上条「愛してる」


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始めての禁書 
地の文ありのクソ文章だけど書いたから聖夜に書いたんで投下させてください 
設定とか時系列とか口調とか頭にないのであしからず 

 

 

 

 

 

シナリオ02 「愛してる」と言えないままに  

 

 

科学によって超能力という現象を実現させた街。学園都市 
その異能なる力をすべて右手で打ち消す少年が今日も街を走る 
 
上条「くっそ!補習が予定よりも2分20秒も伸びちまった!」 
 
幻想殺しを持つ少年の計画ではこの2分20秒はあまりにも大きかった 
 
上条「全力で走れば間に合うか!!」 
 
目的地まで後1.5k、残りの時間は5分少々
生命力を燃焼させて少年は走る 
あらゆる不幸と穀潰しのシスターのせいで貧困にあえぐ少年は咆哮と共に点滅した交差点を渡る
 
上条「うおおおおおぉぉぉぉ!!タイムセエエエエエルウウウウ!!!」   
 

 

不幸少年こと上条当麻の目的地であるスーパーの付近 
上条に好意を抱く電撃姫が自動販売機前に立っていた 
この電撃姫の目的は一つ上条へアタックする為だ 
だがいかんせん素直になれない、本音と裏腹な事ばかりの言動な為 
色恋的なアタックが攻撃的なアタックになってしまっている 
 
美琴「今日こそは…デートの約束を!」 
 
決意に満ちたその魂に一本の杭を打ち込み自分を奮い立たせる 
 
美琴「あいつは今日この道を通る、数週間のリサーチの結果間違いないんだけど…」 
 
ストーカーの枠に入る様な独り言をつぶやき、待てど未だにこない少年に美琴はイラ立ちを感じた  
美琴「おっと…。素直素直素直」 
 
目を閉じ自己暗示を掛けながら自らに理性を戻そうとする 

 

 

上条「ハァハァ…もう少し」 
 
上条のゴールは目前、疲れは見えるものの勢いは未だに衰えていない走り 
視界の端にいつも絡んでくるビリビリ中学生を確認した 
美琴の心中など知る由もない上条は絡まれまいとスピードを上げ 
 
上条「おっすビリビリ中学生、急いでるからまた今度なー!」 
 
左手を振りながら後方へ美琴を置いていく 
まったくの逆恨みになるのか、鈍すぎる上条が悪いのか 
自分の決意をあっさりと空振りにさせた美琴は待たされたせいもあってイラ立ち、一気に帯電する 
 
美琴「ちょっと待てやああああああああ!!」 
 
迸る電撃の槍、いつもならば軽いショック程度には抑えてあるものの 
苛立ちも相まって若干強く放ってしまった 
しかしこの先の未来はすでに美琴によって予測されていた 
 
美琴(どうせ右手で打ち消すんでしょ!…でも足は止めてくれるわ) 
 
美琴(話聞いてくれるかな?) 
 
自分の思いを打ち明かすと決意した今日。どんな手を使っても美琴は上条と話たかったのだ 
それがちょっと非常識な手段でも 

 

 

美琴の絶叫を耳にした時点で上条は確信していた。電撃がくる  
 
上条(右手で消すか…) 
 
上条(いや御坂も危険なもん撃たないだろ) 
 
上条の結論は打ち消す為に足を止めるよりも走る事を選んだ 
 
上条(ちょっとビリってくるの我慢するだけだ!) 
 
右手を使うだろうと思った美琴、対して電撃を身に受けても走る事を選んだ上条 
 
 
--------------------両者の思いが交差しなかった時、物語が始まる-------------------

 

 

 

 

 

 

 

放つ美琴…追う電撃…走る上条 
電撃が上条に届いた瞬間 
 
上条「ギッ!」 
 
妙な奇声を上げ、上条が崩れ落ちた 
 
美琴「なんで右手使わないのよ!バッカじゃないの!!」 
 
美琴(なによなによ!!あたしに構えない様な大事な用事でもないでしょ!!) 
 
