絹旗「きぬはた荘、ですか?」滝壺「うん」 > 3スレ目 > 04


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~10月初旬 とあるファミレス~


絹旗 「浜面、メロンソーダとジンジャーエールを超おいしくなる配合で混ぜてきて下さい」

浜面 「お前、無茶振りにも程があんぞ!?」

滝壺 「大丈夫だよ、はまづらが作ればきっと美味しくなるから」

浜面 「そ、そうか? よし、いっちょやってみるか!」


<うぉぉぉぉ


絹旗 「滝壺さんは浜面の扱いを超心得てますよね」

滝壺 「よめだから」

絹旗 「えっ」

滝壺 「えっ」

浜面 「持ってきたぞ! 撃滅の浜面スペシャル仕上ブレンド!」ドンッ

絹旗 「……」

滝壺 「……」

絹旗 「なんか、ドラクエで歩いたらダメージ受ける地面みたいな色してますけど」

滝壺 「おいしくなさそう」

浜面 「飲んでから言え! 飲んでから!」

絹旗 「はあ……頼んだ以上は超しょうがないですね。いただきます」チューー

滝壺 「どう?」

浜面 「」ドキドキ

絹旗 「………………おいし」

浜面 「」フンス

滝壺 「はまづらすごい」

絹旗 「むむむ……予想を超裏切った美味しさです」

浜面 「ま、俺の手にかかれば 「超納得できません!!」

絹旗 「ここは私が超マズイドリンクを飲まされて涙目になる場面でしょう! なんで美味しくしたんですか!」

浜面 「お前言ってること目茶苦茶だぞ!! おいしくなる配合って言ってただろ!」

絹旗 「"マズイものが出てくるよ"っていう伏線ですよ! あと、浜面のドヤ顔が超ムカつきました!」

浜面 「なにそれヒドイ!」

絹旗 「超ペナルティです! 今から私がなんか超マズイのを作ってくるので飲んでください!」

浜面 「あぁ、もう! やってやろうじゃねぇか!」

滝壺 「きぬはた」

絹旗 「」ビクッ

滝壺 「食べ物を粗末にしちゃダメ」

絹旗 「」ショボーン

浜面 「そうだぞ絹旗!」

絹旗 「超うっさいです! はーまづらぁ!」ウガー

滝壺 「こら」


<アンタたち、相変わらずだねぇ


浜面絹旗 「?」

麦野 「やっほう」ノシ

浜面 「げえっ!? 麦野!?」

滝壺 「あ、むぎの」

麦野 「悪いね、遅れちゃった」

絹旗 「麦野を呼んだのは滝壺さんですか?」

滝壺 「ううん、むぎのが私たちを呼んだの」

麦野 「ところで、さっき"げえっ!?"って言ったのはどなたかにゃー?」ニコニコ

絹旗 「浜面です」

浜面 「麦野さん、お久しぶりです。麦野さんにおかれましてはご機嫌麗しく」ダラダラ

麦野 「あんな挨拶されてご機嫌麗しいワケあるかゴルァ!」


<フコウダー
<マテー、ハーマヅラー
<タースーケーテー


絹旗 「そういえば、麦野と浜面が顔合わせるのって久しぶりなんですか?」

滝壺 「ロシアで別行動になって以来だから、7ヶ月ぶりだね」


麦野 「つーかまーえたー☆」ギリギリ

浜面 「ギブ……ギ、ブ……」

 :
 :
 :

麦野 「……あれー? 今日のシャケ弁はなんか違う気がする」

絹旗 「麦野って、今はどこで何やってるんですか?」

麦野 「やることないから働いてるわよ」

絹旗 「裏稼業ですか?」

麦野 「いや……まあ、世話になった人の手伝いというか」

浜面 「おお、麦野でもそういう動機で動けるようになったんだな!」

麦野 「テメェどういう意味だ」

滝壺 「どこで働いてるの?」

麦野 「……悪い。今はまだ言えない」


~時は遡り9月初旬~


冥土帰し 「時間があるなら、バイトでもしてみないかね?」

麦野 「はあ? バイト?」

冥土帰し 「リハビリも兼ねてね。もちろん、労働に対する対価は出すよ」

麦野 「何やらせるつもりよ」

冥土帰し 「力仕事だとか、まあ雑用だね」

麦野 「ふーん……まあ、暇なのは確かだし、やってみてもいいけど?」

冥土帰し 「そうかい。じゃあ後は彼女に教えてもらってくれ」

麦野 「?」

19090 「話は聞かせてもらいました、とミサカは颯爽と登場します」ガラッ

麦野 (超電磁砲!? ……いや、あいつがこんなところでこんな格好しないか)

