一方(…逃げちまった)
一方(……)
一方(…俺変な奴だと思われたかもしンねェ)
一方(……何やってンだ俺)
一方(…そもそも女に一喜一憂してンじゃねェよ。俺以外の奴なンてどォでもいいだろォ)
一方(……だから悩むンじゃねェ……)
一方(……)
一方(…メンタル弱ェな。俺……何で麦野さンの顔がチラつくンだよ)
一方「…どォすっかな」
美琴「ん?あれ一方通行じゃない?」
上条「あ、本当だ。オーイ!」
一方「ン?…何だ三下と超電磁砲か」
上条「ここで何してんだ?」
一方「別に…ただの買い物だっての……」
美琴「ふーん?何か傷心してるようにみえるけど…」
一方「…テメェいつからテレパシストになったンだよ」
美琴「まぁそんな顔してたら心読めなくってもわかるわよ」
上条「へぇ…一方通行って親船先生が好きだったよな?」
一方「いや、親船は関係ねェよ………実は―――」
フレンダ「ん?麦野、その手に持ってる袋の中身は…本?」
麦野「え?ああ、そうそう。最近会議でコーヒー飲むようになったじゃない。コーヒーの事勉強しようかなって」
フレンダ「!!…それじゃあその本は…」
麦野「ええ、コーヒーの本よ。薄い入門用のだけどね」
フレンダ(これはなんたる僥倖…!よし。後はラビットだけ…)
フレンダ「あー…麦野。滝壺と絹旗は?」
麦野「ん?能力検査やった後アジトに帰って、私一人で来た」
フレンダ「え、えーっと…もうそろそろ帰った方がいいんじゃない?あの二人が待ってるだろうし」
麦野「んーそうねぇ…」
フレンダ「あ、今日じゃない?総合格闘技やるのって。[切腹]vsアケボノとか」
麦野「あ!そうだった!5時からだから…まあゆっくり歩いてっても間に合うわね。それじゃ!」
フレンダ「はいよー!……よし。早速ラビットに連絡を…」
美琴「なるほどね。じゃあその好きな人のプレゼント選びに来たのね」
上条「へぇ。相手が誰か気になるな」
一方「テメェ余計なフラグ立てンじゃねェよ。ぶち[ピーーー]ぞ」
美琴「大丈夫。それは私が折るから。それにしても女の子と二人で別の女の子の贈り物買うってどうなの?」
一方「そうかァ?別にそいつとはそういう感情は持ってねェンだぜ?」
上条「そうだよ。それって何かおかしいのか?」
美琴「…もしかしてこの前のプレゼントとかって」
上条「あぁ、姫神と行った」
美琴「…一方通行に心から感謝するわ。まさかここまでデリカシー無かった男だなんてね」
上条「ちょ!ちょっと待て!左手握るあndfghjk」バチッ
美琴「いい?女の子って嫉妬深いからそういうのって無意識でも気になるのよ?」
一方「…手遅れじゃねェか」
美琴「大丈夫だって。私も何度もそう思ったけどこうして手を繋いでるわ」
一方「そっちも手遅れじゃねェの?命的な意味で」
美琴「そっちも大丈夫。手を繋いでると心電図が測れるから」
美琴「それじゃ。そろそろ帰らなきゃ。ほら起きなさい」
一方「…(麦野さンと付き合ってもデフォルトで能力が効かねェってのは幸せだろォな)」
上条「ん…イテテ……また電撃撃ったろ…勘弁してくれよ」
美琴「まあ、アンタは帰ってから説教ね」
上条「不幸だ…」
一方「…超電磁砲。世話ンなった。俺ァ戻ンぜ」
美琴「いいわよ。じゃあね」
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・
一方「…すまねェ。勝手に逃げちまって」
