【第八話・迷走! コットンの冒険!!】


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 このお話は、私たちが地下で戦っていたとき、別の場所で起きていた出来事です。


 このお話の主人公の名前は「コットン」。


 コットンはクリーム色でフサフサです。


 でも、じまんの前がみと長いしっぽ、それからたてがみは、青と赤が混ざったふしぎな色です。


 コットンは猫より大きいです。でも犬より小さいです。


 コットンはモグラに似ています。でもモグラじゃありません。


 泣き声は「キュー」とか「ミュー」とか。


 コットンは学園都市の、「生命科学研究所」に住んでいます。


 どうして研究所に住んでいるんでしょう?


 それは、コットンがふしぎな生き物だからです。


 【第八話・迷走! コットンの冒険!!】




 ある日、ビリビリの女の子と、デスノの女の子がやってきました。


 二人は、黒くて毛むくじゃらの人を連れてきました。


 黒くて毛むくじゃらの人は、オリに入れられました。


 コットンは怖かったので、オリには近づきませんでしたし、近づけませんでした。


 なぜなら、コットンもオリに入れられているからです。


 でも数日後、黒くて毛むくじゃらの人は暴れてオリをこわしてしまいました。


 そのとき、コットンのオリもいっしょにこわれました。


 研究所のあやしい学者さんたちは大慌てでしたが、コットンは知らんぷりをしてにげました。


 コットンは、ひさしぶりに外に出てうれしくなりました。


 気分良く道を歩いていると上から「お腹がすいたんだよー!」という大きな声が聞こえました。


 コットンは人間の言葉がわかるので、「ごはんがもらえるのかな?」と思って上を見上げました。


 大きな声は、目の前の白い建物から聞こえてきます。


 「とーま! お腹がすいて死んじゃいそうなんだよー!」


 「今月は金がないからモヤシしか食べられないって言ってるだろ!」


 何だか悲しい話をしています。


 コットンはモヤシを見たことがありますが、ごちそうでないことは分かりました。


 「不幸だー!!」と、大きな大きな声が聞こえました。

 すると、白い建物から何かが降りてきました。


 猫でした。


 猫は「にゃー」と鳴きました。


 コットンは動物の言葉が分かるので、今のは「はじめまして」だと分かりました。


 猫は「スフィンクス」と名のりました。


 「ここに居てもごはんが食べられにゃいから、どこか他の場所に行こうと思うにゃ」


 スフィンクスがそう言うので、コットンはいっしょに行くことにしました。


 コットンとスフィンクスは、暗くてせまい道に来ました。


 そこに、白くて細い男の人が居ました。


 「あァ? 何ですかァこの妙な生き物はァ?」


 白くて細いので、コットンは「モヤシみたいだなぁ」と思いました。


 スフィンクスが「にゃにか食べ物をくださいにゃ~」と鳴きました。


 「あン? 何だよ、エサでもたかってンのかァ?」


 モヤシみたいな人は、手に持っていた缶を半分にわって、コットンとスフィンクスの前に置きました。


 中に入っていた黒い水を、コットンとスフィンクスは恐る恐るなめました。


 苦いです。


 コットンは、「こんな物を飲んでるから白くて細いんだなぁ」と、一人でなっとくしました。


 コットンとスフィンクスが歩いていると、きれいな場所に出ました。


 女の子がたくさんいて、甘いニオイがそこらじゅうからしています。


 「まあ。何かしらこの生き物は」


 黒くて長いかみのお姉さんが、コットンをひょいっと持ち上げました。


 「あら。プレートに名前が書いてありますわ。コットン……あなたはコットンちゃんですのね」


 お姉さんは少しこまった顔をしました。


 でも、すぐにニッコリ笑って、「すぐにお家を探してあげますわ」と言いました。


 コットンは「優しいお姉さんだな」と思いました。


 「でも、まずはお風呂に入りましょう。どこを歩いてきましたの? ドロドロですわよ」


