律「そだなぁ、またあのホームセンターで同じヤツを買うってのはどうだ?」

澪「うーん、確かにそれが一番現実的な方法かな。それにあたってまずは…」

唯「お小遣い制でっす!」バッ

律「今月残り60円でっす!」バッ

澪「いや、…まだ何も言ってないけど?お前らの言いたい事は分かったけど…」

律「さすが澪だ!伊達に大学通ってねぇぜ!」

澪「いや…、だから大学関係無いってば」

唯「ほんほはね!だへにだいはふかよっへなひよへ!」モグモグ

澪「お前も大学生だろうが…。いいから黙って食べろ」

律「おぉこの通り懐かしいなぁ、高校生活がまるで昨日の様に思い出してくるぜ!」

澪「トンちゃんを調理しても、何一つ思い出せなかった癖に良く言うよ…」

唯「そんな事ないよぉ。あの瞬間ムギちゃんのトロンボーン捌きとかしかと思い出したよ!」

澪「いやムギやってないからね、そんな楽器…」

唯「あれ、そだっけ…?あー……、そだムギちゃんはギターだったよね!」

澪「ギターはお前だろ!どんだけ記憶飛んでるんだよお前の頭は!?」

律「昔から一つ覚えると一つ忘れるヤツだったからなぁ、唯は」

唯「ブーブー、律っちゃんも人の事言えないじゃんか!」

澪「やれやれ…。ほら、この先を曲がったら見えてくるぞ」

澪「ほら、見えてきたぞ。相変わらずおっきいホーム……あれ」キョロキョロ

唯「ほんとだおっきいジャスコだね!一日で回れるかな」

律「見ろよ、唯!中にしまむらも入ってんぞ。見て見ようぜ」

唯「えー、律っちゃんファッションセンターしまむら使ってるの?フリーターなんだからもうちょっと良い所にしようよ」

律「フリーターじゃねぇよ!浪人中の傍らバイトしてるだけって言ってるだろ!!」クワッ

唯「うーん…そんなの、どっちでも一緒じゃないの?」

律「ちげーよ!…とにかく、しまむらを如何に上手く着こなすかが大人の嗜みなんだって。なぁ澪」

澪「いや、知らないからそんな事…。どうするんだよ、まさか潰れてたなんて…」

律「とにかく中に入って見ようぜ。もしかしたら中にペットショップが入ってるかも知れないし」

澪「そう上手い事いくかな…、時間も無いし何か他の手を考えた方が」

唯「大丈夫だよ澪ちゃん。私に心当たりがあるよ!」バッ

澪「な、何?それは、本当か唯!」

律「さすが唯だな!やるときはやるじゃねぇか」

唯「いゃあ、そんなに褒められたら照れちゃうよぉ」

澪「よし、早く案内してくれ!トンちゃんと同じ種類を扱ってれば良いけど…」



唯「どうかなー律っちゃんー?この位の位置かな」

律「うーん…、もうちょっと奥?いや手前だな!」グイグイ

唯「ちょっとぉ、それじゃ分かんないよ!ちゃんとナビしてくれないと」

律「んな事言われても、ガラス越しじゃ分かりにくいんだよ!」

唯「ねぇ澪ちゃん、どうかな?私的には重心があるから、もうちょっと左に寄った方が良いと思うんだけど」

澪「……私的には、激しくどっちでも良いと思うんだが。何をやってるんだ…唯」

唯「このカメのヌイグルミなら憂も喜ぶしさ、一石二鳥とはまさにこの事だよ!!」

澪「この事ってどの事だよッ!?そんか布と綿で出来た物体なんかすぐバレるだろ!」

唯「えー!?でもこう見えても私得意なんだよ、UFOキャッチャー」エッヘン!