単純に上条が自分を気にも止めてなかった現実に腹を立てる 
 
美琴「この御坂美琴様をシカトした罰よ!いい気味だわ」 
 
ハンっと鼻で笑い上条が文句を言ってくるのを待つが、一向にその気配がない 
 
美琴「気絶してんの?だっらしな!」 
 
美琴自身としては正当な苛立ちが呆れに変わり、上条を公園のベンチに横たわらせる 
 
美琴(もう…ほんとバカなんだから) 
 
デートの約束をして一緒に買い物したりといった妄想も散ってしまった 

pipipipi
突如携帯がなる。黒子の名前がディスプレイに表示されている
 
美琴「もしもし?」 
 
黒子「お姉様!今どこにいらっしゃいますの?」 
 
美琴「今公園にいるんだけど、何かあったの?」 
 
黒子「何かじゃありませんの、今日は寮の中庭掃除の日ですのよ?お忘れでしたの?」 
 
美琴「あっ!」 
 
黒子「やっぱりお忘れでしたのね。」 
 
黒子「寮監様にはわたくしから遅れると申しておきますので、お早めにお戻りになってくださいまし」 
 
美琴「恩に着るわ」 
 
美琴「あっ!黒子」 
 
黒子「…はい?」 
 
美琴「公園に倒れてる人いるから、救助呼んでくれる?…いや気絶してるだけ。 うんお願いね」 
 
黒子に事後処理を頼み急ぎ寮へと帰る 

掃除に遅刻したものの、実際の働きでなんとか怒りを免れた美琴 
それから一夜明け、通学路から初夏の快晴を見上げ一日の始まりとしては最高だと胸中で思う 
 
御坂妹「お姉様とミサカは暢気に歩いているお姉様に声をかけます」 
 
ふいに声を掛けられ振り返る 
 
美琴「あら妹達じゃない、奇遇ね」 
 
御坂妹「いえ、奇遇ではありませんとミサカは暗に探していた事をお姉さまに知らせます」 
 
美琴「何かあったの?」 
 
御坂妹「それに関して説明がありますのでご一緒に来てくれますか?とミサカは断られた場合は引きずってでも連れて行く覚悟で言います」 
  
美琴「何よ?事情が全然つかめないn」 
 
御坂妹「早くきてください!…っとミサカは…」 
 
あまりにもおかしな妹の言動に美琴は眉を顰め追従する 
行き先は名医のいる病院だった 
一日の始まりとしては最高の天気だった…そう天気だけは最高だった

 

 

 

 

病院で名医に説明を受けた 
結論から話されて耳を疑った 
経過などを聞ききながら呼吸が乱れ心拍数が上がる 
何?なんで?止めて!止めて!と何度頭で思ったことか 
途中で気づいた認めたくない事実…原因を聞いた時は緊張と興奮で嘔吐してしまった 
未消化の朝食が散らばる床を御坂妹が拭きあげるのが視界の端に映る 
 
 
 
冥土返し「…少しは落ち着いたかい?」 
 
冥土返し「僕も最善は尽くしたんだけどね。焼ききれて無くなった神経まで再生させるのは不可能だった」 
 
冥土返し「手は全くないわけじゃないんだけど、それは色んな許可がないとできないことなんだ。あっても完治する保障もないんだね」 
 
耳から入って耳から流れるとはこういうことなんだろうか…美琴は名医の言葉を聞きながら 
そんな事を考えていた 
アイツが下半身不随…自分の電撃が原因で…歩けない 
 
突きつけられた事実は最悪の一日の始まりと言うには十分すぎた

冥土返し「彼に会っていくかい?」 
 
美琴は躊躇う…自分のせいで歩けなくなってしまった 
だからまず謝罪することだ、そうしないと前に進めない 
怒られても恨まれてもしかたがない 
許されない事をした。まずそれを詫びよう 
 
美琴「…はい」 
 
決意と真逆の沈とした返事 
冥土返しは静かな眼差しでふぅっと息を吐く 
 
冥土返し「彼の病室は6階だから、そこからはナースに案内してもらうといいよ」 
 
嘔吐物の処理をしてくれた御坂妹に軽い謝罪をいれ俯いたまま部屋を後にする  
自分のクローン体、姉妹としてみている御坂妹、紆余曲折あり色々話しだした関係だが 
 
目を合わせるのが怖かった 
どんな目で自分を見ているのか知るのが怖かった

 

 

 

 

6F病室前 
上条と書かれたプレートの前に美琴が立っている 
心臓が早鐘を打つ 
軽い目眩も始まる 
胃の中には何もないのにまた吐き気が襲う 
 
美琴(怖い…) 
 
美琴(でも…いかなきゃ!) 
 
