合宿最終日

チュンチュン…


さわ子「う…気持ち悪い……」

律「さわちゃん駄目っぽいな」

澪「大丈夫ですか?」

紬「先生、水です」

さわ子「ありがとう……」グビグビ

紬「二日酔いにはなにがいいのかしら」

さわ子「山芋…千切りに…」

律「キャベジンでいっか」

澪「そだな」

さわ子「山芋…」



唯「ぐー」


澪「起きないな」

紬「唯君、朝弱いもんね」

律「またギター抱いて寝てるよ…」グィッ


バサッ


律「こ、これは…!」

澪「ギターのネックを天に向けて仰け反ってる…」

紬「通称『かっこいいポーズ』!」


唯「かもぉん」



唯「いやー、寝過ごしてごめんね」グリグリ

律「ホントだよ、もう10時回ってるんだぜ」

澪「唯が起きるまで朝ご飯待ってたんだからな」

唯「いやー面目ない」ネバネバ

紬「はい、お味噌汁」コトッ

唯「ありがとー」ネバーッ

律「そろそろ納豆かけようぜ」

澪「納豆、味噌汁、焼き鮭…日本の朝だな」

律「昨日と比べると随分質素だな」ズズッ

澪「じゃあ律は朝からバーベキューが良かったのか?」

律「それはちょっと重いかな」

紬「このきゅうり美味しい!」

唯「しわきゅうり美味しいな」

律「どれどれー」パク

澪「うん、ご飯によく合うな」モグモグ

唯「うまいうまい」モグモグ

律「さすが男子、よく食うなー」

澪「でも憂ちゃんの料理の方が美味しいんじゃないか?」

唯「んー?どっちもうまいよ」

唯「それに、みんなで食べると家族みたいで楽しいしね」

紬(唯君と家族かぁ…)

澪(…いいっ)

律(そーゆー意味じゃないんだ!落ち着けー私っ)ガシガシッ


唯「…どうしたんだ律?」


律「コホン、みんな食いながらでいいから聞いてくれ」ボサッ

唯「んー」モグモグ

律「今日で息抜きは終わりだ。何かやりたい事があったら上げてくれ」

澪「昨日は海でいっぱい遊んだし」

紬「私はこの近くにある自然公園に行きたいな。お弁当作って」

澪「天気もいいし、今日はそっち行くか」
律「唯もそれでいいか?」

唯「いいよー。あと律、髪ボッサボサ」

律「今直してくるとこだったんだい!」カァァッ

紬「ふんふんふーん」ジューッ

澪「ムギ、塩はどれぐらいかな」

紬「小さじ2杯ぐらいよ」

澪「わかった」サッ

律「なあ」

澪「ん?」

紬「どうしたの?」

律「私もおにぎり以外の料理がやりたいんだけど」

澪「ダーメ」

律「なんでだよ!」

澪「律はすぐ調味料を適当に入れるからな」

律「それ中学の調理実習の話だろ!真面目にやるからさ」

澪「ホントかな…」

紬「澪ちゃん、りっちゃんにも手伝ってもらおう?」

澪「ムギ」

律「さすがムギ!話がわかる」

紬「りっちゃんも、唯君に手料理食べて欲しいもんね」

律「待て」


唯「さわ子先生…」

さわ子「…ぁ?」

唯「…大丈夫ですか?」

さわ子「……ぁぁ」

唯「俺達、出かけますけど…」

さわ子「……ぃてら」

唯「お、お大事に」


律「いや、私はな?純粋に別な仕事がしたかっただけで」カチャカチャ

律「おにぎりばっか握るなんて単調作業、私には合わないっていうか」ジューッ

律「別に唯に自分の料理食わせたいとかそんなんじゃないからな」ジャッジャッ


紬「りっちゃん、すごく手際良いわ」

澪「分量も合ってるし、火加減も鍋の返しも絶妙…」

澪(でも何故にチャーハン)



