絹旗「私が馬鹿っぽい……?」3


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絹旗「はぁ、はぁ……はぁ……」

滝壺「覚悟を決めてきぬはた、勝つのは私だよ」

絹旗(どう贔屓目に見ても現状はこちらの超不利、それは認めます。ですが……)

絹旗「私はまだ諦めません! 超どうしても負けられない理由があるんです!」

浜面「絹旗、お前なんでそこまで頑張れるんだ……?」

絹旗「そんなことも分からないから浜面は超馬鹿なんです」

浜面「分かる訳ねえだろ! そんなボロボロになってまで戦い続ける理由は一体何だってんだよ!?」

絹旗「それはあなたを……」

浜面「……」

絹旗「浜面を私以外のものにしたくないからです!」




――――数時間前――――



麦野「ここのところ暇ねー」

フレンダ「結局、私達が出張るまでもない事件しか起こってないって訳ね」

麦野「そろそろ退屈凌ぎに仕事の一つでもこなしたいのに」

フレンダ「その内寝る間もないような時期がくるって。うちらの仕事って忙しさに波があるし」

麦野「それもそれで嫌なんだけどね。あーあ、そういう時期と今の忙しさを平均化できたらいいのにな」

フレンダ「ごく身近にいつでも大忙しな連中もいるけどさ、よく保つと思うよ」

麦野「あの二人はね……。馬鹿と子供の体力は無尽蔵なのかしら」



絹旗「超待ってください浜面ぁー!」

浜面「そう易々と捕まってたまるかぁああああ!」



麦野「はあ……。本当に楽しそうだこと」

フレンダ「そうだ麦野ー! いいこと思いついた!」

麦野「フレンダの言ういいことって大概ろくでもないのよね」

フレンダ「ひっ、ひどいよ麦野!」

麦野「ああもう面倒くさいからいじけるな。分かったわよ、聞かせてみなさい。
    ただしくだらない内容だったらぶち殺してあげる」

フレンダ「やったー! 麦野大好き!」

麦野「ひっつくなっつの!」

フレンダ「ぐはっ! き、きいたぜぇ、麦野の拳骨……」

フレンダ「あ、それで私が思いついたことが何かなんだけどね」

麦野(相変わらず立ち直り早いわね)

フレンダ「ここにいる皆でにらめっこっぽいことしようよ!」

麦野「おーけーサバ缶ちゃん。死に方は選ばせてあげる」

フレンダ「まま待って麦野、言い方が悪かった! 詳しく説明するから私に釈明の余地を!」

麦野「いいわ、遺言代わりに聞いてあげましょう」



――――フレンダ釈明中――――



麦野「なるほどね。確かにちょっと面白そうかも」

フレンダ「でしょでしょ! 理解を得られて安心したよ」

麦野「さっそく皆に提案してみようか」

絹旗「超捕まえました!」

浜面「ちくしょう! ……つーかそもそも室内で鬼ごっこってのが無謀過ぎんだよ!」

絹旗「超仕方ないじゃないですか。外でこんな遊びするのは超恥ずかしいですし」

浜面「そんなら別に無理して鬼ごっこなんかしなくてもいいだろ」

絹旗「どうしても前から一度やってみたかったんです!」

浜面「ん、もしかしてお前鬼ごっこすんの始めてだったのか?」

絹旗「ええ。子供の頃は色々あって超忙しかったので」

浜面(こいつも訳ありなんだな……)

浜面「まあさっきはああ言ったけどさ、俺も童心に帰れて楽しかったよ」

絹旗「ほ、本当ですか!?」

フレンダ「お熱いところ悪いんだけどお二人さん、麦野がお呼びだからそこまで」

絹旗「フレンダの目は超ハリボテなんですか? 私と超馬鹿浜面のどこがお熱いと……」

絹旗(あああっ、しまった! 捕まえた時から浜面の手を超握りっぱなしでした!)

