さわ子「いや~勝った勝った。よくやったわ憂ちゃん」

憂「えへへ///お姉ちゃんを守るために頑張りました」

さわ子「澪ちゃんもよく頑張ったわね」

澪「う、うん…」

澪(失敗して和に迷惑かけちゃったけど…後で謝ろう)

さわ子「梓ちゃん、むぎちゃんお疲れちゃん!」

梓紬「…」

さわ子「どうしたの?暗い顔して」

梓「別に」プイッ

さわ子「?」

さわ子「まぁいいわ。むぎちゃんお茶にしましょう。祝賀会よ!」

紬「え、ええ…そうですね…」

澪「梓?むぎ?何かあったのか?」

紬「なんでもないわ。さぁみなさん、お団子召し上がって。おいしいわよ~」

唯「わーい!やっぱり疲れた時は甘いものだよね!」

憂「お姉ちゃんたら~、何もしてないのに~」

唯「えへへ~///」



お茶を終えた一行は次の町に向かっていた

唯「だって本当はクレイジー♪」

憂「お姉ちゃん歌うまーい」

唯「そう?じゃあこれは?ドキドキが止まらな~い♪」

憂「お姉ちゃん可愛い~///」

梓(遠足気分か…)

梓「私が蒋介石の頭をぶち抜けばこんな戦争一発で終わるのに」

さわ子「こら梓ちゃん、滅多なことは言わないの。それにあなたが思ってるほどそんなに単純な話じゃないのよ」

梓「…」

梓「了解」



パパパパパ

澪「銃声が…この街はどっちが占領してるんだろ…」

さわ子「わからないわ。じわじわ前進するしかない。街は狙撃兵が潜んでるから気をつけて。そうよね梓ちゃん?」

梓「ええ。私だったらあの塔、それからあそこの民家、あそこの陰に潜みますね。見渡しもいいし、狙い撃つには絶好です」

梓は狙撃兵の潜んでいそうな場所を的確にいい当てた

澪(さすが梓だな。梓とさわ子軍曹がいれば私達の部隊は負けないぞ)

梓「どうします?大尉」

澪「え?」

梓「作戦はどうするんですか?」

澪「ぐ、軍曹…」

梓「あなた部隊長でしょ?あなたが作戦を立てるべきなのでは?」

澪「で、でも…」

さわ子「一理あるわ。私も梓ちゃんも戦死したらどうするつもり?あなたがそんな不安な顔をしていたら部隊は壊滅よ」

澪「それは…」

さわ子「私は今回は口出ししないわ。澪ちゃんの命令通りに動く」

澪「わ、わかった…!」

澪「中央は通らず迂回する」

さわ子(ふむ)

梓「賛成です。さっきみたいに敵に見付かってない以上、わざわざ戦闘をする必要はない。それでなくともこっちは人数が少ないんだから」

さわ子「その通りね。いい判断だわ」

澪(よ、良かった…)



迂回先

ババババババ

澪「こっちも銃声が…どこへ行っても同じだな」

さわ子「どうする?」

澪「い、行くしかない」ガクガク

澪「日本軍が街の反対側にいれば敵を挟み撃ちにできるし…」

さわ子「そうね。みんな聞いたわね?ゆっくり進むわよ。狙撃には気を付けて」

部隊はゆっくり前進した
銃声はまだ遠いところからしか聞こえない



子供「うわーんうわーん」

半壊した民家に家族4人がうずくまっていた
父親が部隊に向かって何か話かけている

父親「~」

唯「ふむふむ」

唯「澪ちゃん!この人が子供を安全なところに連れていってだって!」

澪「ば、馬鹿言うな!無理に決まってるだろ!断れ!」

唯「あいあいさー」

唯「~」

父親「~」

唯「どうしてもお願いだって」

和「仕方ないわね」

和は半壊した民家に入り子供を抱き抱えた

澪「和!やめろ!子供なんて連れていけない!今すぐ返すんだ!」

和「隣町に送り届けるだけよ。それにこの子私の姪っ子にそっくりなの」

さわ子「和ちゃん!上官命令よ!子供を返しなさい!」

和「大丈夫ですって。責任は私が取りますよ」



パーン!

和「うっ…」

ドサッ

澪「狙撃だ!隠れろ!」

唯「あわわわ…和ちゃんが…」

憂「お姉ちゃん動いちゃダメ!」

澪「梓、どこから撃たれたかわかるか?」

梓「あそこの塔です」

澪「ここから狙えるか?」

梓「とっくに照準を合わせてますよ」

澪「頼もしいな」

紬「澪ちゃん!和ちゃんの容態は!?どこを撃たれたの!?」

さわ子「動いちゃダメ!梓ちゃんが敵を仕留めるまでは」

紬「でも急がないと手遅れに…」

和「う…ぁあ…澪起こして…起こしてくれれば自分で歩けるから」

澪「ご、ごめん…ジッとしててくれ…すぐに助けるから」

和「親に書いた手紙に血がついたぁ…あああ…」

和「澪ぉ…澪ぉ…」

澪(ごめん…もう少しだから…もう少し)

和「この手紙を日本に…」

和「」



梓「見えた」

梓「主よ我に力を」



パーン!

