律「さて、なにか意見はあるか?」

紬「発展途中だしフムフム…………ハッ」

唯「どうしたのムギちゃん、顔色悪いよ?」

紬「え、あ、ね、ねぇりっちゃん。その……最近澪ちゃんは体型のことで何か言ってたり…」

律「あぁ、そういやお腹さすって溜め息ついてたなぁ。まぁどうせまた『太っちゃった~』とか」

紬「やっぱり……」

唯「何かわかったの?」

紬「い、いえきっと私の思い過ごしよ。あ、そうだほらお菓子でも食べましょう」モソモソ

律「ムギ、なにかわかったなら正直に――」

バタン!!

唯「ムギちゃん!?」

紬「オロロロロロ」 ビクンビクン

唯「ひぃっ? ムギちゃんが痙攣してるぅ」

律「ムギ!? くッ! まさか秘密に気づいたムギを消そうと――!?」

紬「ムグググググ 菓子フゴッフゴッが グフッ (ちんすこうが喉に……)」

唯「りっちゃん、どっどうしよう。ムギちゃんがゴン太くんみたいな声に」

律「おい、そこの歌詞がどうしたんだ? ムギ、ムギ!!」

紬(りっちゃん気づいて…発展途中だしは正確には『発展と中だし』なのよ…)

唯「ムギちゃぁぁぁぁん!? りっちゃん、ムギちゃんが、ムギちゃんが息してないよぉ!!」



紬(つまり澪ちゃんは妊娠してるの! 早く、これをどうにか伝えなきゃ)

律「大丈夫だ、まだどうにかなる!! 落ち着け、唯!」

紬(ちんすこうさえ飲み込めば――ゴクッ よし、これで声が出せるわ) あのね唯ち」

律「よし、人口呼吸だ! 違う、私にじゃなくてムギにだ」

紬(やっぱもう少し待ちましょう)

唯「じゃ、じゃあシャワーあびてこなきゃ」

紬「早く!」

唯「わ、わかった。いくよムギちゃ」

紬(Come on!!) グイッ

唯「え?」



チュバチュバ シャブシャブ ペロンペロン

私のファーストキスはちんすこうの味がしました――平沢唯



唯「ふぇぇぇぇぇん、ムギちゃぁぁん。よかったよぅ ヒックヒック」 ギュッ

紬「ふぅ……助かったわ。本当にごちそうさま、唯ちゃん」 ハァハァ

律「よかった、ムギが無事で本当に……」 ギュッ

唯「でもりっちゃん、安心してもいられないよ」

律「そうだな、また襲ってくるかもわからん。ムギ、お前はなにを掴んだんだ?」

紬「実はね」



唯「澪ちゃんが妊娠……嘘だよ、嘘だよねムギちゃん!?」

紬「信じましょう、きっと大好きな人の子よ」

律「でもさすがにそれは――」



澪『人参だよ』

律(あれは『妊娠』だったのか!?)

唯「りっちゃん?」

律「……昨日、澪が言ってた。『妊娠をイメージした歌』だって」

唯・紬「!?」

律「思えば体型を気にする澪が調子づいて喰ったなんて歌詞にいれるのが不自然だったんだ」

紬「隠せるものじゃないものね。それにバレたらきっとお腹の子まで陰口をたたかれる」

唯「あえて『食べ過ぎた』とすることで、赤ちゃんを守ったんだね」

律「もしかしたら『赤ちゃんの為にたくさん食べる』って意志かもな」

紬「ふふ、もう立派なお母さんね」

律「【初めは驚いた。でも愛しい人の子だから受け入れよう】きっとそんな決意の表現だ」

紬「それにね、澪ちゃんは『例えシングルマザーになっても生きていく』って決めてるみたい」

律「どこにそんなことが書いてあるんだ?」

紬「『白鳥』『鷹』ときて今度は『孔雀』だからよ」

唯・律「??」

紬「りっちゃん、『孔雀』って英語でなんていうか知ってる?」

律「えっと、たしかピー、ピー……」

唯「ピーナッツ!!」

律「それは違う。あっ、ピーコックだ」

紬「そうそう。でも実は『Peacock』って『オス』の孔雀でね、メスは『Peahen』っていうの」

律「じゃあ『白鳥』とか『鷹』はどうなんだ?」

紬「『Swan』と『Hawk』ね」

唯「あれ? オスとメス一緒なの?」

紬「そうよ、この3種で区別があるのはここで出てきた『孔雀』だけ」

律「なるほど、【たとえSwanやHawk(雌雄=両親)でなくPeahen(女=母親)になっても】というわけか」

紬「あと『尻尾が目の模様』なのも関係あるかなって思ったんだけど――」

唯「あ! 『たくさんの目で見守ってるよ』ってことだね」

紬「尻尾がキレイなのは雄なのよね」

唯「はぅん」

律「【私にオスのような羽はない。でも貧しくても辛くてもかまわない】、そういうことじゃないか?」

唯「澪ちゃん妊娠何ヶ月かなぁ。なんて名前をつけるんだろ」

紬「ふふ、傍目には妊娠かすらわかんないものね」

律「まさかすでに産んでたりして――なーんて」



律「え? おいどうした」

唯「……この歌がつくられたのって結構前だよね」

紬「……そういえば澪ちゃん大人の雰囲気が出てきた気が」

律「考えすぎだろ、はは……」

唯「でも澪ちゃんは赤点なんて取らないよね……」ボソッ

紬「このギリギリってまさか赤ちゃんの体重なんじゃ」



律「チッ!」 ガタッ

紬「りっちゃん、どこへ!?」

律「病院だ、急ぐぞ!!」

紬「待って、きっと赤ちゃんは無事よ!!」

律「なんでそんなことが言えるんだ!」

紬「ここにギリクリアってあるわ。少なくても命に問題ないはずよ」

律「でも代わりに何か病気にかかっちゃってるかも知れないんだぞ!」

紬「りっちゃん、推測でそんなこと言ってたらキリがないわ」

律「くっ……」

唯「りっちゃん、とある昔の偉い人はね、一刻を争う事態に陥っても落ち着いてこう言ったんだよ」

律「なんて言ったんだ?」

唯「『Trust Me』」

唯「だから私たちも信じようよ、澪ちゃんを!」

律「唯……」

唯「信じようよ、赤ちゃんを!!」

紬「唯ちゃん……」

律「そうだな……唯! ムギ! 私たちが今何をすべきかわかってるな?」

唯・紬「もちろん!!」

律「What Time Is It Now!?」

唯・紬「It's Game Time!!」

律「What Time Are We?」

唯・紬「We Are "Houkago Tea Time"!!

唯・律・紬「Wow! Wow! Wow! Wow!」


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