フレンダ「手なんか繋いで見せつけてくれるね。ひゅーひゅー!」

絹旗「こっ、これはその、違うんです!」

浜面「実はさっきから鬼ごっこしててな、ちょうど俺が捕まったところだったんだ」

フレンダ「あー、なんだ。結局そんなつまらない理由かぁー」

絹旗「……」

浜面「ん。むくれ顔なんかしてどうした絹旗?」

絹旗「別になんでもありません!」

絹旗(ちょっとぐらい焦ってくれてもいいじゃないですか。浜面の超鈍感!)

フレンダ「ま、とにかく麦野んとこ行くよ」

麦野「あいつら遅いわねぇ。予想通りと言えば予想通りだけど」

滝壺「ねえむぎの、これから皆にするのは仕事の話?」

麦野「いいえ、ちょっとした遊びの話よ。ただし全員強制参加。それ以外のことは皆が揃ってから」

滝壺「アイテムの皆で遊ぶなんて珍しいね」

麦野「連帯感の無い面々ばかりだからね。ああそうそう、あなたとは話しておきたいことがあるんだった」

滝壺「……?」

麦野「絹旗は言わずもがなだけど、どうも最近あなたも浜面を気にかけてるように見えるのよ。実際どうなの?」

滝壺「うん、気にかけてるよ。私はまづらのこと好きだから」

麦野「そのあなたの言う好きってのは恋愛感情なの?」

滝壺「……よく分からない」

麦野「ふーん、そう。にしてもあんな奴のどこがいいんだか」

滝壺「はまづらはいい人だよ?」

麦野「そりゃ悪い奴ではないわ。少なくとも部下としてはね。だけど男としては論外よ、論外」


フレンダ「ごめん麦野、遅くなったけど二人とも連れてきたよー!」

麦野「おかげですませたかった話ができたし、結果的にはそれでよかったわ」

絹旗「麦野、私達に話って何ですか?」

麦野「先々週の仕事の際、ある能力者に苦労したことは覚えてる?」

滝壺「共感能力者、つまり自分の得ている感覚を強制的に他者に共感させる能力の持ち主、だったよね」

麦野「その通り。もっともあいつは、どうやらくすぐったさしか移せないようだったけどね」

浜面「あー、そういや皆して笑い転げてたっけか……」

麦野「そう。くすぐったがらせるしか脳の無い相手に、私達は思わぬ苦戦を強いられた」

フレンダ「だから私と麦野は考えたの。アイテムの面々は精神面にまだ弱さがあるのではないか、ってね」

絹旗「まあくすぐりに超屈しかけた手前、強くは否定できませんね」

麦野「そ・こ・で! 同じ轍を踏まない為にも、これからあるゲームを通して笑いに対する耐性をつけましょう!」

滝壺「ゲーム?」

麦野「正規メンバーは勿論、浜面も強制参加だからね」

浜面「そりゃまあ構わないけどよ。一体何をするってんだ?」

麦野「とってもシンプルなゲームよ」




麦野「それじゃあゲームのルールを説明するわね。といっても決まりごとは殆どないわ。
    声を出して三度笑った人から順に脱落し、最後に残った一人が勝者、というだけの簡単なものよ」

フレンダ「ちなみにさっきの理由づけは建前で、ゲームをする本当の目的はただの暇潰」

麦野「フ・レ・ン・ダ?」

フレンダ「何でも無いです麦野!」

麦野「よろしい」

浜面(相変わらずこえぇ……!)

麦野「そうそう。緊張感を出す為に、一位はビリを一週間こき使えることにするわ。
    ではゲームスタート!」

浜面(このゲームに俺が勝てば、こいつらの内一人をこき使えるんだよな……?)

浜面(やべえ超魅力的だ……。これはなんとしても勝ち星をあげて下剋上を起こさなくちゃな!)