 コットンとスフィンクスはお姉さんといっしょにお風呂に入りました。


 スフィンクスが「ウチのツンツン頭が聞いたらうらやましがるにゃ」と言いました。


 コットンは良く分からないので「そうかもね」と答えました。


 「お腹はすいてませんの? 今キャットフードとミルクを持ってきますわ」


 お風呂から出て、コットンとスフィンクスはベッドで寝ころんでいました。


 「本当に優しいお姉さんだにゃ」とスフィンクス。


 「そうだね」とコットン。


 でも突然。スフィンクスが毛を逆立ててうなりました。


 コットンのうしろに、大きな何かが現れました。


 「あなたたち。ここがエカテリーナと光子の部屋と知ってのろうぜきですの?」


 そこに居たのは大きなヘビでした。


 ヘビのエカテリーナが、コットンとスフィンクスをにらんでいます。


 スフィンクスがエカテリーナをひっかきました。


 エカテリーナは怒って、コットンとスフィンクスを追いかけてきました。


 「お待ちなさい! 丸のみにしてさしあげますわ!!」


 スフィンクスが窓からにげだして、コットンも後を追いました。


 にげだしたコットンとスフィンクスは、公園につきました。


 ベンチに、目つきの悪い、美人だけど残念な女の人が座っています。


 「おや。変わった生き物だな」


 残念美人さんは、手に甘そうなものを持っています。


 「これが欲しいのか?」


 残念美人さんは甘そうなものを差し出してきました。


 コットンとスフィンクスはそれを食べてみました。


 甘くありませんでした。むしろ辛くて、苦くて、しょっぱくて、やっぱりちょっと甘かったです。


 でも、コットンとスフィンクスはハラペコだったので全部食べました。


 「ああ……こんなところにまでソースやらクリームやらが飛んできた……」


 残念美人さんがよごれた服を脱ぎました。


 まわりが何だかさわがしかったようですが、コットンにはよく分からないので放っておきました。


 コットンとスフィンクスが歩いていると、さわがしい場所に出ました。


 見ると、あの黒くて長いかみの優しいお姉さんが、鳥と亀の怪獣におそわれていました。


 エカテリーナもいっしょです。


 お姉さんが車にさわると、ふしぎなことに車が飛んで、鳥の怪獣に命中しました。


 鳥の怪獣は落ちてきて、そのまま動かなくなりました。


 お姉さんがもう一度車にさわります。


 車が飛んでいきましたが、亀の怪獣のこうらに当たってはじかれてしまいました。


 亀の怪獣が、ゆっくりお姉さんに近づいてきます。


 スフィンクスが飛び出しました。


 スフィンクスは、亀の怪獣の顔をひっかきました。


 エカテリーナも、怪獣の首にまきつきました。


 その間に、コットンは落ちている鳥の怪獣のところへ走って行きました。


 コットンが息を吸うと、鳥の怪獣から白い光が飛び出してきて、コットンの口に吸いこまれました。


 とつぜんのことに、お姉さんはおどろいています。


 亀の怪獣が暴れて、スフィンクスもエカテリーナもふり払われました。


 お姉さんが「お下がりなさい!」と言ったので、スフィンクスとエカテリーナはお姉さんのそばによりました。


 亀の怪獣は、まだ止まりません。


 じりじりと、お姉さんたちに近づいてきます。


 お姉さんたちは怖くてふるえました。


 そのときでした。


 つばさの生えた大きな生き物が現れて、亀の怪獣に立ち向かいました。


 大きな生き物は、一見大きな鳥でした。でもトカゲのようなしっぽがありますし、首が長くてドラゴンみたいでした。


 全身クリーム色でフサフサですが、所々が青と赤の混ざったふしぎな色でした。


 「キューーーーー!」と鳴いています。


 「あなた、ひょっとしてコットンちゃんですの?」


 大きな生き物は「キュー!」と答えて、亀の怪獣にかみつきました。


 それからしっぽで打って、怪獣をひっくり返してしまいました。


 ウー! ウー! と、うるさい音のする車がやってきて、中から鉄砲をもった人たちがおりてきました。


 鉄砲は亀の怪獣とコットンに向けられています。


