HTT「ほんっとーにすいませんでしたッ!!」ズサァー!

純「はは…。くうふくでカメを食べちゃうなんて…、さすが憂のお姉ちゃんだね」

憂「確かにお姉ちゃんらしいけど…、純ちゃんも人の事言えないよ」

梓「………………」

唯「ういー、あずにゃーん!ごめんなさい、なんて謝ったらいいか」

律「元はと言えば私がワリィんだ!トンちゃんを食べようって言い出したのは私だ!」

澪「そうやって一人で背負い込むなよ…、トンちゃんを手に掛けたのは私なんだ。私だって責任はある」

紬「いえ…、高校時代に、唯ちゃんと律っちゃんに十分な一般常識を躾られなかった私が……」

梓「ふぅ……、修学旅行から帰って来て疲れてるんですよ。さっさと頭を上げて下さい」

唯「あ、あずにゃん…でも!」

梓「だから言ってるでしょ。修学旅行で疲れてるのにまだ土下座までさせるつもりですか?」

律「な…、何でお前が土下座すんだよ?ワリィのは私達で…」

梓「何でって、当たり前じゃないですか。私も放課後ティータイムの一員なんですよ。忘れたんですか?」

唯「あ…、あずにゃん…!」

梓「…って言う事だから、良いよね憂?」チラッ

憂「え…?良いも何もトンちゃんは純ちゃんが…」

純「わーわーッ!ういー、ちょっと待った!?」ガバーッ

澪「すまないな…梓。軽音部を廃部させてしまったり、お前にはいつも貧乏クジを引かせてしまって…」

梓「澪先輩、いつか言ってくれましたよね…。私軽音部は卒業して、バラバラになってしまうけど、トンちゃんを通じて私達は繋がってる…って」

澪「ん…?あぁ、ちゃんと覚えてたんだな」

梓「でも、そんな必要はありませんよ。トンちゃんが居なくても、軽音部が廃部になろうとも、こうして先輩達はあの時と変らない笑顔でバカ騒ぎしてくれるんだから」

律「あ、梓…お前言う様になったじゃねぇかよ」

紬「ふふっ、見た目は余り変わって無いのに随分大人になったのね」

唯「あーずにゃぁぁんッ!有り難うねぇぇぇ」ガバッ



梓「第一、あのトンちゃん二代目でしたから」



唯・澪・紬・律「………………えッ?」



純『あぁ…、今月もう30円しかないー。もう体力も気力もないー」グゥキュルルールルル

憂『もうちょっと計画的にお金使おうよぉ…高三にもなって』

純『うるさーぃ、その歳で家計の財布握ってるアンタが異常なの』

グゥキュルルル…

純『仕方ないこうなったらカップ麺で我慢するか』

憂『んー…もうカップ麺買い置き切れちゃってるよ』

純『あぁ、なんかお腹減り過ぎて幻覚が見えてきそうだよ…』

憂『いいなぁ純ちゃん、私もお姉ちゃんの幻覚がみたいなぁ』

純『なんか高校ん時、梓の部室に置いてあった水槽が見えてきた…』

憂『それ幻覚じゃないよ、お姉ちゃんが卒業の時に引き取ったじゃない』

純『そんなの知るわけないじゃない…。ねぇ憂』

憂『ん、なぁに?』

純『カメって、食べられるのかな…?』

純『よーし、大分煮えて来た。そろそろ放り込んでもいいんじゃない』

憂『よーし、んじゃいっけぇぇ!』バッシャァァン

グツグツグツグツ…

ピンポーン!

純『ん…?誰か来たみたいだよ』

憂『誰だろ…?純ちゃんお鍋の火加減ちゃんと見ててね』

純『うん、任しといてよっ!』

スタスタ

憂『はいー、どなたですかー。あ、梓ちゃんいらっしゃい!』

梓『ゴメンね、ちょっと遅れちゃって』

憂『気にしないで!上がって上がって、いまカメ料理作ってるんだ』

梓『カメ料理…?スッポンでも買ったの』

憂『そんなの買ってないよ。ウチの水槽で飼ってたヤツだよ!』

梓『憂ん家の水槽で…?』

グツグツグツグツ

純『梓ーやっと来たの?でもこのスッポン鍋は分けてあげないからね!』

グツグツ

梓『……………』

憂『ん…?どしたの梓ちゃん』

梓『ウァァワァァアァァァアァァァアッ!!?』ガッ!

バッシャァァァァァァアン!

純『あ゛!?あ゛っづーぅぅぅぅうぅぅッ!!』ゴロゴロ!

憂『…!?』ビクッ!

