1212年.12月12日 午前12:12分12秒・・・ヤツは産声をあげた。
だが未熟児だったヤツは、1週間という短い期間で生涯を終えた・・・
そして時は昭和63年に遡る
ヤツは再びこの世に現れた。
とある国の[大渕]と呼ばれる都市で・・・
12月12日の12秒にヤツと同じ音波で産声をあげる赤子。
だが、彼もまた不運な事故で両親を亡くす。
しかし時は昭和、産婦人科で擁護をされ施設に届けられる。
物心がついた日、突然彼は呟き始めた。
「オレノチカラデ、セカイヲカエル」
そう呟きながら空を見上げて10歳のヤツは眼を細めた。
16歳の時、ヤツは彼を殺した。
彼は・・・脆く、儚い存在だった。
精神が崩壊しつつある彼は、自らヤツの存在に気づき・・・望んだ。
俺を殺せ・・・と。
ヤツは好都合だった。
精神を殺すには、殺す精神に承諾が必要だったから。
そして、ヤツの計画は順調に進む。
「オレノチカラデ、セカイヲカエル」
最終更新:2007年08月14日 13:39