梓は敵狙撃兵の目玉をピンポイントで撃ち抜いた

梓「やりました!」

澪「よし!衛生兵!早く和を!」

紬「は、はい!」

紬「…!」

紬「し、死んでるッ…!」

澪「クソ…クソ…」

紬「救えなかった…仲間も救えないなんて衛生兵として何の意味があるかわからないわ…」

唯「怖いよ、うい~…」

憂「うん…お姉ちゃんはあまり見ない方がいいよ」

梓「今回は和伍長の独断がこんな事態を招いた。上官の命令に背くなど言語道断です」

さわ子「ひどいようだけど、梓ちゃんの言う通りよ。上官命令に背けば部隊壊滅だってありえる。みんな肝に命じなさい」

澪「和…お前の手紙、必ず日本にいる両親に届けるからな」

澪は涙を拭いて立ち上がった

澪「みんな行こう。まだ戦闘は終わってない」



その後、澪達は帝国陸軍と合流を果たしこの街の制圧に成功した

左官「援軍感謝します」

澪「残念ながら援軍ではないのです。私達は別任務があるので、すぐにここを発たなければなりません」

左官「別任務?どんな?」

澪「実は田井中二等兵を探していまして…」

左官「田井中…?確か私の部隊にいたような…」

澪「本当ですか!?」
左官「おい佐々木」

佐々木「はっ!」

佐官「私の部隊に田井中二等兵というものはいなかったか?」

佐々木「ああ…いますね。呼んできましょうか?」

佐官「頼む」

佐官「良かったですね大尉。あなたの任務これで完了ですよ」

澪(や、やったぁ!)

律が澪に向かって走ってくる
途中、梓達ともすれ違った

梓「間抜け面」

紬「あの子のせいで和ちゃんは…」



律「律二等兵です。お呼びですか」

澪「キミが律か…なんと言えばいいのか…残念ながらキミの弟が亡くなってな…」

律「!?」

律「そんな…!?」

律「弟が…死んだ…帰ったら一緒に釣りに行くって約束したのに…!」ポロポロ

澪「残念だが…」

律「なぜ…死んだんです」ポロポロ

澪「真珠湾で戦死したそうだ…」

律「そんな馬鹿な…!ありえません…」ポロポロ

澪「受け入れがたい気持ちはわかる…だが」

律「弟はまだ8歳ですよ?」

澪「なに?」

澪「キミは田井中律二等兵?京都出身の?」

律「いえ、私は埼玉出身の土田舎律です…」ポロポロ

澪「!?」

さわ子(ここまで来てハズレ…)

梓(アホらし…)

澪「えーと…うん、キミの弟は生きてるだろう。多分」

律「そんな!?本当なんですか?お願いです日本に帰らせて下さい。弟に会いたい」ポロポロ

澪は律の言葉を最後まで聞くことなくその場を離れた



澪「聞いての通りだ。一から出直しだな」

梓「田井中二等兵に会ったら一発ぶん殴ってやりたいですね」

さわ子「同感よ」

澪「馬鹿なこと言ってないで出発しよう。時間が惜しい」

さわ子「お?」

澪「なんだ?さわ子軍曹」

さわ子「いえ、なんでもない」

さわ子(和ちゃんの死で崩れると思ってたけど、逆に成長したようね)



一行は廃虚となった教会で一晩を過ごすことにした

唯「zzz」

憂「お姉ちゃんの寝顔可愛い~///」スリスリ

唯「う~ん…くるし…」

澪「キミを見てるといつもハートドキドキ♪」

澪「うん、いいな。これでいこう」

さわ子「みーおちゃん、何してるの?」

澪「うわぁ!見るなぁ!」

さわ子「いつもいつもコソコソと何を書いてるのよ」

澪「お、教えない!」

さわ子「澪ちゃんが陰で何をやっているのか、みんなで賭けてるのよ」

澪「またクダラナイことを…とにかく教えない!軍曹はあっちで寝て!上官命令!」

さわ子「了解」



紬「どうでした?」

さわ子「わからず仕舞いよ」

紬「あの顔は百合小説を書いてる顔ですよ」

さわ子「そんな馬鹿な…普通に恋文か何かでしょ」



梓「…」ボーッ

澪「…」

澪「なぁ梓」

梓「はい?」

澪「音楽は好きか?」

梓(急になんなの?)

梓「ジャズ…が好きです」

澪「そっかぁ、ジャズかぁ!」

梓「…」

梓「怒らないんですか?」

澪「なんで?」

梓「敵国の音楽だからです。普通の上官にこんなこと言ったら銃殺されてますよ」

澪「音楽に敵も味方もないだろ。私もバンドが好きだしな」

梓「あのジャガジャガうるさいやつ?」

澪「随分な言い方だな。…私な、この任務が終わったら除隊してバンドを組むつもりなんだ」

澪「初めから私に指揮官なんて無理だったんだ。和の死で思い知ったよ。上官は感情を見せるなって言われてるけど、そんなの私には無理」

澪「だから最後の任務だけは成功させたい。田井中二等兵を日本に帰してやりたいんだ」

梓「はぁ…」

梓(何が言いたいんだ)

澪「この任務を成功させるために、むぎと仲直りしてほしい」

梓「…」

澪「何かあったんだろ?二人を見てればなんとなくわかるよ」

梓「お見通しですか…まいったな」

澪「二人に何があったかまでは聞かないよ。ただ部隊で一番大切なのはなんなのか、それをもう一度よく考えてくれ」

梓「…。了解」


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