とある夏雲の座標殺し(ブルーブラッド) > とある夏雲の織女星祭(サマーフェスティバル) > 02


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~織女星祭・ビアガーデン~

黄泉川「ぷはー!この一杯目がたまらないじゃん!」

芳川「愛穂。ヒゲになってるわ」

月詠「この時間からと言うのが最高なのですよー」

木山「せ…先生方、人の目が気にならないと言えば嘘になるんだが」

手塩「たまには、休息も、必要、だ」

寮監「こうして親睦を深める事も」

浜面「えらい奴らに捕まっちまった…」

17:07分。浜面仕上と滝壺理后は第十五学区のデパート屋上ビアガーデンにいた。
常ならば学生が大半を占めるこの学園都市にあっては教職員が軒を連ねる第八学区を除けばほぼ存在しないのだが、外部からの人間も訪れ集客が望めるとあって臨時開店しているのだ。しかし

滝壺「はまづら。ふれんだときぬはたがいない。追跡する?」

浜面「いや、いいだろ。どっか回ってんだろうし(サンキュー2人とも!)」

黄泉川「おお浜面ー?あの時の彼女さんじゃん?可愛いじゃーん!」

芳川「なんだか私の若い頃を思い出すわ…ふふっ、甘い記憶…」

月詠「2人とも若いのですよー!先生も…」

木山「うん?そう言えば月詠先生も確かあの赤い髪の神父らしき人と」

手塩「うっ、うっー、うま、うま」

寮監「ここはビアガーデンだぞ。学生は…」

浜面「出来上がるの早過ぎるだろ!?これでいいのか教職員!!」

一杯目から一気飲みの黄泉川、枝豆の皮むきと焼き鳥の肉を箸で一個一個取る芳川、すでにピッチャーで飲んでいる小萌、あまり飲めないのかグラスの木山、次々と飲み干して行く手塩と寮監。
せっかく花火が良く見える絶景スポットを…と滝壺と訪れた屋上ビアガーデンなのに…そう浜面は思わざるを得ない。

浜面「(せっかく絹旗とフレンダが気使ってくれたっつうのによぉー!滝壺と二人っきりで夏の思い出があああ!)」

滝壺「(はまづらがジタバタしてる。ビール飲みたかったのかな)」

浜面「きーみがー!いたなーつは!遠い夢のな~か~ぁ!そ~らーに消えてっーた!打ち上げ花火ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」

手塩「懐かしい」

芳川「まさに夏メロね」

木山「うん?最近流行ってるのかこの歌は…ふむ、回って来たら暑くなってきたな」

小萌「脱いじゃダメなのですー!」

寮監「確かにこの時間からは回りも早いですね」

黄泉川「浜面!今日は私も非番じゃん!たっぷり彼女さんとの馴れ初めからなにから聞かせるじゃん!」

浜面「気を使え大人共ぉぉぉぉ!!!」

終わった。今日の日はさようなら状態である。そう浜面が号泣と共に空を見上げる。
この世界に神はいないのかと。するとビアガーデン上空を――

麦野「はーまづらぁ…アンタなにやってんの?こんな時間から頭のネジ外れてる?」

光輝く六対十二枚の『光の翼』で羽ばたく麦野沈利と

上条「うおっ!先生達だ!」

その麦野と左腕で肩を組むようにして空中散歩している上条当麻の姿があった。

浜面「なにやってんのあんたらぁぁぁ!?」

麦野「見てわからない?当麻とデート。頭と目ん玉のネジ締め直してほしい?はーまづら」にっこにこ

浜面「まずお前がネジを締めろぉぉぉぉ!!なんだそのニコニコ顔!軽くハプニング映像だよ!」

上条「悪い麦野、俺がテレポート出来ないばっかりに…」

麦野「いいのよんアンタなら。滝壺元気ー?」

滝壺「げんき」

浜面「普通に会話しないで!人が空を飛んでるんだよ!?うっかぶ!くーもを突き抜けフライアウェーイ!フライアウェーイ!」



『幻想殺し(イマジンブレイカー)』のせいで座標移動出来ない上、すでに路上は学園都市中の人間が埋め尽くしているため二人は空路を選んだのだ。
それにつけても非常識極まりないデートに浜面は口あんぐりである。
しかし当の麦野本人はいたって気にした様子はない。
こんなもん1、2、3、4位はみんな形は違えど出来ると。