19090 「これが制服です、とミサカは紙袋を手渡します」

麦野 「制服あんの?(ガサゴソ)……おい……おい」

19090 「サイズが違いましたか? とミサカは首を傾げます」

麦野 「これってもしかして、今アンタが着てるのと同じデザイン?」

19090 「はい、そうですが? とミサカは何を当たり前のことを聞くんだと思いつつ答えます」

麦野 「…………」

19090 「?」←ナース服

麦野 (あぁ、そっか。私ハメられたんだ)



~今に至る~


麦野 (もし仕事場に来られたら恥ずかしくて死ねるわ……)

浜面 「まあ、無理に聞き出す必要もないだろ。元気ってだけでも良かったじゃねえか」

滝壺 「そうだね」

浜面 「にしても、顔が元通りになってよかったな」

麦野 「あ、うん……」

浜面 「状況が状況だったとは言え、女の子の顔にキズ付けちまって。一応責任感じてたんだぜ」

麦野 「なら責任とってよ」

浜面 「えっ」

麦野 「えー、だって私、浜面にキズモノにされちゃったしー?」

浜面 「あー、ええとだな」

麦野 「もうお嫁にいけないにゃー」

滝壺 「」ジー

絹旗 「」ジー

浜面 「」ダラダラ

麦野 「……ひゃっは、ウソウソ。なーに焦ってんだ、バカ面」

絹旗 「さすが麦野、超タチが悪いです」

麦野 「アンタにはもう滝壺がいるだろ? 今後、滝壺泣かせるようなマネしてみろ」ガシッ

絹旗 「モガッ!?」

浜面 「ど、どうなるんでせう?」

麦野 「私の主治医のところに連れて行って去勢してもらうからな」ギリギリ

浜面 「」

絹旗 「痛いです痛いです!」

 :
 :
 :

絹旗 「まだ痛いです……」

麦野 「口は災いのもとって前に教えてやったでしょ」

滝壺 「ところで、今日はなんで集まったの?」

麦野 「……あぁ、そうだね。そろそろ本題に入ろうか」

浜面 「お、なんだ。真剣な顔して」

麦野 「みんなに謝りたいんだ。"アイテム"の全員に」

浜面 「ああ……あのときの話か」

絹旗 「謝る、といいますと?」

麦野 「ちょうど一年前。チームが壊滅したでしょ?」

麦野 「あれは全部私が引き起こしたことだから……そのことをね」

絹旗 「ずっと気にしてたんですか?」

麦野 「……正直、今でも夢にみるよ。あの日のことをさ」

滝壺 「むぎの……」

麦野 「この後悔だけはどうにもならないけど、でもやっぱり謝らないといけない」

麦野 「もう一度私たちが"アイテム"になれるなら」

麦野 「ちゃんと"全員"の前で謝っておきたいのよ」

麦野 「そのために学園都市に戻ってきたっていうのに、どう言えばいいのか分からなくて、今日までかかっちゃったけどさ」

浜面 「麦野……お前」

麦野 「浜面、アンタには」

浜面 「麦野! よく言った!」ガシッ

麦野 「わはぁ!?」

浜面 「ロシアで俺が伝えたかった想いはちゃんと伝わってたんだな!」ナデナデ

麦野 「ちょ、撫でるなバカ面!」

浜面 「全部ケジメつけようぜ。そんで、今度こそ前に踏み出すんだ」

絹旗 「そうですね、浜面も超たまにはいいことを言います」

浜面 「たまに!? たまになの!?」

滝壺 「大丈夫だよ、たまにしかいいことを言わないはまづらも応援してる」

浜面 「滝壺さーん!?」

絹旗 「でもドヤ顔は超ムカつきます。麦野もなんか言ってやってくださいよ」

麦野 「……(やっぱり、私の居場所はここだったのかな)」

麦野 (なんでもっと早く気づけなかったんだか)

