平沢家

唯「ただいま~!」

いつもと変わらず元気に帰ってくる唯
奥から妹の憂が出てくる

憂「?」

声が変わっているため姉とはわからずに憂は玄関に向かった
憂の目に映ったのは1人の男子高校生の姿

憂「あの~…どちら様でしょうか?」

唯「うい~私だよ!唯だよ~!」

憂「え?」

憂はこう見えて只者ではない
第六感でこの人物が唯ではないか?と言うことを感じ取っていた
姉が世界で一番好きな憂は直ぐ様唯の話を信じた

憂「う、うそみたい…一体なんで…」

唯「えへへ、それがわからなくてさ~りっちゃん達も皆なんだよ」

憂「えぇ!?そ、そうなんだ…」

唯「とりあえず明日はこの格好で学校いくよ!」

憂「大丈夫なの…?怒られない?」

唯「むぎちゃんが何とかしてくれるんだって~!」

憂「そうなんだ、紬さんなら心配ないねお姉ちゃん」

唯「ちがうちがう憂~」

憂「え?」

唯「今はお兄ちゃんだよ~」

憂「お、お兄ちゃん」

唯「そうそう~!」

憂「えへへへ」

唯の事が大好きな憂は姉が兄になろうと変わり無かった



田井中家

律「たっだいまー」
澪「お、お邪魔します…」

どんな顔をして家に帰っていいのかわからない澪は、律の家に今晩泊めてもらおうと付いてきていた

奥から弟の聡が出てくる

聡「はーい、えっと姉はまだ学校で…」

高校生らしき2人組を見て律の知り合いか何かと思い、聡はそう答えた

律「あー…あのな聡」

聡「え?」

澪「……」

律は音楽室で起こったあらましを聡に説明した

律「…ってわけなんだよ」

聡「じゃ、じゃあそっちは澪姉さん…?」

澪「こんばんは聡君…」

聡「し、信じられにぃ…」

聡は自分のホッぺをつねる
夢でないのを確認し律に切り出した

聡「これからどうすんの?」

律「とりあえず母さん達には聡の友達が泊まりに来てるって事にしてくれ」

聡「いいけど…姉ちゃん達の事はなんて言うの?」

律「それは私らの顧問の先生に学校に泊まり込みで練習してますって電話してもらうから」

聡「わかった」

律「んじゃ私達部屋いくから」

澪「ごめんね聡君…」

聡「い、いえ」

律「あ‥それと聡」

聡「ん?」

律「トランクスかしてくれ!」


紬邸
紬邸では、既に紬が斎藤と話をつけていた

紬「よかった‥お父様もお母様も海外に出てて…」

斎藤「しかしお嬢様…まだ私には信じられません‥一体何故このような‥」

紬「斎藤、今はお嬢様ではなくてよ」

斎藤「申し訳ありません若様…学校の方はお任せください、後程話をつけて参ります」

紬「ありがとう斎藤…それと」

斎藤「はい若様」

紬「その…パ、パンツを‥!」


平沢家
唯「ういー!ういー!」

憂「なにお姉ちゃ‥お兄ちゃん?アイスなら夕飯の後だよー」

唯「おしっこ外れちゃったよ~!」

憂「え?」

そこには思いっきり便器からはみ出たおしっこの濡れ後があった

唯「えへへ…難しいねこれ」

憂「もーぉ私掃除しておくからお兄ちゃんお鍋見てて」

唯「は~い!」


翌日
平沢家

憂「お姉ちゃん、起きて~」

いつもの風景、唯の朝は憂に起こされる所から始まる

唯「うぅん…もうちょっと‥後5分だけ~」

憂「あ‥お、お兄ちゃん遅刻するよ~」

唯「はっ!」

いつもと違うお兄ちゃんと言う呼び声に唯が目を覚ます
しかし唯は下半身に違和感を覚えた

唯「ん…なんだこれ」

憂「え?」

唯「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

憂「お、お姉ちゃ…じゃないお兄ちゃん!?どうしたの!?」

唯「お…おちんちんが…おちんちんが大きくなってるよ憂!」

憂「!!!」

憂は一瞬にして凍り付いた
いわゆる朝立ちであるが、父親以外のソレを見たことが無い平沢姉妹にとって驚きであった

唯「なになにこれ!ねぇ憂見てよ~!」

憂「で、でも…」

唯「うぅ…病気じゃないよね?」
憂「びょ、病気!?」

その一言は憂をいきり立たせた

憂「み、見せてお姉ちゃん!」

唯「うぅ…何なんだろうこれ…」
憂「気分は!?悪くない!?」

憂「今体温計持ってくるから!」

唯「あ、憂~」

憂が慌てて唯の部屋を飛び出す
