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ja
2011-07-09T22:56:56+09:00
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page3
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あいうえお
2011-07-09T22:56:56+09:00
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麗しのディストピア メニュー
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2009-11-26T22:59:35+09:00
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save the kingその③
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彼は近くにあった演説台に上り、禍々しい玉を掲げ上げ呪文のような言葉を唱え呟く。
「βψιθωι...ξψχλγφωδψτ...............τακα!!」
唱え終えた瞬間、穏やかだった風が急に強風になり砂煙が荒れはじめる。
・・・が、それ以外は何も変わらず。
彼はしばし玉を見つめ、不可思議な状態に首をかしげる。
呪文がおかしいのかと思い、もう一度呪文を唱えるが何もおきない。
「ナゼダ・・・ナゼナノダ・・・」
これは混沌玉だ、それは間違いない。呪文だって一字一句間違えてないはずだ・・・
彼は、脳内で自分自身を詮索し始める。
しかし、その行為が次第に怒りへと変わり憤怒する。
「ナゼダ・・・ナゼダナゼダナゼダァァァッァァァァァァァァ」
彼は気づいていなかった。
固体に乗り移る際、元ある能力の半分を犠牲にするという事が。
力や知識、そして記憶なども薄れるために彼は肝心な部分を思い出せずにいた。
しかし、このまま終わるわけにはいかない。
彼はその場を後にし、ねぐらに戻った。
体育座りになり、左手の人差し指を噛みながら考える・・・
日が悪かったのか、呪文は本当に正しいのか、あの玉は本物か、場所が悪いのか。
思い尽くす限りを頭に浮かべ、繰り返し脳内の記憶を探る。
しかしそれもやがて限界が訪れ、ため息をつく。
どうしたらいい・・・どうしたら・・・
彼は情報が欲しかった。古代の記憶、あの時代のすべての。
・・・ふと、大図書館の事を思い浮かべる。
100年前に設立し、今もなお原形を留めつつ経営している図書館。
"あそこにいけば、探し物は大抵見つかる"などとキャッチフレーズが付くぐらいに大量の本が貸し出しされている。
彼は他に行く当ても、思い当たる節もないため、大図書館に向かう事にした。
ねぐらからは3.4駅をまたがなければならないため、そこまでお金を持ってない彼にとって、これは痛手である。
電車に揺られて2時間30分。ようやく目的地が見えてくる。
彼は早々と図書館に入り、古代云千年の情報がある本を探す。
「何かお探し物ですか?」
通りがかりのスタッフに聞かれたが、彼は首を振る。
混沌玉についてなど、誰に聞いてわかるほど知名度はない。
ましてや、世界を破滅させる道具などと言ったら、笑
2009-10-25T17:02:53+09:00
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麗しのディストピア
https://w.atwiki.jp/ssprofessional/pages/37.html
1
スモッグの匂いの漂う朝の気だるい空気の中、彼は目を覚ました。
彼はベッドからむくりと起き上がると、朝一番のガムを一枚噛んだ。こうでもしないと、彼は自分の指を齧り尽くしてしまうからだ。最初は爪を噛むだけだったが、そのうち指に齧り付き、骨をしゃぶるようになった。既に彼の左手の小指の長さは第一関節を切っていた。
