絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 > 3スレ目 > 06


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~10月下旬 第7学区 とある病院~


19090 「今回の検査結果です、とミサカは着替え中の番外個体に紙切れを渡します」つ□

番外個体 「あ、ありがと。……異常なし、ね。よかったよかった」

19090 「ミサカの知る限り、異常が発生したことはありませんね、とミサカも検査結果に満足します」

番外個体 「そこは先生の手腕だろうね。ここの世話になってなければとっくに死んでただろうし」

19090 「そろそろ誕生から1年経つのではないでしょうか? とミサカは素朴な疑問をぶつけます」

番外個体 「正確には知らないけど、1年ちょいは経つかな……そっか。もう1年か」

19090 「もう、ではありません。まだ1年です、とミサカは訂正を求めます」

番外個体 「ふふ、そうだね。また次の1年が始まるんだし」

?? 「アンタ達、まだやってたのか。お喋りなら談話室でやんな」

番外個体 「あ、ゴメンなさい」

19090 「しずりん? 今は休憩時間では? とミサカは突然の登場に動揺を隠せません」

麦野 「アンタその呼び方はやめろって何度いったら分かるんだ……しっかし、まあ」

番外個体 「?」

麦野 「ここいらにはこの顔が多いのねぇ。この間はアンタのちっちゃい版が来てたし」

19090 「上位個体ですか。しずりんにもよく懐いてましたね、とミサカは頬が緩みっぱなしだったしずりんを思い出します」

麦野 「わ、忘れろっつってんだろ! 何かにつけて引き合いに出しやがって!」

番外個体 (……ねぇ。この人どこまで知ってるの)ヒソヒソ

19090 (事情通ですから)ヒソヒソ

麦野 「ったく……ほら、出てった出てった」


~とある病院 ロビー~


番外個体 「あんな若くて怖いナースさんなんていたっけ?」

19090 「ミサカと同じです。ここで訳アリ看護助手として働いてます、とミサカは同僚とも呼べる関係を披露します」

番外個体 「ふーん……まあ、ああいう先生だから、色んな人がいるよね」

19090 「です」

番外個体 「ところで、このあとヒマ?」

19090 「残念ながら……とミサカは悔しさを顔に滲ませつつ、仕事中であることを告げます」

番外個体 「滲んでないじゃん」

19090 「ぐぬ」

番外個体 「あ、今ちょっと滲んだ。その調子その調子」

19090 「か、からかうのはやめてください! とミサカは憤ります!」

番外個体 「ゴメンゴメン♪」ナデナデ

19090 「番外個体でなければブレーンバスターをきめているところです、とミサカは不満を漏らします」

番外個体 「いいことだよ。感情表現が豊かになり始めるってことでしょ」

19090 「ずるい人ですね……で、ではお大事に、とミサカは頭を下げます」

番外個体 「下げてないじゃん」

19090 「下げてます!」


~とある病院前広場 ベンチ~


番外個体 「……そうだ、電話しないと」カチカチ


 Prrrr Prrカチャ


結標 『はいはーい』

番外個体 「私だ」

結標 『お掛けになった番号は』

番外個体 「おいコラ」

結標 『軽いジョークでしょ。もう診察終わったの? 明日死ぬの?』

番外個体 「死なねーし!」

結標 『それはなによりね。で、用件は?』

番外個体 「今日帰らないから。みんなにも伝えといて」

結標 『はあ、また? 今月入って何回目よ。もう通い妻ね』