フレンダ「まったくね。結局ラビットの名に恥じない逃げ足と臆病っぷりよ」
一方「麦野さンは?」
フレンダ「先に帰ったわよ。…そうそう。ラビットにはもったいないくらい良いプレゼント見つけたわよ」
一方「…?」
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・
・・・・・・・
・・・
・
麦野「ただいま~…」
絹旗「あ、麦野お帰りなさい。どこ行って来たんですか?」
麦野「んー…ちょっと買い物かな?」
滝壺「本?」
麦野「そうそう。…あー、今日ってさ」
絹旗「あ!今日はラビットが作るって言ってましたよ!」
滝壺「きぬはた、一緒に掃除しよ?らびっとが気持ちよく料理してくれるように…」
麦野「あ…私は部屋に居るから。総合格闘技観なきゃだし」
ガチャ…バタン…
麦野(んー…やっぱみんな忘れちゃってるか)
麦野(フレンダは多分知ってるかもしれないわ…ラビットと買い物してたけど…まさかね)
麦野(……)
麦野(ん…そういえばラビットのプレゼント云々言ってたけど誰にあげるのかしらね)
麦野(あ、総合格闘技の予約しなきゃ)
絹旗「…気付かれませんでしたね」ガサガサ
滝壺「でもすごく寂しそうな顔してた…」パッパッ
絹旗「あーもう!ラビットとフレンダはどこうろついてるんですかね!!」ガサッ
滝壺「あ、それ資源ごみ」ススッ
絹旗(…まさか変なところに寄り道してないですよね?)ガサッ
滝壺「それまだ中身入ってる」サッ
絹旗(まあフレンダですし大丈夫でしょうけど…って何私は考えてるんでしょうかね)パキッ
滝壺「きぬはた、空き瓶握りつぶさないで」サッサッ
ガチャッ
フレンダ「ただいまぁ…」ソロー
一方「…」ドキドキ
絹旗「おかえり…って何やってるんですか」
フレンダ「…麦野は?」
絹旗「麦野の部屋でテレビ見てますよ」
一方「オシ、丁度いい…さっさと運ぶぜ」
絹旗「これは……まさか麦野の?」
フレンダ「そ。ラビット、とりあえず部屋に隠しなさい」
一方「ンじゃ早速料理作ンか」
滝壺「私も手伝うよ」
一方「ン…良いけど邪魔すンなよ」
絹旗「あー…私も何か手伝いましょうか」
一方「オイ、チビガキ。総合格闘技は何時までやってンだ?」
絹旗「えっと…確か7時までだったと思います」
一方「ンじゃお前は飯まで麦野さンが出てこねェよォに麦野さンの部屋で格闘技観戦してろ」
絹旗「…まあいいですけど」
フレンダ「じゃあ私はセッティングするわ」
一方「テメェに片付け任せて大丈夫かァ?」
フレンダ「なっ、失礼ね!普段はやらないだけよ!」
ガチャッ
絹旗「失礼しますよ」
麦野「あら、掃除してたんじゃないの?」
絹旗「フレンダとラビットが帰ってきましたから」
麦野「そう。で、どうしたのよ」
絹旗「い、いえ…格闘技でも観ようかなーって」
麦野「…?まあたまにはそういうのもいいかもね。いらっしゃい」
絹旗「…」
麦野「…」
絹旗(……正直、総合格闘技よりも麦野と二人っていうシチュが超気になりますね…)
麦野(……絹旗と二人ってのも珍しいわね…いや、むしろアイテムのメンバーとは仕事外で二人っきりって事自体あったかしら)
絹旗(……麦野ってやっぱり超綺麗ですよね…大人っていうか…あ、ギロチン!)
麦野(…こういう雰囲気慣れないわね……ああもう!ギロチンの時に何で柔道着の襟を掴まないのかしらね!?)