黄泉川「むやみやたらな能力使用はやめるじゃーん!不純異性交遊で取り調べちゃうじゃーん!」

麦野「ちっ…じゃあね滝壺。浜面、滝壺泣かすんじゃないわよ」

上条「悪い悪い。邪魔したな!それじゃ!」

浜面「このお~おぞらーに~つばさーをひろ~げ~飛んで~行きたいよぉぉぉぉ!!!」

麦野「あっ、すっかり忘れてた…はーまづらぁ!後で滝壺連れて空中庭園集合!ってチャラ男(垣根)から伝言!」

浜面「?なんかあんのか?」

麦野「焼き肉!」

そう言って二人は文字通り飛んでいった。しかし、教職員一同が『光の翼』に身を奪われている――チャンスは今!

浜面「いくぞ滝壺っ!」

滝壺「あっ、なんこつ」

浜面「焼き肉だってよ!お呼ばれに行くっきゃないだろ!なんこつなんてまた食える!」

黄泉川「ああー!浜面逃げたじゃーん!」

滝壺の手を引いて駆け出す浜面。鶏のなんこつ唐翌揚げを食べながら一緒に走り抜ける二人。


あの二人みたいに飛べなくたっていいさ一緒に歩けるなら、と。



~織女星祭・空中庭園~

一方通行「グリルパーティーだァ!?」

垣根「さっき言ったろクソッタレ。人の話聞けよ」

17:50分…学園都市最大の花火大会『織女星祭』にて、もっとも人気と倍率の高いスポットに一同は集結しつつあった。
ここ数ヶ月の激務をねぎらうべく、垣根帝督がポケットマネーでグリルパーティーを企画したのである。

垣根「たまにはガス抜きぐらいしねえとパンクすんだろ?プラスお前らの凱旋祝いだ。1ヶ月遅れだがな」

続々と肉と酒と炊飯器が貸し切りにしたホテルの空中庭園に運び込まれて行くのも全て垣根の指図である。
夕闇の中大きく流れる大河を跨ぐ大桟橋を見下ろしながら手摺りに持たれかかった垣根が言い、椅子に腰掛け前衛的な杖を投げ出した一方通行が唸りを上げた。

一方通行「ふざけンな!いつからレベル5は仲良しこよしの寄り合いになったンだァ?オレは帰ンぞ!」

垣根「おーいチビちゃん。君らの保護者がお帰りだとよー」

打ち止め「ええー?これから花火始まるのに帰っちゃうの?ってミサカはミサカはあなたと作る一夏の思い出作りを楽しみにしてみる!」

番外個体「ただ飯食えるのにもったいないねー?ミサカ達の指まで喰ったクセに」

御坂妹「既に牛肉・豚肉・鶏肉・馬肉・合鴨・羊肉・鹿肉が運び込まれています、とミサカは生唾を押さえ切れない自分を押し留めます」

御坂「ご飯くらい付き合っていけば良いじゃない。この子達泣かせたら許さないからね」

そこに抗議の声を上げるのは御坂姉妹である。打ち止めは一方通行の膝に突撃し、番外個体は一方通行のテーブルに腰を下ろし、御坂妹は背後から呟き、御坂美琴はそれを離れたテーブルから足を組みつつ見やる。

白井「お姉様に妹様に小さいお姉様から大きいお姉様ですのぉぉぉ!!黒子の3分の1の純情な感情が振り切れて花火になりそうですのぉぉぉ!!」

初春「(汚い花火だなあー)」

佐天「垣根さんってやっぱり初春以外の前じゃキャラ違うよねー(なんかヤクザ予備軍みたい)」

フィアンマ「光栄に思え。肉塊。貴様等の人生の価値は、無事刈り取れたぞ(焼肉的な意味で)」

一方通行「…煮るなり焼くなり好きにしろォ…」

加えてその卓につくは白井黒子、佐天涙子、初春飾利などの『超電磁砲組』である。
多数決だ、民主主義だとブーイングを起こされ最終的に一方通行は折れた。
ここで我を通せば悪党ではなく悪者になってしまう。
そして何故か一方通行の席には右方のフィアンマまでいる。海原は一方通行にポリバケツの中に突っ込まれ欠席となった。

