――

律「さぁ、待ちに待った唯の楽器購入日!!」

唯「うう、でも高いよぅ……」

DIO「値切ればいいではないか。行け」

唯「値切ってって……いいのかな?」

DIO「関係ない。行け」

紬「じゃあ、じゃあ私が行ってもいいですか?」

唯「ムギちゃん?」

紬「私、一度でいいから値切ってみたかったの!」

DIO「ならば、ツムギは俺とともに値切る。リツとユイはそのギターが変われないように見張る。これでいいな?」

紬「はい!

唯「らじゃ!」

律「おう!」

店員「なにを おさがしかね  ▽」

紬「あのー」

店員(なんだよこのガキ……!?)

ドドドドドドドドドドドドドドドドドドドドド・・・・・・

DIO「……」

店員(なんだ後ろの奴……なんか、ヤバイ気がする……)

紬「値切ってもいいですかー?」

店員「い、いや、それは」

DIO「……断るのか?」

店員「い、いえいえ、滅相も……ってもしかして」

店員(このガキ、いや、ご令嬢は……)

店員「社長の娘ェーーーーー!!!」

紬「はい?」

紬「ただいま~」

DIO「値切ってきたぞ」

律「おお、どうだった?」

紬「なんと定価の90%オフで売ってくれるそうです!」

唯「……それって、すごいの?」

律「あー、つまりな。アイス買ったら十円だったくらいのレベルだ」

唯「……すっごぉぉぉぉおおおおおおおおおおおおい!!!!!!!!!」

DIO「こいつの金銭感覚は狂ってるな」

紬「そうなんですか?」

DIO「お前も狂っているわけか」

律「とにかく、ちゃっちゃと買って帰ろーぜ!」

DIO「『善は急げ』か」

律「そゆこと。行くぞてめぇら!!」

律「いやー!唯のギターが手に入ってよかったよかった!」

DIO「ちゃんと練習しなければ、そのギターは取り上げるからな」

唯「うん!ばっちり練習する!!えへへ~、私だけのギターだぁ~~」

紬「唯ちゃん、嬉しそうでよかった。値切ったかいがありましたね」

DIO「……ああ」

律「よぉーし!明日からもがんばろう!!じゃあ、あたしとDIOはこっちだから」

唯「ばいば~い」

紬「また明日」

律「じゃあなー!よし、いくぞDIO」

DIO「袖を引くな」

律「じゃあ首根っこがいいか?」

DIO「一人で歩けると言っているのだ。放せ」

律「へいへーい」

律「しかし、唯って結構金のこととかに疎いのかな?」

DIO「頭が回っていないのかもしれないな。九割引など普通はあり得ん」

律「だよなだよな!……てか、どんな魔法使ったんだぁ~?九割引きなんて」

DIO「これは俺にはわからない。ツムギに聞くのだな。・……にしても」

律「ん?」

DIO「ツムギ……あいつも結構厄介な奴かもしれない」

律「ムギが?どういう事だよ」

DIO「世間を知って無さ過ぎる。あいつ、九割引の金額が提示された時、なんと言ったと思う?」

律「……なんて言ったんだよ」

DIO「『もう一声』だ。このDIOが止めなければゴリ押しでタダでもらっていたかも知れんぞ」

律「そいつぁー惜しいことしたなぁ。せっかくタダで手に入ったかも知れないのに」

DIO「……」

律「なぁーんて、ジョークジョーク!!……DIO-、顔が怖いぞー?」

DIO「フン」

唯「でさ!でさ!その後DIOちゃんがね!」

和「……なんだかんだで部活、上手くいってるみたいね」

唯「うん!」

和「そういえば、高校生としての本分の方は大丈夫そう?」

唯「へ?勉強のこと?」

和「うん。唯、最近ギターしかしてないみたいだし」

唯「聞かないでぇ……おわっとっと!でも、どうしていきなり勉強の話なの?」