番外個体 「なっ、か、通い妻って! 10月なってからまだ3回目だよ!」

結標 『つまり週一ペースじゃない』

番外個体 「むぐ……」

結標 『まぁ、それでいいのよ。ほら、あの日の夜に誓い合った私たちの合言葉は?』

番外個体 「積極的に、ね」

結標 『そういうこと。積極的なようで安心ね』

番外個体 「そういう淡希はどうなのさ、最近」

結標 『私だって何もしてない訳じゃないわよ。色々考えてるんだから』

番外個体 「バカの考え休むに似たりって言葉知ってる?」

結標 『うっさい! 今は人の心配より自分の心配してなさい!』

番外個体 「お気遣いどーもー」

結標 『ああ、それと。避妊はちゃんとしなさいよ』

番外個体 「はあ!?」

結標 『後学のために感想聞かせ 「ドアホ!」ピッ

番外個体 「……避妊って……」

番外個体 「…………いやいや! ないない!」ブンブン

番外個体 「でも、もっと積極的にならないと……」

番外個体 (最終信号に全部もってかれるのもムカツクし)

番外個体 (……最終信号にはないモノで勝負に持ち込めばいいのかな)

番外個体 「」モニュモニュ ←自分のバストサイズ確認

番外個体 「はぁ……美鈴さん、いやせめて淡希ぐらいあれば……」

一方通行 「あァ? 何か欲しいのか?」

番外個体 「」ビビクゥ

一方通行 「おい、ンなビビることねェだろ」

番外個体 「な、なんでここに!?」

一方通行 「オマエ、自分で呼び出しといて忘れたのか?」

番外個体 「あれ? もうそんな時間? 最終信号は一緒じゃないの?」

打ち止め 「呼んだー? ってミサカはミサカはワーストのお胸にダイブ♪」ベチョ

番外個体 「わっ! なんだいるんじゃ……ベチョ?」

打ち止め 「あー! ミサカのクレープがー! ってミサカはミサカはガックシー」orz

番外個体 「……みぎゃーー! なにしてくれてんだ!」

一方通行 「あ、このバカ! 他人の服汚すヤツがあるかァ!」ズビシッ

打ち止め 「クレーーーープーーーーー!」ビャー

番外個体 「はぁ……ね、最終信号。こういう時まず言うことがあるでしょ?」

打ち止め 「うぅっ……ごめん、なさい……ヒグッ……」

番外個体 「よろしい。ほら、もう一個買ってきな」

打ち止め 「あ、ありがと……でも……」

番外個体 「いいから。ほら、そこの白いのがブチキレる前に行っておいで」

打ち止め 「ワーストごめんなさいありがとー! ってミサカはミサカは猛ダッシュ!」ピュー

一方通行 「……なンか、悪かったな」

番外個体 「クリーニング代とクレープ代と慰謝料ね」

一方通行 「分かってらァ……」

 :
 :
 :

打ち止め 「ねー、ワースト今日お泊りしてくれるんだよねー? ってミサカはミサカは期待を込めた眼差しを向けてみる」

番外個体 「うん、そだよ」

打ち止め 「また一緒にご飯つくって一緒にお風呂入ってー、ってミサカはミサカはうるうる上目遣い」

番外個体 「あのさ、こんなのどこで覚えさせたの?」

一方通行 「むしろ俺が聞きてェわ」


~同日深夜 一方通行邸 リビング~


一方通行 「クソガキはもう寝たのか?」

番外個体 「とっくだよ」

一方通行 「オマエがいると寝付きがいいな……正直助かるぜ」

番外個体 「だ、だったら、毎晩でも……」ゴニョゴニョ

一方通行 「?」

番外個体 「あ、な、なんでもない」

一方通行 「ンじゃ、今日はバッテリがやばいンで俺も寝させてもらうぜ」

番外個体 「うん、オヤスミ」

一方通行 「寝るときにテレビと電気消しといてくれよ」

番外個体 「……よし。頑張れ私」



一方通行 「Zzz...」

一方通行 「……ン?」


 モゾ...


