澪「梓は時計台から狙撃。それと敵の動きを逐一私に知らせてくれ」

梓「了解」

澪「憂ちゃんと唯は機関銃で敵の数を減らしてくれ。唯、悪いが今回は一緒に戦ってもらうぞ」

唯「りょ、了解…」

澪「それと律、お前は私の側から離れるな」

律「は?」

澪「上官命令だ。従ってもらうぞ」

律「了解…」

さわ子「もう震えないのね」

澪「30人の命を預かってるんだ。ビビってる暇はないよ」

さわ子「やっぱり私の目に狂いはなかったわね。あなたに付いて来てよかったわ」

澪「え?何?」

さわ子「なんでもない。勝ちましょうね、この戦い」

澪「もちろんそのつもりだ。もし生き残っていたら私の歌詞を見せてあげるよ」

さわ子「楽しみにしてるわ」

澪「それと、橋まで攻められたら誰かが橋を爆破しろ。これは最後の手段だが…」

梓「爆破したら、もう誰も生き残れない…」

澪「そうだ。所謂玉砕…だな」

律「天皇陛下のためなら!」

澪「…」

澪「天皇のため、なんて言うな。お前は母親のためになんとしてでも生き延びろ」

律(!?それが上官の言うことか!?)

さわ子「彼女は部下の命をなによりも大切にしてるのよ。そこら辺のアホ上官とは一味違うでしょ?」



憂「お姉ちゃん、弾を取ってこよ」

唯「う、うん…」

憂「大丈夫?」

唯「だ、大丈夫だよ!」

憂「いい?私ともう一人が機関銃で撃ちまくるからお姉ちゃんは予備の弾を持って待機してて。私がお姉ちゃんを守るから」

唯「うい~…;;」

憂「お姉ちゃん泣かないで…日本に帰ったら一緒にゴロゴロしよ!」

唯「うん!」



時計台

純「あのさ、猫好き?」

梓「猫?ん~飼ったことないからなぁ」

純「猫可愛いよぉ~。そうだ!日本に帰ったら子猫あげるよ!先日産まれたって手紙が来たんだ~!」

梓「…」

梓「その日本に帰ったらってやめて…何か怖いよ」

純「何が?」

梓「いや、なんとなくなんだけどさ…」

梓(これがフラグ!?)



澪「律がお前で良かったよ」

律「?どういうこと?」

澪「仲間を置いておめおめ日本に帰ろうとするような奴じゃなくて良かったってこと」

律「そんなの当然だよ。今は弟より仲間の方が大切だ」

澪「そうか。これなら死んだ二人も報われる」

律「死んだ二人の名前は?」

澪「真鍋和と琴吹紬」

律「真鍋和と琴吹紬か。日本に帰ったら墓参りしないとな」

澪「ああ、二人もきっと喜ぶぞ」



澪と律が談笑していると地鳴りと共にキュラキュラと言う音が響いてきた

澪「きたか…」

澪は時計台を見上げた
梓が手信号を送っている

澪(10時の方向、戦車2台歩兵80)

さわ子「戦車さえ潰せば作戦通りにいけるわ!戦車が中央を通ったら爆弾を起爆させて!」

澪(戦車は軍曹に任せて大丈夫だろう)

澪「律、私から絶対離れるなよ」

律「了解」



戦車の音は益々大きくなってくる
兵士はそれぞれの持ち場につき、さわ子の奇襲を待った

さわ子「今よ!」

さわ子の声と共に仕掛けた爆弾が爆発し敵戦車と歩兵数人がふっとぶ
それと同時に時計台と建物の陰から機関銃が撃たれた



時計台

パーン

パーン

パーン

純「梓ちゃん凄い!一発も外してない!」ババババババ

梓(外してる暇なんてないんだよ)

梓「むぎさん、私に力を貸して」

パーン

梓「むぎさんの仇、討つから!」

パーン

梓(すごい。何か今日はいつもより集中できるよ)

パーン

梓(一発も外す気がしない!)



建物の内

ババババババ

唯「うい~…」

憂「大丈夫だから下がってて!」

唯「う、うん…」

佐藤「弾幕薄いぞ!」

憂「は、はい!」

憂(弾幕?)



