紬「私もまだまだやれるわねッ!」

紬はこの一撃に手ごたえを感じ、調子に乗って2発目を放った。
さっきと同じ腰に刺が食い込み、肉片をそのまま地面に叩きつける。

律「ぎゃああああああああ!!!あああ!!あああああああ あああ!!」

律の腰は肉を削られ、あっと言う間にグロテスクな状態へと化した。
ひどい所は骨盤が裸のまま、空気にさらされていた。

紬は久しぶりの運動に張り切って、3発目を振り下ろした。
今度はふくらはぎが鞭の餌食となり、肉をむしり取られた。
律は頭痛と手の痛みと肩の痛みと鞭による痛みに耐えきれず失神を繰り返す。しかし、

紬「寝ちゃだめよっ!」

ブツッッ。

律「ぐふ、ぎ、ぎぇぇぇぇぇぇ!!!」

凶器の前では、寝ることなど許されなかった。
紬は律の体を満遍なく打ち続ける。
爪が飛び、乳首が飛び、指が飛び、律は全身を赤く染めて悶え狂った。

紬「ふうっ……ふうっ……」

律「さ……む……い……ッ……さ……さむぃ……」

そこにぶら下がっているのはもはや人間と呼べなかった。
全身をむしり取られ、あちこち肉がめくれあがっている。
左足のすね部分なんか、骨に肉がこべりついている状態であった。
右肩から先はもうつながっておらず、万力は右腕だけをぶらぶらと吊るしている。

紬「これでは血が足りなくなって死ぬのがオチね」

紬はこう呟いたが、まるで少年のような輝きを瞳に秘めていた。
そこで斉藤が持ってきたのは鉄の棒の先端に平らな鉄板のついた器具であった。
その鉄板は予め熱してある、これは焼きゴテと呼ばれる拷問道具だ。
しかし紬はこれを止血として用いった。

紬「死にたくないわよね?じゃあ我慢してね」

律は乱暴に降ろされると、仰向けの状態を強いられた。
そして胴体の傷に向かって、焼きゴテを押しつける。

律「うぎいいいッッ!!ぎゃああああああッッッ!!」

皮下脂肪がパチパチと音をたて、ジュウジュウと赤い肉汁をこぼした。
紬は全体重をかけて焼き終えると、また新たな焼きゴテを取って再び胸へ押しつけた。

律「ッッッッッ!!!ん゛ぎゃあああああああッッ!!!」

紬「ほら暴れないで、止血しなきゃ」

一通り止血を済ませると今度は片手で操作できるくらいの小さな焼きゴテを手にした。
そしてちぎれた肩の断面に押しつけ、止血を開始する。
律は憔悴しきった悲鳴を聞かせてくれた。

律「ぅああぁあぁぁ……ぁぁ……」

肉の焼ける音が紬の食欲をすする。

紬「ああ、食べたいわりっちゃん……でも我慢するの、私」

引き続き、拷問はさらなる虐待を用意していた。
ハンマーを手にした紬は律の足に見とれると、こう呟く。

紬「こんな簡単に死なせないわよ、もっと痛がってほしいの。こんな足付けてても拷問の邪魔になるだけよ」

律の膝小僧を優しく撫でると、そこに勢いよくハンマーを振り下ろした。
一発で粉砕し、金具が奥へとズイズイめり込む。

膝小僧が頭を出していたおかげで、砕けた骨から噴き出る骨髄のシャワーを浴びることができた。
紬は口辺りに付着した骨髄を舌でなめ取ると、笑ってみせる。
律の悲鳴はもはや、声として成り立たないくらい小さなものだった。
紬は刃の小さい良く切れると評判のノコギリに持ち変える。

そして斉藤の助けを借りると、その刃を綺麗な太股に当てた。

紬「死ぬ確率が高いわね、でももういいわ、その時はその時よ」

斉藤「はい」

律の体を押さえつけるよう男に指示を出し、紬はゆっくりと口を開いた。

紬「斉藤から引いて、ノコギリで切断するわ」

斉藤「了解、では」

斉藤は気持ちの良い返事をして、ノコギリを引いた。
最初は太股の肉が引っかかって、うまく切ることができなかったが要領良く切り込んだ途端、
ジュクジュクと音をたてスムーズに切れ始めた。
切れ目から鮮血が噴き出し、まるで血の噴水のようだ。