彼は気ままに街をふらつき、寝泊りに困れば同じように街をふらつく適当な女を強姦し、その家に転がり込んだ。これは若者達の間で流行のライフスタイルであり、「バックドラフト」と呼ばれた。
「適当な女」という単語は、彼にとって多少語弊があるかもしれない。通常「バックドラフト」は集団で行われる事が多く、女一人の腕力などは軽く御せるのだが、彼は数を恃もうとしなかった。自分以外の人間を低俗な連中として軽蔑していたからである。なので彼は女を選ばざるを得なかった。出来るだけ意志が弱そうで、頭の悪そうな女を選んだ。長年の経験の勘か、或いは生れつきの天稟か、彼には不思議とそんな女の区別ができた。
今彼の隣で寝息を立てる彼女もそうだった。利己的で、刹那的で、その癖他人に依存し、ランチのメニューさえ一人で決められないような白痴だった。彼はそういう女を毛嫌いしていたが、彼女のような女が腕を掴まれ、押し倒され、服を剥ぎ取られる際に見せるあの諦めの表情は、彼の性的欲求を十二分に満たした。特に今度の女は癖になる。彼女の太腿に釘を打ち付けた時、彼はそう直感した。彼女は娼婦だった。項から背中の辺りまで、質の悪い蛇の刺青が施されていた。どうせ仲間内での流行り病だろう。彼はそう思った。
《夜までに戻る。鍵は持っている。変な気を起こすな》
彼は書き置きを残すと、昨晩の出来事など嘘のように眠る彼女の両手両足を縛り上げ、部屋を後にした。何をするわけでもない、ただ街をふらつく為である。
街には最新式の球体型浮遊家屋が溢れている。いくつかはバックドラフトに襲われたのか、墜落している。交番には金属バットで頭を砕かれた警察犬の死体が転がっている。公園では資本主義者達の決起集会が開かれている。その脇のベンチで浮浪者がうわ言のように延々と円周率をつぶやく。彼はそんな街の様子を見回して、今日二枚目のガムを噛む。
今の社会に不満を持つ人々を、彼は理解できなかった。財産は全ての人間に平等に分け
2009-09-22T01:20:46+09:00
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save the kingその②
https://w.atwiki.jp/ssprofessional/pages/36.html
時は十分に満ちた・・・
彼は施設を抜け出すために、必要な物をすべてバッグに詰め込んだ。
そう・・・自らの願望・欲望・夢を果たすために。
彼にとって施設というものは監獄に等しかった。
何も出来ずに時が流れるだけ。自分の欲望さえも果たせない辛い生活。
明日は施設を管理する大人達が子供達の今後の育成方針を決めるべく、他の場所で会議をするためにここを離れるらしい。
願ってもないチャンスをものにするため、彼は動き出す。
「セカイヲカエル」ために・・・
施設脱出翌日-
大人達が居なくなった午後1時頃
荷物を持ち、堂々と正門から出る。
もちろん、彼を知ってる施設の子供にここぞとばかりに質問をされる。
「どこ行くの?」
「どうしたの?そんな荷物持って」
「出て行くの?」
「待ちなさいよ!」
彼は冷めた目で気に留めてくれた彼等をにらみつけ、無言で手を振り払い立ち去る。
彼等は何がなんだかわからず、呆然と過ぎ去って行く彼の背中を見つめた。
彼が最初に向かった場所・・・それは廃墟と化した校舎。
この校舎は今から14年前に不景気のため、経営が厳しいとの判断でやむを得ず廃校となる。
以後、校舎を解体できる費用もなく現在まで放置されている。
だが、なぜ此処に用事があったのか・・・
彼は違う学校に通っていて、此処にはお世話になってはいなかった。
彼は誰かに取り憑かれたように花壇の作業用の道具が並んでいた倉庫からスコップを持ち出し、彼は校舎の真ん中、校長の銅像が立っている場所を掘り始めた。
ザクッ・・・ザクッ・・・ザッ・・・コツン
スコップに何か硬そうな物が当たる。
彼はその周りを掘り、その硬い物体を掘り出す。