絹旗「…麦野って格闘技好きなんでしたっけ。アウトレンジが強い能力者なのに超意外です(あ、返された)」
麦野「え!?あ、あー…なんていうの?逞しい男同士の素手での争いって闘争本能の原点じゃない(ワセリン塗って滑りやすくしてんのかしらね)」
絹旗「もしかしてこういうのを戦術の参考にしてるとか(ああ…逃げられましたね)」
麦野「いや、別に戦術もクソも無いって。役に立ちそうなのは戦う前からの戦略ぐらいかしらね(あーあんな所でパンチ撃つからよ…)」
絹旗「じゃあそれ参考にしたりするんですか(あ、ゴング)」
麦野「役に立ちそうってだけで参考にはしないわ。あんたこそクロスレンジで力発揮するんだからこういうの参考にしないの?(次で佐武がどう出るか…)」
絹旗「いえ、別にそんな事しませんよ。戦闘といっても客観的に観るのと主観で体験するのとで全然違いますし(あ、CM…)」
麦野「…まあそうよね。そういう勉強が無駄とは言わないけど体験を通したモノが実戦で出るしね(このガムのCMのキャラクターかわいいわね)」
絹旗「…(しまった…会話が続かない……このCMの最後のオバサンはどんな風に変わるのでしょうかね)」
麦野「…(あー…何言ってんのよ私…反応しづらい話じゃない……CM長いわね…)」
絹旗「…(ん…この女優さんって麦野みたいですね…綺麗でかっこよくて…)」
麦野「…(あー…この人前よりだいぶ顔変わったわね…流石に整形とかはしたくないわ)」
絹旗「…あー…麦野って綺麗で大人ですよね」
麦野「え?どうしたのいきなり」
絹旗「(そこで謙遜しないのが麦野ですよね)…いえ、麦野に対する素直な感想です」
麦野(感想…?うーん…どう反応したらいいものか)
絹旗「……いえ、どうしたら大人になれるのかと…超幼稚な考えに耽っていました」
麦野「(……なるほどね)…ラビットもモテモテねー」
絹旗「ラビットは関係ないです!私の欠けている所を考えただけであってでして…!!」
麦野「ん?何?ラビットがどうしたの?」
絹旗「い、いえ…何でもないです」
麦野(まあ、男っ気の無い集団の中で暮らしてきたからねぇ…思春期真っ盛りで意識しない方がおかしいわ)
絹旗「…その、麦野が私くらいの時ってどうでした?」
麦野「あー…どうって?」
絹旗「えっと…身長とか…3サイズとか……好きな人が居たとか」
麦野(ハァ…こういう質問するから子供なんだっての…まあいいけどさ)
麦野「そうねー…身長は今とそんな変わらないしバストはDはあったわね。彼氏もとっかえひっかえよ」
絹旗「」
麦野「(簡単に信じるなって…)…いや、冗談よ?」
絹旗「あっ…で、ですよね?つーかからかわないで下さい!」
麦野「はいはい……。えーっと…身長は絹旗より少し高めだったか?まあそんな変わらないわ」
絹旗「…」ホッ
麦野「3サイズとか気にしなかったわね。診断書とか見ればわかるけど教えたくないわ」
絹旗「…でも私とそんなに変わりませんよね?」
麦野「あー…どうかしら。今のフレンダよりはスタイル良いと思う」
絹旗「…やっぱりそういうのって天性ですか」
麦野「うーん……あ!そういえば私も胸が大きくならない事で悩んでてね。知り合いから『寝る前にでんぐり返りをすると胸が大きくなる』
って聞いたから夜中ずっとやってたわね。思えばそれからか…胸が大きくなったのって」
絹旗「!!(…今は…6時ですか…)」
麦野(…多分あとで自分の部屋でやるんだろうなー…人ってこうやって騙されて成長するのねー)
麦野「好きな人ねぇ…まあ小さい頃から研究所で育ったようなもんだし」
絹旗「同年齢の男性とか居なかったんですか?」
麦野「いえ、私と同じ位の子供達は大勢居たわよ。…まあ気になる男の子は居たわね。仮にA君ってするか」