一方通行 (チッ……クソガキのヤツ、人のベッドに入り込むなっつってンだろォに)

一方通行 「打ち止めちゃァン? 悪い子はお仕置きだぜェ?」バサッ

番外個体 「<①> <①>」

一方通行 「ッヒィィ!?」

番外個体 「な、なにそれ! バケモノでも見たかのような声だして!」

一方通行 「黙りやがれ! 何考えてやがる!」ペシッ

番外個体 「いてっ……いいじゃん、別にさ」

一方通行 「オマエなァ……そォいうのは相手選びやがれ」

番外個体 (私だって相手を選んでない訳じゃないよ)ポツリ

一方通行 「あ? なンか言ったか?」

番外個体 「別に……ね、どうしてもダメ?」

一方通行 「ンでわざわざここなンだよ? 寝る場所なら他にもあンだろ」

番外個体 「……私」

一方通行 「なンだよ」

番外個体 「わかった……オヤスミ」


 ガチャ バタン


番外個体 「……はあ」

番外個体 「バカ、朴念仁……」


~数日後 きぬはた荘 番外個体個室~


番外個体 「あー、もう、どうしろってんだ」

番外個体 「そもそも追い出すとかありえない!」

番外個体 「こっちは襲われる覚悟で忍び込んだのにさ!」

番外個体 「……言わなきゃ分からないタイプなのかな」

番外個体 「スパッと言えれば、そりゃ苦労しないわ……」

番外個体 「ちょっと愚痴らせてもらおっと」カチカチ


 Prrrr Prrrr Prrrr Prrrカチャ


結標 『あ、真琴? どうしたの?』

番外個体 「ん、ちょっとヒマだったもんで」

結標 『ゴメンなさい、今ちょっと……後でかけ直していい?』

番外個体 「あ、忙しかった? ゴメンゴメン」

結標 『いや、こっちこそ。ゴメンね、また後でね』ピッ

番外個体 「……」

番外個体 「気晴らしにどっか出かけるか」

番外個体 「そうだ、冬物のコート持ってないんだよね」

番外個体 「よし、買いにいこう!」フンス

 :
 :
 :

番外個体 「地下街でいいかな」

番外個体 (そういえば……最近、淡希から一方通行のことでツッコミを受けないな)

番外個体 (向こうも必死なのかねー)

番外個体 「……あれ? え?」

番外個体 「」ササッ



一方通行 「――――で―――ろ?」

結標 「あら? ―――に――じゃ――?」



番外個体 「あの二人……」

番外個体 「……」

番外個体 「どこ行くんだろ……」コソコソ



番外個体 「ここって、ジュエリーショップ?」

番外個体 「ウソ、でしょ……なんで……?」

番外個体 「淡希、あなた知ってるハズなのに、私の……」

番外個体 「やだ、そんなの……やだ……!」

番外個体 「ッ」ダッ



~とある路地裏~


番外個体 「あっ……は……はぁっはぁっ……うぅ……」

番外個体 「……私、どれだけ走って……ここ、どこだ……?」


 [[携帯電話]]<トーキヲカーケー アナターノ スーガタサーガーシ イーキテーキタ♪


番外個体 「あ……淡希……」ピッ

結標 『真琴? さっきはゴメンね』

番外個体 「う、うん……」

結標 『で、何か用があったの?』

番外個体 「……あのさ、今日……えと……」

結標 『はっきりしなさいよ。貴女らしくないわね』

番外個体 「っ……」ギリ

結標 『もしもし? どうしたの?』

番外個体 「ゴメン、大した用じゃないから」

結標 『え? ちょっと』ピッ

番外個体 「…………帰るか」


~同日夜 きぬはた荘~


滝壺 「あれ? みさわは?」

絹旗 「なんか、超体調不良らしくて。夕食食べれそうもないみたいです」

浜面 「おい、大丈夫なのか?」

婚后 「毎週病院に通ってらっしゃるようですし……持病でもお有りなのでは」

白井 「そうであったとしても、こういうことはご本人から話されるのを待つべきすの」

結標 「……」

結標 (そういえば、電話で話したときもなんかおかしかったわね)

結標 (アイツとなんかあったのかしら)

