――

律「ほいじゃ、お邪魔しましたー」

紬「勉強、がんばってね」

唯「うん!じゃーね!!」

……

唯「全然分からない……せっかくムギちゃんが教えてくれたのに……」

唯「DIOちゃんが文芸部に行っちゃう、軽音部が無くなっちゃう……」

唯「うう……いやだよぅ…………そんなのいやだよ……」

コンコン

唯「へ?うい?」

コンコン

唯「ドアじゃない……まど?……なんで、窓から音が」

唯「はーい!」

DIO「……」

唯「」

唯「でぃ、でぃでぃでぃDIOちゃん!!な、なんで窓から!?」

DIO「黙れ」

唯「!!」

DIO「入るぞ」

唯「ど、どどどどうぞ」

DIO「……狭いな」

唯「DIOちゃん、どうして?」

DIO「玄関にドアノッカーが付いていなかったのでな。気は乗らなかったが部屋に直接来たのだ」

唯「どあのっかー?」

DIO「知らないのか?ドアノッカーだ」

唯「チャイム鳴らしてくれればよかったのに」

DIO「なんだチャイムとは」

唯「えっ」
唯「私、生まれてからどあのっかーなんて見たこと無いよ?」

DIO「何?」

唯「で、でもDIOちゃん。どうしてここに?」

DIO「……するんだろう?勉強」

唯「へ?」

DIO「せっかくこのDIOが教えに来てやったと言うのに、なんだそのマヌケ面は」

唯「だ、だってDIOちゃん。『慣れ合うならモンキーどもで』とかなんとか」

DIO「貴様等が悪い」

唯「え?」

DIO「いかに温厚な俺だろうとあそこまでコケにされて怒らいでか」

唯「……DIOちゃん、怒ってたの?」

DIO「……馬鹿にしているのか。ユイよ」

唯「わ、私達、何かした?ご、ごめんね!謝るから!!悪かったなら謝るから……その、許して……くれる?」

DIO「次は無いと思え」

唯「う、うん!」

DIO「さて、始めるぞ」

唯「……あの、DIOちゃん」

DIO「なんだ」

唯「その、一つ聞きたいんだけどいいかな?」

DIO「さっさと言え。『タイムウェイトフォーノーワン』だ」

唯「たいむうぇ?」

DIO「さっさと話せ」

唯「えっと……なんで怒ってたの?」

DIO「……」

唯「……」

DIO「貴様、本当に覚えがないのか」

唯「……うん」

DIO「……これだ」

唯「これって、きぐるみ?」

DIO「これを見ても思い出さんか?」

唯「えっと……」

DIO「……」

唯「……」

DIO「KUUUUUUAAAAAAAAAA、このDIOを!コケに!!しているのかッ!!!!」

唯「ご、ごめん!!ごめんなさい!!!本当に分からないの!!」

DIO「貴様は!!」

唯「へ?」

DIO「貴様等はこのDIOに!!あの炎天下を!!歩かせていたのだぞ!!!!
   貴様はあの炎天下、きぐるみを着て歩いたことがあるのか!?ええ、あるのかと聞いているのだヒラサワユイ!!!!」

唯「え、えっと、その」

ガチャ

憂「お姉ちゃん?何騒いでるのー?」

唯「」
DIO「」
憂「」


憂「お、お姉ちゃんの友達、ですかぁ……」

唯「うん!DIOちゃんっていうの!ね!DIOちゃん!!」

DIO「……秋山 DIOだ」

憂「さっきの人たちとは違って、その、なんていうか……たくましい人、だね」

DIO「フン」

憂「ひぃ!?」

唯「う、憂驚きすぎだよ!DIOちゃんは優しい子なんだよ?」

憂「で、でも……」

DIO「無用だ、ユイ。……それよりも、勉強をするのだろう?」

唯「あ、そうだった」

DIO「というわけだ。ユイの妹よ。出ていってもらえるか?」

憂「そ、その……」

唯「心配しなくても大丈夫だから!!ね、DIOちゃん」

DIO「フン」

憂「うぅ……」

唯「ほ、ほら!勉強の邪魔だから!ね?」

憂「で、でも……その、お姉ちゃんに何かあったら……」

唯「憂!DIOちゃんに失礼でしょ!!」

憂「!!」

DIO「叫ぶな、ユイ。夜間に近所迷惑だろうが」

唯「へ、あ、うう」

DIO「妹……ウイと言ったか」

憂「は、はい」

DIO「信用できんならこの部屋にいて見張りでもしたらどうだ?」

憂「そ、それは……」

DIO「何、このDIOは一向に構わん。しかし覚悟しておけよ?」

憂「へ?」

DIO「俺はジョージのように優しく教えるつもりはないからな。貴様の姉は泣くかも知れないからな」

憂「な、ななななななななな!?」

唯(じょーじ?外国人さんかな?)

