紬「目が覚めた?どう、気分は」
律「む、ムギ?な、なんだこれ、ちょっ、これほどいてくれ!」
澪「なんで裸なのっ、いやっ、怖い……なにこれ、ねえムギ……」
律「な、なんだ……あ、あっ!うわああ!!」
澪「いやっいやっ!!ひ、ひっ!!」
二人はほぼ同時に梓の使い捨てられた様を目撃し、パニックに陥った。
未だ痙攣しているのが生々しくて紬にとっては脅す素材として好都合である。
紬「澪ちゃん痛いの嫌いよね?」
澪「……ッ」
紬「ふふ、澪ちゃんには一番痛がってもらうわ……」
澪「えっ……えっ……」
律「おい……ムギ……ま、待てって……」
紬「静かにして」
紬は帰ってきた男3人を使い、澪を部屋の奥へと運んで行った。
この地下室は軽く体育館並みの広さを誇っている。
澪「いやっ、は、離して!痴漢!!痴漢っ!!」
澪は男に抱えられるという恥ずかしさに頬を高潮し、泣きながら抵抗した。
紬「羞恥心なんて感じなくしてあげるからね」
澪を待ち受けていたのは処刑で良く知られる十字架であった。
なんの変哲もないごく一般的な十字架、紬はこれに磔をするよう指示をした。
律「ムギ!!いいから解いてくれよ!!どうしたんだよっ!!」
紬「静かにしてっていってるのにりっちゃんったら」
磔は楽な処刑とよく言われるが、この苦痛はなによりも耐え難いものなのだ。
男は澪の縛りを解くと縄で十字架に固定した。
澪「はあっ、はあっ、手首が痛い……やめてぇぇ……」
紬「これはまだ磔じゃないわよ、ほら刺して」
澪「えっ……」
男は大きなクギとハンマーを持って澪の所へ近づいた。
澪は泣くのをやめて目を大きく見開いている。
澪「えっ……む、ムギ……やめてよ……」
紬「いいからはやく打って、りっちゃんの相手ができないじゃない」
男は澪の掌にクギを当てて、ハンマーを構えた。
澪の額からは脂汗が滲み出るようにして滴る。
紬「はい、打って」
ガンッガン――!!
澪「――――ッ!!」
たった2発で澪の掌にクギが打ち込まれた、それと同時に澪の凄まじい悲鳴が響き渡る。
律「澪っ!!!」
たった3分程度で掌と足の甲に鋭いクギが打ち込まれた。
しかし本当の苦しみはこれからである、この縄を解いた時に初めて訪れるのだ。
紬「縄を解いて、これで磔の完成よ」
男が縄を一斉に解く、すると澪の体重はクギの差された傷口に集中する。
四つの傷で澪の体重を支えるのはプロレスラーでも1分も持たないそうだ。
澪「いあ゛っ、ううううううああああ……ッ、いたい!!やだやだいたいいたい!!!」
律「澪ッ!!む、ムギやめろよっ!!」
紬「いやよ、澪ちゃんの痛がる顔可愛いんだもの」
律「やれてくれよっ!!お願いだから!!澪を解いてやってくれ!!」
律の目には早速、光る何かがたまっていた。
親友の苦しむ姿は、律にとって自分の事のように辛くて痛いのだ。
紬「じゃありっちゃんが救ってあげて、私のいう課題を耐えぬけば澪ちゃんを降ろしてあげる」
律「えっ……課題?」
紬「そうよ、これからの拷問に耐えきったら澪ちゃんを降ろしてあげるわ」
紬「失神しないこと、これだけ守ってくれる?」
紬は腕組をしてりっちゃんを見下すと、鼻で笑うようにして言った。
失神は意気込み云々で我慢できるようなものではない、はなっから澪を降ろす気は全くないのだ。
澪「やだやだやだ!!いたいいいいいい!!!あああああうううう殺してもう殺してえええ!!!」
律「……ッ」
紬「答えを聞くつもりはないわ、りっちゃんにも痛い拷問をしてあげるんだから」
律は下唇を噛むと、ブルブルと震えだした。
あんなに強気な律でさえ、痛みの前では簡単に女の子らしい一面を見せるのだ。
これを上目線で眺めるのが、拷問の醍醐味であると紬は思っている。
長い間一緒に生活して、お互いをよく知っているからこそ、拷問で本性を暴く際楽しくて仕方がないのだ。
紬「じゃあ、りっちゃんは吊るして」
律は両腕を後ろに組む形で縛られると、その腕をそのままワイヤーで真上に引っ張られた。
じわじわと痛めつける為に、紬は足がつくかつかないかのギリギリのラインで吊るし上げる。
律「んぐッ!あッッ!」
紬「りっちゃんその調子よ、頑張って~」
次に紬は地面から3、4メートルの高さまで慎重に吊り上げた。
揺ら揺らと回転しながら上へ昇る律は、ぐっと歯を食いしばって耐えている。