絹旗「浜面、何を超にやけてるんですか?」

浜面「いやいや何でもないぜ何でも! あっははははは!」

麦野「はい、早速1アウト」

浜面「しまったああああ!」



残り回数3…麦野、絹旗、滝壺、フレンダ
残り回数2…浜面(-1)



浜面「もう絶対笑わねえぞ! 絶対にだ!」

絹旗「……」

滝壺「……」

麦野「……」

フレンダ「……」

浜面「今回は本気で勝ってみせるからな!」

絹旗「……」

滝壺「……」

麦野「……」

フレンダ「……」

浜面「お、おーい。なんで無視するんだよ……」

絹旗「……」

滝壺「……」

麦野「……」

フレンダ「……」

浜面「そういうゲームじゃないだろ……?」






麦野「ぶふうっ!」

浜面「え?」

滝壺「むぎのは無言の圧力に負けたの」



残り回数3…絹旗、滝壺、フレンダ
残り回数2…浜面、麦野(-1)



麦野「ああもう浜面のせいで笑っちゃったじゃない。どうしてくれるの」

浜面「そんなこと言われてもな」

麦野「こうなったら強硬手段に出るわよ!」

浜面「おまっ、ちょい待て……くすぐりは反則……、ははっ」

フレンダ「結局、勝利宣言空しく浜面が真っ先に2アウトね」

浜面「ちくしょうっ、卑怯だぞ!」

麦野「勝てば官軍ってね」



残り回数3…絹旗、滝壺、フレンダ
残り回数2…麦野
残り回数1…浜面(-1)



浜面「こうなったら俺もやり返すぞ!」

麦野「……」

浜面「やり返……」

麦野「……」

浜面「やり……」

麦野「……」

浜面「すんませんした……」

フレンダ「浜面弱っ!」

絹旗「ぷっ!」

浜面「絹旗アウト!」



残り回数3…滝壺、フレンダ
残り回数2…麦野、絹旗(-1)
残り回数1…浜面



絹旗「あああああっ、浜面超むかつきます浜面!」

浜面「知るかっ!」

絹旗「どうして私には超平気で逆らえるのに麦野には弱いのですか!」

浜面「しかたねぇだろ!」

絹旗「うぅぅ、超納得いきません! 結局胸ですか? 胸なんですか!?」

浜面「どうしてそうなるんだっつーの!」

滝壺「二人とも、喧嘩は止めて!」

四人「……」

四人「ぶはっ!」




絹旗(滝壺さん、あなたがそういう真面目な台詞を吐きながら変顔するのは超反則すぎます……)



残り回数3…滝壺
残り回数2…フレンダ(-1)
残り回数1…麦野(-1)、絹旗(-1)
脱落者…浜面(-1)



麦野「まさかこの子が顔芸に走るとは……」

フレンダ「うーん、これは意外な伏兵だった。皆思わず不意を突かれたって訳ね」

滝壺「作戦勝ち」

浜面「本当、滝壺にあんなスキルがあったとはな」

麦野「それにしても浜面。随分落ち着いているけど、もう覚悟は済んだってこと?」

浜面「へっ? ああ、そういや今ので残り回数が減ったから……。
    うぉおおおおおっ! ビリになっちまったぁあああああ!」

絹旗「超いい気味ですね」

フレンダ「結局浜面は皆の期待を裏切らない訳ね」



残り回数3…滝壺
残り回数2…フレンダ
残り回数1…麦野、絹旗
脱落者…浜面



麦野「それじゃあビリの浜面クンは一週間優勝者の奴隷になること!」

浜面「奴隷ってなんだよ奴隷って! 罰ゲーム悪化してねえか!?」

麦野「浜面をこき使えるのはいつものことだもの。これぐらいにしないとあまり意味が無いじゃない」

浜面「それにしてもなんか方向性が間違ってるっつーかよ……」


絹旗(浜面を奴隷に……。そんなことができたら、荷物持ちの名目でデート超し放題じゃないですか!)

絹旗(そ、それだけじゃなくって! 食べものアーンしてもらったりとか、もっと超恋人っぽいことも……)

絹旗(これはなんとしても負けられませんね)


滝壺(ただでさえ大変な浜面がこれ以上ひどい目にあったら可哀想)

滝壺(私が勝って浜面に楽させてあげたいな)


フレンダ(二人とも目付きが変わったね。くふふっ、期待通り! 結局こんな展開を期待してたのよ!)

