澪「ふふ…、なにそれっ」ニコッ


唯「さてさて、指があったまってる内にもう一回」

グーッ

唯「あ」グゥーッ

澪「ふふっ お昼にしようか」

唯「いや、まだ全然」グゥ


「おーい! 澪ー! 昼にしよーぜ!」


澪「わかったー!」

澪「ほら、行こう」

唯「あ、待ってくれよ」



澪「ほら! じゃんじゃん流してこいよ!」

律「澪ー! お前も食べてばかりいないで流す係やれー!」


紬「私、一度流しそうめんやってみたかったのー」

唯「や、これは俺も初めてだ」


律「ちっ、澪の奴いやにゴキゲンだな…。やっぱり食い気にはかなわないのか!?」

澪「んふふ、おいしい!」


澪「昼も食べたことだし、そろそろ」

律「スイカ割りするか!」

澪「…」

律「れ、練習ですよねー」

澪「ご飯食べた後だし、スイカ割りはもう少し後にしないか?」

律「へ?」

澪「それよりビーチバレーしよう!」


律「…急に元気になったな」

紬「きっと、いいことがあったのよー」ニコニコ


紬「そーれっ」ポーン

澪「ほいっ」ポーン

唯「はいっ」ポーン

律「食ぅらえーッ!」

バシーッ

唯「ぐあはっ」

ドテッ


澪「お、おい律」

律「いやあ、ごめんごめん」

紬「大丈夫?」

律「男だもん、大丈夫だよな?」

唯「うい…律コーチ」

律「アターック!」

バシッ

唯「ぐへっ」

律「打つべしっ」

バシッッ

唯「たわばっ」

律「チェストーッ」

バシーンッ

唯「あぎっ」


澪「お、おい律…」

唯「律、もう一本」

律「それでこそ私の教え子だ!」

澪「唯…」

紬「ここ何部だっけ?」


律「お前を我が渾身の一撃で葬ろう…」

澪「バレーボールでどうやって葬るんだよ」


紬「とすっ」

律「アタァァァァックッ!」

唯「今だっ」

バッ

紬「飛んだ!?」

澪「ブロックだと!?」

律「!」


…ポスッ


唯「おいおい、顔面ブロック覚悟で飛んだのに打たないとか恥ずかしいだろ」

律「へっ!? ああ、悪い…」

澪「まさかブロックされると思ってなかったから、律もびっくりしたんだな」

律「そ、そうなんだよー。いきなり目の前に現れるからさ」

紬「敵味方でお見合いって珍しいわね」

律「おみっ!?」

澪「味方なら結構あるけどな」

唯「向き合って何もせず着地って、想像すると結構間抜け…」

律「うわあああああああああ」バシャバシャッ

澪「うお!? 律!?」

唯「余程俺に負けたくなかったのかな…」

紬「りっちゃんって泳ぎも得意なのね」


澪「いい眺めだなー」

紬「そう言ってもらえると嬉しいわ」

澪「大体想像はついてたけど、露天風呂かぁ」

紬「りっちゃんも早くこないかな。私、みんなでお風呂入りたかったのー」

澪「しかし、唯はこの広い風呂に一人で入るのかー」

紬「ちょっと寂しいかもね」

律「んじゃ、私も風呂いってくる」

唯「ごゆっくりー」ヒラヒラ

律「寂しいか?」

唯「仕方ないじゃん、男子俺だけだし」

律「なんなら、明日はみんなで水着入浴するか」

唯「いいってー」

律「いや、恥ずかしがってるようじゃ駄目だからな!」



唯「律、無理しなくていいって」

律「…え」


唯「澪はさ、俺が男だから遠慮遠慮、できるだけ距離を置くじゃん」

律「澪はな、引っ込み思案で恥ずかしがり屋だからなぁ」

唯「律はその逆…のつもりなんだろ?」

律「いや、私は唯が男だからって遠慮しないぞ」

ポン

律「んっ」

唯「案外律はしっかり者だからな、俺にも気をつかってくれてんの分かるよ」

律「あ、私は本当に…ただのガサツな女で」

唯「いいって、律がちゃんと女の子なのわかってるから」

律「女っ」

唯「俺が挫けない程度に距離置いてくれていいんだよ」

律「…ありがと」



澪「このシャンプーいいな」

紬「でしょ? 洗った後の髪の艶が」

ガラッ

律「うおっ 広!」

澪「律、やっと来たか」

紬「危なくのぼせるところだったわ」

律「みんなで風呂入るのが夢だったのよー、とか言ったりして」

紬「すごい! りっちゃん超能力者?」

律「えっ」

澪「…ムギの夢ってわかりやすいからな」

律「で、何の話をしてたんだ?」

紬「シャンプーの話」

澪「ムギのシャンプー使ってみたんだけど、ほら、髪がこんなに滑らかに」シャランラ

律「へぇ…」



律「ちょっと私にも使わせてよ」

澪「!」

紬「いいわよ」

律「サンキュ」

チャプン


澪「律がなんか変だ」

紬「そう?」

澪「律がシャンプーの話に興味を持つなんて…」

