上条「誰を助けりゃいいんだよ……」 > 05


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「何だよ!? 何なんだよお前!? 俺とエンゼル様の邪魔する気か!?」

火野は拡声器でひっくり返った声を撒き散らした。

「いいか? 妙なことをしたら、この子供の頭をぶち抜くぞ!
 こいつはボタンを押すと人が殺せるという不思議な道具なんだぞ!」

小萌のこめかみに拳銃のようなものをあてがい、喚く。

「そんなことはさせない! とう!!」


削板は、跳んだ。
高さ80メートルはあろうかというジェットコースターのコースの上から。
そして、50メートルはあろうかという驚異的な距離を越えて、何故か火野のいるゴンドラに飛び乗りこんだ。


「その子は撃つな!! 撃つならオレを撃て!!」

パーン


本当に撃つ火野。
弾は確実に削板の胸板へと直撃した。

――はずなのだが。


「……痛え」
「ッ!?」

「痛え……が、響かねえ……!」

「な、何だお前!?」

削板は倒れない。
なぜならば。


「そんな根性のこもってない一撃は、オレの胸には響かねえんだよ!
 いいか……根性ってのは、こうやって示すんだ!!」


思い切り、拳を振り上げる削板。
訳の分からぬ悪寒に襲われ、火野は悲鳴を上げた。



「すごいパーンツ!!!」



「ビブルチッ//」

88 :1 [saga sage]:2011/03/07(月) 23:35:18.23 ID:Awa8dqWO0

すいません間違えました



「すごいパーンチ!!!」



「ビブルチッ!?」



不思議な声を漏らし、火野は足元から崩れ落ちた。


「あ、あ、ありがとうなのですよ……」

小萌は半ば呆然としながら礼を告げる。


「ふふん、いいってことよ」


こうして、事件は幕を閉じた。



「――ってミサカはミサカは締めくくってみたり!」
「なんじゃそりゃ!?」


遊園地から少し歩いた所にある、小さなカフェ。
無事帰って来た打ち止めと、上条は話し合っていた。
黄泉川は事件の事後処理で遊園地に残っている。
御坂妹がネットワークに繋げなくなっている事について訪ねてみると、
彼女は小さな顔を下に向けて、悲しげに言った。


「ミサカネットワークを切断したのはミサカなの、ってミサカはミサカは告白してみる」


話を詳しく聞くと、原因はある一体のミサカなのだという。

「ミサカ19090号……って言っても、あなたには分からないかもしれないね。
 他のミサカよりちょっぴりスタイルのいいミサカなんだけど、その子がウイルスに犯されてしまったみたいなの。
 会って確かめてはいないから詳しいことは分からない。でも、共有されたあの感覚はすごく覚えがあった。
 ミサカがすぐに気付いてネットワークを緊急停止したんだけど、
 話を聞く前にどこかへ行ってしまったみたいなのってミサカはミサカは結論を述べてみたり」

「じゃあ、御坂妹だけじゃなくて、全員ネットワークに繋がっていない状態なのか?」

「うん。ミサカが許可を出せばすぐに復旧できるけど、
 その前に19090号を助けてあげないと、ウイルスが他のミサカにも感染しちゃうかもしれないからって
 ミサカはミサカは歯がゆい思いで足踏みしてるの」

「つまり、19090号を見つけなきゃ妹達全員が大変だってことか……」

「あの子は学園都市にいるはず。だけどネットワークが無いとミサカには見つけられなくて……って
 ミサカはミサカはいざという時の自分の役立たずっぷりに落胆してみたり……」

普段は天高くそそり立つ立派なアホ毛がしぼんでいる。
どうやら本当に落ち込んでいるようだ。


「何だ、学園都市にいるなら簡単だよ。な? スフィンクス」

上条は、にっこりと、少し遠くをあるくスフィンクスを振り返った。
スフィンクスが少し遠くにいるのは、打ち止めが近くにいるからだ。

「……にゃー」

スフィンクスが警戒心をあらわにして鳴いた。


「どういうこと? ってミサカはミサカはあなたの自信満々な顔を疑いの眼で見詰めてみるんだけど」
「俺にはソニャーがあるからな。近くにいる妹達を見つけるならお手の物だ」
「な、何? ソニャーって? って、ミサカはミサカはかわいらしい響きにときめいてみる!」
「ふふん、それはな……」

上条がソニャーの効能について説明しようとしたその時、
彼は気が付いた。


「いやあ、やっぱり夕方のコーヒーは体に滲みるね?」
「ほのかな甘さが疲れをほぐしていくぜよ」


すぐ後ろの席に、カエル顔の医者と土御門がいた。


「ウオ――――――――イ!!!」


「何だ? かみやん。店内では静かにするぜよ」
「過ぎたおしゃべりはマナー違反だよ?」

冷静に指摘する2人。
しかし、これが黙っていられるか。

「先生、あんた行方不明じゃなかったのかよ!?」
「自分で自分を行方不明と振れ回った覚えはないよ?」
「一週間も何しにどこへ消えてたんだ?」
「患者を探しに。いつものように往診に行ったら姿が見えなくてね?」
「何で土御門とお茶してるんだ?」
「偶然会っただけだよ。どうやら危険な場所から自分で脱出したみたいだね?」

疑問符ばかりの会話が出来上がった。

「かみやん。まだまだ全然救助できてないみたいだな。
 小萌先生の件も知らないヒーローにいいとことられたみたいだし」
「知りすぎだろお前は……」

土御門は元気そうだ。
救助リストの彼の名前にチェックを入れようとした、その時だった。

曲がり角の陰から、突如として謎のキャンピングカーが現れ、
中から出て来た黒ずくめの男達に、土御門が羽交い絞めにされた。


「うわあああ! またさらわれてるところだにゃーッ!!
 助けてかみやーーん!!」

「やだ」



土御門を無事送り出したところで、上条は今後の方針を決めた。
何かというと事件に巻き込まれる打ち止めを連れ回すのは得策ではない。
カエル顔の医者に彼女を預け、ソニャーで19090号の捜索をするのだ。

そうと決まれば話は早い。
上条は再びスフィンクスをしっかり捕まえると、彼女が嫌がる方向へと進む。


「にゃー……に(中略)ャ―――ッ!!!」
「お、見つけたな。おーい! お前が19090号か?」
「そうです、私が13577号です、とミサカは自己紹介します」
「う……」


「フギャ―――ッ!!!」
「19090号か!?」
「はい。あなたの10039号です、とミサカは自己紹介します」
「そ、そうか……」


「フギャ―――ッ!!!」
「19090号! 見つけたぞ!!」

そこには、誰もいなかった。


orz



打ちひしがれる上条の耳に、小さな電子音が聞こえて来た。
携帯電話を確認すると、病院に預けた打ち止めから発信されている。

「もしもし」
『はーい、打ち止めでーすってミサカはミサカは元気に名乗ってみたり!』
「分かってるって。どうした?」
『あのね、19090号なんだけど……』
「何か分かったのか?」


『具合が悪いからって、自力で病院に来たよ』


「…………」

上条の体から何かが抜けた。

膝から崩れ落ちる。

目線が低くなって気が付いた。


「……打ち止め」
『なあに? ってミサカはミサカは聞き返してみる』


「一方通行が落ちてる」


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