澪「…ぇ?」

律「な、何じゃそりゃあ!?」

さわ子「ルールは至って簡単、今日部活が終わるまであなた達は一切笑ってはいけません!
    もし途中で笑ってしまったらそのつどオシリをペチン!よ。」

梓「いきなり何ですか先生っ!意味が分かりません!!」

唯「おおっ!さわちゃん、例のアレだね。年越し恒例の」

さわ子「そして、最もオシリをシバかれた回数の少なかった部員には…
    私からスペシャルなごほうびを差し上げるわ。」

紬「なんだか面白そう~」ワクワク

梓「ちょ、ちょっと!話の脈略が全くつかめないんですけど!!」

律「まぁまぁ梓、ここは面白そうだし
  さわちゃんの悪ノリに付き合ってみようじゃないか」

唯「ごほうびが出るの?なになに?」

さわ子「それは言えないわ、お楽しみだもの。
    でも、あなた達の中で誰に当たっても喜ぶと思うわ」

澪「何だろう…新しい機材とかかな?」

紬「先生特製のスペシャル舞台衣装とかかな?」

梓「それじゃごほうびじゃなくてむしろ罰ゲームですよ…」

さわ子「さぁ、あの時計で10時を回った瞬間からスタートよ。
    ちなみに、あなた達はこの学校に足を踏み入れたときから
    既に笑いの刺客たちの手のひらの中だからね!」

唯「ほぇっ!?いつの間に…」

さわ子「さらに、あなた達以外の生徒たち数人にも
    今回の企画には協力してもらってるわ!」

律「さわちゃん…これだけのために一体どれだけ準備してきたんだ…?」

梓「わ、笑わなければいいだけの話ですっ!第一私は毎年あの番組見てませんし、
  そんなに面白いとも思ってないですから…平気です!ぜんぜん」

紬「私、一度オシリをシバかれてみたかったの~」

澪「痛いのは…痛いのだけはイヤだからな…」ブルブル


―――10時!

唯「!!」

律「…とうとう、始まったか。」

さわ子「…ふふふふ。それじゃスタートよ。それじゃみんな、
    いつまでも玄関にいるのもアレだし、部室へ向かいましょう。」

澪「あ、私達今まで玄関にいたんだ。」

梓「何が悲しくてこんな所で話してたんでしょうね…」

紬「しゃらんらしゃらんら~♪」


  ―――笑ってはいけない軽音部24時 スタート!!―――


テクテクテク…

唯「…ふぇ~、何だか落ち着かないよぉ~。」

律「どこからともなく相撲部が走ってきたり、
  校長先生がパンツ一丁で歩いてきたりして…」

澪「や、やめろ!想像しちゃうじゃないか…!!」

紬「… あっ、あそこにいるのは古文の堀込先生?」

堀込「おや、皆さん今日は部活ですか?」

さわ子「おはようございます。」

梓(…いたって普通だ。
  さすがに先生まで私達を笑わせてくるとかないよね…。)

唯「おはようございます、先生。」

堀込「平沢さん、部活がんばっているみたいだね。この前の演奏見たよ」

唯「そ、そうですか、えへh…
 (おっと、今は笑い顔しちゃダメなんだった!あぶないあぶない…)」

堀込「あ、君はえっと確か、彼女達の後輩の…」

梓「中野です、中野あず…」

堀込「あぁそうだった!あずにゃんだったね。」

梓「そう、あずにゃ… へ!!?」

唯&澪「ゥプッwwwww」

 デデーン  平沢、秋山、アウトーーー!!

澪「え、えぇぇ…!?そんなぁ、今のは卑怯だぁ~!」

律(あ、危なかったぁ…)プルプル…

ゾロゾロ…

唯「うわぁ!何か来たよ~!?ハリセン持ってる~!」

さわ子「本家ガキの使いでも活躍なさってる、プロのオシリシバキ隊の皆さんよ。」

律「あれプロとかあるんだ!?」

紬「すご~い、本格的~!」

バチーン!!

