梓(部に来て三日……私がした事は、お茶を飲むことだけでした)

梓「あの……」

唯「なにー?」

梓「練習、しないんですか?」

唯「するする、お茶が終わったらね!」

わいわい
              がやがや

ダン!!

梓「練習しましょう!!」

律「で、でもまだお茶が」

梓「三日間ずっとお茶飲んでばっかりじゃないですか!音楽室を占領しているのに練習しないのはいけないと思います!!
  ティーセットは即刻、持って帰って下さい!!」

さわ子「持ってかないで~~~……」

梓「どうしてそこで先生が悲しむんですか!!」

梓「とにかく、練習しましょう!」

「「「はーい……」」」

DIO「何をカリカリしているんだ、アズサよ」

梓「DIO先輩もDIO先輩です!そろそろ服を着てください!!」

DIO「ほう、このDIOに指図するか」

梓「指図じゃありません、提案です」

DIO「ならばその提案、蹴らせてもらう」

梓「……じー」

DIO「何を見ている」

梓「別に」

DIO「ならば見るな」

梓「……練習」

DIO「フン」

梓「……」

DIO「ええい!恨みがましい目でこちらを見るな!!」

――

梓「よし、今日からはきちんと練習……」

がちゃ

唯「ぐでー」

梓(してないッ!?)

唯「うわぉ、梓ちゃん!い、今から練習するよ!練習するんだよ!!」

梓「……」

DIO「おい」

梓「なんですか?」

DIO「来い」

梓「……えっと」

DIO「『えっと』じゃない。ここに『来い』と言っているんだ」

梓「は、はい」

DIO「食え」

梓「へ?」

DIO「このケーキを『食え』と言っているんだ。貴様は耳が悪いのか?」

梓「えっと……その」

DIO「それとも何か。このDIOの差し出したケーキは食えないとでも?」

梓(これって関節キスじゃないかな?)

DIO「ほら、食え」

梓「……いただきます」

ぱく

梓「……」 キラキラ

DIO「美味いだろう」

梓「……はい」 キラキラ

唯(可愛い……)

DIO「ほれ、もう一切れやろう」

梓「いただきます」 モグモグ

律「で、どうしてDIOが梓ちゃんにケーキ食わせてるんだ?」

DIO「餌付けと言って欲しいな」

梓「餌付けじゃないれふ」 モグモグ

紬「仲良しさんね~」

DIO「ほら、紅茶だ。飲め」

梓「いただきまふ」

――

唯「梓ちゃん、DIOちゃんにべったりだね」

律「いがみ合ってるけど、波長が合うんじゃないのか?」

紬「まるで猫みたいね」

唯「ねこ、ねこあずさちゃん……あずにゃん!!」

律「あずにゃんか」

紬「あずにゃんね」

梓(……おいしい)

さわ子「さぁ、皆今日は練習を……って食べてる!!」

DIO「……食え」

梓「……はい」 モグモグ

――

DIO「フン、昨日は勢いに負けて練習してしまったが。今日はこのDIOの勝ちだったようだな」

梓(部活中ずっとケーキ食べてるだけだった……)

唯「あずにゃん可愛かったなー」

梓(あずにゃん!?)

DIO「いいか、アズサよ。貴様だって欲に勝つ事は出来ないんだ。
   貴様で無理なのだ。リツやユイではまず無理だ。ガス抜きぐらい許してやれ」

梓「はぁ……」

DIO「それに、なんだかんだ言いながらもこいつらは練習をする。それは知っておけ」

梓(知っておけ……って言われても、信じられないよなぁ……)

梓(……どうして私軽音楽部に入ろうとしたんだろう?)

梓(上を目指すなら一般バンドでもいいんじゃないかな)

律「……梓が来なくなって、もう一週間か」

紬「どうしたんだろう……もしかして、このままやめちゃうのかな?」

唯「そ、それは嫌!!あずにゃんは軽音部員だよ!!」

DIO「言うだけならだれでも出来る。ようはそれをどう実行できるかだ」

唯「うう……どうしようか?」

DIO「フン、それは貴様の専門分野だろう」

唯「へ?」

――

梓(さっきから、どのバンドもウチの部よりも上手……)

梓(でも、どうしてかな?)

梓(どれを見ても……ウチのバンドみたいに感動しない)

DIO「奇妙だろう?」

梓「へ?」

DIO「どれもこれもヘタクソだが、アマチュアとしてはいいレベル。しかし、もっとヘタクソな軽音楽部の演奏の方が心に残る。
    …………違うか?」

梓「……」

梓「……どうしてなんでしょうか?」

DIO「知らん」

梓「……即答ですか」

DIO「違う。そんな質問でこのDIOの手を煩わせるなと言っているんだ。
   答えくらい貴様が探して見せろ」

梓「……私が、ですか」

DIO「このDIOは手を出さん」

梓「……頼りないですね」

DIO「フン、勝手に言ってろ。このDIOはもう帰るぞ。こんな騒々しいところは吐気がする」

梓「……私も、帰ります」

DIO「……」

梓「一緒に帰りませんか?」

DIO「……歩幅を合わせるつもりはない」

梓「……がんばります」

DIO「ならば急ぐぞ。もたもたしていては夜が明けてしまう」

梓「はい」

ガチャ

梓「……こんにちわ」

唯「」
律「」
紬「」

梓(うう、視線が痛い…………やっぱり、無断で休んじゃったのは)

唯「あずにゃあぁあぁぁぁああああん!!!」

梓「むぐ!?」

唯「ごめんねぇぇぇえ!ちゃんと練習するから、もういなくならないでぇぇぇぇー……」

梓「……唯先輩」

紬「お茶の道具、とりあえずDIOちゃんの以外は持って帰るから。これで許してくれない?」

梓「……ムギ先輩」

律「……まぁ、その。なんだ……だらけてたあたしたちも悪かった」

梓「……律先輩」

DIO「……こんな気の利く言葉の一つも言えないような奴らだが、どうする。また別のバンドを目指してみるか?」

梓「……いいえ、私は軽音部ですから!!」

というわけで

唯「なんとか仲直りしましたとさ!」

                         to be continued→



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