ガシッと取っ手を掴み勢いよく扉を開ける 
一歩…二歩…三歩… 
病室のベッドの上の上条がこちらを見る 
 
上条「ビリビリ…」 
 
上条の顔を見たとたんに言い知れぬ不安、闇が頭に渦巻く 
 
美琴(言わなきゃ…言わなきゃ!) 
 
美琴「すみませんでした!」 
 
腰を90°折り頭を下げる 
 
美琴「こんな事になるなんて思いもしませんでした。申し訳ありません!!」 
 
美琴「許してもらおうなんて思ってません、どんな形でも責任を取らせてください!」 
 
自分で言ってて愚かさに涙が出てきた 
なんであんなバカな事をしてしまったのか 
軽はずみなことでこんな… 
頭を下げたまま上条の答えを待つ 
 
上条「…あのさ」 

上条は頭を下げたままの美琴に告げる 
 
上条「そんなに自分を責めるなよ」 
 
許しともとれる言葉だった 
 
上条「確かにお前の電撃が原因かもしれない。でもそれは俺がお前の話を聞かなかったからだろ?」 
 
美琴「っでも!!」 
 
上条「聞け! …だからさ、なんていうのかな、俺だって防ごうと思えばできたんだがしなかった。わかるか?」 
 
美琴「はい」 
 
流れる涙が床に落ちるのを見ながら美琴は返事をする 
 
上条「つまりお互いの不注意ってことだろ?」 
 
美琴「でも上条さんだけそんな目にっ」 
 
上条「つーかさ!なんなんですか?さっきからその敬語は!?新しいキャラ作りですか?」 
 
上条「お前が不安なのは分かるし、悪いと思ってる気持ちも分かる!それでも気がすまないっ!自分だけが悪いと思ってるならその幻想をぶち[ピーーー]っ!!」 
 
上条「…なんてな」 
 
 

上条「顔上げてくれよ…」 
 
美琴は言われたままに顔を上げる 
目に飛び込んできた上条の顔は笑みを浮かべていた 
いつもの優しい笑み 
かつて自分や1万人もの妹達を救ってくれた優しいの男 
 
上条「泣かせちまってごめんな」 
 
美琴「ごめんなさい」 
 
上条「もういいって、ヘアピン取れかけてるぞ」 
 
上条の指摘でいつもの場所にあるヘアピンを探す 
 
上条「ああ、落ちて引っかかった こっちきてみ」 
 
覚束ない足取りで上条の下に近づき襟に引っかかったヘアピンを取ってもらう 
 
上条「ほら」 
 
美琴「あ…ありがと」 
 

上条「そんな顔すんなよ、まだ怒ってる顔のがかわいいぜ?」 
 
言われながら頭を撫でられ、また涙が溢れる 
涙と一緒に自分の罪が一緒に流れる気がした 
さながら神に許しをもらった咎人の様な光景 
許されざる自分の罪に対しても優しさをぶつける男 
美琴は上条にしがみ付き声を上げて泣いた 
ごめんなさい、ごめんなさい と悪さをした子供が親に許しを求めるように 
しがみ付かれた本人はその純情さから躊躇いがちに体に腕を回し抱きしめる 
幾多の幻想を打ち破ってきたその右手で美琴の頭を撫でながら繰り返す 
 
上条「もういいんだ御坂、もういいんだ」  
 
美琴の泣き声だけが病室に響いた

泣き止んだ美琴は病室を後にし、携帯を確認した 
同室の後輩から着信が15件、メールが8件入っていた 
時刻は昼を軽く回っていた 
連絡は後にしようとポケットに入れ、前を向く 
 
美琴(これからはずっとあいつについててあげよう。それくらいしかできないけど…) 
 
美琴(…一生かけてでも絶対一緒にいてやる!) 
 
