
紬「……」 すやすや
梓「……」 すやすや
DIO「……次の駅、か」
――
唯「……アイス大盛りっ!!……あれ?」
DIO「何を騒いでいる」
唯「あれ、DIOちゃん。私のアイスは?」
DIO「寝ぼけるな。貴様は今の今まで寝ていたというのにどうすればアイスクリームが手に入るというのだ?」
唯「あー……私寝てたのかぁ!おはよう、DIOちゃん!」
DIO「もう夜中だ」
唯「へ?ああ!こんばんは!!」
DIO「貴様はやはり頭のネジが抜けているらしいな」
唯「……あれ?私背が高くなってる!DIOちゃんよりも高いよ!!」
DIO「周りをよく見てみろ」
唯「へ?…………これは!」
唯「右肩右側、平沢唯!!」
律「はっ!左肩左側、田井中律!!」
紬「……うーん。右肩左側、琴吹紬!」
梓「……」
律「ほら、梓!起きろ梓!」
梓「……ふぇ?」
紬「左肩右側ですよ」
梓「えっと、左肩右側……中野梓」
DIO「中央、秋山DIO」
律「完成!軽音部名物、横トーテムポール!どどーん!!」
紬「ぱちぱち~」
唯「綺麗に決まったね!!」
律「あー、また寝ちゃってたのか」
梓(四人を担いで歩くって……)
唯「ムギちゃん、あとどれくらいで着くの?」
紬「えーと、あと少しね」
DIO「起きたんなら降りろッ!!」
――
DIO「結局、別荘に着くまでこのDIOに担がせやがって……この貸しは重く付くぞ」
律「はいはい!じゃあ、もう夜も遅いし朝まで寝るか」
唯「そだね!おやすみぃ~」
梓「ね、寝ちゃうんですか?」
紬「朝までは外は街灯一つないし、遊べないじゃない?」
梓「だったら練習すれば……」
唯「遊べないなら仕方ないもんね!」
梓「練習……」
律「そーそー!仕方ない仕方ない!おやすみ~」
――
律「WWWWWWWWWMMMMMMMMMYYYYYYYYYYYYYYYY!!!!」
唯「WWWWWMMMMMMMMMMYYYYYYYYYY!!!」
紬「うぅ~~~みぃ~~~~!!」
梓「な、何を……」
律「ほら、梓も!WWWWWWWWWMMMMMMMMMMMMMMMMYYYYY!!!」
梓「う、うみぃ~?」
律「よし!海入るぞ!!」
梓「なんだったんですか今の!!」
紬「DIOちゃんの真似合戦よ」
唯「そんなことよりほらほら!あずにゃんも泳ごうよ!!」
梓「わわわ!!」
紬「あらあら、元気ねぇ~」
律「お、それは!!」
紬「うん!今年も持ってきたの」
律「……ちょっと貸して」
唯「昆布星人だぞ~~~」
梓「食べられません!生の昆布なんて食べられません!!」
律「そぉい!」 パシャ
唯「ふぇ?」
梓「へ?」
律「油断したな唯、梓!保存、と」
唯「あー!また、また撮られたぁ~~~……」
紬「今年もDIOちゃん喜んでくれるといいわね」
梓「消して下さい!お願いだから消して下さいぃ~~……」
律「なっはっはー、人生とは思い通りに行かないものなのだよ。さ、ムギも泳ごうぜ!」
紬「うん!!」
DIO「もう、夕方か」
DIO「足音……今年はこちらから驚かせてやるか」
ドンドン
唯「秋山さーん!宅配便でーす!!!」
律「アイヤー!ワタシ東洋の薬売りネー!お薬持て来たヨー!!」
紬「コトブキ財団です!!頼まれていた伝書バト連れてきましたー!」
梓「起きてますかー、DIO先輩ー」
唯「ほら、あずにゃんも!!」
梓「……中野鯛焼き店でーす」
唯「DIOちゃん入る」
唯「よ~!……居ない?」
律「ホントだ」
紬「何処行ったんだろう?」
