唯「あー疲れたー!」

一番疲れてるのは間違いなく私だ。

紬「楽しかったですねー」

唯「次どこ行こうか?……あれ?やっぱりなんか忘れてない?」

澪「ギターだよギター!」

唯「あぁ……!しまった!」

紬「ところでりっちゃん大丈夫?」

律「もう甘いのはしばらくいらない……」

澪「皆、そろそろ楽器見に行こうよ!」


案の定唯はギー太に惚れた。

その後結局ムギ神の威光で5万円まで値切られるわけだけど、
それを知ってるのは私だけだ。
今はみんなで交通調査のバイトして、25万貯めようって事になる
んだよな…めんどくさーい

律「これならどうだ?」

とりあえず、バイトの雑誌を差し出して提案しておこう。

「「「交通量調査?」」」

律「歩いてる人や、車の数を数えるんだよ、カウンター持って」

唯「あぁ、野鳥の会!?」

唯、その例えは私わからないぞ


まずは唯と紬が外にでることになった、私と澪は車の中で待機だ。

澪「(な、なんで律と二人きりなんだよ~~!?)」

律「ふわ……」

澪「?……律、眠いの?」

律「え?あぁ……」

澪「さては昨日夜更かししたな……だめじゃないか、ちゃんと寝ないと」

律「夜更かしなんてしてないって、ただ今日みたいに暖かいと、
嫌でも眠たくなるって~」

澪「……なんか唯みたいだな」

澪「(ずっと眠そうにしてる)……律、そんなに眠いなら眠っててもいいよ」

律「ん?」

澪「あんまり時間ないけど……私たちの番になったら起こしてやるから」

律「……いいの?」

澪「バイト中に寝られても困るしな」

律「それもそうだな……じゃあ、お言葉にあまえ、て……」バタリ

澪「(死んだように眠り始めた……)」

澪「………」

律「くかー」

澪「………」

律「すぴー」バタ

澪「!」

澪「(ななななななんで膝の上に倒れてくるんだ!)」

律「くあー」

澪「(あううううううう)」 

律「ぐー」

澪「り、つぅ……」

澪「…………」

澪「…………」←慣れた

律「…………」

澪「(ちょっと触っても大丈夫かな……)」

さわっ

澪「(……髪さらさらだ)」

澪「(顔も女の子みたいだし……)」

澪「(あ、ほっぺたプニプニだ)」

律「うぅーん……みおぉ、ひゃめろ~」

澪「……ふふ」

……

澪「律、時間だぞ」

律「ふが……後五時間」

澪「またベタなボケを……ほら、早く!」

律「まだ寝てから五分もたってないだろ~?」

澪「もう、早く起きてくれよ、私もそろそろ膝が痺れて……」

律「ん~、膝?」

そういえば後頭部になんだか柔らかいものが……

律「わ!」

私、澪に膝枕してもらってたのか!