麦野 「よし、じゃ絹旗。案内お願いね」

絹旗 「? どこにですか?」

麦野 「さっき言っただろ? "全員"に謝るってさ」

絹旗 「じゃあ……」

麦野 「そういうこと。一番謝らなきゃいけないヤツのところに行くよ」

滝壺 「みんなで行こう」

浜面 「そうだな。なんだかんだで俺も行ったことないしな」

滝壺 「鯖缶買っていかないとね」

絹旗 「そうですね……では、超行きましょう」

麦野 「フレンダのところに、ね」


~第10学区 墓地~


絹旗 「ここですね」

麦野 「あら? 先客かしら?」

浜面 「花束か……俺らの他にも誰か来てくれたんだな」

絹旗 「?」

滝壺 「どうしたの?」

絹旗 「いえ、私たち以外にここに来る人間に超心当たりがなくてですね……」

麦野 「アイツにだって私ら以外の知り合いもいるだろうさ」

絹旗 「麦野は私たち以外の知り合いいるんですか?」

麦野 「いっ、いるに決まってんでしょ!」

浜面 「おい、騒ぐな。フレンダ起こしちまうぞ」

絹旗 「やっ、やめてくださいよ」

滝壺 「じゃ、まず掃除しないとね」

麦野 「掃除って何ですんの? ウェットティッシュならあるわよ」

浜面 「よし、麦野がフレンダ拭いてやってくれ。俺と滝壺で雑草やら片付けるからよ」

麦野 「はいはい」パシュッ


 ゴシゴシ


麦野 「うわ、真っ黒……絹旗、ちゃんと掃除してあげてんの?」

絹旗 「月命日には来てますよ」

麦野 「まあ……私も言える立場じゃないけどさ」ゴシゴシ

滝壺 「そういえば……」

浜面 「ん?」

滝壺 「ふれんだのフルネーム、はじめてみたね」

絹旗 「私も、ここに刻んである名前で初めて知りました」ナデナデ

麦野 「綺麗な名前じゃないか。名乗ってくれればよかったのに」

浜面 「本人にも思うところがあったんだろ?」

絹旗 「ファーストネームだけでも、本名を名乗ってくれてたのは超嬉しいじゃないですか」

麦野 「まあね……あっち側にいると名前を失うなんてことも珍しくなかったからね」

滝壺 「私達はまだよかったほうなのかもね」

浜面 「色々失ったものもあるけど、今こうやって元気にやってるんだもんな」

絹旗 「よし、掃除はこんなもんですね」

滝壺 「はまづら、ライターある?」

浜面 「ライター? なんに使う……あぁ、線香か」

麦野 「洋式墓に線香ってのも変な感じね。ほら、滝壺」ジジジ

絹旗 「お、原子崩しボール。超久々に見ました」

滝壺 「あ、ありがと」

麦野 「素手で触るなよ、危ないから」

絹旗 「花はここらへんに……こういうとき鉢植えは超アウトなんですよね」

浜面 「そりゃ入院見舞いの話だろうが」

麦野 「浜面、缶切り」

浜面 「ねーよ。何に使うんだよ、そんなもん」

麦野 「」つ【鯖カレー缶】

絹旗 「ついでにこれも。ユリコが気に入らないらしくて、余っちゃったんです」つ【猫缶】

麦野 「あと私オススメのこれな」つ【鮭缶】

滝壺 「フタ開けておかなくていいの?」

麦野 「ったく、しょうがないな……」ジジジ

絹旗 「原子崩しメスですか。フレンダも缶開けるときは超似たような方法使ってましたよね」

麦野 「話し掛けるな、出力絞るの集中しなきゃい(パゴン)あっ」

浜面 「猫缶が消し飛んじまった」

絹旗 「あーぁ……」

滝壺 「ちょっともったいない」

麦野 「……ごめん」ショボーン

浜面 「ま、まあ、本命の鯖と鮭はまだ無事だしな!」

絹旗 「そうですよ、いくらフレンダでも猫缶は食べませんて!」

滝壺 「大丈夫だよ、むぎの。作業中に話しかけたきぬはたが悪いんだから」

絹旗 「はい、私が超悪い……え、ええ!?」

麦野 「フレンダなら自分で開けるだろ……フレンダ、置いとくからね」

麦野 「……一年も来れなくて悪かったわね」

麦野 「あれからも色々あったわよ。私の周りも、私自身も」

浜面 (色々……ありすぎたよな)

麦野 「見ててくれてるかしら。今こうやってまた一箇所に集まることができた」

麦野 「でも、アンタだけがいないのよ……」

絹旗 「……」

麦野 「大切なものの価値は失ってから初めて気付くっていうけど、ホントよね」

麦野 「アイテムもアンタも、私が自分で引き裂いたのに」

麦野 「あれから、後悔の念が消えることは一日もなかった」

滝壺 (むぎのも、ずっと苦しんでたんだね)