フレンダ(ま、私自身は浜面のことなんてどーうでもいいけどさっ。簡単に負けるつもりはないよ)



残り回数3…滝壺
残り回数2…フレンダ
残り回数1…麦野、絹旗
脱落者…浜面



フレンダ「よっし、私もここらで一つ勝負に出ますか!
      浜面ー、そこに転がってる変装用のカツラとってくれる?」

浜面「ああ。ほらよ」

フレンダ「サンキュ!」

浜面「でもそんな無難な髪型のヅラ、一体何に使うんだ?」

フレンダ「ふっふふー、今に分かるって」

絹旗(私が笑えるのは後一回、超警戒する必要がありますね)

麦野(正規メンバー中ビリという無様な結果は避けたいところだけど……)



残り回数3…滝壺
残り回数2…フレンダ
残り回数1…麦野、絹旗
脱落者…浜面



フレンダ「まずは帽子をとって、それからこのカツラをかぶります!
      そして、ここに取り出します特製ヘアバンド。これをカツラの上から付けてっと」

浜面(ああ、オチが読めたぞ)

フレンダ「ヘアバンドに内蔵した小型爆弾を爆破っ! どっかんアフロ頭になっちゃった!
      ぷ、くくくっ。いかんいかん自分で笑っちゃったよー」

麦野「……」

絹旗「……」

滝壺「……」

浜面「……」

フレンダ「あ、あれ? もしかして滑った?」

麦野「ねえフレンダ、大変言いにくいことなんだけど」

フレンダ「何さー」

麦野「ヅラが燃えてる」

フレンダ「えっ」



残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…麦野、絹旗、フレンダ(-1)
脱落者…浜面



フレンダ「あちゃちゃちゃちゃ! 熱い熱いやばいめっちゃ熱っ!」

滝壺「早く取った方が」

フレンダ「そそそそうだった、カツラを取ればいいんだ! よいしょっと」

麦野「ぶうううっ!」

フレンダ「麦のんアウトー!」

麦野「いやいやこれは耐えられないわよ……」

フレンダ「どういうこと? そもそもどうしてヅラとった瞬間にうけたのさ」

麦野「もしかして気が付いてないの? あなた地毛までアフロになってるわよ」

フレンダ「嘘ぉおおお!? あああ本当だっ、自慢のブロンドヘアーがぁ!」

浜面「くくくくくっ、文字通り自爆ってやんの!」

絹旗「火薬の量が超多すぎたんでしょうね。爆弾のエキスパート超失格です」

フレンダ「そんなぁ……」



残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…絹旗、フレンダ
脱落者…浜面、麦野(-1)



フレンダ「うわぁあーどうしよう! この髪ギャグ補正ってことでなんとか元に戻らないかなあ!?」

麦野「戻るわけないでしょ」

フレンダ「結局貴重な金髪美少女をこんなことで失うのは惜しすぎると思う訳よ!
      どうにかして私の美しい髪を復活させるべきだと思わない? 思うよね!?」

浜面「思わねえ。つか自分で美少女言うなよ」

滝壺「落ち込まないでふれんだ」

フレンダ「滝壺……」

滝壺「私はそんな金髪アフロのふれんだのことを応援してる」

フレンダ「とか言いながら、ガッシリ私の両脇をホールドしているのはどういうことでしょうか!?」

滝壺「きぬはた」

絹旗「超了解です」

フレンダ「ちょっ、止めっ」

絹旗「超くすぐりますがよろしいですねフレンダよろしい超くすぐります」

フレンダ「浜面と同じやられ方するのは嫌だぁあああああ……、あははははっ!」



残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…絹旗
脱落者…浜面、麦野、フレンダ(-1)