唯&澪「痛ぁーいっ!!」

唯「…けっこう手加減なしなんだね、あれ…」ヒリヒリ

澪「…もうやだ、帰りたい…;;」

律「まさかここまで本腰入れてかかってくるとはな…」

さわ子「あ~あ、さっきのくだりで
    手始めに中野さんから餌食になってもらおうと考えてたのに」

梓「何で私なんですか。というかさっきのは笑うというより
  インパクト強すぎてむしろ固まりましたよ…」

紬「…あら? あんなところに軽音部のポスターが…誰が作ったのかしら」

澪(…地雷臭!!)

紬「新入部員募集!だって。誰が描いてくれたのかしら」

梓「本当だ。活動曜日とか内容もしっかり書かれてますね。
  いつの間にこんなものを…ファンクラブの人ですかね?」

澪「…普通だ。何かおかしなことでも書いてあるのかと思ったら」

律「そうだな、隣にはバスケ部の勧誘があるけど…」

 【中島信代のスク水ポスター】

唯&澪&紬&律「ブァハwwwwwwwwwwww」

 デデーン  平沢、秋山、琴吹、田井中、アウトーーー!!

律「クッwwww…ちくしょーっ!
  釣りだったのか!!あれは伏線だったのかぁ!!」

バチーン!! バチーン!!

唯&澪「痛ぁーいっ!!」

紬「きゃーっ!!///」

澪「そ、そそそれにしてもこんなのまで用意してくるなんて、信代…」

唯「あっ!これバスケ部のチラシじゃなくて
  信代ちゃんファンクラブの勧誘だ!」

律「ファンクラwwwブフォwwwwwwww」

 デデーン  田井中、アウトーーー!!

律「このぉーっ!!」

バチーン!!

律「ぐっ…ぁーっ!…ちくしょう、おい梓、お前も笑えよぉ!ほれほれ」

梓「いやっ、やめて下さい!醜いポスター顔に近づけないで下さいよ。」

澪「お前…仮にも私達のクラスメイトで、お前の先輩に当たる人物だぞ。
  笑った私達が言えたことじゃないけど…」

さわ子「…やはり、中野さんは手ごわいわねぇ。」

紬「どうしたら梓ちゃん、笑ってくれるのかしら。」

さわ子「まぁ、大丈夫よ。他にも手は打ってあるから!」

梓「すみません、ちょっとここでトイレ行ってきますので。」

律「あーっ、戦線離脱なんてずるいぞ中野ーっ!」

梓「すぐ戻ってきますよ。
  私の心配より、先輩方のオシリを心配した方がいいですよ」スタスタ…

律「…っあー腹立つ!何だよあのドヤ顔は!」

さわ子「…かかったわね!」

澪「えっ?」

唯「ま、まさかトイレにまで仕掛けが!?ここ女子高だよさわちゃん?」

さわ子「大丈夫、すぐに分かるわよ。彼女絶対油断しているだろうし」


―――トイレ前!

梓「(まったく、あんな遊びのどこが面白いのか分からない!
   まぁ先輩達がオシリ叩かれてるとこ見るのは楽しいけど…)
  …? なんだろう、落し物…?」

 【パンツの落し物(うさぎ柄)】

梓「ウッ… プククゥwwwwww」

 デデーン  中野、アウトーーー!!

梓「wwww… し、しまったぁーっ!!」

さわ子「…よしっ!思惑通りかかったみたいね。」

律「おおっとうとうか!行ってみようぜー」

澪「おい律やめろ!私達まで餌食になったらどうするんだ!」

バチーン!!

梓「にゃあっ!!… くっ、情けない…
  よりによってこんな幼稚な仕掛け…ぱ、パンツ…で笑うなんて…」ピラッ

 【裏に名前入り】

梓「ちょwwwブァハハハハハwwwwwwヒーwwwwwwwww」

 デデーン  中野、アウトーーー!!

