澪「ダメだな、全滅だよ…。スッポンモドキは飼育が難しいらしくて、余り入荷しないらしいんだ」

唯「ふむん…。こんな事なら部室で飼うのはネコちゃんとかワンちゃんにしとけば良かったよねぇ」

澪「それだったら、この前のお前ん家がもっと大惨事になってただろ…」

唯「そっか?じゃあ、牛や豚とか畜産しやすいヤツが良かったかな」

紬「でも、それだと校庭の花壇をだけだと食料が足りないかもしれないわね」

唯「そっかー、やっぱり今考えたらトンちゃんがベストだったのかな」

ガチャリ!

律「ただいまー、ふぃー疲れたぜ!」フラフラ

唯「あ、律っちゃんおかえりー!」

澪「ここもダメっと…、もうこの付近のペットショップは全部回った事になるな」カキカキ

紬「そうだ、最近だとネットショッピングって言うのでも買えるんじゃないのかしら?」

澪「ネットショップ!?そうかその手があったな。なんで今まで気付かなかったんだ」ガバッ

律「でもよ、そういうのって唯ん家に届くまで結構時間が掛かるんじゃねーのか?」

澪「そうだな…。そういえば憂ちゃんっていつ修学旅行から帰ってくるんだ?」

唯「え…?あれ、そういえばいつだったかな…。確か私と律っちゃんが空腹に喘いでたのが一昨日だから…」



ガチャリン!

「たっだっいまーお姉ちゃぁん!」ドタドタ

唯「はふぅぅぅうぅぅぅんっ!?」ビクッ

唯「どどどど、どうじよう皆ぁぁ!?」カタカタ

紬「ゆ、唯ちゃん落ち着いて!ほら、こういう時の為に律っちゃんと土下座の練習をしてたじゃない!」

律「全く…、大学生様が揃いも揃って情けねーなぁ。みっともないぞ」

澪「な、なんだよ律、お前やけに落ち着いてるじゃないか」

律「元部長たるもの、動かぬ事山の如しだぜ!いいか良く聞けよ。バレたら不味いのは梓であって憂ちゃんじゃない」

紬「そ、それはそうだけども…、きっと憂ちゃんだって悲しむわ」

律「それはまー、唯が何とか籠絡するんだよ!んで梓には黙っててもらうんだ」

澪「憂ちゃんをこっち側に引き入れる作戦か…。ずいぶん思い切った事を考えたな」

律「ふんっ!伊達に部長として幾度も死線を潜り抜けてねぇよ」

紬「律っちゃん…とっても頼もしいわ!」グッ

『お姉ちゃーん!?居ないのー?あれ、…おっかしいなぁ』

唯「はぁ、安心したらなんだか、くうふくになって来たよ…。ういー、お腹空いたよぉ。ういー!」トタト…

『お姉ちゃん多分その内帰ってくると思うから、梓ちゃん達は上がって待っててね』

唯「…!?」ビクッ!

律「おぃぃぃぃッ!?澪、お前どうしてくれんだよ!!私達、軽音部の絆を粉々に」クワッ!

澪「いや、それ一昨日聞いたよ!私のせいにするな律、動かざる事山の如しはどうしたんだよ!?」

律「うるせぇぇぇ!信玄はもう持病で死んでんだよ!いつまでそんなスローガン引きずってんだ」

澪「引きずってるのはお前だろうが!そこまでして責任逃れたいのか、元部長のプライドは無いのかよ!」

紬「や、止めて二人ともッ!私達軽音部はそんな争いをする為に集まったんじゃないのよ!」バンッ

澪「ム、ムギ…」

唯「そうだよ…、ムギちゃんの言う通りだよ!二人共目を覚まして!」

律「そ、そうだな…唯達の言う通りだ。まずは…」

唯「まずは何か憂にご飯を作ってもらおう!!」グゥキュルルルルルール



憂「何度呼んでも返事しないから、留守かと思っちゃったよ。皆さんもお久し振りです!」ペコリ

律「私はちょくちょくメシ食わして貰ってるからそうでもねーけどな」

紬「本当懐かしいわね、憂ちゃんも梓ちゃんも元気そうで良かったわ」

澪「どうだ梓…?部活の方は順調か」

梓「そうですね、軽音部と違って練習が厳しいけど、その分やり甲斐がありますし」

律「そ、そっかー、そりゃ良かったな!軽音部で鍛えた根性が役に立ってるな!」

純「あの…、立ち話も何なんで中で話しません?梓達お土産買ってきたみたいですし」

唯「え…えーっと、あのね!いま部屋の中凄い散らかってて、だからあのねぇ」ビクビク

梓「どうせそんな事だろうと思いましたよ…。ほら、どいて下さい、掃除手伝ってあげますから」

唯「あ、嘘!違うのあずにゃん!えっとね…あのね」ガッ

梓「な、なんですか…?離して下さいよ」グイグイ

律「そ、…そうだ!実は散らかってるんじゃ無くて、あれだよ。家ん中で七輪囲んでたから、硫黄酸化物が充満してんだよ!」

梓「余計ダメじゃないですか!?ちょっと、憂、純、早く換気するよッ!」ベキィ

唯「はふぅん!」ペタン

澪「おい律!何やってるんだよ、逆効果じゃないか!」

紬「……やっぱり、ダメね。やっぱり悪い事は最後まで隠し通せないのよ」

唯「む…ムギちゃん…」

律「待てよ、まだ終わって無いぜ!何とかして同じスッポンモドキを…」

紬「ううん…、いくら同じスッポンモドキを持ってきても、それは同じスッポンモドキであってトンちゃんじゃないもの」

澪「でもそんな綺麗ごとで梓の気持ちを傷付ける事になったら…!」

唯「ううん…、ムギちゃんの言う通りだよ」

律「なんだよ、お前まで諦めるってのかよッ!」

唯「うーん、諦めるとはちょっと違うかな?」

澪「どういう事だよ…?」

唯「例えばさ、もし私が死んじゃったとして……。その後、憂が私の変りになると思う?」

律「んな訳無いだろ!唯は唯だろ、代わりなんて……。あ」

唯「そう、そういう事なんだよ。最初からトンちゃんの代わりなんか無かった…。ただそれだけの事だよ」


『ちょッ!ちょっと、憂、梓!大変だよ、あのカメ飼ってた水槽が!』

『どうしたの、純ちゃん!?』


律「…さぁって、行くか!お前達、土下座の準備はいいか?」グッ

澪「ふふっ、誰に言ってるんだ?お前に軽音部に引き込まれた時から、こんな事は日常茶飯になったよ」

紬「さぁ、久々の土下座ね。大学じゃこんな事出来ないもの…やっぱり私は軽音部に入って良かったわ」

唯「行こう、皆。私達のやった事は許されないかもしれない…、憂やあずにゃんを深く傷付けるかもしれない…。でも、私達は私達のやれる事を精一杯やるだけだよ!」

律「うっしゃ行くぞ!私達の放課後ティータイム、今ここに再結成だぜッ!」ダッ


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