新たな決意を胸に待合ロビーからエントランスへ歩く  
 
「このアイスも一緒に欲しいんだよ」 
 
聞き覚えのある声が売店から届く 
 
禁書「とーまは来れないから私ががんばっておつかいするんだよ」 
 
売店のおばちゃんと話している禁書目録だった 
 
美琴(あのシスターも来てたのね…) 
  
おばちゃんに手を振り袋を提げてこちらへ来る 
 
美琴「アンタもここに来てたのね」 
 
白衣のシスターは声の主を確認すると、恐ろしく冷たい目に変わる 
 
禁書「短髪はどうしてここにいるのかな」 
 
美琴「どうしてって、アイツの見舞いよあたしのせいなんだs」 
 
禁書「どの面下げてきてるのって意味なんだよ!?」 
 

禁書の顔は全てを知っている顔だった 
 
美琴「分かってるわ…自分が許されないことをしたのは」 
 
美琴「でもこれからあいつをずっと支えようと思うの」 
 
禁書「そうやってとーまの優しさに甘えるんだね」 
 
禁書「とーまがどんな気持ちで許したのかも分からないくせに、甘えないで欲しいんだよ」 
 
美琴「なによ…それ、 アイツは… だって……」 
 
禁書「最初からとーまは短髪の為に許すつもりだったんだよ」 
 
禁書「とーまはもう歩けないんだよ。普通は許せる事じゃないんだよ。自分だけ背負えばいいと思ってるんだよ」 
 
美琴「なによ…それ」 
 
お互いが通じ合ったと思ったつい先ほどの出来事から数分 
自分の決意がこんなにも早く揺らぐとは思わなかった 
よく考えればそうだ 
自分がアイツと同じ立場になればどうする?許せるか? 
今はその自信はあるが、同じ状況になればどうだろうか 
歩けない体にされて、その人間が目の前に来て陳腐な謝罪をする 
許せないんじゃ……… 
美琴は踵を返し、上条の病室へと走る 
今日いくら涙を流したのだろう…未だに枯れず頬を伝う 
 
 

------------私はまだ許されて無い-------------

 

 

 

 

 

御坂美琴がまだ寮を出て初夏の空気を味わう前  
上条は目を覚ました 
 
禁書「おはようとーま」 
 
上条「ああ おはよう」 
 
病院に運ばれ検診しそのまま手術を受けた上条 
左腕に繋がる点滴が痛々しくも恨めしくもある
沈黙がしばらく続いた後、上条が口を開いた 
 
上条「俺さ、御坂を許そうと思うんだ」 
 
禁書「…とーまはそう言うと思ったんだよ」 
 
禁書「でも私は許せないんだよ」 
 
上条「なんでインデックスが怒るんだよ?」 
 
禁書「とーまにこんな事してほったらかしにして…あんな奴ころs「インデックス!!」」 
 
ビクっとして上条の顔を見る 
 
上条「インデックスお前はシスターだろ?それから先を言っちゃいけません」 
 
上条「お前が俺の為に怒ってくれてるのは嬉しい」 
 
上条「でもな?インデックス。どこかで誰かが許さないと恨みってのは延々続いちまうんじゃないか?」 
 

上条「そこに気づいたらお仕舞いにしないとこの先の人生までつまんないだろ?」 
 
わかるか?と年下のシスターに説き伏せる 
 
禁書「…わかるんだよ、神様も許すことを教えてるんだよ」 
 
禁書「でもインデックスはまだ修行中だからそれができないんだよ」 
 
禁書「とーまがどんなに短髪をかばってもインデックスは短髪が憎いんだよ」  
 
禁書「ごめん…ね とーまぁ」 
 
上条「泣くなよインデックス 上条さんはインデックスがそこまで考えてくれてたのが嬉しかったぞ」 
 
上条(インデックス泣かせちまったな…) 
  
病室の窓の外を見て赤髪黒衣の神父がいたら殴られてるだろうな等と物思いにふけるのだった 
動かない足 
そこにあるのは分かる 
力がまったく入らないというより伝達されて無い 
自分は歩けない体になってしまったんだなと実感させられる
 
禁書「インデックスはシスターとして一人の人間としてとーまのお世話を頑張るんだよ!」 
 
上条「……………ああ」 
 
涙をぬぐった禁書目録の決意に、消え入りそうな声で上条は返事をした 
 
上条(………お世話か) 

 

 

