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319 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/09(木) 09:11:29 ID:tmj2r5us [4/5]
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＼ ヽN / fﾊ ﾋﾘ /,.ｨ=rく/l
ﾊ. ﾋﾘ , , ´// .ﾉ }/
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| 案外子供っぽい、まだ幼さの残る声で『仮面ライダー』が二人に尋ねた。
| その声に聞き覚えがあり、そいつの顔が見慣れたものである事に気付き、やる夫は困惑した。
|
|「待てアリカ。敵の敵は味方とは限らない。不用意に近づくな！」
|
| そして、彼女の後ろから現れた者も知己であり、いや、知己というかもっと遥かに親しい存在で。
|
|「君らが何者かは知らないが質問に答えてもらう。拒否権は認めない」
|「蒼星石！なにやってんだお！？」
|「え……や、やる夫？」
|「やる夫にぃ！？」
|
| 困惑する蒼星石と、ようやくやる夫に気づいたアリカ。
| 後者は涙を浮かべやる夫に駆け寄ると、押し倒さんばかりに抱きついた。
|
|「会いたかった！」
|＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
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320 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/09(木) 09:11:58 ID:tmj2r5us [5/5]
/三三三三三=-: :´: : : : : : : ､: ｀: : ｰ.､三三三三三ヽ
. (三三三ﾆ. :'´: : :|: : : : : : : : : : :＼: : : : : ｀: .､三三三ﾆ)
ー＜／: : : : : : {: : 、＼:.:. : : : : :丶: : : : : : :.＼ニﾆ／
／: : : : :/:.:.:.八: : ＼: ＼: _: : : : :ヽ:.:. : : l: : : :ヽ/
. /://: : :.:7:.卞､ ﾉヽ:.:.{ ＼:.:＼＼:.:.:._｣≧: :.|: : : : : ',
/:/: |: : : :.|:.:/ //＼_､:ヽ ＼:<,ィ＜: :| _V: |: :.|: : : :'
|:ﾊ: :|: :{: : |:kメﾃ＝ﾐ ＼', ｫ夕テﾊ}^∧:.}: :.|: : :| |
{ハ: |: :ﾊ: :.{ﾍうんｿ} ＼ 弋ゞ' ﾉ ′}/:.:/:. : :}:.! ちょ……アリカ！？
{! ヾ!:.:.:ヽ:.', ｀冖´ { ｀ ｀¨^´ /:.:./:.: :.:/:/
|:.:|:.:ヽ:.､ ＿ ／:／:.:.:..:/:/ おいやる夫！
}:.:!:.:.:.:ト＼ V⌒ ／イ:.:.:.:.:.: /:/ 君はアリカとどういう関係だ！？
|:∧:.:.:.ヽ. ‘ _ﾉ //:.:.:.:.:/:/
ﾚ ヽ:.:.ﾄ､{＞.. ｰ . イ:/:.:.:.:.;.':, ′
, - ､ ＼{ ｀ }ﾍ｀ト __ -‐ 7:.:/:./:.:.:.:/ﾚ'
/二､_≧ー―‐ ´￣ ＼ {:./|ノ|:,ｲ/ ′
／ )_ヽ ＼r‐'⌒＼_'＿_
／ )__ヽ ／￣￣)又＼｀＜ )__
／' _〕ﾍ / r'￣ ７ｲﾍ ＼＼ ＼ )＿
／ / (＿ } ＼ヽ ノ /|ミ}! ヽ} ﾊア∧
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| 目を三角にして怒鳴る蒼星石。
| しかしやる夫はぎゅうぎゅうと抱き締めるアリカに気道をロックされており、返事どころではない。
|
|「あ～？」
|「わしを見るな、サマナー。じゃが、一段落ついたようじゃな。
| 場所を変えるぞ。また屍鬼が集まって来たらかなわん」
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339 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/10(金) 08:55:52 ID:8fe.wea. [2/5]
__ ＿_ _
, . . :´ : : : : : : .｀丶､
／. : : : : : : : : : : : : : : :.＼
/. : : : : : : : : : : : : : : : : : : : .ヽ
|: : : : : : :/: : : : ､: :.:.:.|: : }‐:.､: :'.