その物体はいかにも古代を思い振るわせる、バレーボールぐらいの大きさの玉。
そう、ここは彼の中に潜む"ヤツ"が居たという云百年前と同じ場所。
何百年もの間、"ヤツ"はこの場所だけは忘れていなかったらしい。
その玉にどんな効果があるのかは現代には"ヤツ"しかわからないのであろうか。
いつしかの時代で悪魔とも呼ばれていたベージュ色の宝玉・・・
その禍々しい玉を彼はタオルで綺麗に土を拭き取ると、大きく掲げ持つ。
「ミセテヤロウ・・・ナガキヨリオモイシワガエンコン」
2009-06-29T19:41:16+09:00
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再会
https://w.atwiki.jp/ssprofessional/pages/35.html
とある場末の居酒屋で、私は奴と再会した。
奴は学生時代、とろくさい男で通っていた。
授業のたびに忘れ物をし、その度私や友人などに物を借りた。
「借りるのが当たり前」といったような態度にも辟易していた。「礼の一つぐらいしろよ」と常々思っていたことを記憶している。
また、奴は極度のあがり症で、学生サークルの催しで演劇を行った際、彼は「村人」の役割であるにも拘らず、泡を吹いて失神した。
サークル仲間から顰蹙を買ったのは言うまでもない。
そして、奴は単位不足で留年し、私より1年遅れて卒業した。私はそれから、奴とは会っていなかった。
特に親しい間柄というわけでもなく、連絡も程なくして途切れた。そんな折での再会だった。
声をかけたのは奴からだった。奴は一人で安酒を煽り、同じく独りであった私に気付くと大袈裟に手を振った。
「おー、浅田じゃないか。久しぶりだなぁ」
私は特に感傷に浸るでもなく、相槌を打った。
「まぁ、飲もうや」
奴はそう言って、私を相席へと誘った。
暫くは沈黙が続いた。親しい友人関係を結んでいたなら積もる話もあるだろうが、私達はそのような関係でもない。
最初に口を開いたのも奴からだった。
「俺さ、まだ仕事中なんだけど、やっぱりこういう所に着たら、あれだよな。飲んじまうよな」
この男はやはり阿呆のままだ、と口をついて出そうになったが、奴の思わせぶりな口調が気になったので尋ねた。この場を取り繕う話の種にもなろう。
「ところで、お前は今何の仕事をしているんだ?」
待ってましたとばかりに、奴は答えた。
「探偵さ」
見計らったように奴は「おっ」と息を漏らし、ポケットから端子のようなものを取り出した。
そして、その横腹についているスイッチらしきものをカチッ、カチッ、と押した。
「俺な、今浮気調査やってるんだよ。こっから2つ向こうのテーブルの奴がターゲット。今浮気相手と接触中なんだ。これ、ちっちゃいけどデジカメなんだぜ。後で画像をパソコンで確認する」
2009-05-12T08:34:03+09:00
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犬が吠える
https://w.atwiki.jp/ssprofessional/pages/34.html
俺とミカが爆弾を見つけたときには、もうその秒針は5分を切っていた。
話を戻そう。俺達は兼ねてからある計画を立て、目的地へと向かう途中だった。
朝方の人もまばらな電車の中で、棚の上に置いた荷物を取ろうとした時、ミカが横の紙袋を見つけた。
前の乗客の忘れ物だと思い、車掌に届けようとした手前、中身の物々しさに俺が気付いたわけだ。
秒針がコチコチと音を刻む。無数の導線の先には、火薬と思わしき物体と繋がっている。
どこぞの本や映画でしかお目にかかれないような筒状のそれが5,6本ある。こいつが爆発すればひとたまりもないだろう。
ていうか、死ぬ。
「あ~もうダメだね。映画みたいに赤とか青の導線ブチッってわけにはいかないだろうし」
彼女は事も無げに言い放った。
「お、おいおい。まずは駅員さんに言わないと」
俺はなるべく平静を装ったつもりだった。が、ミカは俺の内心の動揺を看破したかのように言う。
