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~試験までのこり数日~
唯「澪ちゃん助けてぇぇぇ!!」
澪「ふぇっ!?勉強してきたんじゃないのぉ!?」
唯「できなかったぁ…」グスグス
紬「合格点が取れなかったら軽音部は廃部…」
唯「それだけは絶対イヤだよぉ!」
澪「…よし、今晩特訓だ!」
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唯「今日はお父さんもお母さんもいないから気兼ねしなくていいよ~」
澪「あれ?妹がいるっていってなかったか?」
唯「うん、憂だったら帰ってきてると思う」
紬「それだとお邪魔にならないかしら?」
唯「大丈夫だよぉ~」
律「大丈夫じゃねええええ!なんで俺までついて行くことになってんの!?」ズルズル
澪「当たり前だろ、軽音部の仲間の危機なんだからな」
律「平沢ぁぁ!俺は男だからなぁぁぁ!」ズルズル
唯「知ってるよ~?」
律「そういうことじゃねーーー!」ズルズル
唯「みんな、あがってあがって!」
澪紬「お邪魔しまーす」
律「…マース」ドヨーン
憂「お姉ちゃんおかえり~、あれ?おともだ…」
憂「……」
唯「ういー、どうしたのぉ」
憂「…はじめまして、妹の憂です。姉がお世話になってます」
紬「あらあら~」
澪「できた子だー…!」
律(なんでこっち睨んでるのこのコ!?)
~唯の部屋~
憂「みなさん、よかったらお茶どうぞ」
澪「あ、ありがとう」
紬「憂ちゃんは今何年生なの?」
憂「中三です」
律「受験生だな!」
憂「…」
律(無視された!?俺なにかしたか!?)
澪「どこ受けるか、もう決めてるの?」
憂「絶対桜ヶ丘にいきます」
紬「すごい自信ねぇ~」
憂(お姉ちゃんに変な虫が付かないように見張ってなくちゃ…)ジロリ
律(なんだろう、視線が痛い…)ダクダク
唯「おいでおいでぇ~」
澪「じゃあ教科書20ページから、この式を――」
唯「ふむふむ」
律「……」
律(暇だな…)
――――――――――――――――――――
唯「だめだぁ~集中力が続かなひぃ~」
澪「おいおい、まだ始めて30分しか…」
律「…すぅ…」zzZ
澪「ね、寝てるし…」
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唯「できたぁ!」
澪「これだけ解けたら大丈夫だろ」
紬「これで追試もばっちりね♪」
唯「ありがと~澪ちゃんムギちゃん!」
紬「それじゃあ私達はそろそろ…」
澪「あれ?律は?」
律「…すぴー」
澪「まだ寝てる…って唯のベッドでなにしてんだ!」
紬「りっくん帰るわよ~?」
律「…ぐが…」
澪「おい、律!」ユサユサ
律「…ぬ…」Zzz
紬「熟睡しちゃってるわね…」
唯「私があとで起こしておくよぉ」
澪「ん…じゃあ頼む」
澪(律のことだし変な気は起こさないだろう…)
紬「お邪魔しました~」
唯「澪ちゃんムギちゃん、ホントにありがと~!」
律「むぎゅ…」スピー
唯「こうしてみてるとホントに女の子みたい」
唯「…」ツンツン
律「…むぅぅ…」
唯「あははは」ツンツン
唯「……りっくん、ありがとうね」
唯「りっくんが背中を押してくれたから、私は軽音部にいるんだよ」
唯「りっくんがいなかったら、みんなとここまで仲良くなれなかったよ」
唯「ほんとうに、ありがとう」
唯「私、絶対に合格してみせるからね」
律「…すー…」zzz
律「……ん」ガバッ
唯「え?」
ドサッ
唯(え、ええええええ)
唯(りっくんに、抱きつかれた)
唯「り、りっくん、重たいよ…///」
律「…んが…」
唯「か、顔が近いよぉ…///」
唯「り、りっくぅん……///」
ガチャッ
憂「お姉ちゃーん、みんなもう帰っちゃっ……」
唯「う、憂!こ、これはね、違うんだよぉ」
憂「…おねえちゃん」
憂「彼氏ができたならそういってくれればいいのに…」ポロポロ
唯「え?う、憂、違」
憂「私、出かけてくるね」
唯「う、うい
バタン
唯「……」
律「…んも…」スピー
――――――――――――――――――――
澪「唯、試験大丈夫かな…」
律「大丈夫なんじゃねーのー」ポリポリ
澪「もっと心配しろぉ!」
紬「あれだけ勉強したんだもの、きっと大丈夫よ」
律(あの後、なぜか平沢にビンタで起こされたんだよな…)
~数日後~
ガラッ
唯「……」
澪「ゆ、唯、試験どうだった…?」
唯「…どうしよう澪ちゃん…」
律「だ、ダメだったのか…?」
唯「ひゃ、ひゃくてん取っちゃった…」
律澪紬「「「すごぉ!?」」」
澪「でもよかったぁ、とりあえずこれで一段落だな」
唯「みんなのおかげだよぉ、本当にありがとぉ」
律「いやぁ、それほどでもぉ!」
澪「お前はなにもしていなぁい!!」
唯「ぅぅ~…」ジト
律「な、なんで俺を睨むんですか平沢さん…」
