律「どーしたんだよー?楽しくなかったのか?」

澪「結局サンタコスさせられた……」

律「いーじゃん、似合ってたぜ」

澪「恥ずかしいものは恥ずかしいんだよ!」

律「ホントに似合ってたのになぁ」

澪「……唯より?」

律「え?」

澪「唯より……似合ってた?」

いや、唯とはまた違う魅力が……いや

律「そうだな、唯より似合ってたよ」

澪「そ、そうか……」

律「……ああ」

全く、澪ってやつは

澪「でもさわちゃんに写真まで撮られたし……それはなんとかしないと」

焼き回しを頼もう。

律「そーいえば」

これずっと気になってたんだよな。二人きりだしこの際聞いてしまおう

澪「何?」

律「学園祭のライブの前、俺に話があるとか言ってなかったか?」

これずっと気になってたんだよな。二人きりだし

澪「思い出させないでくれ!!」

律「誰もパンツの話はしてない!」

耳をふさいでセルフ引きこもりされた。

澪「うーうー!!」

かわい……じゃなくて!

こんなんじゃ話が続かない!


しばらくして落ち着いた澪は、ちょっと緊張したような顔で話し始めた。


澪「私さ」

澪「今でも信じられないんだ、仲の良い友達のいない高校に一人で行くことを

自分が選んだこと」

澪「軽音部ならどこでもあるのに、どうしてもここじゃないとダメな気がして……」

澪「一緒に軽音部に入ろうって約束した子がここにいるかもしれないと思ったからなんだ
……ただのカンだけどな、あはは」


澪「でも私ひとりじゃ、きっと軽音部はつぶれてたと思うんだ」



澪「部員もきっと集められなかったし……」


律「澪……」


白い息を吐きながら、澪はゆっくりと語る。

澪「そんな私が学園祭のライブまでこれた、結果はあれだけど」


澪「そのお礼を、言おうと思ってたんだ」


律「俺は大したことしてないよ……
でも、それなら唯やムギにも言うべきだったんじゃ……」


澪「ううん」


澪は俺の言葉を遮って、笑いながら言う


澪「律がいなきゃ始まらなかったじゃないか」


澪「私を引っ張ってくれたのも、部員を集めようと頑張ってくれたのも」


澪「教室で一人で、これからの事が不安で不安で仕方なかった私に声を


かけてくれたのも………律だから」


澪「きっかけは顔も知らない子との約束だったけど」


澪につられて、私の顔も真剣になる


澪「今は皆と過ごす今を楽しみたいんだ……


だって、そうじゃないと皆に失礼だろ?」


澪「今の軽音部が好きだから……そして」


澪は私の目をじっと見つめて、私に告げる。






澪「律が好きだから」


律「……澪は、まったく……」

澪「びっくりしたか……?」

律「び、びっくりなんてもんじゃない……

どうやって照れ隠しすればいいか…て何言ってんだ俺」

澪「ふふふ」

お互い顔真っ赤だろうな……

ダメだ、嬉しくて気の利いた言葉が出ない……

私はなんだかものすごく恥ずかしくなって、ポケットに手を突っ込み

先を歩き、澪は黙って後に続く

でも不思議と嫌な気分じゃない。

律「(あ………そういえば)」

私はあることを思い出した。

律「澪、歩きながらじゃゆっくり話ができない」

澪「え?あ、うん……」

私は後ろにいる澪に向き直って、その手を握って、

近くにある公園まで連れて行った。

澪もおとなしくついてきてくれている。

あ、もちろん優しく握ったぞ?