/: : : : : :.ハ: :.:.:.:|:＼: :| : :|:ヽ.:.ヽ|
/: :.:.|: : :/⌒ヽ.:.:.:ﾄ､「｀ﾒ､:.:|: : ): :}|
/ ﾍ: :|: :/ ＼| ヽ|ゝ‐r｛:!
/ VⅣr＝ﾐヽjr={ r＝ﾐヽ/l: :/): :| 申し訳ありませんがお客様、
V ﾍ _＿ノ ヽ _＿ノ :/ﾉ: : | ペットの連れ込みはご遠慮下さい。
八 r‐--┐ ,.ｲ.:.:/: : '.
/: : : ＞ _ヽ__ノ_,. イ .:l.:/: : i: :|
r‐‐' ){: : /: : :＞'´不V ｀7ヽ.:.:l/: : : |: :|
｀ヽ ｀ｰく / ﾌ/ﾊヽﾉ/ V: /: : :|ヽ|
＼ __ L { // L|/ V: /:/ /
VVj r─ {_＿___」:/:/
/ .|: : : :| /: :|
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| 店員に言われてはじめて、やらない夫は肩にニャンコ先生が乗っているのを思い出した。
|
|「オレとしたことが非常識だっただろ。
| 外で待ってるから、テリヤキのＬＬセットとチーズバーガーで。飲み物はコーラで頼む」
|「あんなのの後でよく肉が食えるお」
|
| 千円札を受け取ったやる夫が、呆れたように呟いた。
| 胃液と雨でぐちゃぐちゃだった服は、上下ともユニクロで買い替えている。
|
|「で、蒼星石とアリカはどうするお？」
|「いや、自分で買うよ」
|「これ位奢らせるお」
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340 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/10(金) 08:56:07 ID:8fe.wea. [3/5]
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> ´ /
く . -‐=＝＝＝＝= ー-く
＼ ,. . :"´: : : : : : : : : : : : : : l: : : : : : :ヽ
>'´ .: .: .: .: .: .: .: .: .: .: ./ハ: :.l: :!: : : : : :l
i: : : .: : . :. {: : : : : : : :./ /ﾊ: l.: !: : : : : :}
|: : |: :.|: : : |::.:.:.:.:.:.｀メ､ // V: :l: : : l : ;′
|: : |: :.|: : : |::|: : :∠イ_〃＞ Vく: :./}:/
＼|: :.|: : : |:.|: : :`弋夕ｿﾉ｀ tり:.:/ l/
＼|ヽ: :|.:|: : : :.i.:|￣ ヽjⅣ ……。
}ヽ仆ヽ: : : :lN _ _／: :l
／￣￣｀`ヽ､: レ'´￣｀): : : :l
／ V `ー ﾕヽ.:.|
,ん子こ`ヽ | ﾕ､l./
,ん'´: : : : `ヽヽ | l ﾊ'′
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| 逡巡。しかし、断って押し問答も面倒と思ったのだろう。
| 蒼星石はメニューに視線を移して口を開いた。
|
|「……じゃあ、フィレオフィッシュのセットで。飲み物はアイスコーヒー」
|「ブラックな？ アリカは？」
|
| 勝手知ったるという感じで、やる夫は受け答え。
| 妹分を見るが、彼女は思いもよらなかった様子。
|
|「へ？ いいの？」
|「いいからいいから」
|「じゃ、じゃあ……ハンバーガーのセット、飲み物はファンタで、お願いします」
|「よし、じゃあ買ってくるお」
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341 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/10(金) 08:56:20 ID:8fe.wea. [4/5]
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〃 .|:|!:|:.:ﾍ:.:.:.:.:.:.|:|:| ':! |ﾍ:.|_ｌﾘ/::::::::::::＼__ﾉﾊ＿
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|! |:| ﾊ:.:.:.:.＼:.!ﾊ! t::ﾃ／::::::::::::::::::::::::::::ﾉ::ヽ }}
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「ﾒ､ ｀ 下､ ｀ -廴::::::::::::::::::::::::::::::!:::::::::::ﾏ__
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. ,レf´::￣／´￣ヽ＼::::::::::／￣￣下､__:::::::::::::::::|｀Y:.}
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| 結局あの後、雨はすぐに止んだ。
|
| 四人と一匹は、軽い腹ごなしのためにファーストフード店を訪れていた。
| 互いの話はまだ。だからお互いに距離感を計りかねてぎこちない。
|