澪「お……やっと起きたな」

律「わ、悪い……俺、全然気付かなくて。重くなかったか?」

澪「いいよ、律の寝顔はなかなか見物だったし」

律「あー、えーと」

澪「すごく気持ちよさそうだったから、私もなんか嬉しかったよ」

律「あー……なかなかのお手前でございました」

膝枕ってのはする方は結構しんどいはずだ、なのに澪は笑って、余裕あるな。

律「なーんか、そこまであっさりしてるとなんか慌ててるこっちが恥ずかしいな…

澪「……(最初はびっくりしたんだけどな)」

律「え?」

澪「いやなんでもない、そろそろ交代だぞ?行こう」

律「う~い」

唯「いやー疲れたよ……あれ、澪ちゃんなんか顔赤くない?」

紬「車の中、そんなに暑かったの?」

澪「馬鹿、しーっ!!」

律「さて、澪の膝枕で元気も出たしやるかー!」

澪「あ、あんまり大きい声でそういうことをいうな!」ゴン

律「ごめんなさい……」

澪「それにしても責任重大だ……やばい、緊張してきた……」

律「おいおい」

澪「だって!私達の調査が世界を動かすかもしれないんだぞ!?」

澪は混乱すると訳わからないこといいだす、しっかりしすぎているよりは
こっちのほうがいい。

すくなくとも私は澪みたいな方が人間らしくて好きだ

澪「うわわわっわ、車がきた…!」

律「(こっちのほうが面白いしな)」


カチカチカチカチ

澪「(今のは4ビート)」

カチカチカチカチカチカチカチカチ

澪「(今のは8ビート)」

カチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチカチ

律「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ!!!」

澪「真面目にやれ!」











一日目のバイトが終わった



今晩の澪メール

『律の寝顔写メってやったぞ』

『消さないぞ。ほら、よだれ垂れてる』

律「うげ!」


……

律「今日は唯とか」

唯「お手柔らかにお願いします、師匠」

律「私はお前に何も教えるつもりはない!」

唯「な、なぜですか師匠!」

律「教わって得たものに意味はない……見て盗むのだ、わが弟子よ」

唯「そ、そうか!修業は既に始まっていたのか!」

律「見よ、これが108ビートだ!!」

ズダダダダダダダダダダダダダダ!!

唯「なん………だと……」

澪「アホ……」

紬「なんだかあの二人兄妹みたいね~」

唯はやっぱり私達にバイト代を返してから去って行った。
お菓子なんかは大量に欲しがったりするけど、
こーいうところはしっかりしている、
無欲なのかそうじゃないのかよくわからないやつだ。

紬「じゃあ私、駅だからここで。また学校でね~」

律「………さ、俺達も帰るか」

澪「そうだな、今日は疲れたし……早くお風呂入って寝たいよ」

律「澪の風呂か………」

澪「律、何妄想してるんだ!」

律「もうそっ!?馬鹿!してねーって!」

澪「律はエッチだな……全く」

律「てゆーか、思春期の男ならこれくらい妄想するもんなんだよっ」

多分!!

澪「そ、そうか……」

やばい、澪が引いてる……男ってやつぁ!


今晩の澪メール
『今お風呂から出たよ』

『挑発なんてしてないって……大体、よく考えたら私の裸なんて見てどーするんだ』

律「……コメントしづらい質問を………」



律「楽器屋だ」

澪「だから誰に言ってるんだ」

わからん

唯「あっ…………」

やっぱり唯はギー太が気になるらしい。

ギターにあれほどのベクトルの違う愛を注げるギタリストは唯だけだろう、
私がギターを貸してもらった時も泣いてたし。

私もドラムに名前つけようかな………どらえも(ry

紬「あっ……ちょっと待ってて~」

あ、行った。それにしても、ムギのお父さんの会社ってどれだけ大きいんだ。

もし私が就職に困ったら入らせてくれるかな、コネとかで

唯「じゃん!」

律紬澪「「「おおお~~」」」

ムギ神の威光もあって、唯はギターを手に入れた。

いや、ホントムギ恐ろしいよ、逆らったら社会的に抹殺されるんじゃないだろうか。
………ムギはそんなことする奴じゃないか。

澪「………やっと始まったな……」

澪が感慨深そうに言う

律「私達の軽音部……」

紬「ええ……!」

澪の言うとおり、私達の軽音部はこの瞬間から始まったんだと思う。
これから何が待っているのか、みんなが未来を見てドキドキしてるのが
伝わってくる、もちろん私もだ。
この瞬間は例え何度味わったとしても、変わらない。

……よーし!