麦野 「こんなので納得はできないだろうけど、でも言わせて頂戴」

麦野 「ごめんなさい」

浜面 「……麦野、ようやく言えたな。ようやくここまで来れた」

麦野 「一年かかっちゃったけどね」

滝壺 「でも、むぎのはちゃんと言えたよ」

麦野 「アンタ達にはまだだよ」

麦野 「浜面に滝壺、アンタ達は何度も殺そうとしちゃったね」

浜面 「何言ってんだ。結果的にロシアで命を救ってくれたのはお前じゃねえか」

滝壺 「うん、顔から羽が生えてる変なのやっつけてくれた」

絹旗 (なんですか、それ)

麦野 「絹旗」

絹旗 「は、はいっ!」

麦野 「ゴメンね、アンタだけ蚊帳の外で」

絹旗 「まあ……事情は伺ってましたけど」

麦野 「もしかしたら、アンタの居場所奪っちゃってたかな」

絹旗 「……あの時は超照れくさくて言えませんでしたが、今なら言えます」

絹旗 「私はアイテムのみんなが超大好きです。それは今も変わりません」

麦野 「絹旗……」

絹旗 「もちろん、今の生活も超大好きです。私にとってはどちらも超重要なんです」

絹旗 「だから、ええと、何が言いたいかというとですね」

絹旗 「私は麦野のことを恨んでなんかいません。これからもちょくちょく遊びに来てください」

麦野 「……絹旗ー!」ダキッ

絹旗 「モガッ」

麦野 「可愛いなー、可愛いなー! こいつー!」ナデナデ

滝壺 「よかったね、むぎの」

麦野 「……ありがとね、二人とも。アンタ達のお陰でここまで戻ってこれた」

浜面 「おぉ!? 麦野に礼を言われるなんて慣れてないせいで痒くなってきた!」

麦野 「てっ、テメェ! 人がどれだけ覚悟決めて喋ってると思ってんだ!」


<ハーマヅラー
<イテーヨー
<ヤーメーテー


滝壺 「……ふれんだ、みんな元気にしてるよ」

滝壺 「それに、私にも居場所と言い切れるところができた。だから安心してね」

 :
 :
 :

絹旗 「日が暮れてきましたね」

浜面 「風も出てきたな……」

絹旗 「そろそろ行きましょうか」

麦野 「結局、この花束は誰が置いてったんだろうね」

浜面 「これ、なんなんだろうな。ユリか?」

滝壺 「ユリっぽいけど、なんか違うような……」

麦野 「そう言われると気になってくるな。写真だけ撮っておこうか」カシャ

絹旗 「心霊写真とかなりませんよね」

麦野 「そんなまさか」

浜面 「花だけなら平気だろ。ところで、さっきから麦野の後ろにいるのは誰だ?」

麦野 「ふぇぇ!?」ババッ

絹旗 「? さっきから誰もいませんよ?」

滝壺 「いないよね」

麦野 「……は、はっ、はーまづらぁぁ!!」

浜面 「バカが見ーるtt(バキッ)ンガッ」

 :
 :
 :

麦野 「じゃ、私は向こうだから」

絹旗 「私達はこっちですね」

麦野 「あぁ、そっか。アンタ達、今一緒に住んでるんだっけ」

浜面 「俺は屋根裏部屋だけどな」

滝壺 「ごめんね、そこしか空いてなかったの」

麦野 「窓に鉄格子がないだけマシでしょ」

浜面 「窓ないけどな!」エヘン

麦野 「まあ、仲良くやりなよ。またその内遊びにいくからさ」

絹旗 「超約束ですよ」

滝壺 「むぎの、またね」


~同日夜 ???~


 「結局、もう戻れないって訳ね」

 「……そういうこと。最期に言っておきたいことある?」キュィン

 「          」

 「そう? 私もだよ。……じゃあな」




 :
 :
 :