|「あ、アリカ。やらない夫にニャンコ先生も食べるか聞いて来てほしいお」
|「うん」
|
| アリカは、毎朝部活の早朝練習に向かっていた隣の娘は、あの後ずっとやる夫にべったりだった。
|
| 蒼星石の目が痛い。彼女にはお隣さんだとだけ説明した。
| 小さい頃は一緒に遊ぶこともあったが、やる夫が小学校中学年になる頃には疎遠になっていた。
|
| 最近こそ、毎朝挨拶するが、それ以上の関係ではない。
|
|「……」
|
| 蒼星石の沈黙。聞きたいこと、言いたいことは山ほどあるのだろう。
| それはやる夫も同じだ。
|
| そして、その中でも一つだけ。やらない夫もアリカもいない今、聞かなければならないことがある。
| やらない夫は、気付いていない。気付いていたら真っ先に聞くだろう。
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342 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/10(金) 08:56:38 ID:8fe.wea. [5/5]
＿＿＿_
／ ＼
／ ─ ─ ＼
／ （●） （●） ＼
| （__人__） | 翠星石はどうしたお？
＼ ｀ ⌒´ ,／
/⌒ヽ ー‐ ｨヽ
/ ,⊆ニ_ヽ、 |
/ ／ r─--⊃、 |
| ヽ,.ｲ ｀二ﾆﾆうヽ. |
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| 一瞬、蒼星石の顔が苦痛に歪んだ。
|
|「……君には関係の無いことだ」
|
| 苦々しく。吐き捨てた言葉はトゲだらけだった。
| だが、あまりに長い付き合いだ。蒼星石の言葉に隠された感情をやる夫は読み取れた……心配。
|
| 翠星石もまた、あちら側の世界の住民であり、そして今、何らかの危機に瀕しているのだろう。
|
|「やる夫」
|
| 絞り出すような蒼星石の声に、やる夫はぎょっとした。
| 押し殺された、黒々とした感情が見え隠れしていたのである。
|
|「君の察しの良すぎる所……嫌いだよ」
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358 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/13(月) 09:04:59 ID:lWLsFhXk [2/7]
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿__＿＿＿＿_＿＿_＿＿__
／ ─────── / ,───ヽ-─-─-- -─---ヽ
,／ //| | || ヽヽ
,／ ///| | || ヽ|
_∠_＿ _＿ //＿|ニ）__＿＿__|＿＿＿＿||＿＿____|_|
／ ￣￣￣￣￣_ ／ | | | _＿＿_|
／/＿＿＿＿＿＿＿ ／ ﾉ／￣￣|￣￣ ⊂⊃|⊂⊃ /＿ロ ＼_|
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|￣ └[ESTIMA]┘￣￣ ／;;;;;;;ヽ |￣￣￣￣￣|￣￣￣／;;;;;;ヽ ﾉ
|二|└────┘ |二)__|_|:（∴）:|__|＿＿＿＿＿|__＿_＿|:（∴）:|_＿__ﾉ
￣￣ゞゝ;;;;ノ￣￣￣￣￣ ゞ_ゝ:＿ノ ゞ;;;;;;ノ ゞゝ:＿ノ
￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣￣
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| 駐車場に止められた大型車を見て、やる夫は少なからず驚いた。
| 蒼星石が車の免許を持っているのは知っていたが、こんな車を運転しているとは思いもよらなかったのである。
|
|「乗って。食べながら話そう」
|
| 蒼星石は運転席へ。後の三人と一匹は後部座席へ。
| それぞれが座り、食事が一段落ついた所で蒼星石が口を開いた。
|
|「どうしてあんな場所にいた？」
|
| やる夫は答えようと口を開き、昨晩の夢を思いだして沈黙した。
| まず、何よりも夢が最初に浮かんでしまう。
|
|「昨晩、オプーナから電話があった」
|
| やる夫が話を整理している間に、やらない夫が呟いた。
| やらない夫から見たら、それが始まりなのだろう。
|
|「オプーナ？」
|「中高で一緒だっただろ。ボンボンの……」
|「ああ、ワゴンの」
|
| ボンボンで思い出したか、納得の様子の蒼星石。
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359 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/13(月) 09:05:17 ID:lWLsFhXk [3/7]
.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:::.:.:.:.:.:.:. :. :.`ヽ
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.:.:.:.:.:.:.:/.:.:.:::::::::::::::::.:.ヽ::i:::i::::::', |:|
i.:::::::::/::::ﾊ:::::::!::::::::::::::::',:i:::i:::::::l.|:|
i.::::::/.::::〃ﾊ:::|:::::::::::, _::」|::|:::::::l l:!