唯が病気だとしたら大変だ、憂の頭にはその事しかなかった

唯「あれ?しぼんじゃった」

憂「お姉ちゃん!はい体温計!今救急車を…」

唯「憂~なんかしぼんじゃったよ」

憂「え…?」

またも唯のソレを覗き込む憂

憂「ほ、本当だ…」

唯「不思議な現象だね~」

憂「お姉ちゃん気分は?大丈夫?」

唯「平気平気~!早く行かなきゃ遅刻しちゃうよ憂」

憂「あ、うん!」

唯はさわ子にもらった制服を着込み憂と共に駆け足で家を出た


律の部屋
律「澪、ほらこれ」

律が聡から貰ったパンツを差し出す
少し派手な中学生にありがちなトランクスだった

澪「あ、ああ…」

律「ん?早く着替えろよ」

澪「で、出ててくれよ」 

普段は心許した律となら、恥じらいなく着替えもできる澪だが今日は違った

律「はぁ?何恥ずかしがってんだよ今更…」

澪「う、うるさい!いいから出てろ!」

律「ったく…」


琴吹邸
紬「このトランクスというのはスースーするわねぇ…」

紬「昨日調べた所ブリーフは小学生までらしいし…」

ピルル
斎藤「お嬢様」

部屋に配置されている無線機に斎藤から連絡がはいる

紬「斎藤、どうもその…トランクスというのは落ち着かないわ‥」

斎藤「なるほど、ではこういうものはいかがでしょう若様」

メイド越しに送られてきたのはボクサーパンツであった

斎藤「いかがですか?」

紬「まぁ!ぴったりよ!」

斎藤「それはようございました」


唯・憂通学サイド

憂「ほらお兄ちゃん、ネクタイ曲がってるよ」

憂「ほら、ここも撥ねてるし」

唯「えへへ…慌てて出たから」

和「あれ?憂?」

丁度唯達が歩く後ろに和の姿があった
憂の姿を確認しもう1人を唯であろうと確信していたがどうやら違うらしい

和(だれ…?まさか憂に彼氏が?)

和が横目に憂達を見て通り過ぎようとしたその時である

唯「あ、和ちゃーん!」

和「え?」

その気の抜けた呼び方、発音は正に唯そのもの
幼なじみである和にはすぐわかった
しかし目に映るのは、幼さと可愛らしさこそ残っているものの男子高校生である

和「えっと…」

憂「あ、和さんおはようございます」

和「おはよう…こちらは‥?」

唯「和ちゃん私だよ~唯だよ~」

和「は‥?」

唯「あのね~私」

憂「あ、お兄ちゃん!急がないとだよ!和さんも!」

和「あ…そうね」

和はこの人物が誰なのか謎を残しまま学校へと向かった


律・澪通学サイド

澪「はぁ…気が重い…どうなるんだろ‥」

律「まぁむぎが任せておけって言ったんだし平気だろ」

律「しかしさぁ、澪」

澪「なんだ?」

律「小便しやすいよなぁこの身体」

澪「……」

律「まぁ狙い付けるのは難しいけど、立ったまま出来るしさぁ」

そんな律の呑気な話を聞きながら、今日一日の計り知れない不安を胸に澪は学校へと向かった


紬サイド

紬「しゃらんらしゃらんら~」

皆より早めに家を出た紬
もう学校についており職員室の客間へと案内されていた

理事長「事情は斎藤様より伺いました」

校長「……」

理事長「ではあなた方4名を転校生として待遇、単位の方はそれぞれ同4名の方に振り替えますので」

理事長「よろしいですね?校長先生」

校長「はぁ…」

紬「ありがとうございます」

紬は微笑みを浮かべると理事長に向け会釈し、客間を後にした

律「お、むぎー」

職員室を出た所で律達が呼び掛ける

律「ここに来るまですごい注目されたぜ~」

澪「うぅ……」

律「澪がもう恥ずかしがって恥ずかしがってさ」

澪「し、仕方ないだろ!」

紬「ふふ、大丈夫先生方には話通ってるから」

律「そういや唯は?」

紬「それがまだ見てないの…早朝にメールで職員室に来てもらうように送ったんだけど」 紬は先程理事長から受けた説明をそのまま律達に伝えた

澪「よかった…これで単位は大丈夫だな」

律「クラスはどうなるんだ?」

紬「今まで通りよ」

澪「えぇ!私1人…」

律「ププ、頑張れよ澪ちゅわん」
紬「それと2人共、口調は男っぽくね!」

澪「むぎ…楽しんでないか‥」


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