麦野 「やめろぉぉぉ!!」ガバッ

麦野 「あっ、あれ……また、この夢か」

麦野 「何回リピート再生させれば気が済むんだよ…‥」

麦野 「……」ポロポロ

麦野 「く……う……」

麦野 「ごめん……ごめんなさい……!」グス


<コンコン ガラッ


19090 「……しずりん、またですか? とミサカは心配のあまり駆けつけました」

麦野 「あっ、悪い……起こしちゃった?」ゴシゴシ

19090 「いえ、起きてましたから、とミサカは気を使わせないよう優しいウソをつきます」

麦野 「……つくづく不便だよな、アンタらの口調って」

19090 「それでもミサカの個性なのです、とミサカは薄っぺらい胸を張ります」

麦野 「あと、しずりんって呼ぶのやめろって何度言ったら……」

19090 「可愛くてアリだと思います、とミサカは主張します」

麦野 「はあ……もういいや。心配かけて悪かったね。アンタも早く寝ておきな」

19090 「大丈夫なのですか? とミサカは」

麦野 「大丈夫だから。ほら、行った行った」



~翌日 第7学区 某所~


麦野 (結局あれから寝れなかったわ……)

麦野 「はあ……うん?」

麦野 「フラワーショップか」

麦野 「……そうだ」

店員 「いらっしゃいませー」

麦野 「」キョロキョロ

店員 「何かお探しですか?」

麦野 「ええと……この写真の花っておいてます?」

店員 「これはオオアマナですね。今は時期じゃないですね」

麦野 「え……時期じゃない?」

店員 「オオアマナは春先に花をつけるんですよ。写真を見た感じですと生花ですので、その頃に撮った写真ですか?」

麦野 「あ、いえ……そうなんですか。どうも」

店員 「お役に立てず申し訳ありません」ペコリ

麦野 (昨日置いてあった花は造花とかじゃなかったよな……どういうこと……?)


~第7学区 とある書店~


麦野 「植物辞典……これでいいか」

麦野 「オオアマナは(ペラペラ)あったあった」

麦野 「"大甘菜"、別名スターオブベツレヘム」

麦野 「はー、ご大層な名前ね」

麦野 「4月から6月にかけて花をつける、か」

麦野 「……?」

麦野 「花言葉は"潔白"……?」

麦野 「十字教においては、あ、これはいいや」

 :
 :
 :

絹旗 『はい、もしもし』

麦野 「あ、私だけど。今大丈夫?」

絹旗 『超大丈夫ですよ。どうしたんですか?』

麦野 「あのさ、くどくて悪いんだけど。昨日、墓にあった花束、誰が置いたかわからないのよね?」

絹旗 『はい、少なくとも私が超知る限りでは』

麦野 「そっか。ありがと」ピッ

麦野 「……」

麦野 「誰が置いたかわからない、この時期には咲く筈のない花」

麦野 「その花言葉は、潔白……」

麦野 「ま、まさか……」

麦野 「フレンダの幽霊が、成仏しきれないで……?」

麦野 「あの花を、私達に見せ付けるために」

麦野 「」gkbr

麦野 「いやいや、ここは学園都市よ。そんなオカルティックな」


 [[携帯電話]]<Prrrrr Prrrrr


麦野 「うひゃぁ!? ……だ、誰だ、こんなタイミングで」ドキドキ ピッ

19090 『しずりん、どこにいるんですか? 今日はシフトの日でしょう、とミサカは憤ります』

麦野 「え? あー、もうそんな時間だった? 悪い悪い、すぐに戻るわ」

19090 『急いでくださいね、とミサカは急かします』ピッ

麦野 「……戻るか」


~数日後 とあるファミレス~


絹旗 「浜面、コーヒーとコーラと烏龍茶を超おいしくなる配合で混ぜてきてください」

浜面 「お前、無茶振りってレベルじゃねえぞ!?」

麦野 (あれからあの夢見なくなったな……)

滝壺 「大丈夫だよ、はまづらが作ればきっとおいしくなるから」

浜面 「いや、こればっかりはどう混ぜても無理だろ!」

麦野 (フレンダ……あの花もアンタなのか? やっぱり私が許せないの?)