和「いきなり、って……来週よ?」

唯「何が?」

和「期末テスト」

唯「」


律「あぁ!?テストォ~~?」

唯「どうしよどうしよ!私まだ全然勉強して無いのに!!」

律「唯って計画だててやるの苦手そうだもんな」

DIO「人の事を言えるのか、貴様は」

律「うっせぇーなぁー!あたしは最終的に上手くいくからいいんだよ」

DIO「……フン、ならば今回はこのDIOは一人で勉強し、試験に挑むとしよう」

律「な、馬鹿!一緒に勉強しようって約束したじゃねーかよー!!」

DIO「知らん。最終的に上手くいくんだろう?」

律「うう……頼むよ、勉強しようよぉ」

DIO「頼み方というモノがあるだろう。それ相応の誠意を見せてみろ」

律「うぅ~~~~……この!DIOのくせに!!あたしに負けたくせに!!!!」

DIO「殴るな。それにあの勝負は無効だと言っただろうが」

律「うるせぇー!!あれはあたしの勝ち!!だから勉強、お・し・え・ろ!!」

DIO「キャンキャンうるさい駄犬だな」

紬「今日も二人は仲良しねぇ~」

唯「そうだ!ムギちゃん!!ムギちゃんは勉強どう!?」

紬「私はそんなに勉強はしてないかなー」

唯「やった!仲間だねムギちゃん!!」

DIO「よく考えろ、ユイ」

唯「へ?」

DIO「ツムギと貴様とでは最初から持っているポテンシャルが違いすぎるのだ。
   ツムギのそんなに勉強していないは、本当に貴様と同じか?」

唯「……ねぇ、ムギちゃん」

紬「はい?」

唯「いつもどれくらい勉強してる?」

紬「そうねぇ……3時間くらいかしら」

唯「さん!?」

律「じかん!?」

紬「へ?」

DIO「そういうことだ」

唯「う、裏切りだぁ~~!!!よくも裏切ったな!ムギちゃんめぇ~~~!!!!」

律「ムギめ、お前は今私と唯を敵に回したッ!!」

唯「勉強はんた~~~い!!もっとまったりまったりしようよ!」

紬「……あらあら」

DIO「ならば貴様等はツムギとこのDIOを敵に回す、という事だな」

律「何ィ!?」

唯「でぃ、DIOちゃんも勉強してるの!?」

紬「あら、頼もしいわ」

DIO「今日は早めに切り上げるとするか。リツとユイが間違っても赤点など取らぬようにな」

律「あ、そっか。赤点は駄目だもんな。というわけでDIO」

DIO「断る」

律「むきー!断るなぁー!!」

唯「……?」

紬「あら、どうかした?唯ちゃん」

唯「赤点、とっちゃダメなの?」

律「駄目なのも何も、もしテスト落としたら部活できなくなるぞ?」

唯「へ?」

DIO「もし貴様が無様にも赤点を取ってしまえば、軽音部に来られなくなる。
   つまり、部員が三人になり、廃部になる。それだけは避けたいだろう」

唯「」

律「ん?おーい唯?」

唯「」

律「こいつ放心してるぞ」

DIO「頭を殴ってやれ」

律「おーい、起きろー」

唯「は!!……なんだ、夢かぁ~~」

律「は?」

唯「ああ、りっちゃん!今、私が赤点を取ると軽音部が潰れるなんてありえない夢が」

律「現実だ馬鹿!」

紬「これは……結構ヤバイかもね」

DIO「アイツの台詞を使うのは癪だが……やれやれ、と言ったところか」

DIO「勉強するぞ」

律「おー!!」

DIO「このDIOが貴重な時間を割いて教えてやっているのだ。醜態をさらすんじゃあないぞ」

律「へーへー、しかし、やっぱりDIOは優しいな」

DIO「何?」

律「なんだかんだいってちゃんと勉強教えてくれるじゃん」

DIO「単純な事だ」

律「あたしが友達だから。だろ?」

DIO「自惚れるな。犬の世話をするのは主人の仕事だから、だ」

律「……あのなぁ」