律「夢は武道館ライブだー!!」

唯澪紬「ええ!?」


唯がギー太を買う事ができたので、軽音部の練習が本格的に始まった。

軽音部が一番楽しかった時間までにはまだ部員が一人足りないが、それも今年だけの話だ。

共学になったこの桜校にあの子が来るかはまだわからない、でもなんとなく大丈夫なんじゃないかという

妙な確信が私にはある、早くあのちまっこい後輩に会いたい。

あ、そういえば今の軽音部の演奏なんだけど。

三年時のレベルを知っている私から見れば皆まだまだだが、それでもなかなかのものだと思う。

……唯はほんとまだ全然だけどな。

でも、今の駄目駄目っぷりから考えると、三年の時点で1番成長したのは唯という事になる………やはり天才か……

と、演奏の話はここまでにしておこう。

実は今、それよりも重大な事がある。

彼女は気付いていなかったのだ……その手にギー太を手に入れた時、

背後には恐ろしい脅威が迫っていることに。

私達学生の敵、中間テストのことだ。


親切な私が中間テストの事を早めに教えてあげたから、

今頃その唯は勉強そっちのけでギターの練習に励んでいるか、

ギー太の誘惑に打ち勝ち、テスト勉強をしているかのどちらかだろう。

ま、流石に勉強してるか。頑張れ唯、軽音部の未来はお前にかかってるんだ。

律「ククク………」

そして私はいつもなら一夜漬けで澪に勉強を教えてもらっていた、だが今の私は男……ましてや幼馴染でもない。

知り合いで無意識の思い出補正がかかっている流石の私でも、澪は男と二人で勉強なんて……

と、ためらうに違いない。

なんて残酷な……と、昔の私なら思っただろう。しかし今の私は違う。

なんたって二回目だ!今の私ならテストなんて目じゃない!これぞ部長の貫禄!

これこそ強くてニューゲーム!

神様!ちょっと私をハイスペックにしすぎたんじゃないですか!

採点され、返ってきたテスト用紙を見た皆の反応はこんな感じだろう。

唯『音楽の才能に、勉強まで得意なんて……りっちゃん隊員…ううん、りっちゃん隊長……ステキ……』

紬『仕事のできる殿方って、なんて素晴らしいのかしら……』

澪『律………抱いて』

☆妄想です☆

律「ってな感じか!?ははははははははは!!」

聡「うお!以前から崩壊の兆しを見せていた兄ちゃんがとうとう壊れた!」


……

澪「やっとテスト終わったな~……」

紬「高校に入って急に難しくなって、大変だったわ~」

澪「そうだな。そして………」

唯「AHAHAHAHAHAHAHAHAHAHAHA」

澪「もっと大変そうな奴〝ら〟がここに………」

紬「唯ちゃん……魂でてる」

澪「そんなにテスト悪かったのか……?」

唯「クラスでただ一人……追試だそうです……」

澪「うわぁ……」

紬「だ、大丈夫よ!今回は勉強の仕方がわるかっただけじゃない?」

唯「勉強は全くしてなかったけど♪」

紬「………あはは」

澪「………ムギ、沢庵食べるか?」

唯「いやぁしようと思ったんだけど、勉強の息抜きにギターの練習したら、抜け出せなくなっちゃって~……全然勉強できなかったの。でもね!おかげでコードいっぱい弾けるようになったよ!」

澪「そ、その集中力を少しでも勉強にまわせば…………」

紬「そ、それで……りっちゃんは?」

澪「………唯と同じ」

律「……………ゆ、唯より低いかもしれない」

どうせできると思って教科書を開く事すらしなかった私が甘かった。

にしたって一度受けたテストなのに点数がさがるってなんだよ……馬鹿なのか私は。

いやまてよ……そうか、私は勉強して得た知識よりも友人との思い出を記憶に残す方を無意識に選んでいたに違いない!

そうだ、きっとそうだ!つーかそういう風に思わないとやってられねー!

唯「りっちゃん……」ポン

律「唯……」

大見得切った挙句こんな結果に終わった私に、言葉をかけてくれるのか……お前に慰められるのもちょっと複雑だけど……ありがとう

唯「それでこそりっちゃんだよ!」

律「俺の感動返せ!」


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