禁書「お肉♪お肉♪お肉なんだよ嬉しいな~♪」

上条「本当にいいのかなあ…俺達までご馳走になっちまって」

麦野「五十人前で予約入れちゃったらしいわよ垣根の馬鹿。それにインデックスがいれば平気でしょ?」

トップ3とくれば第四位麦野沈利の登場である。他人との馴れ合いは大嫌いだが、インデックスは食べさせてさえおけば大人しいと知っているからだ。
同時に上条当麻も特に反対しなかったため、参加と相成った。

心理掌握「………………」

青髪「お互い面割れると面倒臭いからよろしゅうな?」ヒソヒソ

土御門「グリルパーティーって言うか野外焼肉パーティーみたいなんだぜい。ねーちんらの女子寮ではやらないのかにゃー?」

神裂「普段は食堂ですし、仮にもシスターの女子寮ですからそういう事はあまり…」

オルソラ「神に仕える身でございますから…」

ステイル「(結局インデックスに引っ張られて来てしまった…早くイギリスに帰りたい)」

第五位心理掌握(メンタルアウト)、そして第六位(ロストナンバー)青髪ピアス、さらに必要悪の教会(ネセサリウス)の神裂火織、オルソラ=アクィナス、ステイル=マグヌスは土御門元春に強引に引っ張って来られた。
仕事漬けでワーカーホリック気味な自分達も羽を伸ばすべきだとの提案で

削板「なんとか根性で間に合わせたぞ!わはははは!」

雲川「どっかの馬鹿の首に縄付け直す事にならなければこんなバタつかずに済んだんだけど」

服部「垣根もいい企画上げてくれたぜ。久しぶりに肉が食える」

そして第七位こと『ナンバーセブン』削板軍覇と全学連復興支援委員会の頭脳、雲川芹亜と右腕、服部半蔵である。
織女星祭最終日という事もあり、避難所の残りのメンバーに送り出されて来たのだ。

滝壺「はまづら、このお肉全部食べていいの?」

浜面「らしいぞ。払いは第二位が持つってよ。ゴチになろうぜ」

絹旗「なんですかこの超大盛り…相撲部屋のちゃんこパーティーですか?」

フレンダ「結局、なんだかんだでこうなるって訳よ(気使った意味なかった)」

そして八人目のレベル5こと滝壺理后、浜面仕上、絹旗最愛、フレンダの『アイテム』勢である。
学園都市上層部が完全崩壊し、暗部も総解散となった今や、彼等も宙ぶらりんの根無し草集団である。
クリーンな何でも屋か、荒事専門の便利屋になるか、今話し合いの最中である。

結標「なんて言うか…壮観よね」

姫神「小萌先生も呼んだけど。今日くらいは。先生達は先生達で。生徒達は生徒達で。自由にって」

吹寄「(もしかして私って、今とんでもない場所にいるんじゃないかしら)」

そしてレベル5第九位に昇格した結標淡希、そのパートナー姫神秋沙、友人である吹寄制理である。
見れば見るほどアクとクセの強い愚連隊も同然の面子に落ち着かないのは無理からぬ話だろう。

