原告適格の考え方


※上記の広告は60日以上更新のないWIKIに表示されています。更新することで広告が下部へ移動します。

原告適格の考え方

 原告適格とは、その訴訟において名宛人になる資格をいいます。簡単に言ってしまえば、その人に判決を渡して意味があるのかどうか、って問題です。
 この点、処分を実際に受けた人に対しては、あまり考える必要はありません。その判決が取り消されれば当然利益を受けるのですから、意味はあります。

第三者の原告適格

 ところが場合によっては処分が第三者に影響を与えてしまう恐れがあります。
 例えばある場所になんか施設を作るという処分がある場合、その処分によって周りの住民が迷惑を受けるとしたら、周りの住民としては何とかして止めて欲しいと思うでしょう。しかし処分を受けた相手にのみ原告適格が認められるとしたら、彼らは何もすることが出来ないわけです。
 じゃあ彼らも迷惑被るわけだから…と無制約に訴訟を行う権限を与えたらどうなるでしょう。おそらくまったく関係ない人々が濫用的に訴訟を起こすことになるのではないかと思います。
 そこで、いかに被害にあう恐れのある人の訴訟を認めつつ、行政訴訟を悪用する人の訴訟を防止するか…そういう観点から考える必要があります。

 この点行政事件訴訟法9条1項で、第三者の当事者適格について 「法律上の利益を有するもの」 としています。
 そしてこの「法律上の利益を有するもの」とは 行政処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され、又は必然的に侵害されるおそれのある者 をいう、とされています。これを「法律上保護された利益説」といいます。

 もっとも、この「法律上保護された利益説」ですが、まともに考えるとかなり狭いことにお気づきかと思います。なにしろ法律は直接に侵害する相手を保護することは認めても、第三者までは考えてないことが多いんですね。
 そのように考えると、ほとんどありえないんじゃないか、って感じになっちゃうんですね。

 実際以前の裁判例を見ると、かなりゆるく解釈して認めているケースもあるんですが、多くの場合原告適格を認めてないです。
 しかしこれだと、実際に救済すべき人が救済されないケースとか出てきちゃうんですね。

 そこで9条2項を新設しました。
9条2項
裁判所は、処分又は裁決の相手方以外の者について前項に規定する法律上の利益の有無を判断するに当たつては、当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく、当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において、当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たつては、当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし、当該利益の内容及び性質を考慮するに当たつては、当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする。

 長くて分かりにくいのですが、要するに、当該法令の目的を考慮するときは他の関連する法令も考慮材料にしてよいこととか、あと保護される利益と害される程度を考慮しろ、って書いてあります。
 これだけでも分かりにくいのですが、簡単に言ってしまえば 出来る限り認めろ よ、ってことです。

 どうしてこういう判断が出たか分かりにくいのですが、結局この原告適格ってのh訴訟要件だから実際の訴えの内容に入り込むわけではないんですよね。そこで縛りをかけすぎて、じゃあ実際の内容見ないのはどうなの?ってのがあるんだと思います。
 確かになるべくなら内容のほうを見たほうがいいのは事実なわけでして。

 まあそういうわけで、今は内容を広く解釈するのが通例のようです。
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。