DIO「また同じ所を間違えたな」

唯「うう、なんでかなぁ?」

DIO「七度だ。七度も同じ所を間違えている!!アホか貴様は!!」

唯「うう……」

DIO「ウイを見ろ。全問正解だぞ!!」

唯「だ、だって憂のは……中学校のだし……それなら私でも!!」

DIO「よくみろ、ユイ。このDIO直々に教示し、同じ問題を解かせているのだ」

唯「え!?嘘!!わ、ホントだ!!!!」

憂「えっと、その……」

唯「う……憂のバカぁーー!!」

DIO「バカは貴様だこのヌケサクが」

唯「へ?じゃ、じゃあ……憂の天才ぃー!どっかいけー!!」

DIO「それだと根本的に違うだろう。いいか、もう一度説明してやる。心して聞け」

唯「はーい……」

憂(なんだかんだで、本当に友達見たい……よかった)

DIO「最後の問題だ。8x^3-12x^2+6x-1を因数分解すると?」

唯「えっと…………」

憂(がんばって、お姉ちゃん!)

DIO「……」

唯「2x-1の三乗!!」

DIO「……」

唯「……どう、DIOちゃん?」

DIO「やればできるではないか」

唯「やった……憂!やったよぉおお!!私、全問正解できたよぉ~~~!!!!」

憂「やってね、お姉ちゃん!!」

DIO「なんだ、女同士で抱き合うのは流行りなのか?」

唯「ありがとね!DIOちゃん!!私、私!!」

DIO「勘違いするな」

唯「へ?」

DIO「俺は『軽音部』のケジメとして教えてやったまでだ。『文芸部』に入るためには『軽音部』と決別しなければならないからな」

唯「よく分からないけどありがとう!!」

DIO「……フン、言ってろ。俺はもう帰るぞ。今日の日の出は4時53分。その前までに学校に行かなければならないからな」

ガラッ

DIO「じゃあな、夜分遅くに邪魔をした」

憂(窓からッ!?)

唯「DIOちゃん!!」

DIO「……」

唯「約束して!私が合格したら、もう文芸部に行こうとしないって!!」

DIO「MU?」

唯「ずっとりっちゃんと、ムギちゃんと、私と、DIOちゃんで軽音部!」

DIO「…………『とらぬ狸の皮算用』とはよく言った物だな。まぁいい。出来るものならやってみろ」

唯「約束だからね!!」


憂(窓から飛んでったけど……大丈夫なのかな?)

唯「さ、憂!勉強するから出てった出てった!」

憂「うん。お姉ちゃん!」


――

律「今日、だよな。追試の結果発表……」

紬「うん……唯ちゃん、大丈夫かしら?」

DIO「……」

律「おい、DIO!荷物を片付けるな!」

ガラッ

唯「」

律「……その顔、もしかして」

唯「とっちゃった」

唯「百点とっちゃった!!!!」

律「な、ななななななにィーーー!?」

紬「ほ、本当!?唯ちゃん!!」

唯「夢じゃないよね?夢じゃないよね!?とった!百点取ったよ!!!うおおおおおお、とったどーーーー!!!」

DIO「……」

唯「DIOちゃん!」

DIO「……」

唯「約束、私は守ったよ」

DIO「……余計な事を」

唯「守ってね、約束!」

DIO「文芸部に行けなくなってしまったではないか」

唯「絶対、絶対、ぜぇーーーったい!守らなきゃダメだよ!?」

DIO「一度言われれば分かる。一度でいい事を二度言うなんてのは『無駄』だ。
   安心しろ。このDIO、100年前から約束をたがえた事は一度もない」

唯「ふふん!絶対だよ!!」

DIO「分かったと言っているだろうが。三度も言うな。無駄は嫌いだと言ったろう……まったく」

律「何はともかく!」

唯「軽音部!」

紬「存続ですね!」

                        to be continued→



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