梓「なwww名前ってwwwwwww
  高校生にもwなってwwwパンツ落としてwwwしかも名前ってwwwww」

唯「おお…あずにゃんの高笑いがここまで聞こえてくるよ。」

律「あぁっ行って見てみたい!
  でもあたし達が二次被害を受けるのが怖い!」

フラフラ…

律「おっ梓、お疲れのようだな。」

梓「ひ…酷いです…むごすぎますよ、あんな仕掛け…」
 (おまけにあのとき…笑いすぎてちょっとだけ漏らしちゃったし;;)

紬「ふふっ、じゃあ部室まで急ぎましょう。」

 デデーン  琴吹、アウトーーー!!

紬「!!? えぇっ?」

澪「…ムギ、今さりげなく笑ってたぞ」

紬「あ~… いつものクセでつい…。」

バチーン!!

紬「あーっ!!///」

澪「ああいう含み笑いもダメなのか…
  にしても、あいつらムギに対しても容赦ないシバキっぷりだな。」

梓「ムギ先輩もムギ先輩で、まんざらでもなさそうな表情してますし」

澪(…やばい!まだ何もないってのに
  変に意識しただけで笑いそうになる…っ!)プルプル

唯「? どうしたの澪ちゃん?」

澪「へあっ!?(※裏声)」

律&梓「ブフォッwwwwwwwwww」

 デデーン  田井中、中野、アウトーーー!!

律「ブwwwククwww… みーおーっ!!」

澪「だ、だってぇ…唯が急に… プッwwww」

 デデーン  秋山、アウトーーー!!

バチーン!!

澪&律&梓「あ痛ぁーっ!!」

さわ子「ふふふ…いつ何時も油断しちゃダメよ。
    笑いっていうのはいつどこで襲ってくるか分からないんだから」

梓「痛つつぅ…これ、澪先輩の挙動にも注意が必要ですね…」

唯「澪ちゃんって、ときどき面白いよね。」

梓(おっと、ここにも要注意人物がいた!むしろこっちのが危険だ!)

さわ子「さぁ、部室に着いたわよ。
    あとは私がまた来るまで、いつも通り練習しててちょうだい」

律「はぁ~…と、遠かったぁ~。」

澪「ハッ…そういえばこの部室の中にも
  あちこちに仕掛けてあるよな…きっと。変なモノ」

ガチャ

梓「はうっ! …すみません澪先輩…何も考えず開けちゃいました。」

唯「あぁストーップ!!…そのまま、そのままだよあずにゃん!
  ゆっくり、ゆっくり開けて…そーっとね。」

ギ…ギギギイ…

ガチャン

梓「…大丈夫ですよ。部屋に入っても変な仕掛けとか一切出てきませんし」

紬「…よかった。中も何の変化もないわ」

唯「いや、きっと見えないところに色々あるんだよ。引き出しネタとか」

律「澪の楽器だけ尺八にすり替えられてたりとか
  そのぐらいの変化は覚悟してたんだけどなぁ~。」

澪「ぅっ…バ、バカ律!な、仲間を笑わそうとするな!!」

梓「それ別に面白くはないですね… ! あーーーっ!!」

律「どうした梓!頭にネコ耳でも生えてきたのか!?」

梓「つまんないです!それより…トンちゃんが!トンちゃんがいないんです!!」

唯「えっ…あぁぁ!!本当だ、いないっ!!水槽ごとないっ!」

澪「嘘だろ!?誰が持ってったんだ?」

?「トンちゃんならここよ。」

唯「あっ、その声は! …」クルッ

和「ハロー、あたいトンちゃん!チェケラッチョイ!」フリフリ

 【トンちゃん(真鍋和)】

一同「…   ブーッwwwwwwwwwwwww」

 デデーン  全員、アウトーーー!!

バチーン!! バチーン!!

