唯「んん…もうお昼かぁ。お腹空いたよぉ」グュリュュュゥ

ガチャリ

唯「ういー、ごはん頂戴ー!ういー」

シーーン……

唯「う…ういー…?」キョロキョロ



梓「どうしたの憂?折角の修学旅行なんだらもっと楽しそうにしたら」

憂「うん…でもお姉ちゃんが心配で」

梓「唯先輩?もう大学生なんだからさすがに大丈夫でしょ」

憂「だったら良いんだけど…」



唯「と、とにかく何か食べ物が欲しいよぉ…」ガチャリ

唯「…福神漬けと味噌しか入って無い…。ういー、ういー!」グゥキュルルールルルル



ピンポーーン

唯「…ん、お客さんだ…。でもパジャマだしなぁ、居留守つかっちゃお」ギュリュルルルル

ピンポーーン、ピンポーーンピンポーーンピンポーーンピンポーーン

唯「うーんしつこいなぁ、どなたですかぁ」ズリズリ

律「おっせーぞ!何居留守使ってんだよ」ガチャリ

唯「あれ?律っちゃん。良く居留守って分かったね」グギュルルルール

律「そんだけギュウギュウ腹の音鳴らしてりゃ分かるっつーの。んじゃお邪魔しまーす」

唯「丁度良かったよ律っちゃん!私大変だったんだよ!」

律「そりゃ奇遇だな。私もケッコーヤバイ状態だったんだよ」

唯・律「なんか食わして!」グゥキュルルールルルルル

唯「………え?」

律「………え?」



唯「律っちゃんもごはん食べてないんだ……」グゥキュルルール

律「あぁ…、今月もう残金60円しかねー。もう体力も気力もねー」グゥキュルルールルル

唯「もうちょっと計画的にお金使おうよぉ…その歳にもなって」

律「うるせー、その歳にもなってお小遣い制のお前に言われたくねぇよ」

グゥキュルルル…

唯「駄目だ…大きい声だしたら余計お腹が空いてくるね…」

律「仕方ないこうなったらカップ麺で我慢するか」

唯「んー…もうカップ麺も買い置きが無くなってたよ」

律「なんだよそりゃ!じゃあパンでも何でもいいから食えるもんくれよ」

唯「冷蔵庫の福神漬けと味噌ならあるけど…」

律「そんなもんで腹一杯にならねーよ!憂ちゃんは?憂ちゃんならメシ食わしてくれるだろ」

唯「あずにゃん達と修学旅行だって言ってたよ…、ずっこいよね憂達だけ!」

律「いや、お前も去年行ってただろ…。八ツ橋とか旨かったよなぁ…」

唯「旅館のご飯も美味しかったよねぇ…」

グゥキュルルルルールルル

律「あぁ、なんか腹減り過ぎて幻覚が見えてきそうだぜ…」

唯「いいなぁ律っちゃん…私も白米の幻覚がみたいよぉ」

律「なんか高校ん時、部室に置いてあった水槽が見えてきたぜ…」

唯「それ幻覚じゃないよ…、私が卒業ん時に引き取ったじゃない」

律「あぁ、そだっけ?覚えてねーや…」

唯「……ねぇ律っちゃん」

律「なんだよ…?」



唯「カメって、食べられるのかな…?」




梓「そういえば最近トンちゃんの調子はどう?」

憂「別にいつも通りだよ、窮屈そうだけど元気に泳いでるかな」

梓「そう?だったらいいんだけど」



唯「律っちゃん!ほんとに食べても大丈夫なんだね?」

律「あぁ、スッポン料理とかある位なんだから食えるに決まってんだろ!」

唯「それじゃ、取り敢えず煮てみよっか!」

律「うし、んじゃ鍋に水をはって沸騰させるぞ!」

律「よーし、大分煮えて来たな。そろそろ放り込んでもいいんじゃね」

唯「よーし、んじゃいっけぇぇ!」バッシャァァン

グツグツグツグツ…

ピンポーン!

