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// &bold(){履歴} 2010-07-16 鳩山政権期間中のメディア別偏差のデータを追加。 **衆院小選挙区得票数比の分布 小選挙区はわずかな支持の差で大きな議席の差になることはよく知られているけど、どれだけそうなるかについては「3乗則」のような経験則しか聞いたことがない。対決する2党にどれだけ全体の得票数差(正確にはロジット差)があれば、どれだけ議席を得られるかを2005年小泉郵政選挙を例にちょっと真面目に調べた。結果、選挙区のロジット差を大きさの順に並べたものはロジスティック分布で近似できるようである。これも経験則であって、こうなる理論的背景は不明。これが正しければ分布の平均(おおよそ全体の得票のオッズ比)と分散がわかれば、議席数が予測できる。 下図は横軸が得票数のオッズ比の対数で、正なら自民党、負なら民主党の勝利。ロジスティック分布と正規分布は見た目、非常に近いが、4次モーメントを表す「尖度」は前者1.2、後者が0となる。この実例では尖度は1.05となっておりロジスティックに近い。ロジスティック分布の分布関数は確率変数の指数をとるので、なにやら冪乗的関係は出てきそうだが、3乗という感じにはみえない。なおこれは1例だけの結果で、2009年衆院選でもこのことが成り立っているかは調べていない。 #ref(plot.png) **支持率調査のメディア別偏差 内閣・政党支持率調査などの世論調査の値は、同時期に行われた調査でもメディアによって大きく異なっている場合がある。麻生内閣の支持率・不支持率を例にして、このサイトで求めている近似グラフを基準とし、どの程度各メディアの調査結果がずれているかを下のグラフに示す。 #ref(meddevs_cab_Aso.png) 図のσは調査結果の標準偏差の大きさに相当し、実際の調査ではおおよそ1%強の値になることが多い。多くのメディアは中心部分2σ程度の範囲で団子になっている。上図は飽くまで近似曲線から各メディアがどの程度ずれているかを示すもので、近似曲線が推定にすぎない以上、この図に示されたメディア毎の偏差もどの程度正しいか判断するのは難しいが、2σ程度のずれが残っていることは十分考えられる。 JNNだけは右上に離れているが、これはJNNの調査が他のメディアの調査と違って、強い支持・不支持と弱い支持・不支持を問う4択であるため、支持でも不支持でもないという回答が非常に少なくなることによる。またここでの日経の値は、どちらでもないと回答した人に「気持ちに近いのはどちらか」と重ねて聞いた結果を加えており、やはり幾分右上にある。読売も重ね聞きをしているが日経ほどは追い込んでいないようだ。逆に図の左下は支持率も不支持率も小さめに出ることを意味し、時事がここに来ているのは、それが唯一面接調査であり、電話調査より態度を明確にしない人がいくらか多くなる傾向があるためだと考えられる。また朝日・毎日は日経・読売のような重ね聞きをしておらず、やはり低めになっている。回帰直線は求めていないが、全体としておおまかには45度の線より傾きが緩やかな線上に載っている。傾きが緩やかであるのは、より問い詰めるタイプの調査の場合、不支持と回答する人が相対的に多くなることを意味している。 同様の方法で鳩山内閣の支持率・不支持率に関する偏差を求めたのが以下のグラフ。 #ref(meddevs_cab_Hat.png) いくつかの点で麻生内閣と特徴的な違いがみられる。4択で追いつめるJNNに大きな違いがないにもかかわらず、時事は不支持の方へより傾いており、全体が麻生時代のような直線状になっていない。一定数の強い不支持層がある、もしくは強い支持が相対的に少ないことが読み取れる。また、毎日のみが支持が多く不支持が少ない側に大きく偏っている。検証はしていないが、毎日の内閣支持率調査には支持・不支持のほかに「関心がない」という選択肢があり、不支持を表明するよりも関心がないとする層が違いを生み出しているのかもしれない。 以下は同様に政党支持率調査のうち、麻生政権と鳩山政権での自民党・民主党の偏差のみを示したもの。軸はどちらも民主支持の偏差を横軸で自民支持の偏差を縦軸で表している。面接調査でかつ追い詰めて訊いていない時事は他のメディアより顕著に低く出ている。日経は「どの政党に好意を持つか」と追い詰めて結果を出している。NTVもまた「強いて挙げればどの政党か」と追い詰めたとしており、文言の違いが偏差の差となっていると思われる。明示されていないが他のメディアにも同様の方法を行っているものが多いと考えられる。 #ref(meddevs_pty_Aso.png)&ref(meddevs_pty_Hat.png) 世論調査について語るとき、メディアの論調と世論調査の結果に相関があるかどうかがしばしば問題とされる。近似曲線が正しいものなら、グラフの対角線から左上-右下方向へのずれがこうした偏りを表すことになる。重ね聞きによるずれほど顕著でないものの、特に政党支持率調査では最大3~4σ程度のこうしたずれが現れている。はたしてこれがランダムな誤差以上の系統的なずれを表したものかどうか今のところ何ともいえないが、こうしたグラフのより長期の調査で明らかにしうるのではないかと期待される。 ---- // // // ---- last update on &update(format=Y-m-d); &counter() visitors