結標 「私があとで様子みておくわよ」

海原 (一番の友人である結標さんも事情を知らない……? これは何かありましたか)


~同じ頃 番外個体個室~


番外個体 「……」

番外個体 「私、なにに怒ってんだろ……」

番外個体 「ウサギさん、分かる?」モフモフ

番外個体 「……見苦しい嫉妬だよね、聞きゃ分かるだろうにさ」

番外個体 「」カチカチ


 件名:ちょっと聞きたいんだけど
 日付:20yy/m/d 19:38
 ───────────────
 今日どっか行ってた?
 あなたっぽい後ろ姿見かけたんだ
 けど


番外個体 「送信、っと」ピッ

番外個体 「電話すりゃ早いんだろうけど、なんでか怖い……」

番外個体 「あ、もう返信きた」ピッ


 差出人:いっつう
      <misaka-love@mnw.ne.jp>
 件名:Re:
 日付:20yy/m/d 19:42
 ───────────────
 オマエに報告する義務はない


番外個体 「ッ……!」

番外個体 「な、なんだよそれ……」

番外個体 「……チッ」ポイッ


 ガシャン カラン...


番外個体 「つい電話ブン投げちゃった……壊れちゃったかな、ははっ……」


~同日深夜 きぬはた荘 リビング~


番外個体 「食べる気はしなくてもお腹は空くもんだ」モグモグ

番外個体 「誰もなんも言ってこなかったな……空気読んでくれたのかな」


<誰かいるの?(ガチャ)


番外個体 「!?」ビクッ

結標 「あ……」

番外個体 「……」

番外個体 (何から話すか考えてないよ……)