律「ん…?誰か来たみたいだぞ」

唯「誰だろ…?律っちゃんお鍋の火加減ちゃんと見ててね」

律「おうよ、任しとけって!」

スタスタ

唯「はいー、どなたですかー。って澪ちゃん!」

澪「ちょっと近くまで寄ったからな。大丈夫かな?」

唯「勿論だよ!上がって上がって、いまカメ料理作ってるんだ」

澪「カメ料理…?スッポンでも買ったのか」

唯「そんなの買ってないよぉ。ウチの水槽で飼ってたヤツだよ!」

澪「唯ん家の水槽で…?」

グツグツグツグツ

律「よぉーお前もメシたかりに来たのか?でもコイツはやらねぇぞ!」

グツグツ

澪「……………」

唯「ん…?どしたの澪ちゃん」

澪「ウァァワァァアァァァアァァァアッ!!?」ガッ!

バッシャァァァァァァアン!

律・唯「あ゛!?あ゛っづーぅぅぅぅうぅぅッ!!」ゴロゴロ!

律「な、何すんだよ澪!?私達を殺す気か!」

澪「それはこっちのセリフだよ!お前らトンちゃんに何しようとしてたんだ!」

律「トンちゃん……?」

唯「何言ってるの、それはカメって言って爬虫類の一種で」

澪「いや、知ってるよ!そうじゃなくて、コイツは私達が高校生の時に飼ってたカメのトンちゃんだろうが!」

律「トンちゃん……。あーそういやそんな事もあったような」

唯「んー…あったような、無かったような気がするね」

澪「律はともかく、唯は飼ってたんだから普通覚えてるだろ!」

唯「えへへー、そういうの憂に全部任してからねぇ。あずにゃんもよく家に来て面倒みてたような…」

澪「とにかく私が来て良かったよ…、もう少しで……」

律「ん…?どした澪、なんか気にな……」



トンちゃん「…………………」

唯「……甲羅が粉砕して、悲惨な事になってる…」

澪「ど、どーするんだよお前らッ!トンちゃんが!!」ワナワナ

律「そんなデケー声出すなよ。別にたかだか、カメの一匹や二匹…」

澪「たかだかじゃない!忘れたのかよ」

唯「忘れるって…何がかな?」

澪「梓に、私達軽音部が離れ離れになっても、トンちゃんを通じてあの時の気持ちを忘れない様にしようって言ってたじゃないか!」

唯「……だから、あずにゃんはあんなにトンちゃんの世話を」

律「おぃぃぃぃッ!?澪、お前どうしてくれんだよ!私達、軽音部の絆を粉々に」ビッ

澪「いや、今の今まで完全に忘れてただろう!?私のせいにするなよ!」

律「うるせぇぇ!大学生なら何とか出来んだろ!こんな時の為の大学だろ!」

澪「どんな時だよ!大学をなんだと思ってるんだお前!」

唯「止めて、二人ともッ!」バンッ!

律「ゆ、唯……」

唯「今はそんな事で争っている場合じゃないんだよ!」

澪「そ、そうだな…唯の言う通りだ。まずは…」

唯「まずは何かご飯を食べさせて下さい!!」グゥキュルルルルール



―ファミレス―

律「あぁーヤバイなぁ…、マジでヤバイわ…」ガツガツ

澪「全く、ようやく気付いたのか?事の重大さに」

律「空腹限界で食べるメシは、マジでヤバイぞ!」ガツガツ

澪「そっちかよ!?少しは危機感を持てよ!」

唯「ねぇ澪ちゃん、いいかな…?」

澪「ん、どうした唯?何かいいアイディアでも浮かんだのか」

唯「ううん、デザートも頼んでいいかな?って!」

澪「……あぁ、いいよ。何でも好きなの頼んでいいから危機感持って…」



純「わぁ!清水の舞台って目茶苦茶高いんだね」

梓「ほら、写真取るよ。憂も並んで並んで」

憂「え、あ…うん。分かったよ!(お姉ちゃん大丈夫かなぁ)」

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