唯(なんか、りっくんといるとドキドキするよぉ…//)
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澪「合宿をします!」
唯「がっしゅく?」
澪「そう、もうすぐ夏休みだし」
律「海か~?山か~?」
澪「遊びに行くんじゃありません!バンドの強化合宿!」
律「え~、練習ぅ~?」
澪「夏休みが終わったらもうすぐ学園祭でしょぉ!?」
紬「学園祭…」
澪「このままじゃあ学園祭でライブなんてできないぞ!」
律「でも泊まる場所とか、お金とかどうすんだ?」
唯「お金はあんまり持ってないよぉ…」
澪「う…」
紬「それならうちの別荘を使ったらどうかしら~」
律「別荘!?そんなもんあるの!?」
澪「ムギのうちって一体…」
唯「がっしゅく♪がっしゅくぅ~♪」
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憂「お姉ちゃん、朝だよ起きて~」
唯「ぅうん、もうちょっとぉ…」
憂「しょうがないなぁ…あれ?」
憂「お姉ちゃん、今日どこか出かけるの?この荷物…」
唯「はっ!?」ガバッ
唯「あぶないあぶない、今日は軽音部の合宿の日だったよぉ」イソイソ
憂「…え」
唯「あやうく寝坊するところだった…どうしたの憂?」
憂「だ、ダメーーーーーーーーーー!!」
――――――――――――――――――――
唯「なんとか間に合ったよぉ~…」
律「あれだけ寝坊するなっていったのになぁ~?」
唯「寝坊したわけじゃないよぉ、ただ憂が行かせてくれなくて」プンプン
澪「憂ちゃんが?なんで?」
唯「さあ~?誤解は解けたハズなんだけどなぁ」
律「ごかい?」
唯「な、なんでもないよっ//」
紬「……」スピー
――――――――――――――――――――
律「でっけぇ~…」
澪「これがムギの別荘…」
紬「ごめんなさい、一番小さいところしか借りられなかったの…」
律「これで一番小さいのかよ!」
唯「中も広いねぇ~!」
律「よーし、中を探索だ唯隊員!」ダダダダ
唯「アイアイサー!」ダダダダ
澪「お、おい律!唯!」
紬「うふふ…」
澪「まったく、遊びにきたんじゃないってのに…」
唯「ねえねえ、泳ぎに行こうよりっくん!」
律「え?いや、いいよ。澪達と泳いでこいって」
唯「えぇ~?どうしてぇ?」
律「軽音部の練習だっていうから来たけど、女子の中に男が一人いても邪魔なだけだろ?」
律「俺は中でゲームでもしてるからさ、三人で泳ぎに…」
唯「だめだよそんなの!」
唯「りっくんは軽音部のメンバーだけど、その前に私達の仲間だもん!」
唯「りっくんがいないとみんなだって楽しくないよ」
律「平沢…」
律「そうだよな…遠慮するなんて、ちょっと俺らしくなかったよな!」
唯「そうだよぉ、りっくんはいつでもずうずうしくないとダメだよ!」
律「どーいう意味だよそれぇ~!」グリグリ
唯「痛い痛い!痛いよりっく~ん!」グリグリ
律「あはは…」
唯「えへへへ…」
律「よーし、泳ぐぞぉー!」
唯「おおーーー!」
唯(りっくんがいないと、みんなと遊んでてもさみしいんだもん……)
唯(なんでだろう、わかんないよぉ…)
律「澪!ムギ!あっそぶぞぉーーーい!!」
唯「おぅいえーーーい!!」
――――――――――――――――――――
律「あぁ、腹いっぱい…」
唯「床がつめたくてきもちいぃ…」
唯「こうやって目を閉じると、なんか波に流されてるみたいな気がするよねぇ…」
律「ぉ、ほんとだ…」
律唯「おやすみなさーい…」
澪「練習始めるぞー!!」
唯「もうギターもてなーい」
澪「えぇ!?」
唯「だって重たいんだもーん」
唯「ごろごろー」
律「ごろごろー」
紬「汚れちゃうわよ~」
澪「だから軽いの選べって言ったのに…」
澪「そんなんで学園祭どうするつもりだよぉー」
律「メイド喫茶でもやりゃいいだろ~?」
澪「なんでメイド喫茶なんだよ…」
律「わかってないな~澪は~、メイドは男のロマンなんだよ」
澪「なんだよそれ…」
律「それに澪、メイド服似合いそうだしな~」
澪「な、なに言い出すんだ!///」
唯「う~ん澪ちゃんのメイド姿か~」
律唯「「いいね~」」
澪「や、やめろぉ!!///」
唯「ほへー、まさか露天風呂まであるとはねぇ~」チャポチャポ
紬「今日はほんとに楽しかったわ~」
澪「…うん」
澪「学園祭があるからって、焦ったり、必死になったり」
澪「でも、そんなに心配すること無かったのかもな…」
唯「そうだよぉ~」
アハハハハ…
律「長い…」
…
律「…」ウトウト
澪「あれ、律」
律「澪、風呂空いたか…?」
澪「なにいってんだ、もう朝だぞ」
律「え、ええぇぇぇ…」
フラフラ…
澪「どこいくんだ?」
律「汗かいたし…今からでも入ってくる…」フラフラ
澪「まったく…」
ガチャ
澪「唯ー、朝だぞー…」
澪「あれ、いない…?」
最終更新:2011年04月30日 17:59