結標 「あの、大丈夫?」

番外個体 「だ、大丈夫って……?」

結標 「体調悪いって聞いてたから」

番外個体 「あ、うん、平気」

結標 「もしかして、一方通行となにかあったの?」

番外個体 「……え?」

結標 「つい最近行ってたでしょ? その時に何か 「ないよ」

番外個体 「なんにもない」

結標 「そう? 昼間電話したときもなんか様子おかしかったじゃない」

番外個体 「……人の気も知らないで」ボソッ

結標 「え?」

番外個体 「ちょっと、聞いていいかな」

結標 「なに?」

番外個体 「ええと……」

結標 「どうしたのよ、深刻な顔して」

番外個体 「……今日、どっか行ってたの?」

結標 「地下街だけど?」

番外個体 「誰と?」

結標 「え? あ、それは、ね……」

番外個体 「……いや、やっぱいいや。プライベートなこと聞いて悪かったね」

結標 「ちょ、ちょっと待って。……その質問をするってことは、見たのよね?」

番外個体 「偶然、見かけただけだよ。じゃ、私もう寝るから……」

結標 「待って、貴女ぜったい誤解してる!」ガシッ

番外個体 「そんなことないから……ねえ、離してよ」

結標 「……離したら、どっか行っちゃうでしょ?」

番外個体 「それは……」

結標 「確かに貴女から見れば疑問に思うかもしれない。でもちゃんと理由があって」

番外個体 「だからそんなんじゃないから!」

結標 「ねえ、お願いだから最後まで聞いて!」

番外個体 「もういいから! ほっといてよ!」バチッ

結標 「いたっ……!」

番外個体 「あ……」

結標 「……」

番外個体 「……」

結標 「……言い訳も聞いてくれないの?」

番外個体 「……ゴメン、今は何聞かされてもひどい事言っちゃうかもしれない」

結標 「真琴……」

番外個体 「本当にゴメン。あなた達は何も悪いことしてないのにね」

結標 「あ、待って……」


<バタン


結標 「……そんなことないのに」

結標 「経緯はどうであれ、誤解されるようなことしたのは本当なんだから」

結標 「はあ……憎まれ役は慣れてるつもりだったけど……今回ばかりは堪えるわね」ポスン

結標 「…………はぁ」


<ガチャ


海原 「いやいや、派手にやりましたね」

結標 「海原? 貴方、何しにきたの」

海原 「騒ぎを聞きつけて慰めにきた、ということにしておきましょうか」

結標 「その優しさに泣いちゃいそうね」

海原 「泣いてもいいんですよ?」

結標 「冗談…………でも、私どうしたらいいのかな」

海原 「……」

結標 「誰かとここまで仲良くなったの初めてだから……ケンカしたとき、どうすればいいのか分からない……」

海原 「ミサワさんは、色々あって少し不安定になっているのでしょう」

結標 「不安定、ね……」

海原 「こういう時は遠くから見守ればいいんです。
    友人として続けてきたんですから、話し合いは後からでも間に合いますよ」

結標 「……そうね」

 :
 :
 :

結標 (海原はああ言ってたし、今回に関しては時間が解決するだろうけど……)

結標 (でもやっぱ、このままってのも……居辛いわよね)

結標 「……ねえ、起きてる?」コンコン

結標 「……入っちゃうわよ?」


 ガチャ


結標 「あれ? 真琴?……ウソ、いない」

結標 「……なんで携帯電話が床に」ヒョイ

結標 「うん? メール表示しっぱなし……なによ、これ」

結標 「あの白モヤシ……なんでこんな言い方しかできないの」

結標 (知らぬこととは言え、私も傷付けるようなこと言っちゃったのね……)


~同じ頃 とある公園~


番外個体 「なんでかな……なんであんな言い方しかできないかな」

番外個体 「……頭より先に口が動いてた、どうにかできないのかコレ」

番外個体 (想い人と親友を同時に失うことになるのかな)

番外個体 「私、どうすれば……」

番外個体 「……さむ」

番外個体 「帰るか……いや、でも」

番外個体 「どんな顔して、どう接すればいいんだろ」

番外個体 「わかんないよ……」


~翌日 昼食時~


結標 「」チラッ

番外個体 「……」

絹旗 (いったい何があったっていうんですか……)

浜面 (仲良かったのにな)

滝壺 (ケンカしちゃったのかな)

番外個体 「ごちそうさま」

絹旗 「あ、はい」

白井 (朝からずっとこんな調子ですの……)

婚后 (口を挟みにくい雰囲気ですし……)

海原 「……」

番外個体 (いつまでもこのままじゃ……みんなも心配してるみたいだし……)

番外個体 (誰かに相談……でも、誰に……)

番外個体 (経験豊富で、完全に第三者視点になれるような……そだ!)

番外個体 「ちょっと出かけてくるね、夕方には戻るから」

浜面 「お、おう。気をつけてな」


<バタン


結標 「……」

滝壺 「ねえ、むすじめ。ケンカしちゃったの?」

結標 「そんなところ……ゴメンなさいね、みんなにも心配かけちゃって」

白井 「わたくし達はいいのですが……見てて居た堪れないですの」

婚后 「早く仲直りできるとよろしいですわね」

結標 「その点は大丈夫。多分今日か明日……そのタイミングもあると思うから」


~とある病院~


麦野 「で、私のところに来たワケか」

番外個体 「」コクリ

麦野 「……ま、患者のアフターケアも仕事の内か」

番外個体 「ゴメンなさい……」

麦野 「いいけどさ。話はそれで全部?」

番外個体 「うん」

麦野 「要約すると、片想いの彼と親友が仲良く歩いてました」

麦野 「彼もちゃんと答えてくれないし、親友とは気まずくなった、と」

番外個体 「……うん」

麦野 「そいつら付き合ってんの?」

番外個体 「それは分からないけど……」

麦野 「……はあ、妄想で凹んでりゃ世話ないわね」

番外個体 「だ、だって!」

麦野 「彼に問い詰めれば? それが一番てっとり早いでしょ?」

番外個体 「でも……私とそいつだって、まだ付き合ってるとかじゃ……」

麦野 「関係ないね。結局アンタ怖いだけだろ?」

番外個体 「え……」

麦野 「問い詰めた結果、付き合ってますっていわれるのが怖いだけだろ?」

麦野 「だから聞けないんだ。ウジウジしやがって見てられない」

麦野 (って、私が言えたクチじゃないけどね)

