澪「律、あれなんかいいんじゃないか?」

そして私は今日、澪とクリスマス会のプレゼント交換に

使うブツを買いに来ている。

澪が指差しているのは、よくわからんオヤジのマスコットだ。

………昔流行った育成ゲームのアイツか?

律「お前の趣味はわからん……」

澪「そうかな?」

澪もちょっと変わったところがあるよな。

あ、勿論クリスマス会は私の提案だ。

律「あ、そうだ澪」

澪「ん?なんだ?この子の可愛らしさに気付いたのか?」

………澪はオヤジ趣味なのか?

律「いや、もうそれは余所においておいてくれ」

というと、澪はしぶしぶそれをカバンの中にしまった。さっさとひっこめてくれ

律「ふと思ったんだけど、今日はプレゼント交換のプレゼントを買いに来たんだよな?」

澪「そうだけど……それがどうかしたんだ?」

プレゼントは秘密だから面白いんだろ?俺と一緒に来ていいのか?」

澪「ま、まぁいいだろ。アイスおごるからさ」

律「アイスでごまかすなっ、つーかこんな時期にアイス食べても寒いだけだろ……」

澪「だ、だよな……あはは」

律「ストロベリーな」

澪「食べるんかい!」

お約束だよ、澪クン。


でもどうしよう、女の子が喜ぶモノなんてわからないし……

あれ?なんでわからないんだ元女の私!?