絹旗 「麦野、どうしたんですか?」

麦野 「あ、なにが?」

浜面 「いや、ずっと上の空って感じだぞ」

滝壺 「何かあったの?」

麦野 「……ねえ、アンタ達ってさ」

浜面 「?」

麦野 「幽霊っていると思う?」

絹旗 「幽霊……ですか?」

浜面 「なんだ? 誰かの幽霊にでも追い掛け回されたのか?」

滝壺 「ふれんだ……まだ私達のことを」

麦野 「そっ、そうじゃないけどさ!」

絹旗 「あまり学園都市らしくない話題ですね」

麦野 「あ、そうだよな。悪いね、変なこと聞いちゃって」

絹旗 「まあ、いるんじゃないですか? 見えないだけで」

麦野 「」

浜面 「お、こりゃまた学園都市の生徒らしくない意見だな」

滝壺 「でも、たまによく分からないAIM拡散力場を感じることがあるよ」

絹旗 「おぉ、幽霊にも能力が付加されることが超証明されました」

浜面 「そりゃなんか違くねえか?」

麦野 「やっぱりフレンダなの……?」ボソッ

絹旗 「?」

麦野 「ゴメン、なんでもない」

 :
 :
 :


~同日夜 とある病院 麦野個室~


麦野 「やべぇ……寝るのが怖い」

麦野 「あれからあの夢見てないけど……今日あたり見るのかなぁ」

麦野 「考えてもしょうがないか……」

麦野 「逆に考えよう。あの夢を見たら、今度は夢の中で謝ればいいんだ」

麦野 「せめて夢の中ぐらい違う結末を迎えてもいい……よね?」

麦野 「結論がでない思考を続けてもしょうがないな」

麦野 「……寝るか」

麦野 「」モゾモゾ


~???~


麦野 (あの夢か?……いや)

麦野 (見渡す限りの花畑……オズの魔法使いみたいね)

麦野 (私もとうとう死んだの? でも地獄にしちゃ綺麗すぎるな)

麦野 (あれ? この花って……)


 サク...サク...


?? 「……」

麦野 「……?」

?? 「……」

麦野 (フレンダ……?)

?? 「              」ニコ...

麦野 「ちょっとアンタ……」

?? 「             」

麦野 「え?」

?? 「」スッ

麦野 「ま、待って! フレンダなんでしょ!? ねえ!」

?? 「」

麦野 「待って、待ってよ!」


 :
 :
 :

 ガタン ゴツッ...



麦野 「……イッテェ」


 チュン...チュン...


麦野 「朝か……」

麦野 「ベッドから落ちてお目覚めとか、古典的に程があるわね」

麦野 「……さっきの」


  ――私のメッセージ、伝わってないのかな? もう嫌な夢を見る必要はないよ

  ――色んなことがあったけど、結局私もみんなが大好きな訳よ


麦野 「夢枕っていうの?……まさかね」

麦野 「……一応、一応文句だけ言ってくるか」


~第10学区 墓地~


麦野 「フレンダ、また来ちゃった」

麦野 「アンタ、私の夢にまで出張ってきて何してんのよ」

麦野 「図々しいのは相変わらずなんだから……あれ?」

麦野 「鯖缶……食べられちゃってるじゃない」

麦野 (……こんな開け方するの、アンタしかいないわよ……)

麦野 「しかもなんだ、私イチオシの鮭缶は残しやがって。気に食わないってか」

麦野 「……」フッ

麦野 「いいわよ、これは私がいただくから」

麦野 「……フレンダ、ごめんなさい。それと、ありがとう」


<あれ? 麦野?


麦野 「?」クルッ

浜面 「お前も来てたのか」

麦野 「どうしたのよ、揃いも揃って」

絹旗 「夢にですね! フレンダが超出てきたんですよ!」

滝壺 「私の夢にも」

浜面 「ってこいつら言うんだけど、俺見てないぞ」

麦野 「忘れてるだけなんじゃないの? アンタだけ見てないって……」

浜面 「てことは、麦野も見たのか?」

麦野 「ええ、私が見たのはね――」

 :
 :
 :

19090 「ちゃんと看護資格を目指してみる? とミサカは驚きを隠せません」

麦野 「まあ、なんだ。手に職があったほうがいいでしょ?」

19090 「しずりんは Level5 なのですから、能力開発や研究職という道もあるのでは? とミサカは当然の疑問をぶつけます」

麦野 「そっちの分野はもう真っ平御免なの」

19090 「まあ、決めたのなら止めはしませんが……とミサカは結局認めます」

麦野 「それに、最近じゃ私目当ての客(患者)もいるらしいじゃない? 売り上げにも貢献できちゃうにゃー」

19090 「ぐぬぬ……正直、しずりんには女として負けを認めざるを得ません……!」

麦野 「口調を忘れるほど悔しいか」ニヤニヤ

19090 「そんなことありません! し、しかし、なぜ急に? とミサカは話を逸らします」

麦野 「まあ……結局、色々と思うところがあったって訳ね」

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