 「違いますわ! その子は怪人じゃありませんのよ!!」


 お姉さんが叫びました。


 すると――


 「うわ! なんだこいつ!?」


 エカテリーナがその人に巻きつきました。


 コットンは、お姉さんの前にしっぽを垂らしました。


 お姉さんとスフィンクスとエカテリーナは、しっぽを上ってコットンの背中に乗りました。


 そして、コットンは大きなつばさを羽ばたかせ、空高く舞い上がりました。


 空の上からは、今日歩いた場所がぜんぶ見えます。


 スフィンクスと出会ったあの白い建物も、モヤシみたいな人のいた暗い道も。


 お姉さんと出会ったキレイな場所も、残念美人がいた公園も。


 「ステキな景色ですわね……」


 お姉さんがそう言って、スフィンクスとエカテリーナが「ニャー」とか「シャー」とか答えました。


 もちろんコットンも「キュー」と答えました。


 でも、楽しい時間は続きません。


 みんなはお家に帰らなければいけないのです。


 白い建物に行きました。


 白い女の子とツンツン頭の男の子がおどろいていました。


 「それじゃあにゃ」と、スフィンクスがあいさつしました。


 キレイな場所に下りました。


 女の子たちがおどろいていました。


 「では。また会いましょうねコットンちゃん」とお姉さんがあいさつします。


 「今度は食べようとしませんわ。アゴが外れてしまいますもの」とエカテリーナが続きました。


 そして、コットンは一人になりました。


 でも、コットンはもう研究所には行きたくありません。


 だって、あそこはコットンの本当の家ではないからです。


 コットンはビルの上に降りました。


 コットンには友だちが居ました。


 乱暴だけど優しいお兄さん。


 キレイだけど強いお姉さん。


 無口で良く分からないお兄さん。


 他にもたくさん居ました。


 でも、とつぜんここに来てからは、一度も会えません。


 コットンは悲しくなって泣き出しました。


 「キューーー! キューーー!」


 すっかり赤くなった空に、コットンのさびしげな声がひびきます。


 コットンの声を聞きつけて、だれかやって来ました。


 黒いかっこうをしたおじさんでした。


 「君は怪人ではないんだな?」


 黒いおじさんが聞きました。


 コットンはうなずきました。


 「君はここに居てはいけない。私がもといた所に帰してあげよう」


 コットンはおどろきました。


 おじさんは、コットンが本当はどこから来たのか知っていたのです。


 「いますぐには帰れないから、それまでは私を手伝ってくれ」


 コットンはよろこんで、おじさんの手伝いをすることにしました。


 そのとき、ドカーン! と、どこかで大きな音がしました。


 「しまった! 彼女たちを逃がさない気か!?」


 おじさんが慌てているので、コットンは背中に乗せてあげることにしました。


 コットンは飛行機よりもはやく飛んでいきます。


 おじさんは女の子の心配をしていました。昔助けた女の子だそうです。


 怖いおじさんでないことが分かって、コットンはうれしくなりました。


 飛びながら、コットンは思いました。


 「帰る前に、もう一度、スフィンクスとエカテリーナとあの優しいお姉さんに会いたいな」


 学園都市に、コットンの鳴き声がこだましました。



 落ちこぼれのヒーローは、こうして友だちを助けてもらいました。




 【補足という名の言い訳のコーナー】

 ・コットンについて。
  ゲームに登場する、生命科学研究所に捕まっている味方モンスターです。
  サガフロではキャラクターごとに種族が設定されていて、コットンの種族はモンスターです。
  モンスターは敵の能力を吸収することで変身して強くなります。
  この話の場合、「鳥の怪獣」から技「翼」吸収して「グリフォン」に変身しました。
  サガ的にはたぶん肉を食べているのですが、グロいので変更しました。

 ・「鳥の怪獣」「亀の怪獣」
  エアエレメンタルと玄武です。
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