番外個体 「ぐぬ……聞きゃいいんでしょ、聞きゃ!」

麦野 「よーし、今電話しな」

番外個体 「は……今?」

麦野 「そうだよ。今やらないと後回しにし続けそうだもん」

番外個体 「……」

麦野 「あっれー? 怖気付いちゃった? アンタの想いはその程度なんだにゃー」ニヤニヤ

番外個体 「」カチカチ


 Prrカチャ


番外個体 「あ、もしもし? 私だけど……」

一方通行 『おォ、丁度よかった。オマエに用事があったンだ』

番外個体 「え?」

一方通行 『今夜時間ないか? 30分でもいい』

番外個体 「用事って……?」

一方通行 『それは会ってからだ。電話だとやりづれェ』

番外個体 「分かった。時間は任せるよ、どこ行けばいい?』


麦野 「ところでアンタ、なんでさっきから一言も喋らないの?」

19090 「ミサカでは的確なアドバイスはできません、とミサカは己の経験の無さを恥じます」

麦野 「ま、これからせいぜい経験積むこったね」

19090 「はい、ミサカもしずりんのような立派な耳年増に(メキッ)いひゃいでふいひゃいでふ」

麦野 「だーれーがー、耳年増だって? あ?」ニコニコ


番外個体 「じゃ、後で(ピッ)……何してんの、あなたたち」

麦野 「んー? いやほら、こいつ無表情だからさ。表情筋をほぐすマッサージをね」ゴキゴキ

19090 「たひゅけてくだひゃい!」ジタバタ

麦野 「それより、どうだった?」グニグニ

番外個体 「……今夜会うことになった」

麦野 「お、やったじゃない」ポイッ

19090 「ふぎゃ」

番外個体 「いや、来いとしか言われてないから。何言われるかは……」

麦野 「ネガティブな方向に考えてどうすんの。それじゃさっきまでと変わらないじゃん」

番外個体 「うぅ……」

麦野 「下らない心配するヒマがあるなら、腕のいい産婦人科でも探しておきな」

番外個体 「だからなんでみんなしてそっちに持ってくかなぁ!」

麦野 「え? 年頃の男女が密会してヤることなんて、一つしかないでしょ?」ニヤニヤ

番外個体 (白衣の悪魔だ……)

19090 「ま、まだ痛いです、とミサカは頬をさすりまふ」


~同日夜 とある公園 ベンチ~


番外個体 「ここって……」

番外個体 「学園都市に戻ってから、初めてあの人とまともに会話した場所だ」

番外個体 「こんなところ指定してくるなんて……皮肉のつもりなのかな」

番外個体 「」ポスン

番外個体 「ベンチ冷たい……寒いよ……」ブルッ

番外個体 「やっぱコート買っときゃ良かったかな」

番外個体 「……用事ってなんだろ」

番外個体 「これが済んだら……淡希にもちゃんと謝ろう。元通りになれるか、分からないけど……」

 :
 :
 :