一同「痛ぁーいっ!!」

澪「…完っ全に不意を突かれた。」

紬「よく出来てるわこれ…しかも、ちょっとカワイイかも。」

和「何か昨日、さわ子先生にこの衣装渡されて
 『明日はこれで唯達を出迎えてくれ』って頼まれたから…迷惑な話よね。」

律「だったら断るのが普通だろ!
  つーかこれ引き受けるって相当ハードル高いぞー!」

梓「…もしかして和先輩、何か先生に弱みでも握られてるんじゃ…」

和「ううん、完全に自分の意思。」

梓「ですよねー」

和「じゃ私、生徒会室行くね。」スタコラサッサ

律「おーい!制服忘れてってるぞー!あと本物のトンちゃん返せー!」

澪「ブフゥwwwwwww」

 デデーン  秋山、アウトーーー!!

バチーン!!

澪「あぅぅ…もうイヤだ;;」

紬「き、気をとりなおして、まずはお茶でも飲みましょ?ね?」

唯「そ…そうだね。落ち着けばきっと…ウップww」

 デデーン  平沢、アウトーーー!!

唯「何でぇ~もう~!!」

バチーン!!

律「あぁぁダメだ。和トンちゃんが頭から離れない…」

梓「…チェケラッチョイ」ボソッ

律「うぐっ… くっ… プルプル… ぷはぁ!おい中野コラァ!!」

梓「なんでそこで笑ってくれないんですか、つまらない。」

律「あたしの意思の固さとデコの美しさは折り紙つきなんだよっ!
  後輩ごときにたぶらかされてちゃ部長の名が泣くよ!!」

バチーン!!

梓「にゃぁぁっ!!」

唯「あちゃ~、あずにゃん返り討ちっ。」

梓「…や、やめて下さいよ。その顔で部長の名がどうとかって…」

律「さっき笑ったのそこかい!なんかこっちの方が傷つくわ…」

梓「こうなったら私も律先輩の笑いの刺客になってやるです!」

律「あ~やめとけやめとけ。今みたいに自爆するだけだぞ」

 デデーン  琴吹、アウトーーー!!

澪「な、何だぁ?今度はこっちか?」

紬「ウッwwクククwwwwww… 誰よこんなことしたの!!」

唯「え、どうしたのムギちゃん… ん?」

 【紅茶缶にたくあんギッシリ】

唯「ブフフゥwwwwwwwwwwww」

 デデーン  平沢、アウトーーー!!

唯「あ~ん!見なきゃよかったぁ~!!」

バチーン!! バチーン!!

澪「…いったいあの缶の中に何が…あぁ気になる!でも見たくない!でも見たい!」

律「どっちなんだよっ!でもその気持ちすっげぇ分かる!!」

梓「先輩…それよりこれ。
  …さっきから気になるんですけど、この箱…」

澪「えっ?…あ、テーブルの上に箱がたくさん。」

梓「部屋のあちこちにも、ダンボール箱がたくさん…」

律「うわぁ…いかにも何か仕掛けてありますよって匂いプンプンだな。」

唯「ふぇぇん;;オシリ痛いよぉ~
  たくあんがあんなに固いなんて知らなかったよ…」

紬「と、とりあえずお茶は入れたから、これ飲んで気分を静めましょう。ね?」

梓「この部のティータイムがこんなに有難いと思ったのは初めてです。」

澪「じゃあまず、この箱をどかして…」

ガタッ

澪「うわ…やっぱり中何か入ってるよ」

律「やっぱり、開けるしかないのか。それが我らの運命なのか。」

梓「人間の心理を巧みに利用した巧妙なワナですね」

唯「う~ん…じゃあもう開けちゃおう!
  さっきから気になっちゃって、どのお茶飲んでもたくあんみたいな味しかしないし!」

律「…そうだな!何でも先に済ませておいたほうがスッキリするし。」

律「じゃああたしのから開けるぜ!」

紬「よっ!部長!」

パカッ

律「… へ?」


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