フレンダ「あーあ、途中まで結構いい線いってた筈だったのになー!」

麦野「一度に崩れたわね。そういえばフレンダ、いつの間にか髪が元に戻ってない?」

フレンダ「はっはっは、結局水で濡らしたらこうなった訳よ! いやーよかったよかった」

麦野「ふーん。ま、何はともあれ、一番面白い展開になってくれたわね」

浜面「なんか知らんがあの二人燃えてるよな。絹旗はともかく滝壺まで負けず嫌いだったとは」

フレンダ「いや、原因はアンタが賞品なことにあると思うんだけど」

浜面「なっ!? ま、まさかあいつら、俺のことをそんなに……」

麦野「ようやく気付いたの? そうよ、あの二人はあんたのことが」

浜面「そんなに奴隷にしたいってのかよぉおおおお!!」

麦野「好き……って、あら?」

フレンダ(結局浜面は浜面かあ。あの二人もかわいそうに)




絹旗「とうとう二人だけになってしまいましたね」

滝壺「容赦はしないよ」

絹旗「超望むところです。超なんとかして笑いを堪え切ってみせます!」




残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…絹旗
脱落者…浜面、麦野、フレンダ



滝壺「きぬはたに勝ち目は無いよ」

絹旗「残り回数の差なんて今からでも超ひっくり返せます!」

滝壺「分かってないね」

絹旗「……私が何を分かっていないというのですか」

滝壺「きぬはたと私の間にある一番大きな壁。それは笑える残り回数なんかじゃない」

絹旗(っ!? 何かきますっ!)

滝壺「圧倒的な攻撃力の差」

絹旗(これは、さっき四人同時笑いを超達成した変顔!?)

浜面&麦野&フレンダ「ぶううっ!」

絹旗(くっ! 笑いたい、笑いたい、でも……)

浜面「絹旗のやつ、あれに耐えやがった!?」

絹旗「ふふん、この絹旗サマに同じ手は二度通用しませんよ!」



残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…絹旗
脱落者…浜面、麦野、フレンダ



滝壺「そう。唇を強くかみしめて笑いを押し込めたんだね」

絹旗「卑怯とは言わせません。これは超本気の戦いなんですから」

滝壺「そんなこと言わないよ」

絹旗「そして滝壺さん、あなたの間違った発言を超訂正しておきます」

滝壺「……」

滝壺「私とあなたの間に火力の差など、ありませんっ!」



麦野「ここでくすぐりに出るかあ」

フレンダ「能力の関係上、結局滝壺は絹旗のくすぐり攻撃を振りほどけない。
      確かにあの二人の間に火力差なんて……いや、ひょっとすると、絹旗の方が火力は高いのかも」

浜面「これは絹旗が逆転勝ちするかもしれないな」

麦野(果たしてそうかしら)




残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…絹旗
脱落者…浜面、麦野、フレンダ



絹旗「超脇こちょこちょ攻撃です!」

滝壺「……」

絹旗「これに超耐えますか。ならば誰もが超苦手な足の裏を責めます!」

滝壺「……」

絹旗「こちょこちょー」

滝壺「……」

絹旗(そんなっ! くすぐりが効いている気配がない!?)



麦野「やっぱりね」

フレンダ「どういうこと?」

麦野「先々週、くすぐったさを移す能力者と戦った時のことを思い出しなさい」

フレンダ「あの戦いを? ああそっか! そういえばあのピンチは、滝壺のおかげで切り抜けられたんだっけ!」

麦野「そうよ。滝壺が活躍してくれたの。私達の内、唯一くすぐりの効かなかった彼女がね」

浜面「滝壺にくすぐりが通用しないとなると、途端に絹旗は不利になるな」

麦野「あの子は今のところ、くすぐり以外の攻撃手段を見せていないものね」



残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…絹旗
脱落者…浜面、麦野、フレンダ



滝壺「私ときぬはたの間の火力の差、これで分かった? 」

絹旗「だけどあなたの変顔だって、もう私には超通用しませんよ」

滝壺「勘違いしないで。私の顔芸はあの一種類だけじゃない」

絹旗「なっ!?」

滝壺「例えばこんな顔も」

絹旗「っ!!」

絹旗(超やばいです更に面白いです! でも、ここで笑ったら……)

浜面「だーはっはっはっは! 面白すぎるだろ滝壺!」

絹旗(浜面が滝壺さんの奴隷に……。そんなの、超許せません!)

