澪「今日はこのへんにするか」

澪「…」カリカリ

澪「やっぱり一人で静かに歌詞を書いてる時が一番落ち着くな」

澪は暇な時間を利用して、歌詞を書くのが唯一の趣味だった

澪「明日はビルマに出発か…きっと歌詞を書く暇なんてないんだろうな」

同期尉官「ん?おい秋山の奴また変な歌詞書いてるぜ」

尉官「あのわけわかんねー歌か。帝国陸軍なら軍歌作れってんだよな」

澪「…」

同期「シカトかよ。つまんね」

同期「あいつ明日ビルマの最前線に起つらしいぜ。所謂左遷だろw」

同期「コネだけでここまで来た奴だからな。まあ、お国のために死ねるんだからいいんじゃね?」

同期「死ぬとは決まってねーだろ。まあ、あんな奴の部隊即壊滅だろうが」

同期「違いねぇ。アッハッハ」

澪「…」

澪(なんとでも言えばいい。私は国のために死ぬのがえらいことななんて思わない)

澪(この戦争を生き抜いて日本に帰る。それが一番偉いことなんだ)



次の日

さわ子「いよいよ出発だけど、みんな準備はいいわね?」

一同「おー!」

澪「お、おー…」

さわ子「澪ちゃん、上官がそんな不安な顔してたら隊の士気に関わるわ。嘘でも元気をだして」ヒソヒソ

澪「だって…」

さわ子「大丈夫よ。私が後ろからささえてあげるから。ほら上官として一言」

澪「う、うん。みんな、こんな危険な作戦に参加してくれてありがとう」

澪「えっと…とりあえずお国のためなんて言わず、やられそうだったらすぐに逃げてくれ」

澪「玉砕なんて…無駄死になんて絶対にダメだ」

さわ子「よく言ったわ澪ちゃん。みんな聞いたわね?この子は普通の上官と違うわ。命令は誰一人死なないこと。いいわね?」

一同「は~い」



梓(なんてヌルイ上官だ。犠牲なくして戦争に勝てると思っているのか)

梓(これなら前の上官の方がましだな)

澪「梓、どうかした?」

梓「いえ、大尉殿の素晴らしい御言葉に感銘を受けていました」

澪「そっか、梓も絶対に死んじゃダメだからな」

梓「…」

梓「承知」



30分後

唯「うい~疲れた~…」

憂「お姉ちゃん、まだ30分しか歩いてないよ?」

唯「だって~装備が重くて~」

憂「もう!しっかりしないと置いてくよ!」

唯「うい~うい~;;」

憂「仕方ないなぁ。ほら、装備持ってあげるから」

唯「うい~!」

憂(お姉ちゃん可愛いなぁ///)

紬「それじゃあお茶にしましょう♪」

ガサゴソ

紬「緑茶とお団子よ」

唯「わぁ!むぎちゃんすごーい」

澪「ちょ!バックパックになんてもの積めてるんだ!」

紬「疲れた時は甘いものよ澪ちゃん♪」

さわ子「そうね、私も歳だから足がパンパン。休憩しましょ」

澪(まぁ平和でいいか)

梓「そ…」

梓「そんなんじゃダメですー!」

澪「キレた!」

梓「みなさんやる気が感じられないです!作戦を完遂する気はあるんですか!?」

さわ子「そうは言ってもねぇ。ビルマまでまだまだ長いのよ。ゆっくり行きましょ」

梓「だからもっとやる気を」



ババババババ!

梓「銃声!?て、敵襲!」

さわ子「みんな頭を下げて!」

さわ子「みんな生きてる?」

澪「だ、大丈夫です」

さわ子「OK、国民党軍の奴ら待ち伏せしていたのね。潰すわよ」

さわ子「私は右側面から奴らの後ろに回り込む」

さわ子「和ちゃんは左側面から!澪ちゃんは和ちゃんに後ろに着いて!」

さわ子「梓ちゃんは中央から援護射撃!狙えるなら奴らの頭ぶち抜きなさい!」

さわ子「憂ちゃんは私に付いてきて!むぎちゃんは梓ちゃんのサポートを!唯ちゃんは後方待機!」

さわ子「梓ちゃん、私が合図したらぶちかましてやりなさい!」

梓「了解!」

澪「こ、怖い…」

さわ子「ゴーゴー!梓ちゃん撃って!」

さわ子「和ちゃん!澪ちゃんを死なせちゃダメよ!」

和「了解!」



ババババババ

梓「歩兵銃は苦手なんだけどな」

ババババババ

そうは言いながらも梓の撃った弾は次々に国民党兵士の体を貫いていた

梓「むぎ先輩ちょっとかわってくれます?」

梓「やっぱり私には狙撃が向いてる」

梓は九九式狙撃銃を構えた

紬「あんなに動いている相手に狙撃なんて無茶だわ!」

ババババババ

梓「…」

ガチャ

梓「主よ、我に力を与えたまえ」

パーン!

敵兵「がっ!」

梓「主よどうか我が手と我が指に戦う力を与えたまえ」

パーン!

敵兵「あがっ!」

紬(そんな…梓ちゃん、あなたキリスト教なの…?非国民じゃない!?)