紬「よいしょ、よいしょ」

紬と斉藤の息は驚くほどピッタリで、何回か削り続けていくうちにもう骨に当たった。
紬は気合いを入れるよう斉藤に呼びかける。
それは一生懸命、工作に励む幼稚園生さながらの振る舞いであった。

紬「せーのっ!」

ギッギッギッギッ――――。

律「……っ……っ……」

骨を削る作業が始まった。

骨の粉末が切り口の断面を白く、お洒落なものにしている。
律は痙攣を繰り返しながら、トロロのような泡を吐き出していた。
苦痛を感じていたかというと無論、心拍数は確実に弱まっている。

紬「ふうっ、そろそろ二つに切れるかしら」

切断まであともうちょっとというところで紬は手を止めた。
といってもまだ5センチ程厚さがある。

紬「私もう疲れた、貴方たちが手でちぎって頂戴。念のために輸血や手当もしてあげて」

紬は一仕事終えた達成感に満足したようだ。
律の後始末は男に任せ、自分だけ唯の場所へと歩み寄った。
しかし唯の姿がどこにも見当たらない。

紬「あら?唯ちゃんは?」

斉藤がそれに答えた。

斉藤「あの方でしたら隣の部屋です、あまりにも五月蠅かったので」

紬は口元をニヤつかせ、そうとだけいうと第2地下室を後にした。


紬「お邪魔するわ、唯ちゃん」

紬は唯の居る第1地下室を訪れ、溌辣と挨拶をした。
返ってきた悲鳴に紬は期待を膨らませる。

真っ暗な部屋にスイッチをいれ、光を部屋に行き渡らせた。

唯「ひッッ、ひッッきゃあああああああ あ  あ あァ ア!!!」

紬「そんなに驚かないで、唯ちゃん」

唯はコウノトリという器具を付けられ、身動きの取れない状態で、真っ暗な空間に一人閉じこめられていた。
コウノトリとは首枷、手枷、足枷が一体となった、三角形の形をした拷問器具だ。
三角形の頂点に当たる部分、ここで首を拘束され、胸に両手を差し出す形で手首を拘束される。
そして両足を折り曲げる形で拘束され、精神的苦痛と呼吸困難、神経の圧迫など様々な症状を引き起こす恐ろしい道具。
この器具の恐れるべきは、精神への負担だ。
常人であれば1時間で発狂し、死に至るケースも珍しくない。
いきなり光を与えられた唯の精神はあの悲鳴を聞けばわかる通り、相当おかしくなっていた。

唯「ふッふッふッ、ひぎ、ひィ!ひィィッ、ぎッ!」

唯は手足をブルブル震わせて、目を限界まで見開いていた。
この震えはコウノトリによって痛めつけられた体の痙攣である。
紬は可愛い、と唯の頭を撫でた。すると、

唯「いや゛あああああッういッういういッ!!!ういいいいいいッたずけで!!うわ゛あああああ!!!」

どうやら幻覚をみているようである。
妹の憂に助けを求める姿は、人間の末路を感じさせた。

紬「そんなに憂ちゃんに会いたい?会いたいの?」

紬は唯の顔に近づくと、甘やかすように喋りかけた。

唯「ひッ、ひッ、ひッ、ひッ!!」

紬「うふ、安心して唯ちゃん……憂ちゃんはきっと助けにくるわ」

紬「でなければとっくに貴方を傷つけているもの……」

紬は小さな声で、呟いた。

紬「このイベントの目玉は貴方達なんだから……ふふっ」

唯「……」

唯「……ッ、あ、れ……」

気がつくと唯は真っ暗な空間に一人、寝そべっていた。
数時間前に紬がコウノトリを解除して、精神安定剤をうっている。
そのお陰で今はそれほど怖くない、束縛されていた時の記憶は残っていなかった。

「いやあああああああ……」

唯「ひっ……!」

隣から澪ちゃんの悲鳴が聞こえて、唯は体を丸くさせた。

そうだ、私はムギちゃんに監禁されている――――。

良い夢から覚めた時の喪失感、それに似た感情が体を粟立たせた。
唯を縛るものはなにもない、大した怪我もしていない。
唯はチャンスだと思い、力を振り絞って地面に手をついた。