絹旗「…それで、進展とか」
麦野「いやー…それがね、私とそんな親しくないのにやたらちょっかい出したりする男子達が居てね…」
絹旗「なるほど…つまり好きだからつい意地悪しちゃうってやつですね。超ガキじゃないですか」
麦野「(それアンタが言えるのか)…まぁ、今思えばそうだったんだろうけどさ、段々エスカレートしてきてね。
その私と仲の良いA君がいじめられるようになったのよ」
絹旗「ありがちな超醜い嫉妬ですねー」
麦野「で、私の前でA君がいじめられるモンだからさ、」
絹旗「いじめっ子達をやっつけたと」
麦野「いや、A君の足を撃った」
絹旗「ええ!?何でですか!!?超おかしいですよ!!」
麦野「いや…なんか苛められてるの見て情けないなーって思ったから…それにゾクゾク来たってのもあるし」
絹旗「…」
麦野「結局その男の子とは疎遠になったなぁ…何故か次の日からいじめっ子もちょっかい出さなくなったわ」
麦野「男の子との思い出なんてそれぐらいねー…」
絹旗「…仲の良い男の子を撃つという発想が既にレベル5ですね」
麦野「いや、でもちゃんと急所や大きい神経は外したんだしさ…あ、その後傷口を踵で踏んだけど」
絹旗「も、もういいです…はぁ…」
~~~~~~~~~~~~~~~
一方「カカカカカ…キキキキキ……ククククッ…ケケケケケ…ココココッ……!!」
フレンダ(うわぁ…いつにも増してキモイ)
滝壺(笑ってるらびっとってかわいい…)
一方「ついに完成したぜェ…麦野さンへの特製ケーキ!!カカカッ…!笑いが止ンねェ…!」
フレンダ「麦野は出てこない…絹旗が上手くやってるみたいね…さ、私の部屋に冷蔵庫があるからそっちに入れるわよ!」
一方「よし…明日が楽しみだぜェ……ンじゃ飯が出来たって麦野さン呼ンでくンぜ」
一方「…スー、ハー…コホン……アーアー…おし」
一方「麦野さン。飯g」
「…」
「……」
絹旗「……で、麦野が好きなのが」
麦野「そうねぇ…やっぱりヒョロイ奴は駄目ね。厚い胸板とかいいじゃない」
一方「」
一方(……)カチッ ヒュッ
絹旗(ん?気のせいですかね…今ドアの前に人が居た様な)
麦野「どうしたのよ」
絹旗「い、いえ。きっと風ですね…で、纏めると麦野が好きなのが超屈強な男を…」
麦野「そう。そいつの胸板をぶち抜くのが最高ね」
絹旗「……そういえば超細い男とかを狙いませんよね」
麦野「そうそう。図体デカい男の太い腕を焼ききった時に悶絶するのが…そう、甘美ね」
絹旗(…男性の好みを訊くつもりがいつの間にか麦野の性癖の話になってしまいました…)
一方「…」ガチャ
フレンダ「麦野ー!今日はフレンチの…って、麦野と絹旗はどうしたのよ」
一方「…ォ」
フレンダ「?」
一方「……チクショォ…」
滝壺「らびっと…どうしたの?」
一方「…うっせェ…テメェらには関係ねェ…」
フレンダ(まーた始まった…どうせ麦野の発言を聞いて凹んだってトコでしょ)
滝壺「…らびっと」
一方「……」
フレンダ(さて、今日はラビットなんて言い出すかな…)
一方「……オイ、金髪」
フレンダ「…何よ」
一方「…プロテインって持ってンか?」
フレンダ(…まあ大体予想はついてたけどね)
・・・・・・・・・・・
・・・・・・・
「「「「いただきまーす」」」」
麦野「へー、このドレッシングって手作りなのね」
滝壺「うん…らびっとが作って…」
一方「」パクパク ムシャムシャ
絹旗「…今日のラビット超大量に食べてますね…どうかしたんですか?」
フレンダ「あー…まあむしろいつも通りっていうか…」
一方「滝壺、牛乳とってくれ」
滝壺「はい。無理しないでね」
一方「…」チラッ
フレンダ(焦んなっつーの!そのプロテインは食後30分からだって!)