紬「すごいりっちゃん、頑張るわね」
紬はもっと天高く律を吊るし上げた。
流石の律も肩の痛みに涙をポロポロと流している。
涙と汗が混ざり、地面に滴るその滴が輝いて地下の地面に叩きつけられた。
紬「じゃあ、いくわよりっちゃん」
律「あ……うぅ……いたい、いたいぃぅぐぅ……」
紬はワイヤーを操作するレバーを、一気に下へ引いた。
律の体は重力によって地面へ引っ張られる。
律「うおっ……!」
律の肩の拘束はこれで緩まるが、しかし7メートルほどの高さから落とされるという恐怖が待ち受けていた。
律はなんとか足の裏で着地しようと試みる、体制を整えて着地の姿勢になれた。
律(大丈夫だ……捻挫くらいで済む)
地面が近づいてきた、律は地面と真っ向からぶつかる意気込みで気合を入れる。
律「あああああっ!!!」
紬「まだ地面は踏ませないわ、えい」
地面まであと2メートルといったところで紬はレバーを上に押し上げた。
するとワイヤーがピンと張り、律の肩は脱臼しあり得ない形で真っすぐに伸びる。
律「ッあ――――!!!!」
紬「……」
紬「ほら、失神してるじゃない」
ワイヤーでぶらぶらと揺れる律は口から泡を吹いて、失神した。
紬「澪ちゃんは降ろしてあげないわ」
紬が澪を振り返ると澪も泡を吹いて失神していた。
足の甲の傷は縦に広がっていて、中の様子を窺えるほどであった。
紬は人差し指を澪の傷の中に突っ込んだ、そしてグジュグジュと掻き回す。
澪「……」
まったく反応がない、これで意識を取り戻さないとなればもっとグロテスクな事で起こす他ないだろう。
紬は準備された塩を澪の傷口に擦り込んだ。
澪「ぐふっ、あっ!ぎゃああああッ!!!」
紬「まだおやすみは早いわ、これからなのに」
澪「あ゛あああ……あああううう……!」
塩を擦り込んでから10分経つが、澪はいまだその苦痛に必死であった。
塩が肉体にしみ、忽ち神経の炎症を引き起こす。
その炎症が筋肉の激しい痙攣を呼び、さらに傷口を広げる。まさに地獄の連鎖であった。
紬「そろそろ飽きてきたわ、降ろして」
男は磔の木材を横に倒すと釘を乱暴に引き抜いた。
その度に澪は悲鳴を上げていたが、先ほどの痛みと比べるとなんてことないはずだ。
澪「はっ……はっ……はっ……」
降ろされた安心か、突然澪は発作を起こし、うずくまった。
痛みに滅法弱い澪にとって、この仕打ちは相当なダメージである。
心の傷は後遺症や精神障害の残るレベルにまで達していた。
紬「さて……」
一通り失神を味あわせる事ができた満足感から紬は4人を休ませようと考えた。
それは4人の体を想っているからではなく、自分の為である。
自分の欲をまだまだ満たす為、体力尽きて死んでしまっては困るのだ。
紬「ここにいる3人は、そうね……掃除用具箱があったでしょ?そこに突っ込んでおいて」
紬「今から唯ちゃんお相手をしてあげるわ」
紬は頬を赤らめて、地下室を後にした。
唯を監禁している水牢はすぐ隣の第2地下室に設置してある。
紬「うんしょ、ごきげんよう唯ちゃん」
紬は第2地下室の扉を開け、中央の水槽に手を振った。
カツカツと近寄り、唯の容態を窺ってみたところそれは紬の一番求めていた様子であった。
唯「はぁっ、はぁぅっ、ぅぅ、うぅぅ、ふぅ」
紬「可愛いわ」
くぐもった悲鳴を呼吸の度に出して、足を水中でガクガクさせている唯は瀕死と呼ばれる状態であった。
今にも首まで浸かった水に溺れそうになりながら唯は必死に耐えている。
唯「はぁぅ、うぅ、う……う……ぅ……」
紬「ああん、がんばって!溺れちゃダメよ!」
唯「う、うぅ……ぶくぶく……」
紬「あ~……」
紬「あ~、もう唯ちゃんったら」
男「助けますか?」
紬「助けなくていいわよ、自分が溺れたんだから」
紬は水槽に両手をつけると顔を近づけて応援をした。
紬「がんばって唯ちゃん!立ち上がって!しんじゃだめ!」
唯「……」
紬「こんなところで終わっていいの!?」
唯「……」
紬「……」
唯「うぼぁ、ごぽぉ、おぇぇ!!」
紬の想いが届いたのか、唯は見苦しい犬かきで頭を出すとほぼ液体のゲロを吐き出した。
紬がここに来る前から唯は何度も溺れていたという事が、この嘔吐で見取れた。
紬「そろそろ出してあげましょう」
紬の指令で唯はやっと地面に倒れ込むことができた。
何度も体を波打たせ、滝のように水を吐き出している。