唯「ん……」

唯はなにかを枕にしている、頭の後ろでなにかが蠢いた。

唯「え」

唯はとっさに後ろを振り向いた、しかし暗くてよくわからない。
よく目を凝らしてみても、その正体がなんなのか、わからなかった。

とその時、唯の首元でモゾモゾとなにかが動く。

唯「ひっ、ひっ!いやっ!」

唯は蠢くそいつを片手で弾きとばすと、なるべく遠くへ逃げた。
一体、なにに寄りかかっていたのか。
正体のわからない恐怖に唯は全身を震い立たせる。

唯「はぁっ、はぁっ、はぁっ」

唯「あっ……」

壁に行く手を遮られ、唯は背中をぴたりとくっつけた。
なにかのおうとつが背中を擽る、反射で唯は振り返った。

唯「あ……スイッチ……?」

唯「……」

スイッチを見つけた唯は、それが存在する意味を瞬時に把握した。
恐らくこいつを押せば、この部屋の明かりがつく。

唯「……ッ」

明かりがつけば、あの正体がわかる。
しかし嫌な予感しかしない、きっととんでもないものがあるに違いない。
決心の一歩手前で臆病な自分が、自らの足を引っ張っていた。

唯「ふぅっ、ふぅっ……」

唯「……」

唯「……」

カチッ――。

明かりをつけてしまった。

唯「……」

おそるおそる、振り返った。
光が眩しくて、瞼が言うことを聞かなかったが、今それを気にする段ではない。
まるで真夏の陽炎が漂っているみたいだ、視界がユラユラと揺れていた。

唯「……ッ」

段々とはっきりしてくる、唯は生唾を呑み込んだ。

唯「え……」

正体をこの目で見ることができた。
唯はどうやら人のお腹を枕にしていたようだ。

唯「あ……ぁ……ぁっ……」

唯は吸い込まれるように、その枕へ近づいていった。
その人間のお腹は大きく切り開かれていて、中には夥しい数のゴカイが蠢いている。

唯「やだ……やだよぉ……ッ……ッ……やだッ……!」

唯はゴカイ構わず、その人に抱きついた。
よく見てみると目玉がくり貫かれ、口にはナマコが突っ込んである。
長い前髪には血の赤がこべり付いていた。

唯「り……っちゃん……やだッッやだよりっちゃんやだあああああああッ!!!」

唯は虫の住処と化した律のお腹を枕にしていたのだ。
長い前髪が唯一、律である事を証明していた。

しかしまだ、絶望はまだ終わらなかった。

唯「はぁっ、はぁっ!ううっ……!……うううッ!」

唯はもう言葉にできず、ただただ泣きじゃくった。

隣に、丸坊主の梓が律同様の仕打ちを受けて、仰向けに寝ていた。
髪の毛はあの時のジュースに使われたのだろう。
もう動くことのない、原型すら止めていない大事な友達を前に唯は狂った様に泣き叫んだ。

唯「いやあああああああああああッッッ!!!」

卒業の約束を交わした友は、無惨にも昆虫の餌食となってしまった。
引き継ぐ約束を交わした後輩も、同じくこんな姿になり果ててしまった。

たった二日で、放課後ティータイムの3年間が崩れたのだ。
たった一人の欲望で、幸せは無に還った。



澪「……ッ、あァッ!」

朝日が顔を出すか出さないか、とにかく朝方から澪は苦痛に蝕まれていた。
第2地下室に澪のうずくまった影が、もぞもぞと動いている。
澪は過酷な拷問を受けた後、肛門から濃縮洗剤を多量に注入された。
裂けた肛門は開かないように、乱雑な手縫いで閉じてある。

澪「はぁッ、はぁッ、はぁッ!!んんんッぁぁッ……!」

ぷっくらと膨らんだお腹はまるで妊婦のように形の良い曲線を描いている。
腸内が炎症を起こし、澪に耐えがたい苦痛をもう3時間も与え続けていた。

澪「いやあああぁぁぁ……おかじくなるッ、うううう……」

激痛に耐えるしかない、どこにも逃げ場はなかった。
いくら痛くてもそれに耐えるしかないのだ。
甘えん坊の澪にとって、耐えるという事が一番の苦痛となった。

澪「あああああ……」

この悲鳴は、紬が拷問を再開するまで止むことはなかった。


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