l.:::/.:::::〃 ',:::ﾄ､::::く::::::::||::|:::::/ ﾘ
l::/.:::;ｨ:/＝-ヽ＼ヽ,.ｨイ1!::!::/ ′
l/:／ /-‐ 〈tfｼﾉ::!::!′
K ,.ィﾃﾃ'ヽ `´1://
::::', V弋ｿノ ､ l::::| 続けて。
::::::', ¨¨´ / /::::|
::::ﾄ､ヽ､ _ ,.ｲ::::ﾊ!
::::i `'／l:::::/
:::::i ｀`ｰ┬一'´ |::/
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＼|＿_ _ ユ_＝=ァｧ
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.: .:. :. :.／ ヽ_ソ.::::::::::.`､
.: .:. :. ／ ヽ_ソ.::::::::::::::::::::.ヽ
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|「電話内容は悲鳴と水音。直前のメールからお台場にいると常識的に考えたオレは、すぐにお台場に来た」
|「電話の時間は？」
|「ちょっと待ってくれ」
|
| 携帯を開くやらない夫。着信履歴から、時間を確認。
|
|「22時18分」
|「一時間か……充分だな。続けて」
|
| 一人納得する蒼星石。やる夫は、うつむくアリカの顔色が悪いのが気になった。
|
|「朝、やる夫と合流した。だがオプーナは見つからない。
| それで、夜もこのお台場にいただろう浮浪者に話を聞こうと思っただろ」
|「埠頭公園で、何も思わなかったのかい？」
|
| 蒼星石のもっともな問い。あの異様な状況。
| 「いあいあ」としか口にしない浮浪者。彼らから漂う異臭。
|
| 何も知らない一般的なら敬遠するだろう。
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|三三三三三三三三三三三＿7 /〈 〈＿_ ./ /７｜./ ∧＼ ./ /＿_〈 〈＿_ / ∧＼ 〈〈 / / 〈〈.∧∨,/三三三三三三三三三
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360 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/13(月) 09:05:48 ID:lWLsFhXk [4/7]
:::::::::/ | 三三三三三三三三三
::::::/ | 三三三三三三三三三三
:::/ ﾚ.. - ───── -,.. _三三
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i:::/ |:::::/::::::|メ.l! |:N!::::::|:::::::::ﾄ!::::: l::::::::|::::::::::::ヽ 三三三
i:::i ﾚｲ:::::!:::!-._,､ヽ,ll ﾞ.:::::,ﾊ ::::| l!::::: ゝ:: |::::::,.:::::::::＼三／
ﾚ ,ｲ ::::::::::V !ﾊ::::ハヽ |:::::| !::::! ﾞヽ,.::::ﾊ::l::::/::::/::::::::::V
/:,ｨ ::::::::: ! ｀ ‐ ′ |:::::| V!二_j::/､ l::V::::, :::/,ｲ::/
i:::ハ:::::::::ハ ヾ::l 7r:::::j/､_ハ::::V:::://::l:|' （それに……）
l:! |::::::::ﾊ ' ヽ. ゞﾆ ′ｲ::::::ヾ.:V:/::::ｲ!
_ l! !::::::::::::ゝ. ‐ ､ ／::::::::::::|!/::::/ l!
-v' ´ ﾉ_ ゞ!:::::::/ ＼ ___ー= ' :::::::::::::: メ:::::/ l!
ノ ／'´ !, -､ __ ,ｨ|::::::!== _､ ゝ__ ,∠´__j:1イ:::::::::::::::／:::::,. l!
