一方通行「俺と契約して魔法少女になンねェか?」 > 13


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一方通行「ン…土御門から指示が来てるな」ピッ

一方通行「ニ学区の倉庫で待機ねェ…いつ来るともわからねェのを待つなンてダルいなァ」ハァ

一方通行「……朝まで来なかったらどォすンだメシ抜きで徹夜かァ?」カツカツ

一方通行「……コーヒーでも買っていくかァ…刑事ドラマの張り込みみてェだなァ」ソワソワ

一方通行「ちょっと楽しくなってきた」カツカツ


 ~~ 第二学区・倉庫 ~~

一方通行(……前言撤回)

一方通行(クッソ暇なンだが…)ボー

一方通行(……)

一方通行(メシ食ってくりゃよかったなァ…)グー

一方通行(……)

一方通行(ねみィ…)ファ~

一方通行(……)

第二学区の中心部、
広い訓練場の横にいくつも併設された倉庫のうち、消耗品保管用の建物の最奥に一方通行はいた。

壁沿いに設置された大きな棚にはギッシリと弾薬の詰まった箱やらオイル缶やらが並べられている。
火薬や油の淀んだ臭いがたまる倉庫の隅っこに白い人影がひっそり座っている光景はちょっと不気味だ。
一方通行を囲むように設置されたいくつものモニタが第二学区内の監視カメラの映像を映している。

一方通行(雨も降って来たしコンクリに直座りは冷えるなァ……)

ジジイのようなことを考えながら耳を澄ます。
訓練場のアスファルトと倉庫の屋根を叩く雨音だけがえんえんと響き、時間の感覚が鈍くなりそうだった。

一方通行(……?)

ふと、雨音の中に異質な音が混ざっていたような気がして、チョーカーのスイッチを入れる。
この周囲には定時の見廻り以外近づかないよう手配しているはずだ。
空気中の水分密度を操り音の伝達速度を調整し、遠方から聞こえた異質な音の正体を探る。
百メートル程離れた訓練場入り口を通りこちらへ向かってくる女性の靴のヒールの音のようだった。

一方通行(土御門の野郎、警備員の配置指示手ェ抜いたンじゃねェだろォな)

ヒールの音は一定の間隔でコツ、コツ、と一方通行がいる倉庫の方へ向かってきている。

一方通行(落ち着き払った歩調だが、……まさか犯人か?)

体勢を整えるべく立ち上がろうとした時、足元に置いてあったコーヒーの缶が反射膜に触れ、弾いてしまった。
相手の足音が聞こえるということは、相手にもこちらが音を立てれば聞こえる距離だということだ。
うちっぱなしコンクリートの床にスチール製の空き缶が転がる音はさぞ響くだろう。

一方通行(やべ……!?)

しかし音はしなかった。
というか、缶は倒れなかった。

倒れかけ、斜めに底が浮いた状態で静止していた。

一方通行(なンだこりゃァ…?)

ふと、雨音が小さくなっているのに気付く。

一方通行(雨が止ンだ……いや、)

雨の中から防音性の高い建物に入ったかのような。
遠くからかすかに地面を打つ雨音は聞こえる。
だが、一方通行のいるあたりだけ台風の目に入ったかのように音が止んでいた。

一方通行(おかしい……この違和感…)

空き缶に気を取られてはいたが、自身の反射膜が「許可リスト」外のモノを弾いたのには気がついていた。

一方通行(別の空間、別の次元に紛れ込ンだみてェなこの感覚は……)

静まりかえった倉庫の前でコツコツと近づいてきた足音が止まる。
続いてカチリ、と万全のセキュリティを施してあるはずのドアが開く音がした。

一方通行(オイオイ生体認証2つとICカードがねェと開かないンじゃねェのかよ)

棚の影からドアから入ってくる人物を伺う。
低い身長、華奢な骨格、細い足。

一方通行(犯人が女ってのも驚いたが、その上ガキかよ…超電磁砲と同じくらいの年か?)

侵入者である少女は慌てる様子もなく淡々と棚を物色している。

一方通行(ガキだからって見逃す訳にはいかねェよなァ)

一方通行「イタズラはそこまでだ」ガシ

??「……!?」ビクッ

一方通行「学園都市に盗みに入る技術と度胸は買うが、それにしちゃァビビリすぎだな」

??「……手を放して」

一方通行「どう考えても通る訳がねェ要望をする意味あンのか?」

??「放さないなら撃つわ」カチャ

一方通行「拳銃ねェ…そンなもン出したらコッチも射殺が視野に入ってくるンだが?」カチャ

??「……それはないわ。あなたは昨日消えた駆動鎧の行方を知りたいはず」

一方通行「ただのバカじゃねェよォだな、魔法少女さン」

??「な…!?」

一方通行「この手の甲の石、ソウルジェムだろ」

??「あなた何者なの?」

一方通行「教えてやってもいいが、まずオマエが使ってる魔法を解くのが先だ」

??「!」

一方通行「俺には効かねェって判ってンだろ?」

??「何もかも知っているというの?」

一方通行「さァな。素直に従うなら話を聞いた後釈放してやる」

??「釈放なんて簡単に言っていいの?そんな事言って警察に突き出すつもりじゃないのかしら」

一方通行「どのみちオマエの力を使えば脱走し放題だろ。オラ、さっさと解け」

??「……わかったわ」カチリ

少女の左前腕のバックラーから歯車が噛み合うような音がしたとたん、雨が倉庫の屋根や地面を叩き出した。
カランカラン、と一方通行が蹴飛ばしたまま宙に浮いていた空き缶が転がる音が倉庫内に響く。