唯「お、台所からいい匂いが」

唯「台所は女の城か…俺はシートとか用意しよう」

唯「昼飯、期待しとこう」




澪「律! チャーハンはもういいって!」
律「唯の事なんか!唯の事なんかなぁぁぁぁ!」ボゥッ

紬「りっちゃん、既に単調作業になってるわ…!」


澪「唯ー、お待たせー」

唯「お、来たか」

紬「私、お友達とピクニックに行くのが夢だったのー」

唯「あはは、俺もだ」



唯「なんで律はそんな汗だくなんだ?」

律「やー、弁当作りに力が入っちゃって」



澪「へえー、綺麗なとこだな」

律「流石別荘地!」

唯「夏休みだから結構人いるな」

紬「場所とりしましょ」



唯「ここに来る途中も綺麗な景色だったな」バサッ

澪「海沿いだからな、あのまま灯台行っても良かったかも」

律「それは次回にして、今はピクニックを満喫しようぜ」サッ

唯「フリスビーか!なつかしい」


律「フリスビーってさ」シュッ

唯「うん」パシッ

律「何が楽しいんだろうな」

唯「さあ」シュッ

澪「飽きたのか」パシッ

律「いや、楽しいけど、ただ円盤飛ばしてるだけだし」

澪「そーゆことかっ」シュッ

紬「なんでかしらねっ」パシッ

唯「でもキャッチボールだって似たようなもんじゃん」

律「唯はバカだなー…、ヘイパース」

紬「よっ」シュッ

律「ほっ」パシッ

唯「バカ呼ばわりされたぞ」

澪「いつものこと」

律「キャッチボールは野球っていう競技の練習だろ?」ポンポン

唯「ああ」

律「フリスビーは何の練習だよ」

澪「…さあ?」

唯「フリスビーはフリスビーで完成されてるだろ」

律「何を競うんだ? 飛距離?」

紬「コントロールとかかな」

唯「いいからそろそろ投げてくれよ」

律「ヘイパース」シュッ

唯「ほっ」パシッ

律「そういやフリスビーみたいなのを撃ち抜く競技もあったな」

澪「止めてくれ…」

唯「ほいっ」シュッ

澪「オーライ…」

律「バーンッ!」

澪「ひいいっ!?」ビクッ

ポトッ

唯「あ」

律「秋山、アウトー」

澪「り、律ー!」

律「あははははっ 悪い悪い」

澪「目の前で砕けるかと思ったぞ!」

紬「澪ちゃんは想像力豊かねぇ」


紬「そろそろお昼にしない?」

律「そうだな、フリスビー飽きてきたし」

唯「バッサリだなぁ」

澪「律の会心の手料理が解き放たれる…!」

律「…」



澪「お前が先に意地悪したんだろー!」ムニーッ

律「うるさい! お前は言ってはならん事を言った!」ムニムニ


唯「何してんの? あの二人」

紬「とっても素敵だわっ」ハァハァ

唯「ムギ…お前もか」



紬「じゃーん」パカッ

唯「お! うまそう!」

澪「口に合えばいいけど」ジンジン

唯「大丈夫だって!匂いが既に美味しい!」

澪「ふふ…ありがとう」

紬「唐揚げ、玉子焼き、ポテトサラダ、エビフライ、それから…」カパッ

唯「えと…チャーハン?」


律「…」ポッ

唯「ん! 外はパリパリ、中はとってもジューシー、一言で言えばうまい!」

紬「ふふ、ありがとう」

唯「こっちの玉子焼きもふわふわで…んまーい」

澪「良かったー」

律「唯、こっちも…」

つ【チャーハン】パカッ

唯「お、おう…」ゴクリッ

律「…」ドキドキ

唯「い、いただきまーす」

パクパク モグモグ



唯「んん! パラパラでべたつかないし油っぽくない! これぞ正に黄金チャーハン!」

唯「律、うまいよ!」

律「ホント!?」

唯「ああ!」バクバク

律「よ、良かったー」ヘタッ

澪「お、おい律!」

紬「弱気なりっちゃんもかわいい」



唯「ふいー、満腹」

紬「はい、お茶」

唯「ありがとうムギ」

律「腹も膨れたし、バドミントンしよーぜ」

澪「ちょっと休憩してからにしないか?」

律「わかったー」

澪「ふー」ゴロン



律「食べてすぐ横に」

澪「やかましい」ペンッ


澪「そりゃー!」ペーン

律「なんのー!」ペーン





唯「平和だなー」ゴロン

紬「そーねー」



唯「…あ……寝る…」

紬「おやすみなさーい」

唯「……くー」


紬「私も…」


律「や、やるな澪」ゼィゼィ

澪「律も、やるじゃないか」ハァハァ

律「そ、ンクッ…そろそろ唯達に…代わらないと待ちくたびれてるかもな」ゼェゼェ

澪「仕方ない…い、一時休戦な」ハァハァ



律「おーい、ムギー、唯ー」

唯「ぐー」

紬「すーすー」

澪「ありゃ、寝てる」

澪「疲れたー!」ゴロッ

律「ふ…軟弱者め」ゴロッ

澪「そういうのは横になってない時に言え」

律「無理、疲れた」

澪「全く…」

律「それに」

澪「ん?」

律「みんなで昼寝したら気持ちいいと思わないか?」

澪「それには全面的に賛成ー」


唯「んあ……ごめん寝てしまった…」ムクッ


律「くー…」

紬「すぴ」

澪「…ムニャ」






唯「おやすみ」ゴロン


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