一方通行「馬鹿だろォ…サークルのパーティーかよォ…ありえねェだろこの面子」

垣根「男10女20か…えらい偏ったな。五十人前頼んじまったが大丈夫かコレ?も少し呼んでみるわ」

御坂「なんとかなるでしょ。確かアンタとアイツの所のシスター、スッゴい食べるし」

麦野「あの娘一人で百人前食べたって驚かないわ今更」

心理掌握「………………」チラッ

青髪「(知らん顔しとこ。能力の関係上五位と八人目しか僕の事知らんし)」

削板「なに!根性さえあればどうにかなる!」

滝壺「残ったら、持って帰っていいかな…」

結標「止めた方がいいと思うわ…夏だし」

集まりながらグリルパーティーの人数を今更ながら話し合うレベル5達。

打ち止め「まだー?まだー?ってミサカはミサカはお行儀悪くお箸でお茶碗を叩いてみる!」

初春「そろそろ花火上がりますよー!」

上条「ビールがケースでじゃんじゃん来てる!??これ大丈夫なのか大丈夫かよ大丈夫ですかの三段活用!!」

雲川「(浴衣にするんじゃなかった…汚れそうなんだけど)」

浜面「あっ、すいませんそこの赤毛の人火貸してもらえないか?ライター無くしちまって…」

姫神「(肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉肉)」

そして――18:00分。花火が上がった。

全員「かんぱーい!!!」

宴が、始まる




~織女星祭・グリルパーティー~

浜面「うめー!うめー!なんだこれ美味ぇぇぇ!!」

服部「生き返る!!いや生きてて良かったぁぁぁ!!」

青髪「我が人生に一片の悔い無しや!!ええ匂いプンプンさせおって!僕を誘ってるんか!」

土御門「来て良かったんだぜい!!舞夏悪い!」

上条「上条さん家の100グラム98円の肉と全然違うの事ですよ!」

削板「がぶっがぶっがぶっがぶっ!がぶっがぶっがぶっがぶ!」

ハイエナのようにサーロイン、リブロース、特上カルビ、骨付きカルビにくらいつく者達。
男達の頬を伝う涙は煙に目が染みた訳ではないはずだ。断じて。

白井「あら。美味しいですの」

結標「ほんと。これいいわね…秋沙、これなんて言うの?」

姫神「とも三角。わさびで食べるのが。通の証」

フレンダ「結局、スペアリブが最高って訳よ!」

禁書「羽子板十本食いなんだよ!ん~ほいひいはも~」

番外個体「なんかコリコリ固い…これ骨?」

滝壺「薬研なんこつ。噛めば噛むほど味が出る」

慎ましやかに量より質を選ぶ女性陣。カロリーが気になるのか鶏肉や合鴨を選ぶ者が多い。
中でもインデックスは次から次へと他テーブルへ飛び込んでは平らげて行く。


御坂「私の酒が飲めないってんのかゴルァァァァァァァ!!!」

麦野「ちょっ、誰よ御坂に酒飲ませたの!コイツだけはダメだって言ったでしょうがァァァー!」

オルソラ「シャトーブリアンを焼く時にかけたマルサラワインでこうなってしまったのでございましょうか…?」

佐天「(うわあ御坂さん酒乱だったんだあ…退散退散)」コソコソ

一方通行「ブホォッ!?おい第四位ィ!70度とか舐めてンですかァ!?」

雲川「ジョージ・T・スタッグス。バーボン72度。規格外なんだけど」

御坂妹「(やったのがバレたらノーバウンドでブッ飛ばされますね、とミサカは青林檎サワーを舐めながら素知らぬ顔をします)」チビチビ

打ち止め「(私にはバレバレだけどね!ってミサカはミサカは慌てふためくあの人が可愛く思えたり!)」

思い思いに杯を傾ける者達もいる。悪戯を仕掛けた佐天と御坂妹はそれぞれこっそりと頭を低くし――
一方通行は口から火を噴く思いで、麦野は御坂に絡まれホトホト手を焼いていた。