あれこれと見回してみても、目に留まるのはやはりびっくり箱。

やっぱりこれにしようかな、安いし

律「澪、澪ー、これなんてどう?」

澪「何?」

みょい~ん

澪「……………」

無言かよ

律「じゃあこれは?」

スカルのお面だ、これなら

澪「うわあぁ!!」

律「なるべくソフトなの選んだんだけどな」

澪「馬鹿律!!」

ゴツン

律「……痛い……」

澪「誰に渡るかわからないんだから、ちゃんとしたの買わないと……あ」

私が呻いていると、澪が急にある一点を見つめている。

……あぁ、なるほど

唯「澪ちゃんりっちゃ~ん」

唯と和がいた。

律「なんだ、唯達もプレゼント買いに来てたんだ」

和「唯一人で行かせるのは、ちょっと心配だから」

あぁ…

唯「何買ったの?」

澪「それを言ったら、楽しみがなくなるだろ?」

唯「あ、そっか…」

和がいてよかったかもしれん

律「あそうだ、これから抽選に行くんだ~」

言いながら、唯達に抽選権を見せる

唯「あ、私達も~」

すると、唯も同じものを見せてきた。

これからの予定は同じだったようなので、一緒に行くことにした。

唯「あーだめだ!また五等だよ………」

唯がまた一つ新たにティッシュ箱を受け取る

両手にティッシュ箱をいっぱい抱える女子高生集団、傍から見れば

ものすごくシュールだろう。だが、俺は違う、一等当ててやるぜ

唯「リっちゃん頑張って!」

律「あぁ、ありがとう。みんなの応援、しかと受け止めた!」

精神統一……私は当たる私は当たる私は当たる……

律「いざ!」

ガラガラガラ………ポト

「はいティッシュ」

…………が……ま……


律「……これでみんな全滅だな、さぁ帰ろう早く帰ろう」

まぁ最近は使用量も多くなってきたからよしとするか

「おでめとう、一等賞で~~す!!」

紬「ええええ~~!?」

隣を見ると、ムギがいた。なんともお嬢様っぽい格好だ。

紬「皆もお買いもの~?」

律「あたったの?」

紬「うん、ハワイ旅行だって~、でも辞退したの~」

唯「なんで~!?」

紬「こっちがほしくて、換えてもらっちゃった!クリスマスに皆でやりましょ~」

と、私達に差し出されたのは人生ゲーム。

律「これが無欲の勝利ってやつか……」

澪「………帰ろっか」


今晩の澪メール

『律、今日隠れて何か買ってたけど、
まさかまた怖いもの買ったんじゃないだろうな?』

『別に怖くない!』

『というかその反応はやっぱりそうか、お前ってやつは!』

『私には渡すなよ!』

「こわいんじゃん…」


憂「いらっしゃいみなさん~」

私と澪とムギが平沢家の玄関に入ると、

唯ではなく憂ちゃんが出迎えてくれた。

憂ちゃんと私は目が合うと、示し合わせたように笑う。

勉強会の時、何気にメールアドレスやらを交換していた私たちは

時々メールで近況を教えあうくらいの仲になり、

今日私は憂ちゃんに一つ頼みごとをしていた。

それも皆には内緒なのでお互い秘密を共有しているようでなんだか楽しい、

そんな感じだろう。


律「……憂ちゃん、リクエストした例のブツは」

私はにやけそうになる顔を抑えながら、

憂ちゃんに近づいてこっそり耳打ちする。

憂「初めて作ったのであまり自信ないですけど……おおせのままに」

律「やったーはっはー!!いやあ最近何故か妙に腹減ってさ、

ちょっと凝った料理なんかも食べてみたい気もするんだけど

面倒だし、困ってたんだよね~」

憂「流石男の人ですね♪」

律「そうか、腹が減るのは男だからか!」

憂「違います?」

律「いや、そうだ!そうに違いない!」

「「あははははは」」

和「妙に仲良いわね、貴方達」


律「ああ和、もう来てたのか」

和「ええ、憂一人だと準備に大変だろうと思って」

澪「憂ちゃん、唯は?」

憂「あはは……ここに」

唯「やっほ~」

和「予想的中でしょ」

紬「あはは……」

そこには折り紙で作った飾り付けにまみれる唯がいた。


和「こらこら唯、遊んじゃダメだってば」

唯「あうぅ~」

そして唯のもとに行き、

それを一つずつ丁寧に唯の体から剥いでいく和

しかし、こういう光景を見てると……

律「なんか、アレだな。思い浮かぶな」

紬「まるで子供とお母さんね~」

澪「まったくだ、ずっとこの関係が続いてたに違いない」

三人の気持ちが通じ合った


憂「ラムチョップのソテーと、仔牛のスペアリブで~す」

律「モグモグモグモグモグ!!」

憂「どうですか?」

律「モフモフモフ!!」

憂「やだ、そんな……良いお嫁さんになんて……恥ずかしいです」

紬「だからなんでわかるの!?」

憂「いえ、適当です」

沢「適当かい!」

澪「さわちゃん!?」

律「ごっくん!いや、ホントにそう言ったぞ」

憂「ええ!?」


ムギの持ってきた人生ゲーム

律「俺の先行!行くぜ、5!」

スタートに戻る

律「………………」

澪「律………」ポン

唯「次私~、10だ!わ~い!」

沢「貴女が唯ちゃんの妹?」

憂「はい、憂です。よろしくおねがいします~」

沢「ホントにそっくりね……え!スタートに戻る!?」

紬「3…捨て子を拾う、子供が一人増えるのね」

律「事故で車が故障、50万借金」

澪「目に見えて元気がなくなってきたな」

唯「10!」

和「また?」

紬「自分に一番近いが子供と生き別れ、その子を拾う」

憂「ふぇ~ん、私の子が~」

沢「カジノで豪遊!私にふさわしいマスね!」

唯「わ~い、一番乗り!」

和「唯、これは速さを競うゲームじゃないから」

沢「お金はあるのに子供が一人もいないのはなぜ?リアルすぎるわ……」

憂「普通の人生すぎてつまらない……」

澪「なんで律だけ借金が二億もあるんだ?」

律「知るか……」

紬「子供が多すぎて車が足りないわ……」

カオス……カオスゲーム……


律「あぁ……食べ過ぎて苦しい……」

唯「りっちゃ………」

律「ゆ……」

トイレからでると、唯がサンタコスでスタンバイしていた

唯「…………あう」

ただし、まだ着替えている途中だった。

しかもその微妙な恰好のまま気絶しやがった。

下着が見えてる

律「どどどどどーしよう!?なんとかしないと!」

と、とりあえず…服を……

律「(まぶしい!露わになった白い肌がまぶしい!

って馬鹿!早くしないと誰かに気付かれ)」

ガチャ

和「ゆいー?まだきが…………」

律「…………」←自然と押し倒す形に

和「…………ふっ」

和は無言で笑うと、部屋に戻って行った。

終わった


唯は私がサンタ服を着せ、おんぶして部屋に連れてから

しばらくすると目を覚ました。

皆には転んだんじゃないか?と言い訳しておいたので問題ないし、

和は事を荒げる気はないようだ、何か勘違いされてる気もするが。

唯「じゃーん!」

「「「「「おおおおお」」」」」

冗談抜きで似合っていた。さわちゃんは恥がないというが

だからこそ、活発な魅力にあふれていて、うんぬん。

こーいうのはあまり恥ずかしがると

こっちもはずかしくなってくるからな

和「似合ってるわよ、唯」

唯「ありがとう~、でも何か忘れているような……」

律「…………」ダラダラダラダラ

和「律、どうしたの?そんなに汗かいて」

律「なんれもありましぇん……」

沢「さ、次は澪ちゃんよ」

澪「やーめーてー!」

沢「観念しなさい!」

澪「いーやー!!」


その後もプレゼント交換で平沢姉妹がお互いにプレゼントして

相変わらずの仲のよさを見せつけたり、

和のプレゼントはやっぱり海苔だったり、

私が悩んだ末やっぱり買ってしまったびっくり箱で

現在失恋中のさわちゃんにさらにダメージを与えたり、

そのさわちゃんに責任とってと迫られたりしたが、

まぁ問題はなかった、なかった。

……なかったんだ。

律「あー楽しかった!」

澪「うううううううう」

帰り道、私は満足気な表情をしていると思う。

憂ちゃんの手料理は美味しかったし、皆と遊ぶのはやっぱり

楽しいもんだ。

でもそんな私とはそれとは反対に、澪は浮かない顔だ。

なんでって?まぁ見当はつくが一応聞いてみることにしよう


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