麦野「…どうしたのよラビット…まさかやけ食い?」ヒソヒソ
フレンダ「あ、あー…まぁ、そうなるわね」
麦野「…もしかして好きな人に振られたとか?」
フレンダ「…まぁ、そうなるわね(勘が良いやら悪いのやら…)」
麦野「…ふーん」
・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
フレンダ「…あのさ、ラビットはマッチョになりたいの?」
一方「…テメェには関係ねェだろ」
フレンダ「いや、別にラビットの裸とか見ないしいいんだけど…その顔でマッチョってどうなの」
一方「…」
フレンダ「それにあんた足に障害あるから結局全身鍛えるのは難しいって訳」
フレンダ「いい?筋肉ってのは損傷してその部分が回復する事で肥大する訳なの」
一方「ンな事知ってらァ…」
フレンダ「その働きを補助するのがそのプロテイン。つまり動かなきゃ作用しないわ」
一方「…」ガタッ カツカツカツ
フレンダ「…はぁ…麦野の好みでも訊いてくるか…」
一方「オイ」ガチャ
絹旗「!!」ポスン
一方「…?夜中に体操の練習ですかァ?」
絹旗「う、うっさいですね!なんですか急に!」
一方「明日俺に付き合え」
フレンダ「麦野…麦野ってムキムキな男が好きだったっけ」
麦野「…?何の事?」
フレンダ「…?晩飯食べる前にラビットと会った?」
麦野「いや…あんた達の買い物と分かれる前から会ってないわ」
フレンダ「……」
麦野「……?」
フレンダ「…そう、わかった。ありがと」ガチャ
フレンダ「絹旗いるー?」ガチャ
絹旗「あっ!えっ!?」
フレンダ「あれ?もう寝るの?」
絹旗「…あー、その…明日ちょっと用事があるので」
フレンダ「ふーん……あのさ、野暮ったいけど晩飯の前に麦野と何話してた?」
絹旗「…超野暮ですね。…まぁ、他愛ない話ですよ。麦野の性癖とか」
フレンダ「な、何それ…!超気になるわ!教えなさい!」
絹旗「いや、といってもですね、超屈強な男を拷問したり[ピーーー]のが快感だとか」
フレンダ「…はぁ…なーんだ………え?」
フレンダ「屈強な男を殺す?」
絹旗「そうですよ…まったく…麦野の神経は常人とは違いますね…流石はレベル5」
フレンダ「…あーなんとなくわかったわ」
絹旗「…?」
フレンダ「麦野ー」ガチャ
麦野「何よ」
フレンダ「麦野の好みの男ってどんな奴?」
麦野「……まぁ、強い奴かしら。少なくとも弱い奴は話にならないわね」
フレンダ「なるほどなるほど…それじゃ」ガチャ
麦野「…騒がしい奴」
フレンダ「ラビットー。邪魔するわよ、いや邪魔じゃないはず。邪魔なものかーっ!」バン
一方「なンだよ、うっせェぞ」
フレンダ「喜びなさい。明日ラビットの特訓するわ」
一方「……あァ、こっちもそのつもりだぜェ」
フレンダ「?」
一方「あのチビガキとトレーニングすンだよ」
フレンダ「……なるほどね。耳を貸しなさい」
一方「…?」
フレンダ「あのね…」ヒソヒソ
~翌日(麦野の誕生日)、am4:00~
絹旗「ふぁ~あ……(まったく……朝の公園にジャージで来いって…)」
一方「…」
フレンダ「さ、始めるわよ」
絹旗「(…フレンダが居るのが気になりますが…いえ、別に良いんですけどね…)一体なにをするんですか」
フレンダ「ふふふ…今日は麦野の誕生日でしょ?だからちょっとしたサプライズをやるわ」
絹旗「…?だからなんなんですか…」
フレンダ「はい!ラビット君にはなんと!麦野をお姫様だっこしてもらいます!」
絹旗「!!!!!!!!」