垣根「ビール腐るほどあるからボイラーメーカーにするか。ターキー取ってくれ。12年じゃなくて8年がいい。飾利はまだ中学生だからヴァージン・ブリーズな」

初春「あっ…このお花が可愛いのですね?皆さんはどうします?」

心理定規「未成年だからシャトリューズトニック(ノンアルコール)で」

ステイル「15歳だからサラトガクーラー(ノンアルコール)にしてもらおうか」

神裂「18歳なのでシャーリーテンプル(ノンアルコール)でお願いします」

絹旗「中学生なんで超ウーロン茶で」

心理掌握「………………」【水】

吹寄「高校生なので青汁でお願いします」

フィアンマ「ワインは嫌なヤツを思い出すから俺様は山ブドウジュースだ」

垣根「オレの常識が通用しねえ…!」

気がつけば年齢詐称組、未成年組に囲まれ呆然とする垣根。
飲める相手が見当たらず、彼はウロウロとよそのテーブルをさまよい歩く羽目になるのである…



~アイテム・復興支援委員会~

服部「美味いなあ…駒場のリーダーにも味合わせてやりたかった…」ジーン

浜面「言うな半蔵…せっかくの肉がしょっぱくなるじゃねえか」ジワッ

雲川「たかが焼肉でえらい男の下げようなんだけど」

浜面・半蔵「「負け犬上等ォォォ!その日暮らしの野良犬(スキルアウト)を舐めんじゃねェェェ!」」

豚ガツを炙りながらしみじみと肩を寄せ合う男二人を雲川は夜空に咲く大輪の花を見やりつつごちた。
矢も盾も止まらずかぶりつく様を見て、まあ十代の男なんてみんなこんなもんだと思いつつ…

フレンダ「それが日本の“キモノ”?結局、実物を拝むのは初めてな訳よ!」

雲川「え?ああ…これは着物じゃなくて浴衣なんだけど」

フレンダ「違いがわからない訳よ…リリウムの柄って事くらいしか」

絹旗「リリウムって超なんの事ですか?この花柄の名前ですか滝壺さん?」

滝壺「百合。この人の浴衣は鬼百合の柄だよ。いいな」

雲川「そんなに見られると穴が空くんだけど…」

金髪碧眼の少女が食いつき、今にも下着が見えそうで見えないけれど見えてしまうギリギリアウトの少女が見つめてくる。
ピンク色のジャージを羽織った少女が羨ましそうに顔を近づけて来てやや居心地が悪い。しかし――

削板「吻ッ!破ァ!」パキーン!

絹旗「超スゴいです!」

フレンダ「空手マンって訳よ!」

浜面「おービール瓶切りか。昔漫画の真似して手切ったわ」

並べられたギネスの黒ビールを手刀で叩き切った削板がゴクゴクと一気にラッパ飲みする。
雲川の方へ悪意なく一瞥も向けない。もしかして顔のパーツでしか人間を認識出来ていないのかとすら思う。