律「さ、まぁ汚いけど座れよ」


澪「なにそのここが自室みたいな言い方」


律「え、俺公園で住んでるんだけど……言ってなかったっけ?」


澪「……それでもいい、好きだから」


律「うっ……どう反応すりゃいいんだよ……」


ダメだ、劣勢だ


律「み、みみみ澪!」


澪「は、はい」


律「これ!」


私はポケットからあるものをだし、澪に渡した


澪「これ……なんで」


それは、澪が以前欲しがっていた物だ


律「俺はちゃーんと見てたぞ、プレゼント買いに行った時、


唯達に会うちょっと前、これ欲しがってたろ」


澪「あ、うん……って、じゃああの時買ってたのは怖いものじゃなくて……」


律「これ」


澪「…………卑怯だぞ」


よし、優性


律「このネックレス……これが、ホントのクリスマスプレゼントだ」


律「ほかの誰にも渡したくなかったから…あの場ではだせなかった」


律「お前に渡したかった……澪のために買ったんだ」


澪「……………」


な、なんで黙ってるんだろう……


律「えーとつまり……俺の気持ち、わかってくれた?」


澪「わからない」


律「え……」


澪「ちゃんと言ってくれなきゃわからない」


女にこれ以上言わせる気かよ……!


あ、女じゃないのか



私は澪を見つめて言った


女だったころから燻っていた気持ち、男になって初めて分かった




律「澪が、好きだ」



ずっと一緒だったんだから……お前が覚えてなくても、

私は覚えてる、生まれ変わっても澪が好きだ。


澪「ふぇ……」

律「な、なんで泣くんだよ~!」

澪「だって、だって…」

律「……ああもう、可愛いなぁこの野郎!」

ガバッ

澪「あううっ」

今までずっと自重してきたけど、

今はもう抱きしめてもいいんだよな?

抱きしめてるけど。

澪「ぐすっ……ぐすっ……りつぅ……」

律「んー?」

ベンチに肩を並べて座る、澪はまだちょっとぐずっている

澪「律が私を好きだってこと、まだ信じられない」

なにぃ!?

律「そ、それはどういう」

澪「ん」

………口実かよ

律「あー………おめめ、閉じてくださる?」

澪「ん」スッ





柔らかかったです


さっきとは違う距離で、帰り道を歩く

律「ホントは、指輪にしようと思ったんだけどさ、

学生に指輪は高いじゃん?」

澪「まぁ、そうだな……」

律「大人になったら渡すよ、きちんとしたやつをさ」

澪「それってこんやくゆび」

律「恥ずかしいからそれ以上言うな!」



今晩の澪メール

『関係が変わっちゃったけど、これからもよろしく』

『え、年越し?』

『うん、何も用事はないけど』

『二人で?』

『わかった、たのしみにしてる』



「……なんか余裕だな………澪のやつ」


澪「きょきょきょきょ今日はよろし」

律「(すげーどもってる……冷静なのはメールだけか)」

澪「律?……あの、家の人は……」

律「ああ、今日は二人きりで過ごしたいから、出かけてもらってるんだ」

澪「ふふふふふふふふふ」

やばい、面白い……

律「さ、俺の部屋行こうぜ」

澪「り、律の部屋!?」

律「ほら」グィッ

澪「あぅぅ」

澪「この部屋、なんか懐かしい」

律「そうか?」

澪「うん、落ち着く……それに、

男の子の部屋ってもっと散らかってるもんだと思ってた」

そりゃあ元女ですから

律「澪が来るから急いで片づけたんだよ、

俺だってそれくらいはするさ」

澪「せっかく片づけてあげようと思ったのに……」

通い妻……今度は散らかしておこう


律「今年も終わりだな……」

澪「今のうちに甘えておくんだ」

律「……まだ二年もあるじゃん」

澪「あと二年しかないんだ!」

律「しょうがないな……澪は」

澪「……………」

律「二年なんかじゃない、俺達はずっと一緒にいるんだ」

澪「え………」

律「嫌か?」

澪「い……嫌じゃない……」

律「やったっ、約束だぞ?」ギュウウ

澪「い、痛いってば……」

律「どうして痛いのに嬉しそうにしてるんだよ~?」

澪「馬鹿っ!……ばかぁ」

ふふ、愛いやつめ

律「初詣も一緒に行くよな?そんで当然振袖だよな?」

澪「私だけ振袖とか恥ずかしいだろ……」

律「じゃあ俺が袴着るとか……」

澪「ホント?」

律「なんてね、持ってないし」

澪「なんだ……見たかったな…」

律「ん?」

澪「なんでもない……あ、年明けた」

律「今年も……いや、今年だけじゃない。ずっとよろしくだ」

澪「……うんっ」





おわり!