唯「おろぇぇぇ……!おぅぅ、ぅっ!おぇぇぇ……!!」
さっきの夕食が無惨な形で水溜まりに漂い、照明に照らされて光っている。
全裸で股をガバッと開き両手を頭上でダランとさせ夢と現をさまよっていた。
紬「唯ちゃんも休めないとしんじゃうわ」
紬は呟くと監視の男を置いてその場を立ち去った。
今日の遊びはこれで終わりだ、また明日の朝一に拷問を予定している。
紬「ふふ、明日は死ぬほど泣いてもらうわ」
お風呂へ向かう紬の足取りは水素より軽やかで楽しげであった。
朝日が辺りを薄く照らしていた。
広すぎる部屋に時計の音がチッ――チッと等感覚を刻んでいる。
本当ならそこに5人並んで朝を迎えるはずだった。
ノックなしで扉が開かれる、紬はその頃着替えの途中であった。
斉藤「お着替えの途中すいません、下の階がなにやら騒がしいようです」
紬は豊満な胸をブラジャーで包むと、髪をポニーテールに縛りながら促した。
紬「でしょうね、精神安定剤を一応4人分持っていって」
斉藤「かしこまりました」
斉藤が部屋を出ていくと紬は簡単な衣服に着替え身支度を済ませた。
紬「さて、楽しみね」
案の定、地下の階は地獄絵図というべき光景が広がっていた。
澪「ううう……う゛ う゛ う゛」
紬「あらあら、あれが澪ちゃんなの?怖いわ」
澪はうずくまってこちらを鬼の形相で睨みつけていた。
律は朝から肩の痛みに必死で、梓は部屋の隅でブルブルと震えている。
紬「澪ちゃん落ち着いて~、今日も痛いことしようね~、ほら怖がらないで」
澪「く、来るなァッ!!うわああ、あ、あ!!」
澪は目を見開いて、足を引きずりながら肘だけで遠ざかっていった。
しかし紬は構わず距離を縮めていく。
澪「うわァあああああ!!!くるなくるなくるなくるな!!!」
紬「あらあら、じゃあ朝の体操から始める?」
男4人がかりで押さえつけ、精神安定剤をうった。
そして落ち着くまで再び磔にかけるよう命じると、梓にあいさつがてら歩み寄る。
梓「はっ、はっ、ひ……」
紬「先頭は梓ちゃんから行く?それともりっちゃんから行く?」
梓「あ……あっ……うううぅぅ……」
紬「泣かないで梓ちゃん、じゃあ梓ちゃんと遊ぼっかな」
梓「いやっ、いやっ、やめてくださいぃ……いやですお願いしますお願いします」
紬はクスッと笑みをこぼし、梓の肩に手を置くと交渉を提案した。
紬「じゃあそこの男に犯される?どっちが良い?」
梓「いやだっ、どっちもいやっ!帰りたいです!家に帰りたいです!」
紬「それはダメ、どっちか選んで梓ちゃん」
紬は梓の耳元に口を近づけると優しく吐息と共に言葉を発した。
紬「拷問で殺されるか、あの男に犯されるか……どっちでも好きな方を選んでね」
梓「……」
紬「どうする?好きな方を選んで」
梓「……」
梓は目を限界まで開けて、激しく体を揺らしている。
究極の選択を自らの口で選ばせるのはこれまでにない精神的拷問といえよう。
紬がカウントを始めた。
紬「5秒待つわ、5……4……」
梓「いやっ……いやっ……」
紬「3……2……」
梓「うぅ……ぅぅ……」
紬「1……」
梓「……ッ」
梓は最後のカウントが出されても、体育座りのまま黙っていた。
紬が0をカウントしたとしても、口を開くつもりはないらしい。
梓「……」
紬「0、時間切れ」
梓「……」
紬「じゃあ梓ちゃんには死んでもらうわ、公開処刑よ」
梓「……」
紬が処刑という言葉を口にしてもなお梓は黙りを押し通した。
心の中でどうせ殺されないと思っているからである。
人を殺してしまえば紬は罪を受ける事になる、それは避けたいはずだ。
紬「雄牛を持ってきて、ファラリスの雄牛を」
紬は男に向かって冷たく指示を出した。
そこに斉藤が割り込んで、異議を呈す。
斉藤「あれはお止めになられたほうが良いと、私は思いますが」
紬「いいの、後かたづけはこの3人にやらせるわ」
斉藤「しかし……」
紬「いいから持ってきて」
斉藤「……」
斉藤「かしこまりました」
数秒の沈黙の後、斉藤はほかの男をつれて部屋を後にした。
梓の胸にもしかしたらまさかという恐怖が渦巻く。
持ってこられたのは紫の布を被った巨大な物体であった。
斉藤がそのベールを優しく除く、そして出てきたソレに一同は困惑を隠しきれなかった。
最終更新:2011年05月01日 01:07