削板「プハー!んまいっ!が!冷え冷えじゃないな」

フレンダ「これだから日本人はわかってない訳よ!結局、黒ビールは常温なのが一番な訳よ!」

浜面「結局何人なんだよお前は…おいナンバーセブン!箸握れ!飲み比べで男を見せようじゃねえか!」

削板「ハシケンを知っているとは嬉しいぜ…!いい根性だ!勝負!3!」

絹旗「浜面!アイテムの名に懸けて超負けられませんよ!絶対勝って下さい!」

その上男同士の飲み比べ対決に突入してしまった。
それを見て雲川は怒りを通り越して呆れすら覚える。
まさか馬鹿だ馬鹿と思いながらここまで馬鹿だとは…

滝壺「…浴衣、見てもらえなかったの?」

雲川「別に。ただ暑かったしタンスの肥やしにするのも勿体無いかなって思っただけなんだけど」

滝壺「…ちょっと言ってくるっ」ダッシュ

雲川「いいって!本当にいいんだけど!」
抗議しに行く滝壺、追い掛ける雲川、そしてその側では

服部「駒場のリーダー…乾杯。いや、こういう時は献杯っつうのか」チンッ

二人分のグラスに黒ビールを注ぎ、悼む半蔵。
郭が連れて行けとうるさがっていたが、こうして『男二人』で飲みたい時もあるのだ。


~結標淡希&姫神秋沙+吹寄制理・一方通行&シスターズ+フィアンマ~

結標「………………」

一方通行「なに見てンだよ」

結標「別に」

打ち止め「お馬さんも食べられるんだね!ってミサカはミサカは生まれて初めて極上カルビを食べてみる!」

番外個体「へえ。この国にはこんなのがあるんだね。ミサカも初めてみたよ。これ何て言うの?」

姫神「これは厚帯。私は。焼くより刺身が好きだけど。初めてなら。焼いて食べるのがオススメ」

御坂妹「これはユッケなるものにも出来るのですか?とミサカはグルメ番組で見たあの丼が忘れられません」

フィアンマ「白米を炊き出せ」

吹寄「(同じ顔がたくさん…姉妹??)」

結標組は一方通行組と共にいた。初めての焼肉大会に瞳を輝かせるシスターズに、姫神や吹寄が食べ方を教える。
皆、馬肉を口にする事も初体験なのか恐る恐る箸を伸ばしながらも舌鼓を打っている。
それを保護者のように見やるのは一方通行と結標である。

結標「…なんだか不思議で、複雑な気分ね…」

一方通行「…言うな。俺が言えた義理でもねェが」

二人の初遭遇、その因縁、その遺恨、その彼等が焼肉を楽しんでいる風景。
口数が自然と少なくなる。それぞれに抱えた物と背負った罪が重過ぎて。

一方通行「…なンだって好きこのンでレベル5なンぞになりやがった」

結標「なりたかった訳でもなろうともしなかったわ。ならざるを得なかったのよ」

一方通行「言ってる意味がわからねえンだよ。わかってンだろうが。俺達(レベル5)を見りゃあ…化け物の仲間入りだぞ」

結標「丸くなったわね一方通行。貴方が他人の心配?」

一方通行「アァ!?」

一方通行が不機嫌そうな顔つきと剣呑な眼差しを向けて来る。出会った時のように。
しかし結標もまたその視線を射抜き返す。挑むように。

結標「レベル5“くらい”にならなければ、私は私の大切なものを守れないって気づいたからよ」

飛行船で吶喊した。超音速旅客機を投げ飛ばした。
そこまでしてやっと守れた。それだって自分一人の力じゃない。
それでも欲したのだ。ただ一人を守る力を。それは一方通行が打ち止めを守るベクトルにやや重なる部分でもあった。

一方通行「…啖呵だきゃあ一人前になったって認めてやンよ。オラ、肉寄越せ肉」

結標「えらそうに!サラダもちゃんと食べなさいよね!」

一方通行「五月蝿ェ。焼きそばぶつけンぞ」

前より扱いにくくなったが、面構えは随分マシになったなと一方通行は中落ちカルビを貪り食いながら思った。



~必要悪の教会・超電磁組・+α~

土御門「どんどん焼くんだにゃー!」

ステイル「何故僕がこんな事をしなくちゃいけないんだ!」

白井「わたくし、レアがよろしいですの」

佐天「わー…スゴい。大きいお兄さんは発火系能力者なんですか?」

ステイル「違う!」

一方、ステイル=マグヌスはステーキハウスのマスターよろしく焼き係をやらされていた。
その上、こんがりウェルダンがお好みな土御門元春、レアが好きな白井黒子とそれぞれ火加減を調整しながらだ。
当初は猛反対し猛反発したステイルではあったが――

禁書「すている!焼き加減はブルーにしてほしいんだよ!」

ステイル「わかったよ…」

インデックスの真の恐ろしさは自分しかり、アウレオルス=イザードしかり、上条当麻しかり…
相手に命を懸けたって惜しくはないと思わせるに足るこの『人たらしの笑顔』に他ならないのではないかとさえ思える。
10万3000冊の魔導書にだってここまで強力な魔術はないであろうと。

御坂「それでね!それでね!私勇気出して言ってやったのよ!なのにアイツったらね、アイツったら…うわあああぁぁぁん!」

オルソラ「それが貴女様のストラップに秘められたエピソードなのでございますね…なんと胸打ち心暖まるお話なのでございましょう」

神裂「(怨みますよ上条当麻…そしてオルソラ、その話は三度ほど前の上五回も聞かされていますよ…)」

久保田の万寿を片手にくだをまく女子中学生というシュールすぎる光景にオルソラ=アクィナスはまるで懺悔でも聞くように何度も頷き、神裂火織はイチボを箸でひっくり返しながら意気消沈していた。