中央

澪「とにかく歩兵を橋に近付けるな!撃ちまくれ!」

律「了解」

パパパパパ

律「2台目の戦車が来たぞ!」

さわ子「私に任せなさい」

さわ子は戦車に照準を合わせ、バズーカを放った

さわ子「戦車の動きが止まったわ!操縦士を殺りなさい!」

味方兵士達は操縦士を殺そうと戦車の回りを取り囲んだ

澪「!?」

澪「馬鹿!一ヶ所に固まるな!狙いうたれるぞ!」

案の定、遅れてきた20ミリ機関銃によって、味方兵士達は蜂の巣にされる

律「あ、頭が吹っ飛んだ…」

澪「律!機関銃を潰すぞ!」

澪が突撃しようとすると、機関銃を撃っていた敵兵士が急に倒れる
時計台を見上げると梓が親指を立てていた

澪「まったく、どこまでも頼りになる奴だよお前は」

澪は危険に晒されることなく機関銃を破壊することができた



憂「もう弾がなくなる!」

佐藤「クソ!こっちもだ!」

憂「お姉ちゃん、弾取ってきて!それと澪さんにここは持ちそうにないって伝えて!」

唯「わ、わかった」

憂「撃たれちゃダメだよ?」

唯「わかってる。すぐ戻るから待ってて!」

唯は激戦地の中央通りを走り抜けた



時計台

純「梓ちゃん!弾が切れた!」

梓「クソッ…」

パーン

梓「お願いむぎさん…私達を守って」

パーン

梓「…!」

梓は狙撃に集中するあまり、3台目の戦車が時計台に照準を合わせていたことに気付けなかった

梓「嘘…」

梓「純ちゃんふせてええええええ!」

梓「…!」

……



梓「あれ?生きてる…?」

純「外したみたいだよ!バーカバーカ!」

梓(きっとむぎさんが守ってくれたんだ)

梓「ここは危ない!下に降りて大尉達と合流しよ!」

純「了解!」



澪「まだ戦車がいたのか…軍曹行くぞ!」

さわ子「はいよ!」

律「私も」

澪「お前は隠れてろ!」

律「は、はい…!」

澪とさわ子は戦車の照準を合わせないように、ジグザグに走った
が、照準は初めから律の方に合わされていた

さわ子「澪ちゃん!りっちゃんが狙われてる!」

澪「なんだって!?律!逃げろ!」

激しい銃声の中、澪の声が律に聞こえるはずがなかった
律は戦車の砲台が自分に向いてることなど知らず、敵歩兵相手に銃撃戦を展開している

澪「律ーー!逃げろー!」

律「え?」

律「!?」

微かに聞こえた澪の声でようやく戦車の狙いに気付く



梓「早く立て!」

律「あ、ああ!」

梓は律の服を掴んでズルズルと引きずった
同時にドン、という轟音と共に弾が発射された

弾は律が隠れていた建物に直撃、着弾と同時に硝煙があがり建物の一部が崩れた

澪「律!軍曹、戦車を頼む!私は律のところに行く!」

さわ子「了解!」

梓「大丈夫?」

律「ああ、ありがとう…助かったよ」

梓「ここまで来て死なれちゃ困るからね」

澪「律!」

律「はいよ、生きてますよ~」

澪「梓か…良かった…よくやってくれた」

梓「大尉、ここは引きましょう…後ろから戦車も歩兵もうじゃうじゃ沸いてる…後退して橋の爆破を…」

澪「やるしかないのか…」




建物外

唯「早く憂に弾を届けないと!」

唯「!?」

敵兵「~!」

敵兵「~!」

敵兵は憂のいる建物内に入っていく
唯は、咄嗟に敵兵から身を隠した

唯「あぁあぁあああ…うい~…」ガクガク



建物内

憂「弾が切れちゃった!」

佐藤「こっちもだ!ちくしょう!弾薬はまだか!」

憂「お姉ちゃーん!弾持ってこーい!お姉ちゃーん!」

佐藤「静かに!」

カンカンカンと階段を登る音が聞こえる
憂は音のする方に銃を向けた

憂「お姉ちゃん…なの?」



パパパパパ

壁の向こうから銃撃される
運悪く、佐藤少尉は銃弾に倒れた

佐藤「あああああ!あ…が…」

憂「少尉!?う、うわあああああああ!」

パパパパパ

憂「ハアハア…」

憂「やった…の?」

ガチャ

敵兵「ああああああ!」

憂「!?」

敵兵は憂目掛けて突進し、憂の上に馬乗りになる

敵兵「~!」

憂「うあああ…!このクソ野郎!」ゴロン

憂「私はお姉ちゃんと一緒に日本に帰るんだよおおお!こんなところで死ねるか!」

今度は憂が馬乗りになり、敵兵にナイフを突き付ける

憂「あああああ!」


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