紬「別に普通じゃないかしら」

澪「さっきはシャンプーの話を軽くスルーして露天風呂で泳ぐ!とか言い始める流れだった」

紬「随分具体的な予想ね」

澪「それが…」


律「んーんー、んんんー」ワシャワシャ


澪「あんなにシャンプーを堪能して…」

紬「私は嬉しいけど、澪ちゃんは何が気に食わないの?」


澪「だって、いままで私がシャンプーに限らず美容とかの話題振っても、律は全然興味持たなかったのに…」

紬「いいじゃない、これから話題が合うんだから」

澪「…」

紬「女の子してるりっちゃん、きっとすごくかわいいわぁ」パァァ

澪「律が女の子、ねぇ…」


律「私は前から女の子ですけどっ」


澪「うわああ!?」

紬「りっちゃん、いつのまに」

律「澪があんまり力説するから割と最初から」

澪「」


律「澪ー、好き放題言ってくれるじゃない?」

澪「だ、だって律が美容に興味持つなんてちょっとした事件だし」

律「ひどっ」

紬「でも本当にどんな心境の変化なの?」
律「…」



律「な、何でもねーよっ」クルクル

澪「律が髪を人差し指を絡めて」

紬「乙女チックー!」

律「ああもう! 」



唯「律が風呂に行ったら賑やかになったな」

唯「そだ、憂にメールでもしようかな」カチャッ

唯「うい、ごはんたべた?…と」ポチポチ



デッデッデーッデッデッデデーッ


唯「お、早い早い」

唯「友達のとこに遊びに行ったのかー」


ポチポチ

唯「送信っ」

デッデッデーッ

唯「お、写真付き」

唯「ははっ 楽しそうじゃん」


律「何が楽しいんだ?」


唯「あ、律」


……

キットヤッテクルーッソイヤッ

憂「お兄ちゃんだ」

「何て返ってきた?」

憂「楽しくやってるようで何よりだ。こっちも楽しくやってるよ」

「部活の合宿だっけ」

憂「うん」

憂「あれ、画像付きだ。受信…と」



憂「ええっ!?」


「な、何?」チラッ

「急にどうしたのよ」チラッ



「おっと、これは」

憂「お兄ちゃんが…女の人侍らせてる」

「憂の口から侍らせるとか聞きたくなかったな」

「そんだけ動揺してるのよ」



唯「…あれ、返信来ないな」

澪「唯、いつまでメールしてるんだ」

律「練習するぞ!早く来いよー!」

唯「わかったー!」

パタン


唯「よし、やるぞ!」ギュイイィイィインッ

律「唯は基礎からな」

唯「…はい」



唯「ふーっ いいお湯だったー」

唯「やっぱり練習の後の風呂は最高だね!」

ガチャッ

唯「牛乳牛乳…」


澪「あ、唯おかえり」

紬「布団敷いておいたから」

唯「…ああ、ありがとう……?」

律「唯の布団はそっち端な」

唯「わかっ…た……」


唯「って一緒の部屋!?」


律「そうだけど?」

唯「さも当たり前のようにっ」

澪「ああ、掛け布団の上を歩くなよ」

唯「ご、ごめん…って澪がこの状況を容認した!?」

紬「私、みんなでお話しながら寝るの夢だったのー」

唯「それはなんとなくわかる」


唯「結局」

バサッ

唯「こうなってしまった」

律「就寝ー」

カチッ



紬「私、川の字で寝るのが夢だったの」

唯「いや、一画増えてるから」


唯(というか…)

唯(何で布団くっついてんだよ…)

唯(隣のムギはいいって言ったかもしれないけど、俺の精神衛生上良くないっ)

唯(しかもこの沈黙…! 女の子らしくお話でもしてくれればその隙に寝れるのに)
律「くかー…くかー…」

唯(律は速攻寝てるし…)

唯(でもあのムギが黙ってるとは思えない)


紬「ねえ、澪ちゃん」

唯(きた! 澪には悪いけど、俺の安眠の為にムギに付き合ってやってくれ)



澪「むにゃ…」

唯(澪ー!!)


紬「…」

紬「ねえ、唯君」

唯「…」

紬「…寝ちゃった?」

唯「…」

紬「…」



紬「ふう…なんだかあっついなー」

パサッ

スルスル

唯「…!?」


唯(ムギの奴、何してるんだ!? まさか脱いでるのか!?)

唯(狸寝入りしている手前、目を開ける訳にもいかないし…)

唯(九九の7の段でも唱えながら寝るんだ!俺!)

紬「ふう…汗かいちゃった」

唯(しちいちがしち、しちにじゅうし…)


紬「ブラも窮屈ね」パチン


唯(しちしちがしち、しちしちがしち…あれ?)


唯(ブラも外したって事は…パンツだけ?)

紬「私、足冷えやすいから靴下は履こうかしら」

唯「oh…」

紬「え?」

唯「…」

紬「寝言かぁ」


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