番外個体 「あ……」

一方通行 「よォ、今来たところか?」

番外個体 「……遅い」

一方通行 「」ヒタ

番外個体 「!? (ほ、ほほほっぺに、手、手……!)」

一方通行 「冷てェな……こりゃ悪かった、待たせちまったみたいだな」

番外個体 「……もうちょっと、こうしてて」ギュ

一方通行 「もうちょっと、だからな」

番外個体 「で、何の用?」

一方通行 「オマエに渡したいものがあってな」

番外個体 「引導?」

一方通行 「なンで引導渡さなきゃいけねェンだよ」

番外個体 「じゃあ、何?」

一方通行 「……受け取れ」つ□

番外個体 「なにこれ……?」


  【Happy Birthday】


番外個体 「ちょっと、これどういうこと!?」

一方通行 「……前にな、クソガキがこんなこと言ってたンだよ。自分の誕生日は8月31日だってな」

番外個体 「? そうなの?」

一方通行 「実際の誕生日なンざ誰も知らねェよ。だから、俺と初めて会った日が誕生日なンだとよ」

番外個体 「あの子らしい考えだね……で? その話とこれと何の関係があるの?」

一方通行 「クソガキがな、もォすぐオマエの誕生日だから何かしてやれって言うンだ」

番外個体 「……?」

一方通行 「ま、オマエにはクソガキの面倒も見てもらってるしよ。日頃の礼も兼ねたって訳だな」

番外個体 「待って……私だって、誕生日なんかないんだけど……」

一方通行 「今日は何日だ?」

番外個体 「……10月30日?」

一方通行 「去年の10月30日、オマエは一回死に損なっただろ? それを堺に、別な生き方を始めた訳だ」

番外個体 「……」

一方通行 「今日が誕生日だと主張しても、誰も咎めやしねェよ」

番外個体 「い、いいのかな……私なんかが」

一方通行 「なンかって言うンじゃねェ」ペシッ

番外個体 「いたっ」

一方通行 「オマエだって普通に生きていいンだよ。この半年、そうしてきたようにな」

番外個体 「……うん」

番外個体 「これ、開けていい?」ベリベリ

一方通行 「開けながら言うンじゃねェ……」

番外個体 「(パカッ)ピアス……」

一方通行 「オマエ、いつも赤珠のネックレスしてンだろ? 赤が好きなのかと思ってよ」

番外個体 「これって、ルビー?」

一方通行 「ルベライトだ。10月の誕生石らしいぜ?」

番外個体 「へえ、あなたにしては気が利いてるね」

一方通行 「いや、俺も詳しくねェからよ。選ぶ時、ちっと知り合いの手を借りた」

番外個体 「知り合い、って?」

一方通行 「オマエの携帯にプリクラ張ってあっただろ? 二人で写ってるヤツ、そいつだよ」

番外個体 「えっ」

番外個体 (じゃあ、あの日見たのは……)

番外個体 「……昨日さ、あなたからすごい冷たいメール来たんだけど」

一方通行 「……アレは、悪かった。渡す前にバレたら面白くねェと思ってよ」

番外個体 (てことは、私が一人で勝手に思い込んで……)

番外個体 「あ……あぁ……」ポロポロ

一方通行 「あァ? 泣くほど嬉しかったかァ?」

番外個体 「それもあるけど……私……なんてことを……」グス

一方通行 「? おい、何があったンだよ?」

番外個体 「うっ……ゴメン、ちょっと……」ダキ

一方通行 「どォしたっつうンだよ……」

番外個体 「うぅぅぅ……!」グリグリ

 :
 :
 :