「うーん、結局アタフタしてる間にドカン、だと思うけどなぁ。時すでに遅し」
ミカは実際、サバサバとした性格だった。ここぞ、という時に早々と決断ができる。
優柔不断な俺がミカに何度助けられたか知れない。それこそ晩飯の献立から、今日の計画まで、だ。
しかし今回ばかりは俺は困惑した。
「ちょっと待てよ。どうしてそんな簡単に諦められるんだよ?まだ死ぬって決まったわけじゃないぞ」
「世の中にはね、何とかなる事とならない事があるの。これは何とかならない方」
「何とかならないって…やってみなくちゃわから」
「いい?」
俺の言葉を遮って、彼女は続ける。
「今日の計画は、何とかなる方。結局いつかはしなきゃいけないんだからさ、善は急げだよ」
いや、俺はそれと爆弾をまったく結び付けられないのだが。ここで死んでしまっては、計画も糞もない。
しかし彼女は至って普段通りだ。寧ろこの状況を楽しんでいるようにも見受けられる。
「でもさ、愛する人と一緒に死ねるって、一番幸せだと思わない?アタシはそう思うね」
「お前なぁ…」
こんな時に惚気るなよ、バカ。
だけど、ミカのこんな突拍子もない言葉を聞いていると、死すら安寧に迎えられると思えてくる。
うん、でもまあ、これも悪くないかな、と。つくづく俺は彼女に頼りっぱなしだ。
周りのわずかばかりの乗客も俺達の物騒な会話に気付きはじめ
2009-05-08T06:29:55+09:00
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soup 6
https://w.atwiki.jp/ssprofessional/pages/33.html
15
よう、刑事さん。毎日毎日ご苦労だな。
今日は大事な話だ。俺…いや、俺らが生まれたいきさつを教えてやる。
俺らをキ印扱いするのは勝手だが、今はちゃんと話を聞いてくれ。
一番まともな話ができるってんで、俺らの中から俺がが選ばれたわけなんだからな。
タカの野郎は毎日呆けてやがるし、女ももう俺らの中から消えちまった。
他の奴らも外に出たがらねぇ。まあ元が引き篭もりのモヤシどもだからな。
そりゃあ俺も同じか、ハハハ!
16
まずは俺らの中に何人いるか…か。それは俺にもわからない。
刑事さんが思ってる以上に、アタマん中ってのは複雑でな。
俺も最近まで俺らの中に「何人もいる」なんて、思いもしなかった。
タカも他の連中も、自分とは違う人間だって認識していたからな。
そうだな…まず、タカは分かる。だが俺はアイツがいけ好かなくてな。殆どしゃべった事はねぇ。
奴の連れの2,3人も俺らの中にいる。タカと同じでアタマん中空っぽで生きてる腑抜けどもだよ。
後はお前らが言うところの「被害者」の女か。多分こりゃあ女を殺す目星がついた直後に生まれたんだろうな。
多分俺らの中の誰かが勝手に作った妄想の産物だ。タカはこいつと付き合ってるつもりだったんだぜ。
笑っちまうよな。
俺らの中にいるはず本当の「俺」には会った事もないし、会うつもりもないよ。
あ?俺らの中の誰が殺したか?それを考えるのがお前らの仕事だろう?当ててみな。ハハハ!
2009-05-08T04:43:54+09:00
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soup 5
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12
チクショウ…何であの子が殺されなきゃいけないんだよ…
俺が絶対守ってやるって言ってたのに…
前の日バイト時間押しちゃってさ…寝てたんだよ。真昼間だったってのに。
携帯にも何回も着信あったのにさ・・・それにも気付かないで…チクショウ!
アンタも・・・ごめんなぁ。俺のこんな愚痴に付き合ってもらってさ。
でいうかさ、全然関係ないんだけど。
ちょっとおかしい事があるんだよ。朝、起きたときにさ。いつも思うんだ。
な ん で 俺 は 檻 の 中 に 入 っ て る ん だ ?