澪「それってお前がUFOキャッチャーで遊びたいだけなんじゃないのか!?」

律「おい澪、落ち着けってば。こういう時こそ、急がば回れっていうだろ?」

唯「そうだよ!思えば私達、軽音部はいつも回り道しながらも前に進んでたじゃない!」

澪「…これは完全に道から外れてるよね?向かいのパーキングエリアでティータイムしちゃってるよね…?」

唯「もぅ、澪ちゃんあんまり細かい事気にしてると禿げちゃうよ」

澪「お前達が気にしなさすぎなんだよ!どうするんだ、八方塞がりじゃないか」

律「いや…そうでも無いぜ。まだ策はあったじゃないか。お前らのお陰で思い出せたぜ!」

唯「私達のお陰!?それは一体どういう事なの!」

律「軽音楽…ティータイム…、このキーワードから誰かを忘れてないか!」

澪「そ、そういえば……。ムギなら、ムギならきっと何とかしてくれるかも!」

唯「そうだよね、もしかしてトンちゃんと同じカメを飼ってるかもしれないよ!」ワクワク

律「よし、そうと決まれば早速ムギん家乗り込もうぜ!」

澪「…でも、お前ムギの家がどこにあるか知ってるのか?」

律「え゛…?澪、お前知らねーの」

澪「私はそんなの、微塵も知らないぞ…。唯はどうなんだ」

唯「わ…私も、律っちゃんの大学の合格率くらい知らないよ…」

律「どういう例えだよ、それ!ぶっ飛ばされたいのこの子!?…つーか何で三年間一緒の部活で誰も知らねーんだよ」

唯「あー…、そいえば高校ん時に、ムギちゃんってさわ子先生に、お家まで送ってもらわなかったっけ?」

澪「そ、そういえば…。そういうくだらない事はシッカリ覚えるんだな、お前は」

唯「えへへー、だからそんなに褒められたら照れちゃうってぇ」

律「褒めてねーと思うけどな…。よし誰かさわちゃんの番号知ってたら掛けてみてくれ!」

澪「…いや、仕事中かも知れないしメールの方が良いんじゃないか?」

唯「それもそうだね、んじゃメールでっと…。『さわちゃんへるぷみー』」カタカタカタ…



ピロロッ♪パッパッパー♪

唯「あ、さわちゃんから返事が来たみたいだよ!……ん、写真が付いてる」カタカタカタ

澪「金閣寺をバックに撮ってるのか?隣りに梓達もいるんだな」

唯「えーっと…『軽音部の皆も元気にしてるかしら?』って書いてあるよ!」

律「ふふっ、卒業してもちゃんと覚えててくれるって、嬉しいモンだな…」

澪「…そうだ。私達の写真も撮って、さわ子先生に送ってあげようか?」

唯「それ良いね!きっとさわちゃんも喜ぶと思うよ」

律「うし、んじゃ並べ並べ!私達の元気な姿を見せつけてやろうぜ!」グイグイ

唯「それじゃーいくよ!笑って、笑ってー」パシャ!



ピロロッ♪パッパッパー♪

唯「あ、また返事が来たよ!…えっと、どれどれ」カタカタカタ

律「おい、何て書いてあるんだ!早く見せろよ」グイグイ

唯「そんなに押さないでよぉ。それじゃ、読み上げるねー」カタカタ

『唯ちゃんも相変わらずみたいで安心したわ。またお茶とか飲みに行きましょうね』

律「なんだ?お前さわちゃんとそんな事してたのかよ。意外と仲いいんだな」

唯「えーっと…次は澪ちゃんの事だね。どれどれ」カタカタ

『暫く見ない間にまた背が伸びたんじゃない?ますます美人になって先生ビックリしたわよ』

澪「そ、そ、そんな事無いって…!?照れるじゃないか!」アセアセ

律「おーおー、中身は相変わらずって事もちゃんと教えてやらねーとな!」

澪「う、うるさいな!律は黙ってろ!」

律「おい唯、私は!私はなんて書いてあんだ?」

唯「えーっとちょっと待ってね…律っちゃんはっと…」カタカタ



『田井中(フリーター)律っちゃん』

律「って、カッコの中はなんだァァアァッ!?つか、なんでコイツがそんな事知ってんだッ!!テメェは、ネット通販で買った商品を期限ギリギリでクーリングオフして永遠にスリルを楽しんでろッ!!」ガッシャァアァァアァァァン!!!

唯「あぁぁぁあ!?私のケータイ!律っちゃん何するの!」

律「これだから公務員は信用できねぇ!唯、先生に頼るのは無しだ!自力で探しだすぞ」

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