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| 蒼星石はひとりごちる。
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|（完全に異界化していた以上、一般人が外部から侵入するのは困難だ。
| ……やらない夫は元から素質があったのか？）
|
| 蒼星石が思いを巡らす間に、やる夫とやらない夫は顔を見合わせキョトンとしていた。
|
|「オプーナの事が聞けるかもと思ったら、なあ？」
|「最初はおかしいと思ったけど、いつの間にか麻痺してたお」
|
| 蒼星石は嘆息した。この男どもと来たら。
| 鈍感というか、視野が狭いというか。
|
|「で、襲われたと」
|「ああ……残念ながらオプーナがどうなったかは分からないだろ。あいつが巻き込まれてるなら……」
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405 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/14(火) 08:50:42 ID:z1hvVnI6 [2/4]
! ｌ
.! `'ｰ ,,_ _,,,＿__ !
| -.、 ｀''ｰ ..,、 | | ...ｰｰ''"´ ._,- ! ……やらない夫。
l ﾉ ゛ 'i } i!
,..-'".ｌ ヽ,、 _./ ヽ_ .／ ,l～ ..,,
´ ヽ .｀ﾞﾞﾞﾞﾞ./ ヽﾞﾞﾞﾞﾞﾞﾞ / ﾞﾞ'-､、
.＼ │ l ／
.｀'-､, ゝ..＿__＿,..-ｰ .＿＿__イ
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| やる夫が沈痛な面持ちで首を振った。
|
|「おいやる夫、大丈夫だろ。
| あのときオレ達を囲んだ中にあの特徴的なボンボンは無かった。きっと、きっとあいつのことだから……」
|
| 精一杯明るく言うやらない夫。だが、ミラー越しに見えるやる夫の表情は暗い。
|
|「女が」
|「やる夫」
|
| 蒼星石は思わずやる夫を止めた。やる夫は知っているのだ。やらない夫の知らない、決定的な何かを。
| だが、やる夫は首を振った。言わなければならないのだ。
|
|「写真で見た、オプーナの彼女が『いた』お。
| ……その、手を握りしめて」
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406 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/14(火) 08:50:58 ID:z1hvVnI6 [3/4]
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ヽ (⌒ ノ ＼ __,,--
｀－へ,,,,,____ ＼"''ヽ _＿＿,,--－－''""￣
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| 口元を押さえるやる夫。やらない夫も理解した様だった。
| その意味を。
|
| そんな二人を見て、蒼星石は目を伏せた。今だ。
| 今この瞬間に言うべきだ。今言わなければ、ならない。
|
|「二人共、手を引くんだ。ここは君達の居るべき場所じゃない。忘れろとは言わない。
| 仇は、僕らが取る。だから……」
|「冗談じゃないだろ」
|
| やらない夫が折れないのは、分かっていた。
| だが、言わねばならなかった。苦しくとも。
|
| ずっと、いつも、蒼星石は諫め役だった。
| そして、成功した試しは無かった。
|
| しかし、今は止めねばならない。やらない夫を。やる夫を。
| 止めなければ死ぬかもしれないのだ。
|
| 今度は。彼らが。
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407 名前：ξ*ﾟ⊿ﾟ)ξ＜死を夢に ◆PvLsLjGm0M[] 投稿日：2010/09/14(火) 08:51:16 ID:z1hvVnI6 [4/4]
￣ ､
´ ＼
／ ヽ
/ ､＿ ヽ
' ｀ ､ヽ
l ,‐-,.._ ゞ
. l l 弋心 l
. l 冫.ー く オレにはニャンコ先生もいる。
l l ﾉ! 先生の力を借りれば、あいつらと戦えるだろ。
l ｀ー‐ f ｒ'
l ﾉ'
! /
,' /
￣ ｀ー - /
｀ ､ /
:.:.:.:.:.:... ､ ／
:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.. .:.:ヽ _ ´
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｀ ､:.:.:.:.:.:.:...:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.＼
..:.｀:.:､:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.:.ヽ
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|「わしはそっちの帽子の方が正論じゃと思うぞ？
| わしはお主を守ると『契約』したが、わざわざ危険に突っ込まんで欲しいもんじゃ」
|
| もっと言ってやれ……待て。今この化けネコはなんと言った？
|
| 『契約』？
|
| 何らかの理由で、このネコがやらない夫を守っているのは分かっていた。
| だが、契約した？
|
| 有り得るとは思っていたが、なんということだ。
| もう、遅かったということか。
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