13
…ええ。本人とは殆どコミュニケーションは取れません。
厳密な精神鑑定の結果、解離性同一性障害の疑いがある、という結果が出てますね。
供述もその時々でバラバラ…参考人としてご出頭願った母親によれば、家の中に篭りがちで職歴はないんですけどね。
被疑者本人からはアルバイト経験がある、といったような供述もあります。
とりあえず確認されている供述で人格とおぼしきものは、以下に挙げるとおりです。
まず、22歳前後の男性が二人。一方はタカと名乗っているみたいですね。
ええ。例のアルバイト君です。
そして、12歳ほどの少年。主人格に最も近い存在でしょう。
後は女性が一人。おそらく殺された加藤さんの人格の代替品ですね。
わずかばかりの罪悪感が、自分に都合のいい脚本を作り上げ、都合のいい役者を割り当てたと。
そういうわけですね。
・・・いや、まだ殺人に至る明確な経緯は明らかになっていません。何しろ相手はキチガ…おっと、失礼。
母親もヒステリー状態でしてね。まともな供述はまだ出てきてませんし。
しかし、最近やっと一部の人格が逮捕された事を自覚し始めましてね。
調べを進めていく中で、奴らの脚本が現在に追いついて来た、といったところでしょうか。
いずれにしろ、これからも何か進展はあると思います。
いやぁ、それにしてもご遺族の方は気の毒ですね。事故にでも遭ったと思っていただくしかないでしょう。
精神鑑定の結果次第ですとは言ってますけど、結果がこれじゃあ十中八九不起訴処分で病院送りですからね。
何しろ相手はキチガ…おっと、失礼。
14
おう、お前か。久しぶりだな。
外がとんでもない事になってるな。俺らの話で持ち切りだぜ?
2009-01-14T06:32:32+09:00
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セプテンバーガールフレンド
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1
飛び降りる いつかここから
僕の高校時代の手記の一番最初のページに殴り書かれていた言葉だ。
思春期を通り過ぎた諸兄の中にも同じような経験がおありかもしれない。
今でこそ馬鹿馬鹿しいと思えるような荒唐無稽な妄想が、強迫的な観念となって
自らの精神に突如として生まれ、巣食い、ふてぶてしく太っていくのである。
大体はこれらの妄想の類は一過性のもので、あんなにも肥大化していたはずのそれは、いつの間にか消えていく。
夕焼けの淡い紫のコントラストが夜の暗闇へと変わるように、徐々に、あまりにもあっけなく。
そして後年、その事を思い出す度にクッションに顔を埋めて、手足をバタバタさせてのた打ち回るのがオチだ。自身の恥ずかしいエピソードは、親しい間柄での酒の席の笑い話となり、二次会へと歩を進める事すら億劫になる、そんな事もあるだろう。
しかし、それが原因となって数奇な運命に巻き込まれる場合も、ある。
この記録を読んでいる諸兄の白けた視線が目に浮かぶが、別に僕は今もそんな馬鹿馬鹿しい妄想に囚われているわけじゃない。これは実際に僕の周りで起こった出来事なのだが、誰もそのような突飛な話を信じるとは思えないし、僕の精神衛生を心配されるのがオチだ。
なので便宜上「物語」としてここに記録しておくことにする。
前置きが長くなったが、これはそんな妄想に囚われていた頃の僕と一人の女性の物語だ。
いや、正確には、僕達と一人の女性の物語。
2
高校二年生の9月まで遡る。
「中だるみ」といわれる時期の、更に中だるみの最中。僕は、僕の教室から飛び降りる決心をした。
僕は学校に友達と呼べる人間はいなかった。
周りの人間は全て、僕にとってはノイズ情報と同じだった。
同じような毎日をただ怠惰に過ごし、眠り、また繰り返す。僕は内心それを見下していた。ただ無為に日々を浪費する連中を。だから僕は、彼らと距離を置いた。ただいたずらに歳月が過ぎ、僕の頭が腐り落ちる前に。
そのうち、僕の中に恐怖が生まれた。ひょっとして、距離を置いたとて僕も連中と同じなのではないかと。頭ではそんな事を考えていても、傍から見れば皆一緒。僕だって何か為したわけでも、またこれから為す訳でもない。僕は焦燥に駆られ、ただ恐れた。そんな中、ふとベランダに出て僕はあの風景を知る。校舎4階のこの教室の
2008-10-01T21:01:45+09:00
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