// &bold(){履歴} 2010-07-16 鳩山政権期間中のメディア別偏差のデータを追加。 **衆院小選挙区得票数比の分布 小選挙区はわずかな支持の差で大きな議席の差になることはよく知られているけど、どれだけそうなるかについては「3乗則」のような経験則しか聞いたことがない。対決する2党にどれだけ全体の得票数差(正確にはロジット差)があれば、どれだけ議席を得られるかを2005年小泉郵政選挙を例にちょっと真面目に調べた。結果、選挙区のロジット差を大きさの順に並べたものはロジスティック分布で近似できるようである。これも経験則であって、こうなる理論的背景は不明。これが正しければ分布の平均(おおよそ全体の得票のオッズ比)と分散がわかれば、議席数が予測できる。 下図は横軸が得票数のオッズ比の対数で、正なら自民党、負なら民主党の勝利。ロジスティック分布と正規分布は見た目、非常に近いが、4次モーメントを表す「尖度」は前者1.2、後者が0となる。この実例では尖度は1.05となっておりロジスティックに近い。ロジスティック分布の分布関数は確率変数の指数をとるので、なにやら冪乗的関係は出てきそうだが、3乗という感じにはみえない。なおこれは1例だけの結果で、2009年衆院選でもこのことが成り立っているかは調べていない。 #ref(plot.png) **支持率調査のメディア別偏差 内閣・政党支持率調査などの世論調査の値は、同時期に行われた調査でもメディアによって大きく異なっている場合がある。麻生内閣の支持率・不支持率を例にして、このサイトで求めている近似グラフを基準とし、どの程度各メディアの調査結果がずれているかを下のグラフに示す。 #ref(meddevs_cab_Aso.png) 図のσは調査結果の標準偏差の大きさに相当し、実際の調査ではおおよそ1%強の値になることが多い。多くのメディアは中心部分2σ程度の範囲で団子になっている。上図は飽くまで近似曲線から各メディアがどの程度ずれているかを示すもので、近似曲線が推定にすぎない以上、この図に示されたメディア毎の偏差もどの程度正しいか判断するのは難しいが、2σ程度のずれが残っていることは十分考えられる。 JNNだけは右上に離れているが、これはJNNの調査が他のメディアの調査と違って、強い支持・不支持と弱い支持・不支持を問う4択であるため、支持でも不支持でもないという回答が非常に少なくなることによる。またここでの日経の値は、どちらでもないと回答した人に「気持ちに近いのはどちらか」と重ねて聞いた結果を加えており、やはり幾分右上にある。読売も重ね聞きをしているが日経ほどは追い込んでいないようだ。逆に図の左下は支持率も不支持率も小さめに出ることを意味し、時事がここに来ているのは、それが唯一面接調査であり、電話調査より態度を明確にしない人がいくらか多くなる傾向があるためだと考えられる。また朝日・毎日は日経・読売のような重ね聞きをしておらず、やはり低めになっている。回帰直線は求めていないが、全体としておおまかには45度の線より傾きが緩やかな線上に載っている。傾きが緩やかであるのは、より問い詰めるタイプの調査の場合、不支持と回答する人が相対的に多くなることを意味している。 同様の方法で鳩山内閣の支持率・不支持率に関する偏差を求めたのが以下のグラフ。 #ref(meddevs_cab_Hat.png) いくつかの点で麻生内閣と特徴的な違いがみられる。4択で追いつめるJNNに大きな違いがないにもかかわらず、時事は不支持の方へより傾いており、全体が麻生時代のような直線状になっていない。一定数の強い不支持層がある、もしくは強い支持が相対的に少ないことが読み取れる。また、毎日のみが支持が多く不支持が少ない側に大きく偏っている。毎日の内閣支持率調査には支持・不支持のほかに「関心がない」という選択肢があり、検証はしていないが、不支持を表明するよりも関心がないとする層が違いを生み出しているのかもしれない。 以下は同様に政党支持率調査のうち、麻生政権と鳩山政権での自民党・民主党の偏差のみを示したもの。軸はどちらも民主支持の偏差を横軸で自民支持の偏差を縦軸で表している。面接調査でかつ追い詰めて訊いていない時事は他のメディアより顕著に低く出ている。日経は「どの政党に好意を持つか」と追い詰めて結果を出している。NTVもまた「強いて挙げればどの政党か」と追い詰めたとしており、文言の違いが偏差の差となっていると思われる。明示されていないが他のメディアにも同様の方法を行っているものが多いと考えられる。 #ref(meddevs_pty_Aso.png)&ref(meddevs_pty_Hat.png) 世論調査について語るとき、メディアの論調と世論調査の結果に相関があるかどうかがしばしば問題とされる。近似曲線が正しいものなら、グラフの対角線から左上-右下方向へのずれがこうした偏りを表すことになる。重ね聞きによるずれほど顕著でないものの、特に政党支持率調査では最大3~4σ程度のこうしたずれが現れている。はたしてこれがランダムな誤差以上の系統的なずれを表したものかどうか今のところ何ともいえないが、こうしたグラフのより長期の調査で明らかにしうるのではないかと期待される。 ---- // // // ---- last update on &update(format=Y-m-d); &counter() visitors

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