絹旗「ぐううううっ! 私は負けませんっ!」

滝壺(本当に耐えきった。きぬはたも本気なんだね)



残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…絹旗
脱落者…浜面、麦野、フレンダ



絹旗「どうです滝壺さん、やはりあなたの変顔攻撃は私には通用しないでしょう?」

滝壺「パターン3」

絹旗「なっ!?」

絹旗(超アクロバティックな顔芸です……、超笑いたい……。でも、でも! 恋する私は超強いんです!)

滝壺「パターン4」

絹旗「くうっ!」

滝壺「パターン5」

絹旗(ど、どれだけ顔芸豊富なんですか!? しかもどれも超面白いという! 何者なんですかこの人!
    流石に笑いをこらえるのが超きつくなってきました……)



残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…絹旗
脱落者…浜面、麦野、フレンダ



滝壺「パターン6」

絹旗(もういっそ笑ってしまえば、超楽になれるのでは……)

浜面「ぎゃーはっは! いーっひっひっひ!」

絹旗(……嫌です。浜面の気持ちが誰かに向かうのは、やっぱり嫌!)

絹旗「ううううううっ!」

滝壺(まさかここまで耐えるなんて)

絹旗「はぁ、はぁ……」

滝壺(だけどもう限界は近い。パターン7で決めるよ)

浜面(つーかよく見ると絹旗、凄い無茶してるみたいだな。本当に何があいつをそこまで突き動かすんだ?)



残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…絹旗
脱落者…浜面、麦野、フレンダ



絹旗「はぁ、はぁ……はぁ……」

滝壺「覚悟を決めてきぬはた、勝つのは私だよ」

絹旗(どう贔屓目に見ても現状はこちらの超不利、それは認めます。ですが……)

絹旗「私はまだ諦めません! 超どうしても負けられない理由があるんです!」

浜面「絹旗、お前なんでそこまで頑張れるんだ……?」

絹旗「そんなことも分からないから浜面は超馬鹿なんです」

浜面「分かる訳ねえだろ! ボロボロになってまで戦い続ける理由は一体何だってんだよ!?」

絹旗「それはあなたを……」

浜面「……」

絹旗「浜面を私以外のものにしたくないからです!」

絹旗(ふふ、もう半分告白みたいなものですかね。超恥ずかしいですが、今は戦いに集中しなくては)

浜面(こいつ、そんなに……。そんなに俺のことを自分の奴隷にしたいってのか!?)

滝壺「私だってはまづらは譲れないよ」

浜面(ああっ、滝壺まで! ちくしょう、どうしてこうなった……)



残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…絹旗
脱落者…浜面、麦野、フレンダ



滝壺「いくよ、きぬはた」

絹旗「……」

滝壺「パターン7」

絹旗「!!!」

絹旗(今までの顔とは圧倒的に違います! まさに超洗練された顔芸! もうこれ以上笑いが堪えられそうにありません!)

絹旗(……堪える? 堪えて堪えて堪え続けて、一体何になるというのでしょう)

絹旗(こんな弱気じゃ駄目です。ただ負けないことを目指すのでは無く、勝つことを超考えなくては!)

絹旗(私に特別面白いことはできません。でも、浜面を手に入れる為に、少しでも足掻いてみせたい!)

滝壺(ここに来てきぬはたの目が変わった。だけど負けない。私の顔芸はまだ終わらない)

滝壺「パターンは」

絹旗「ふっ、布団が吹っ飛んだー!」



残り回数3…滝壺
残り回数2…
残り回数1…絹旗
脱落者…浜面、麦野、フレンダ



滝壺「……」

絹旗「……」

滝壺「……ふふっ」

滝壺(きぬはたは、本当にはまづらのことが好きなんだね)

