──────その夜 律の部屋
律(ポジションは……こんなもんだよな)
律(スネアはこの辺…っと)
律(歌詞を忘れないようにしないと)
律(………………………………さて)
律(ワン・ツー・スリー)
カタカタ…
聡「始まりました!」
キバヤシ「一定のリズム…不気味だな………」
律(やっと私のイメソンがでるんだ………頑張るぞ!)
律(家族に聞かれるのは恥ずかしいからな……////)
律(それに聡たちをビックリさせたいしw)
律「(こっそり……)~♪」
キバヤシ「うめき声……!」
タナカ「まるでリズムに合わせて呻いているような……」
キバヤシ「何かの儀式のようだな…」
律(……………………………………)
律(そういえば今日はMMRの人が来てるんだっけ………)
律(聡は何の相談だったのかな)
律(もし聞かれたら恥ずかしいよな…////)
律(今日は外にいって練習するかな)
ナワヤ「おい、止まったぞ」
聡「感付かれたんじゃ…」
───ガチャ…
律(皆……寝てるよな…………忍び足で…)
聡「外に出て行っちゃいましたね…」
タナカ「幽霊みたいな生気のない足取りでしたね…」
律母「あの子は一体どうしちゃったの……うう……」
キバヤシ「我々で後を追います!」
キバヤシ「お母さんは念のため、りっちゃんの部屋を確認してて下さい!」
律母「はい…」
──────公園
聡「あそこです」
キバヤシ「あれは…祭壇を作っているのか?」
タナカ「石やブロックを積み上げているようですね」
ナワヤ「ミステリーサークルみたいだな…」
タナカ「言われて見れば確かに…」
律(キョロキョロ………)
律(さすがに誰もいないよな)
律(よし…!)
律(ワン・ツー・スリー!)
カツカツ………
律「~♪」
タナカ「────かれこれ1時間ああしてますよ」
キバヤシ「声もここからじゃ聞き取れないな…」
律「…2012年……までに」
キバヤシ「!!」
律(目標は2012年までに武道館でライブを!!)
律(………できたらいいなぁw)
ナワヤ「今2012年って!」
律「!」
律「誰?……………気のせい…?」
律(あ、もうこんな時間………帰るか────)
タナカ「────………ナワヤさ~ん!」
ナワヤ「すまん!つい!」
タナカ「それにしてもすごい集中してましたね」
トマル「すごい気迫でしたね……」
聡「姉ちゃん…」
キバヤシ「………みんな」
キバヤシ「これを見てくれ!」
タナカ「律ちゃんの作った祭壇ですね」
キバヤシ「このきちんと整列された並び…何かを思い出さないか?」
タナカ「ここに座ると…このブロックの先……星の角度にピッタリだ!」
ナワヤ「おい、これって…キバヤシ!」
キバヤシ「そうだ、ナワヤ………俺たちがメキシコで見た遺跡にそっくりなんだよ!!」
ナワヤ「これはどういうことだよ!キバヤシ!」
キバヤシ「わからない…今はまだわからないが……」
キバヤシ「マヤの人々は天体に関しては現代人も驚くほどの知識を持っていたと言う」
キバヤシ「祭壇の前で星の位置を合わせて何らかの儀式…」
キバヤシ「りっちゃんが……2012年終末予言のカギを握っているのかもしれない!」
聡「なんだってー!?」
──────律宅
律母「どうでした!?」
キバヤシ「今はまだわかりません、ですがりっちゃんが人類存亡のカギを握る存在になるかもしれません」
律母「あの子が!?そんな!!」
タナカ「ところでりっちゃんは…?」
律母「はい、戻ってきて今日はもう寝ているようです」
律母「それと…これはあの子の部屋を確認した時に撮った写真なんですが…」
ナワヤ「おい!これって!!」
タナカ「ダンボール箱ですが…この配置は公園の祭壇と同じ!?」
キバヤシ「…………もしや!」
キバヤシ「お母さん、この辺りの地図はありますか?」
律母「はい、あります………どうぞ」
キバヤシ「ここが聡君の家………ここがさっきの公園………………」
ナワヤ「へぇ、この辺りってお寺とか神社が結構あるんだな」
タナカ「京都ですからね、古い建物がたくさん………これは!!」
キバヤシ「気付いたようだな」
タナカ「レイライン!!」
キバヤシ「そことその先の神社…」
キバヤシ「それらを線で結んだ上にりっちゃんの部屋とさっきの公園があるんだよ」
キバヤシ「りっちゃんはレイラインのエネルギーを利用して儀式を行ったんだろう」
律母「あの、レイラインって…」
タナカ「遺跡や神社などを地図上の線で結ぶと何故か一本の直線になる事が多いんです」
タナカ「その線をレイラインと読んでいるんですよ」
タナカ「レイラインは風水などで重要なスポットと扱われたり」
タナカ「UFOの目撃情報が多かったりと、霊的な力が強いスポットだといわれてるんです」
律母「なるほど…」
律母「ではその線の先に律の通う高校があるのですが、これは偶然でしょうか…?」
キバヤシ「桜ヶ丘…高校………」