DIO「それよりも、問題はユイだ。
   俺は貴様の爆発力を知っているからこうやって茶化しながらやっているが……アイツはどうなんだ?」

律「たぶん、あたしより下じゃないかな?」

DIO「……どうしたものか」

―――――――――

唯「えーと、これがこうなって」

唯「……いんすーぶんかいってなんだろ?」

―――――――――

律「とか言ってたりしてな」

DIO「……ユイだろうと流石にそれはないだろう」

律「……」

DIO「……」

律(笑えねぇ……)

DIO(あいつならやりかねんな)


――

唯「うーん……」

唯「ぶんぱいほうそく?」

唯「DIOに明日聞いてみよっと!さて、つぎつぎー」

DIO「で、まったく勉強が進まなかった、と」

唯「助けてぇ……」

律「まさか本当にそんな事になってるとは……」

紬「分配法則っていうのはね、ここをこうして」

唯「ふむふむ」

DIO「なぁ、リツよ」

律「ん?」

DIO「もしユイが居なくなったら廃部と言ったな」

律「ああ、そうだな」

DIO「ならばこのDIOは大手を振って文芸部にいけるわけだ」

律「お前まだそれ言ってるのかよ」

DIO「最初から軽音部に骨を埋める気など無かったしな。廃部になるのなら問題ないだろう?」

律「……唯」

唯「へ?」

律「絶対合格しろよな!!」

律「……あれ以来唯見てないけど、大丈夫かな?」

DIO「このDIOが知るか」

紬「大丈夫だといいけど……」

ガラッ

唯「」
律「おお、丁度いい所に!!……どうだった?」

唯「」
紬「もしかして……」

唯「すうがく」

DIO「落としたのか」

唯「う、うう……」

DIO「それでは、俺はこれで」

唯「ごめんね、みんなごめんね。わたしばかでごめんね……ぐす……」

律「待てDIO、出ていくな!ムギ、唯止めろ!!作戦会議だ!!!!」

紬「さ、作戦会議?」

律「まだだ!まだ追試が残ってる!!追試に賭けるぞ!!」

唯「……ついし?」

DIO「ほう、気付いていたのか」

律「当たり前だ。あたし自身、今回はヤバかったから事前にな」

紬「追試って言うと?」

律「夏休み前に追試験があってな。それに合格すれば、部活にも出られる!」

唯「……じゃあ、私」

律「おお、そこで汚名返上戦だ!!」

DIO「たかだか一週間で何ができる?」

律「ちっちっ、わかってねぇな、DIO。前回の唯は一週間で5教科だったが、今回は一週間で数学のみ!!」
律「しかも、今回はあたしたちも全力サポートできる!これで落ちるわけがない!!」

唯「りっちゃん……!」

律「唯……!」

唯「大好きだよぉぉお~~~~りっちゃあぁぁ~~~ん!!!!」

律「唯~~~~!!!」

紬「まぁ」

DIO「抱き合うな、暑苦しい」


律「と、言うわけで!いきなりお宅訪問!!」

唯「ささ、入って入って!!」

紬「お邪魔します」

DIO「何故このDIOまで……」

唯「ご、ごめんね?何か用事あった?」

DIO「無い」

律「じゃあ良いじゃんか。ケチケチすんなってのー」

DIO「そこまで慣れ合いたいのならモンキーどもで慣れ合っていろ。このDIOは関係ない」

紬「まぁまぁまぁまぁまぁまぁ。ほら、DIOちゃんも入りましょ」

DIO「……」

紬「ほら」

DIO「下らん。俺は帰る」

律「あ、おい!DIO!!!……行っちまいやがった」

唯「DIOちゃん、怒ってたのかな?」

律「……いや、あーいう奴なのさ。変な所で頑固だから」


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