梓「案外私たちの後ろにいたりして」
DIO「いや、部屋の中に隠れているのかも知れんな」
唯「あー、DIOちゃん頭いいね~」
律「よっしゃ!部屋の中を探して……ってDIO!?」
紬「い、い、い、いつの間に後ろに!?」
梓「時を止めたんですか」
DIO「さぁ、どうだろうな。それよりも、もう日が沈む。これからはDIOの時間だ」
律「心臓に悪いだろうが!!」
紬「じゃあ、ご飯にしましょうか」
唯「今年はびーびーきゅーだよ!DIOちゃん、びーびーきゅー!!」
DIO「それは楽しみだ。さっさと用意するか」
梓「じゃあ、私コンロ用意してきますね」
律(……皆強くなったな)
DIO「なにをしているのだリツ。行くぞ」
律「あ、おお!」
DIO「肉が無いではないか。焼け」
梓「DIO先輩お肉ばっかり食べすぎですよ!もうちょっと野菜を食べるべきです!」
DIO「関係ない、焼け」
唯「ほら、DIOちゃん。ニンジンだよぉ~」
DIO[誰がそんな土臭い野菜なぞ食べるか」
紬「体壊すわよ~、はい、ピーマン!」
DIO「KUAAAA!!食わんと言っているだろうがッ!!」
律「……」
DIO「……おいリツ」
律「……なんだよ」
DIO「貴様は何故さっきから無言で俺に玉ねぎを突き付けているのだ」
律「……別に」
DIO「ええい、このDIOは食事くらい一人で出来る!!お前ら全員離れろ!!!」
唯「はーい」
律「……」
――――
律「第一回、軽音楽部肝試し大会~……」
唯「真っ暗だね」
DIO「フン、くだらんな」
梓「……」
DIO「離れろ、アズサ」
紬「じゃあ、チーム分けしましょうか!」
――
DIO「やれやれ、こんな所まで来て貴様と組むのか」
律「なんだ?あたしじゃ不服かぁ~?」
DIO「フン」
律「……なぁ、DIO」
DIO「なんだ」
律「最近DIOいろんな奴と仲良くなったよな」
DIO「知らん」
律「……そっか」
ガサガサ
律「……なぁDIO、今、向こうの方から音しなかったか?」
DIO「音だけではない。何かが『近付いて』来ている」
律「何か、って……ここ、ムギんちの所有地だろ?一体なにが……」
ガサガサ
DIO「下がれ、リツ!!」
『 世 界 』 ! !
ドォ―――――――――――z___________ ン
『 時 は 止 ま っ た 』
―― 一秒経過
DIO「何者かは知らん、が……それは確認すれば済むだけの事」
―― 二秒経過
DIO「WWWWRRRRRYYYYYYYYYYYYYYYYY!!!MUUN?貴様は……」
―― 三秒経過
DIO「さわ子……どうして貴様がここに」
『 そ し て 時 は 動 き だ す 』
さわ子「ここどこ~……皆ぁ~……」
DIO「おい、さわ子」
さわ子「ああ、DIOちゃんの幻が……私はここで死ぬのかしら……」
DIO「こいつ、疲弊しているらしいな。仕方ない。担いで帰るか」
さわ子「ああ、体が浮いて……パトラッシュが迎えに……」
――
律「でぃ、DIO……どこ行ったんだよぉ~……」
ガサガサ
律「ひぃ!!でぃ、DIOか!?」
ガサガサ
律「お、驚かすなよ!DIOなんだろ!?……なんだよな……?」
ガサガサ
律「あ……ああ……」
バタン!
DIO「MU?おい、リツ。貴様、こんな所で寝ていると風邪をひくぞ」
DIO「返事が無い……コイツも気絶しているのか」
DIO「ええい、世話の焼ける奴だ!!」
――
最終更新:2011年05月02日 11:45