梓は一発も外すことなく敵兵の喉や頭など急所を的確に撃ち抜いた



澪「左手は添えるだけ、左手は添えるだけ…」

和「8時の方向20ミリ機関銃!土嚢が積まれて銃が使えない!澪!手榴弾!」

澪「左手は添えるだけ…」

和「澪!」

澪「は、はい!手榴弾…手榴弾…」

澪「あああ、手が震えてピンが抜けない!」

ピン

澪「や、やった!あっ!」

つるっ

澪「あ゛ー!手榴弾を落とした!」

和「!?何をやっての馬鹿!早く拾って投げて!」

ガシッ、シュッ

バーン!

和は間一髪のところで落ちた手榴弾をほおった

澪「あ、危なかった…」

和「機関銃は潰したわ!先に進むわよ!」

澪「は、はい!」

澪の情けない行動のせいでどっちが上官なのかわからなかった



さわ子、憂は別の機関銃の攻撃に曝され、身動きが取れず、敵兵がゲリラ戦用に掘った塹壕に身を潜めていた

憂「ここからだと狙えませんね。移動しないと」

さわ子「そうね。あの大きな木まで行けば照準に入るのだけど」

さわ子「私があそこまではしって」

憂「私に行かせて下さい」

さわ子「…」

さわ子「大丈夫?かなり危険よ?」

憂「わかってます。でも軍曹が戦死したらこの部隊は終わりです。そのくらいシタッパの私でもわかる」

さわ子「わかった。私が援護するからあなたはあの木だけ見て走り抜きなさい。あの機関銃さえ抑えればこの戦闘勝ったも同然だわ」

憂「は、はい!」ガクガク

さわ子「準備はいいわね?ゴー!」

ババババババ

憂「うわああああ!」ダダダダダ

憂は一心不乱に目標の木を目指した

憂に気付いた機関銃が照準を憂にかえる
弾が憂の足元に着弾
憂は生きた心地がしなかった

憂「死にたくない死にたくない…」ダダダダダ

紬「梓ちゃん!憂ちゃんが飛び出してる!あっちの機関銃を潰して!」

梓「そんなことわかってる!ここからじゃ遠すぎるんですよ!いくら私でも1k先は狙えない!」

紬「でも…」

梓「いいからあなたは澪先輩を援護してください!」

紬「わ、わかったわ!」

ババババババ

唯「う、うい~…」ガクガク

憂「ハアハア、私生きてる…」

憂「あとはここから敵兵を撃てば」

憂「練習通りやれば大丈夫…あいつらを倒したらお姉ちゃんとお茶できる…頑張れ私」

さわ子の的確な援護射撃で機関銃の照準はさわ子に移っていた

憂「あたれえええええ!!」

ババババババ

機関銃を撃っていた兵士は憂の銃弾によって倒れた

憂「や、やった!制圧!そうだ!あの機関銃を奪えば!」

憂は機関銃まで移動し、敵部隊に向けて発砲した

憂「うあああああああ!」

憂の攻撃によって、敵部隊は壊滅

甚大な被害と機関銃を奪われたため、残存兵士は退却を始めた

憂「やったぁ!」



ババババババ

澪「や、やった!一人やっつけたぞ!」

和「ん?敵が退却していく…さわ子軍曹達がやってくれたみたいね」

澪「良かった…私生きてる…」

澪「やっぱり私が指揮を採るよりさわ子軍曹が指揮を採った方が100倍いいよ」

和「…」

和(軍曹はこんな子に何を期待してるのかしら?)



梓「終わったみたいですね」

紬「ええ、みんな生きてるみたい」

紬「それより…梓ちゃん。あなた…キリスト教なの?」

梓「…」

梓「銃殺しますか?」

紬「そんなこと…」

梓「鬼畜米英なんて…みんな大本営の言葉に踊らされている馬鹿ばっかりだ」

梓「私の両親も熱心なカトリックだったんですよ」

梓「当然ながら新米派でね。ジャズを愛するいい親だった」

梓「別にカトリックだからと言って愛国心がないわけじゃない…それなのに特高の奴ら…!」

梓「新米、カトリックという理由だけでなんだかわからない罪を着せられて拷問された挙句、銃殺されたんですよ!」

紬「…」

梓「だから私はこの戦争で名誉が欲しいんです。上に行けば行くほど発言に影響力が出ますからね」

梓「私はこの国を変えたい。死んだ両親のためにも。そのために戦ってるんだ」

梓の目には揺るぎない決意みたいなものが表れていた

梓「私を殺したいなら殺せばいい」

梓「上に報告したいならすればいい。入隊した時から覚悟はできてるんですよ」

紬「しないわ」

紬「みんな大切な仲間よ。私はみんなの命を救うためにここにいるの。梓ちゃんが苦しむようなことはしないわ」

梓「口ではなんとでも言えるでしょうね」

紬「そんな…」

梓「むぎ先輩は社会勉強のために戦場に来てるんでしたね?ヘドが出る。そんな半端な気持ちで人殺しに加担ですか」

梓「財閥のお金持ちが考えることはよくわかりませんね」

紬「…」

その後、澪たちが戻ってくるまで二人に会話はなかった

唯(なんなのこれ~気まずいよ…言ってることもよくわからないし)


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