一方通行 「落ち着いたか?」

番外個体 「うん……ゴメン、今日はもう帰るね。帰ってやることができちゃったから」

一方通行 「あァ」

番外個体 「これ、ありがとね。嬉しいのは本当だよ」

一方通行 「……またいつでも来い。クソガキも……俺も待ってるからよ」

番外個体 「うん。次行き時には、これ着けてくから。似合うかどうか評価してよね」

一方通行 「大丈夫だろ。馬子にも衣装つうからなァ」ケラケラ

番外個体 「またそんな…………ねえ、あなたってピアスしてないの? ちょっと耳見せて」グイ

一方通行 「着けるかよ、そんn


  chu☆


一方通行 「」

番外個体 「……お、お礼だよ。じゃ、ま、またね!」ピュー


~同日 きぬはた荘~


番外個体 「はぁはぁ……う……ふー」

番外個体 「ほっぺに、くれてやった……」

番外個体 「」ブンブン

番外個体 「よし……もう一仕事」



~きぬはた荘 結標個室~


<コンコン


結標 「はい、どなたー?」


<ガチャ


番外個体 「」ヒョコッ

結標 「あっ……」

番外個体 「淡希」

結標 「ど、どうしたの? こんな時間に」

番外個体 「すみませんでした」ペコリ

結標 「あの、ちょっと?」

番外個体 「誤解した上に暴言と電撃まで……わ、私、その……」ウルウル

結標 「……頼まれたとはいえ、誤解されるようなことしたのは本当だし」

結標 「それに電撃ってなんのこと? あれって静電気でしょ?」

番外個体 「え……」

結標 「……ほら、もう泣かないで」ナデナデ

番外個体 「……うん」グス

結標 「誕生日おめでとう」

番外個体 「ありがと」

結標 「私も謝らないとね。アイツに口止めされてたから……辛い想いさせちゃったでしょ?」

番外個体 「いや、そんな……」

結標 「それに、大丈夫よ。私はあんな性悪エノキなんて眼中にないから」

番外個体 「……それ、私の前で言うかな」

結標 「あれ? 怒っちゃったかなー?」

番外個体 「こんのー!」ガシッ

結標 「やっ……こら、やめなさいって……この!」ヒュ


<わっ!?(ボスンッ)


番外個体 「……座標移動ってずるい」

結標 「貴女こそ体格差考えなさいよ。10cm近く差があるんだから、単なる取っ組み合いじゃこっちが不利でしょ」

番外個体 「まー、ベッドの上に転移してくれたことは評価してあげよう」

結標 「なにそれ……ふ、ふふっ」

番外個体 「……ははっ」

結標 「(ヒュ)よっと。もうこのまま寝ちゃいましょ」ポスッ

番外個体 「そうだね、今日は色々ありすぎて疲れた」ゴロン

結標 「あ、枕返しなさい! それじゃないと寝れないのよ」

番外個体 「淡希の香りが(ガンッ)痛いよ……」

結標 「白井さんみたいなこと言わないでよ」

番外個体 「はいはい、じゃもう電気消すよ」ビリッ

結標 「……便利ね、それ」

番外個体 「たまに壊しちゃうけどね」

結標 「ちょっとやめてよ」

番外個体 「にひひ」


~翌日~


番外個体 「あーわーきー、冬物コート買いたいから付き合って」

結標 「何、持ってなかったの? ロシアでどう過ごしてたのよ」

番外個体 (バトルスーツなんて言えないよね……)

結標 「まあ、いっか。じゃ準備できたら出掛けましょ」


絹旗 「超仲直りできたみたいですね」

浜面 「よかったよかった」ウンウン

滝壺 「仲がいいからこそ、ケンカしちゃうんだよね」

浜面 「てことは、お前たちでもケンカするのか?」

絹旗 「しようとも思わないです。滝壺さんは怒らせると超怖いので」

浜面 「あー、そりゃな。一理あるな」

滝壺 「……」


~数日後 とある病院~


番外個体 「…………ちょ、ちょっとタンマ!」

冥土帰し 「はぁ、またかい?」

麦野 「なーに耳に穴開けるぐらいでビビってんのさ」

番外個体 「だ、だって……」

冥土帰し 「もういっそ全身麻酔でやるかね?」

番外個体 「それはそれで、ちょっと……」

冥土帰し 「しょうがないね。医者として褒められた行為ではないが……二人とも」

麦野 「はーい☆」ガシッ

19090 「番外個体、失礼します、とミサカは番外個体を羽交い絞めにします」ゴキャッ

番外個体 「ぐぇ……あ、あなたたち……」

冥土帰し 「一瞬だから、動かないようにね?」

番外個体 「ひっ……ま、待って……!」


  バチュン


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