フレンダ「トレーニングにもなる、麦野へのアピールにもなる!麦野も喜ぶわよー!」
絹旗「ちょ、ちょっと待ってください!麦野を持ち上げるなんて失礼ですよ!!」
フレンダ「まぁ…最悪怒られてもラビットだから殺されないし大丈夫でしょ。嫌われるかもしれないけど」
一方(!!……)ショボン
絹旗「そ、そうですよ!ラビット、止めましょう!」
フレンダ「でもラビットぉ…成功したら…麦野はコロっといくかもよ?」
一方「!!」
絹旗「何言ってるんですか!ラビットも調子乗らないで下さい!」
フレンダ「じゃぁ仕方ないか…折角練習台として絹旗をお姫様だっこしてもらおうとしたのになぁ」
絹旗「…ちょっと待ってください。それとこれとは話が違います」
フレンダ「いやいや、確かに麦野が切れたら私の命が危ないわ。別のプランにしましょ」
絹旗「…い、いや別にいいですよ!そのときは私が麦野を宥めますから!」
フレンダ(フフフ…これで面白いことになってきたわね…)
一方「ンでもよ…俺ァ杖ついてンだぜ?人を持ち上げられンのかよ」
フレンダ「…いや、あんたの歩き方見てると別に杖が必要って訳じゃないでしょ」
一方「!!」
フレンダ「杖をつく場合本当に歩きが困難な場合だったらああいう風に簡単に歩けないって。
多分あんたは歩くのの補助程度でしょ」
一方「…まァな。一応自力で立てねェ事はねェよ」
絹旗「あれ…?でも確か初めて会ったとき杖なしじゃ歩けないって…」
一方「ひ、人の善意を受け取るべきっつったのはテメェじゃねェか!(おっぱい当たってたからなンて言えねェ…)」
フレンダ(…気絶してたから見てないけど多分美人に肩貸して担がれる事に下心持ってたんだろーなぁ……)
一方「…で、とりあえずコイツを担げば良いンだな?」
フレンダ「絹旗ぐらいなら大丈夫でしょ。アイテムでも一番軽いし」
絹旗「よ、よろしくお願いします…」ドキドキ
一方「オウ」
絹旗「変な事考えたら殴りますからね!」
一方「考えねーっての」
一方「…っと…杖なしでも一応立てンな…」
絹旗「」ギュッ プルプル
フレンダ「おいおい…絹旗ぁ、そんな緊張してたら駄目でしょ」
絹旗「き、緊張なんか…」
フレンダ「あ、そ。じゃあラビットの首に腕まわして」
一方「ハァ?」
絹旗「ええ!!?そこまでやる必要ないじゃないですか!!」
フレンダ「いや、首に回した方が持ち上げやすいでしょ。ラビットも麦野に首に手を回して欲しいよねー?」
一方「…チッ、さっさとしろチビガキ」
絹旗「わ、わかりました…(スッ)」ドキドキ
一方「…ンでどォすンだ?」
フレンダ「えーっと、じゃあ右手で肩を抱いて」ニヤニヤ
一方「ン、こォか」
絹旗「」ピクッ
フレンダ「そうそう(あー思ったより絵になるわね)」ニヤニヤ
絹旗「(スッ)」プルプル
一方(何でコイツ目ェ閉じンだ?)
フレンダ(うわー…結局絹旗も骨抜きだなー)
絹旗(うわー…超やばいです…ラビットとこんなに近くで…)
一方「ンで、どォすンだ?」
フレンダ「じゃあ絹旗の後ろ膝に手回して」ニヤニヤ
一方「ン…ちょっとばかし体制が辛ェな」
絹旗(ううっ!…か、顔が近くなったような…!!)
一方「じゃあ…持ち上げンぞ?」
絹旗「」ギュッ
一方「…ッ!」グッ
フレンダ「…?どうしたのよ。さっさと持ち上げな……って、もしかして」
絹旗「…」
一方「……重てェ」
絹旗「う、うわああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!」
パシッ
最終更新:2011年03月08日 18:15