ザ・平成唱歌集~巻之一


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野坂昭如 2000




  間とはその人生を通して不変のものであろうか、それとも変わり続けるものであろうか。おそらくそのどちらも正解であって、可変不変が相互に絡み合っているからこその人間であろう。身体は可変性の象徴であってしわくちゃの赤ん坊は膨張を経てしわくちゃの老人に変質するのが常というものだ。対して生得の性、というか業のようなものは世紀を隔てても亡失しがたいものらしい。三つ子の魂百までとは良く云ったものである。

 して、才能の類いはどうやら不変のものたちの眷属のようで、センス・オブ・ユーモアもまた同様である。天賦の才というものは、実はリテラシー能力に関わりを持たず、生得の業に支えられているのというのは僕の持論だ。そしてそれらの業は変質、すなわち身体の成長、老化とまざりあい時に妙なる実を結ぶ。あるいはその物質的変化とともに熟成され深みを増す場合もあるだろう。重要なのは、老人の芸術は夭折の天才には決して生み出せないということだ。

 さらに自己の業に対し自覚的であることは才能を作品に押し上げる役に立つ。オタク、気違い、厨二病とそしられようと、ニヒリストならニヒリストなりに、ユートピストならユートピストなりにそれらをもち続けることは、まあ、それなりに価値をもつだろう。それがいかに時代に逆行する愚行であっても、存外買う人がいる。読む人がいる。置く図書館がある。なかなかどうして捨てる神がいれば拾う神がいるのであった。

 言い忘れていたが、笑撃作である。トマソン、トマソン。(大津英太)


ザ・平成唱歌集~巻之一
野坂昭如
オフィシャルサイト(野坂昭如):http://nosakaakiyuki.com/

2000/ Pヴァインレコード
赤瀬川夜曲 (老人力の唄)
トマソン音頭
みどりの帽子
師走
灯台賛歌
ダンゴビルの唄
再見香港 (野坂休憩)
浦安太郎
病院唱歌
やまと寿歌
(全曲カラオケ付き)


(2009,3,6)



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