佐天「白井さん…良いんですか?ジャッジメントですよね?」

白井「何度も止めようといたしましたの…」

ひそひそと耳打ちする佐天涙子に、白井黒子は上品にTボーンステーキを切り分け口に運びながら溜め息をついた。
この様子では連れて帰るのは難しそうだと頭を悩ませながら。

佐天「初春もいないしぃ…最近初春垣根さんとばーっかりで付き合い悪いですよぉー」

白井「あれは初春に第二位の殿方がべったりですの。佐天さんこそそう言ったお話はございませんの?」

佐天「ええっ!?白井さんからそんな話振ってくるなんて…珍しー」

白井「こんな時くらいよろしいのではなくて?」

そして佐天もじわりじわりと同年代の友人がステップを駆け上がって行くのにどこかうら寂しいのだろう。
そんな女子二人の会話が弾む中――

土御門「で…どうなんだ?オルソラの進捗状況は」

ステイル「まだ四割と言った所らしい。それからアウレオルス=イザードの私的な日誌が出て来たらしいよ」

土御門「それが仕事となにか関係があるのか?」

ステイル「…それこそ私的な部類の問題さ。シェリー=クロムウェルが言う通り、彼女は優しすぎる。それは甘さでもあり、また弱さだと僕も思うがね」

土御門「わかった…ところでステイル」

ステイル「なんだい?」

そこで土御門がサングラスをクイッと人差し指で押し上げて直す。
オルソラ曰わく今夏のGAULTIERに切り換えたゴツいデザインのそれを

土御門「なんで小萌先生を呼ばなかったのかにゃー?きっと寂しがって女同士で飲み歩いてるに違いないにゃー!」

ステイル「…それこそ私的な話だろう!君には関係ない!そしてあの人も僕とは関係ないだろう!」

土御門「ちっちっち…このつっちー、かけてるのは色眼鏡だが真実を見抜く眼に曇りはないんだぜい!特に!この間はオリアナとも」

ステイル「…残念ながら度があっていないようだね。焼き直してあげよう。今夜の火力はちょっとスゴいぞ…?」

土御門「まっ、待てステ…に゛ゃー!」

まさにウェルダンになるまで焼かれて土御門はダウンした。
眼力云々以前に口が災いの元となったのは誠に皮肉な話である。そして――

心理掌握「――――――」

青髪「そっかーみんな疎開して一人ぼっちなんかあ…そら寂しいなあ」

心理掌握「………………」

青髪「え?寂しくなんてないて?アイツらは派閥の人間であって友達やないって?あかんあかんそんなん言うたら!」

その頃、第六位(ロストナンバー)青髪ピアスと第五位(メンタルアウト)はグリルパーティーから少し離れて空中庭園を散策しながら話し込んでいた。

心理掌握「‥‥‥‥‥‥」

青髪「わかってるんやろ?心の通わん人間ばっか周りに集めたかて、そんなん小さい子が一人で寝るの寂しいからお人形さんいっぱい並べるんとおんなじや。全然楽しないよ?」

心理掌握「・・・・・・」

青髪「うん。わかるよ。僕かてカミやんや土御門に会うまでそうやった。コイツらなんも見えてへんアホやって。ほんで僕も――今も、言えてへん事いっぱいあるし」

草木と水の香りを運んでくる真夏特有の夜風が青髪と心理掌握の前髪を揺らす。
それぞれの事情があって表向き素顔を出せない者同士の、奇妙な交流。

青髪「どないや。僕ら、友達になれへん?」

心理掌握「!?」

青髪「変な下心ないよ。何なら心読んでみ?君やったらわかるやろ」

心理掌握「‐‐‐‐‐‐」コクッ

青髪「よっしゃ!ちょうどお祭りやってるし!夜店の回り方から教えたるわ!」

そして青髪は心理掌握の手を引っ張り駆け出して行った。
お腹が空いたら食べにここに戻ればいい。それまで遊び倒そうと。


まるで、幼い少年少女のように

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