絹旗「わ、笑った? 滝壺さんが笑った!? やりました、やりましたよ浜面!」

浜面「お、おい絹旗! 滝壺が笑える回数はまだ後二回残って」

滝壺「パターン8」

絹旗「ぶふうっ! ……あっ。これはその、気が緩んで、えっと……」

フレンダ「勝者滝壺ー!」

滝壺「ぶい」

絹旗「あ。あああ……」



優勝者…滝壺




絹旗「超負けました……」

麦野「絹旗も頑張ったじゃない。思った以上に手に汗握る戦いだったわよ」

絹旗「ううううっ、悔しいです! 超悔しいです!」

浜面「って、おい絹旗、どこ行くんだ?」

絹旗「一人反省会です」

絹旗(ここにいると超泣きたくなってしまいそうですから……)

フレンダ「おめでとう滝壺。結局浜面は滝壺の奴隷に決定ー!」

滝壺「そのことなんだけど―――」

絹旗(あーあ、超見事に負けてしまいました)

絹旗(一週間の間とはいえ、浜面は滝壺さんのものになってしまうんですね)

絹旗(滝壺さんは超可愛いですし、私より大人な体つきです)

絹旗(もしかしたら一週間以内に浜面が滝壺さんのことを好きになってしまって、ずっと滝壺さんのものになってしまったり……)

浜面「なーに不貞腐れてるんだよ」

絹旗「浜面!? どうしてここに?」

浜面「あー、滝壺に首にされた。私は奴隷なんて要らないから絹旗のとこ行ってこい、だとよ」

絹旗「滝壺さんがそんなことを……?」

浜面「てな訳で俺は一週間お前の奴隷だそうで」

絹旗「浜面ぁー!」

浜面「うおっ!? ったく、仕方のない奴だな……」

絹旗「う、うくっ、うううぅ」

浜面「……そんなに悔しかったのか?」

絹旗「別に……そんなんじゃ……」

浜面「嘘つくなよ。前に言っただろ、俺の前では強がることないって」

絹旗(やっぱり浜面の腕の中は、私だけの場所です……)

絹旗(ごめんなさい、滝壺さん。本当にありがとう……)

絹旗「もうちょっとこうしていてもいいですか?」

浜面「別にいいけどよ。よくよく考えると俺なんかに抱きついて男臭くねえのか?」

絹旗「ふふ。浜面の臭いなら超我慢できますよ」

浜面「臭いのは否定しないのな……」

絹旗「こんな臭いを許容できるのは私ぐらいのものです。超ありがたく思ってください」

浜面「こんな口汚いのを許容できるのも俺だけだっつの!」

絹旗「口汚いとは何ですか口汚いとは!」

浜面「あはは、悪い悪い!」

絹旗「全くもうっ」

浜面「……」

絹旗「……」

浜面「俺に妹がいたらこんな感じだったのかなあ……」

絹旗「……はい?」

絹旗「浜面、今なんと?」

浜面「だからほら、俺に妹がいたらお前みたいなのだったのかなって」

絹旗「妹、ですか……」

浜面「まあ頼りないかもしれないけどさ。お前さえよければ、俺のこと本当の兄貴みたいに」

絹旗「こぉおおおの超鈍チンっ!」

浜面「うおっ、急に耳元で大声出すなっつの!」

絹旗「もう浜面なんて超首です! こんな使えない奴隷いりません!」

浜面「は? なんだよ急に? お前俺のことをこき使いたくてあんなに頑張ってた筈だろ?」

絹旗「ほほう。超馬鹿浜面の目には、さっきまでの私はそのように映っていたのですね」

浜面「ちょい待て、空気が渦巻くような音が聞こえるのは気のせいか? 気のせいだよな? 気のせいであってくれ!」

絹旗「窒素パーンチ!」

浜面「理不尽だぁあああああ!!」



麦野「ねえ。本当にあれでよかったの?」

滝壺「私はきぬはたのことも好きだから」

フレンダ「結局、人のことを一番に考えてちゃなかなか幸せにはなれない訳よ」

滝壺「そうなのかな」

フレンダ「そうなの。悲しいかな世の中そういうもんなの」

麦野「何が一番大切か、自分の中ではっきりさせておくことね。その時になって悔んでも遅いわよ」

滝壺「……」
ツールボックス

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