純『な、何すんの梓!?私を殺す気!』

梓『それはこっちのセリフよ!あなた達トンちゃんに何しようとしてたの!』

純『トンちゃん……?』

憂『何言ってるの、それはカメって言って爬虫類の一種で』

梓『いや、知ってるよ!そうじゃなくて、コレは唯先輩達が高校生の時に飼ってたカメのト………』

純『ん……どしたの梓。憂のお姉ちゃんがどうかした?』

憂『もしかして食べちゃダメだったのかな…お姉ちゃんスッポンって言ってたから、てっきり食用かと』

梓『そ、そうなんだけど…、食べたら水槽だけ残っちゃうじゃん!だから、カメは必要だと思うの!』

憂『ふん、それもそうだね。今のスッポンは甲羅が粉砕して悲惨な事になってるし代えのカメを用意しないと。今度は何でもいいよね』

梓『いや、ダメ!スッポンモドキ科のスッポンモドキが絶対!』バッ

憂『…え、どうしてなの?』

梓『どうしても!後唯先輩にこの事は絶対ナイショね!』

純『ま、まさか……』ガタガタ



純「……と、言う訳で半年程前に刷り変わっちゃってましたぁ。…テヘッ!」

唯「そうなんだー、刷り変わっちゃってたんだぁー」

律「テヘッ!…じゃねぇよ!?お前らズル賢い方にしか成長してねぇじゃねぇかッ!!」

憂「そっかー、それで梓ちゃん、お姉ちゃんがトンちゃん二号の世話をするのを心配してたんだね」

梓「もっともこんな事になってるなんて予想外でしたけど…。流石唯先輩と言うか」

唯「いゃあ、そんなに褒められたら照れちゃうよぉ」

澪「褒められてないッ!全く持って褒められてない!」

紬「あはは…、私達の土下座って何だったのかしら…」

梓「ふふっ、どうやら先輩達、軽音部より私達ジャズ研の方が一枚上手だったみたいですね」

律「うっせーよッ!!今度はお前らが土下座する番だァァ!おい唯ッ、お前も何か言…」

唯「憂、あずにゃん、純ちゃん…」

憂「な、何かなお姉ちゃん…?」

唯「皆でお墓作ってあげよ。トンちゃんと、トン二号のお墓」ニコッ

澪「そうだな…、よし!作ってあげようそれが今私達がトンちゃん達にしてあげられる事なんだから」

梓「そうですね、私もずっとモヤモヤしてたんですよ」

律「トンちゃん、殺害を隠蔽してたヤツがなーに言ってんだよ」

梓「その言葉、全部先輩に返ってきてますよ」

律「ぐっ…コイツ!いつかそのツインテール引っこ抜いてやるからな!」

梓「臨む所ですよ!その前にそのカチューシャの命はありませんよ」

憂「ふふ、いつの間にか丸く収めちゃうんだもん。流石は私のお姉ちゃんだよ」

唯「いゃあ、そんなに褒められたら照れちゃうよぉーういー」



純「ふぅ、結構本格的なお墓になっちゃったね」ザクザク

憂「お姉ちゃん凝りだすと止まらなくなっちゃうからね」ザクザク

梓「半年も放置してたんだからね、これくらいしないとバチがあたっちゃうって」ザクザク

純「それもそっかー…仕方ない」ザクザク

和「あら、こんな所にいたのね。一体、どうしたの凄い大人数ね」スタスタ

憂「あ、和さんこんにちわ。トンちゃんのお墓作ってたんですよ」

和「トンちゃん…?あぁ、唯達が飼ってたカメね。でも何で二つ?」

梓「それには色々と深い訳がありまして…」

唯「あれー、和ちゃんだ!どうしたの?」クルッ

和「ちょっとバイトの先輩に沢山お裾分け頂いちゃって…、食べきれないから唯の所に持ってきたのよ」

律「バイト…!?和、お前もバイトやってんのか!もしかして浪に…」

和「大学に通う合間に、ファッションセンターしまむらでね。それがどうかしたの?」

律「チクショォォッ!!大学もジャスコも全部滅んじまえばいいんだよ!」

和「な…なによいきなり物騒な事言わないでよ」

澪「気にするな和。コイツ、ちょっと浪人生活でナイーブになってるだけだから」

和「あらそう、大変なのね…」

紬「律っちゃん大丈夫よッ!私のお父さん、しまむらにも知り合いがいるから!」

律「私が入りたいのはしまむらの方じゃねぇよッ!!」

唯「ねぇ、ねぇ和ちゃん。何を貰ってきたの!」

和「スッポンの切り身よ。鍋にしてお昼に皆で頂きましょうか」

純「……………げ」

唯「やったー!私お腹ペコペコだったんだよ!」グゥキュルルールルールール

和「そう?それは良かったわ」

梓「よく、さっきの今で食べる気になれますね……」

憂「ふふっ、それは仕方ないよ。だってお姉ちゃん今は…」

唯「くうふく!だもん」

=おしまい=