一方通行「時間停止能力か」

??「こんなにすぐ気付くなんて…何者なの?魔法を解いたら教えてくれるんでしょう」

一方通行「俺はあらゆる事象を『反射』する事が出来るンだ。その反射膜にオマエの魔法は阻まれた。
     魔法の影響下に入った雨や物体が止まったことからアタリをつけただけだ」

??「カマかけたのね」チッ

一方通行「簡単に認めるなンざカワイイとこあンじゃねェか」クカカ

??「私はてっきりあなたも魔法少女なのかと思ったわ」

一方通行「ンな訳ねェだろ!目と頭おかしいンじゃねェのか?」

??「冗談よ。あなたは学園都市の能力者でしょう」

一方通行「全然笑えねェっての……。次はこっちが質問する番だ。まず名前と目的を言え」

??「私はあなたの名前を聞いてないわ」

一方通行「チッ…一方通行だ」

??「暁美ほむら」

一方通行「偽名じゃねェだろォな?」

ほむら「あなたの方がよっぽど偽名に聞こえるわ」

一方通行「学園都市内ではこれで通用するからいいンだよ」

ほむら「……変わった名前ね」

一方通行「ほっとけ。オマエ魔法少女なンだろ」

ほむら「今更否定してもしょうがないわね。ええ、そうよ」

一方通行「魔法少女がなぜ兵器を盗むンだ。魔女との戦いには魔法で出した武器を使うだろ」

ほむら「……私の魔力は時間操作にほとんど使われているの。だから魔法武器を出せないのよ」

一方通行「魔女には魔力を使った攻撃でしか倒せねェンじゃねェのか?」

ほむら「今までもそれで倒してきたわ」

一方通行「ふゥン…ちょっとオマエの得物見せてみろ」

ほむら「……いいけど普通の拳銃よ」ハイ

一方通行「日本国内で中学生がデザートイーグル持ち歩いてるのが普通とは言わねェだろ普通」カチャ

ほむら「詳しいのね」

一方通行「さっき見ただろ。俺も一応銃を扱ってるからな」


一方通行「……なるほどなァ。銃に魔力をコーティングしてるってカンジか」

ほむら「触っただけでわかるの?」

一方通行「まァな。普通の材質とは違う『感触』がするンだよ」ヘンキャク

ほむら「……返していいの?」

一方通行「あァ?」

ほむら「銃よ。取り上げないの?」

一方通行「なンで俺がそンなめンどくせェ事すると思うンだ?俺は警察でも警備員でもねェぞ」

ほむら「じゃあなぜこんな所にいるのよ」

一方通行「学園都市には『表』には出せねェオシゴトってのがあってなァ。
     特にオマエがやったみてェな技術を外に流す行為は極秘に徹底的にツブす事になってンだ」

ほむら「…あれは返せないわ。私には強力な武器が必要なの」

一方通行「でも動かせなかったンだよな?だからリスクを犯してまでノコノコ戻ってきたンだろ」

ほむら「……」

一方通行「アレな。専用のガトリングガンの弾薬ねェぞ」

ほむら「え!?」

一方通行「アレは独自規格な上に試験運用前に戦争が終わったからなァ。
     乗って移動するだけならチップがありゃァ出来るだろうが、オマエが欲しいのは火力だけだろ?」

ほむら「そんな……」ガックリ

一方通行「残念だったなァ。って事で駆動鎧は返せ。そしたら特別に見逃してやる」

ほむら「……」

一方通行「普通の銃で魔女退治出来るンだろ?戦争用の大型兵器なンざオーバースペックだろォが」

ほむら「……普通の攻撃ではどうにもならない奴がいるのよ」

一方通行「あン?」

ほむら「アサルトライフルも迫撃砲もSSMも効かなかったけど
    第三次世界大戦での映像を見て、学園都市の兵器ならあるいは…」

一方通行「は?なンだって?」

ほむら「判りにくかったかしら。89式5.56mm小銃と81mm迫撃砲 L16と88式地対艦誘導弾でも貫けない装甲でも
    学園都市の兵器なら駆逐できるんじゃないかと思ったのよ」

一方通行「…自衛隊にドロボーに入ったンかよ…」ドンビキ

ほむら「拳銃はある自営業の方の事務所から調達したわ」ホムッ

一方通行「無い胸を張るンじゃねェ!ヤ○ザはともかく自衛隊から盗むなよ大事になるだろ!」

ほむら「気付かれるようなミスはしてないわ」

一方通行「だったら尚更だァ!いつの間にか重火器紛失してました~なンて陸幕長含めて相当数処分だぞ!」

ほむら「いっこくらいならバレないと思ったんだけど…」

一方通行「バレるに決まってンだろ!もうすンじゃねェぞ」

ほむら「(米軍からもパクったんだけど言わないほうがよさそうね)わかったわ」

一方通行「そもそも学園都市製で威力が高い兵器は駆動鎧みてェな操縦者が乗り込むタイプばっかりだぞ?
     バックラーが邪魔で操縦できそうにねェしあの装備なしで魔女退治って出来るのか?」

ほむら「あ…。そこまで考えてなかったわ」

一方通行「……オマエ冷静に見えたが天然か?」

ほむら「元々ストレートよ」

一方通行「?」

ほむら「?」

一方通行「……髪の話はしてねェ」

ほむら「えっ」

一方通行「天然パーマとは言ってねェ」

ほむら「えっ」

一方通行(……天然が頑張ってカッコつけてたンだなァ…)


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