上条「誰を助けりゃいいんだよ……」 > 04


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『実はこの遊園地、今ちょっと目線のおかしい男が人質を取って立てこもり中なのって
 ミサカはミサカは特ダネを披露してみる』
「お前、そんな所にいてよく無事じゃん?」
『ミサカの居る所は、犯人が立てこもってる観覧車からは見えないのってミサカはミサカは解説してみたり』

『でね、人質にされてるのはツクヨミなのってミサカはミサカは衝撃の事実を暴露してみる!』


「うえええええぇぇぇぇぇぇ!?」


犯人はよりにもよって本物の幼女を差し置いて、幼女っぽいアラサーを人質に選んだらしい。
とにかく驚いてばかりはいられない。
黄泉川と上条は早速現場へ急行した。



「ところでお前、何で遊園地なんかにいるじゃん? 私を探しに出掛けたって聞いたけど」
『えっ……あの、ヨミカワを探してうろうろしてたら、ツクヨミに声を掛けられて……』
「ったく、家族の心配より遊ぶ方が大事かね」
『あ、あはは……実はヨミカワの気配を遊園地に感じて……っていうのはダメ?
 ってミサカはミサカは言い訳用スマイルを発動してみるんだけど……』
「電話だから見えないじゃん」


移動中も、黄泉川は打ち止めと連絡を取り続けていた。
園内の様子を詳しく聞くためだ。
犯人は観覧車から敷地内への出入り口をすべて見張っており、
警備員もうかつに入り込めない状況なのだという。

「先生は大丈夫なのか?」

上条が訪ねると、打ち止めは電話越しに緊張した声を出した。

『犯人と一緒のボックスに閉じ込められて、すごく怯えてるよってミサカはミサカは報告してみる。
 でも取り乱したりはしてないかも。さすがは良く出来たオトナだよね』

見た目は幼女だが先生はすごいのですよ。

「とにかくすぐに行くから、絶対に目立つ行動はするな」

黄泉川の言葉に、打ち止めは素直に「うん」とだけ応えた。



『そ、そうだ、犯人の特徴はね……』

何か話していないと不安なのか、打ち止めはひっきりなしにまくしたてている。
犯人に聞こえるわけでもないのだし、その場から動かないでいてくれるならありがたい。
上条と黄泉川は適当に相槌を打ちながら聞いてやった。

『ええっと、すごくひょろ長い感じで……』
『目つきがもう、怪しくて……』
『何か、板みたいなのを大事そうに抱えてるかもってミサカはミサカは説明してみる』


車を運転しながら、黄泉川はそれを頭に叩き込んでいるようだった。
上条はその横で、妙な感覚に襲われていた。

「……なんか、聞いたことあるというか、見たことあるというか……」


『あ、今窓から顔突き出して、拡声器で何か喋ってるかも!』


『すべてはエンゼル様の仰せのとおりにィィィ――――ッ!!!! ……だって』



「……」

黄泉川と上条は押し黙った。

黄泉川の方は、犯人の異常性に警戒したからである。
そして上条の方は、


「おっやぁー……? なんだか、すさまじく聞き覚えがあるぞー……」


頭を抱えていた。



「火野紳作!? 外で何十人って殺した奴じゃん!?」
「聞いた限り、そうなんだよな……」
「でもここは学園都市じゃん。どうやって入ったんだ」
「あいつは、エンゼル様の啓示があれば何でもやってのけちゃう奴みたいだからな」
「そもそも逮捕されてるはずじゃん……」
「あいつは、エンゼル様の啓示があれば何でもやってのけちゃう奴みたいだからな」
「なにそれこわい」

話しながら、第六学区に辿り着く。
辺りには異様な雰囲気が漂っていた。
緊張感。
遊園地のマスコットの大きな縫いぐるみが、にっこり笑いながら正門で手招きしている。
本来ならかわいらしいはずのそれが、妙に不気味に見えるほどだった。


「打ち止め。そっちはどんな様子だ」

黄泉川が受話器に向かって声を掛けると、打ち止めは呆けたような声で応答した。


『なんだか、もう大丈夫かもってミサカはミサカは推察してみる』

「は? なんで?」

『ヒーローが現れたから」



園内は静まり返っていた。
時々、興奮した犯人が拡声器で何か怒鳴り散らす以外、誰も口をきこうとしない。
人質の、ピンクの髪のかわいらしい少女は、きゅっと口元を結んで耐えているようだった。
勇敢にも彼女は犯人に幾度か話しかけ、犯行を思いとどまらせようと説得していたが、
それも徒労に終わっていた。

あの少女は、駄目かもしれない。
園内の人々は、最悪の結末を思い浮かべては頭を振る。
そんな悲劇が起こってもいいのか。

誰か、あの子を助けてやってくれ。
正義のヒーロー。


そこへ。
皆の祈りが通じたのか、1つの人影が現れた。

観覧車の正面に対峙するジェットコースター。
その一番高い山場の上に、彼は現れた。
バサリ、と。
上着の裾をマントのようにはためかせて。

まるで、アニメのように。映画のように。
ヒーローはそこにいた。


「少女を人質にして観覧車に引きこもりだと……?」

違う、引きこもりじゃない。立てこもりだ。
しかしヒーローの放つ圧倒的なオーラは揺るがない。


「汚い真似しやがって! オレがその曲がった根性、叩き直してやる!」


削板軍覇。
学園都市ナンバーセブンの超能力者である。


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