美琴が病室へたどり着きドアを開ける 
 
美琴「あんた何してんの!?」 
 
上条「っ!!見るな!!」 
 
歩こうとしたのか、ベッドから落ちたのか上条が床に這いつくばった状態で叫ぶ 
 
上条「くっそ!見るなよ!御坂!頼む見ないでくれええええ!」 
 
二本の腕で必死に動こうとする、のたのたと床を這いずりまわりそれはまるで虫の様に… 
 
美琴「ちょっと落ち着いて?」 
 
上条「来るな!触らないでくれ!!」  
 
上条「頼むからこんな俺を見ないでくれよ…」 
 
顔を歪めて懇願する 
上条が許せなかったのはこんな体になって無様な姿を晒す自分だった 
当たり前の事もできず、こうして惨めにも床を這いずる姿  
 
禁書「とーま!」 
 
禁書「でていって!」 
 
禁書「出ていってっていってるんだよ!?」 
 
呆然として上条に視線を固定したままの美琴を病室から押し出すインデックス 
体格差を物ともしない押し、抗おうともしない体 
そのまま病室外に突き飛ばされ尻餅をつく 
バンっとドアを閉められる 
スカートを正し、上条の姿を脳内でリピートさせながらフラフラと帰途につく

常盤台女子寮の一室 
ベッドに横たわりずっと再生され続ける上条の姿 
 
美琴「あたし、どうしたらいいの…」 
 
黒子「何がですの!?」 
 
美琴「ああ…黒子」 
 
美琴(そういえばずっとなんで休んだのかとかいろいろ聞かれてたっけか) 
 
質問からずっと生返事ばかりで小一時間、黒子も諦めて最後に何かありがたい話を述べていたが記憶にない 
 
黒子「やっと口を利いて下さって黒子は安心しましたの」 
 
黒子「日頃お姉様の露払いとして献身しているt~~~~~~~~~~~~~~~~~」 
 
美琴(心配させて悪かったな… はぁ~) 
  
美琴「あのさ、昨日の件でさ」 
 
いかに自分はお姉様に忠誠と愛を持ってるか語っているところを遮って語り始める 
 
美琴「大変なことになってさ…」 
 
美琴の語りと共に夜が更けていく、快晴だった昼間と変わり外は湿った風が吹いていた 
 
 

---------------後悔は一度すれば二度としなくていいわけではない----------------- 
--------------------きっかけはいつも些細な事から始まる------------------------

 

 

目に涙を溜め美琴の説明が終わる  
黙って聞いていた黒子が口を開く 
 
黒子「その様なことが…」
 
黒子「あの殿方もお気の毒に」 
 
黒子「お姉様の今のお気持ちはあの殿方に何か力になりたいのでしょう?」 
 
黒子「わたくしの気持ちとしてはいい気はしませんが」 
 
黒子「先程から申しています様に、黒子はいつだって、何があっても美琴お姉様味方ですの」 
 
黒子「今日はお休みになられて、明日また殿方のところへお見舞いとお詫びに行ってはいかがでしょう?殿方もいろいろあって気持ちに整理がつかないのではないでしょうか?」 
 
黒子「なんでしたら黒子も一緒に参りますが?」 
 
美琴「い…いいわよ。自分で行けるから!」 
 
黒子「それでこそいつも前向きなお姉様ですの」 
 
黒子「さぁ、もうお休みになりましょう」 
 
美琴「そうね おやすみ」 
 
黒子「おやすみなさいですの」 
 
 
 
美琴「黒子ありがとね」 
 
「はいですの」とお互いの信頼を確かめ合い眠りにつく 

 

 

編者注:ssの最初で安価。1)起きて真っ先に病院へ行き上条に会いにいく 2)起きて学園都市第一位、一方通行を頼る 3)やはり現実が怖いので諦める 
4)今から黒子を起こす。このssは2を選択したストーリーとなる。

 

 

 

翌朝歯を磨いている最中ふと思いついた 
学園都市第一位、一方通行 
自分の知る限り最高の頭脳と能力を持つ 
絶望的な脳の損傷からも回復している経歴もある  
わだかまりが無いと言えば嘘だ、しかし拘っている場合でもない 
昨日はあんなに晴れていたのに、天気は最悪の土砂降りだった 
藁にでもすがる思いで打ち止めがいるマンションへ行く 
靴下が濡れて気持ち悪い 
 
ピンポン 
打ち止め「はーいってミサカはミサカは元気にどなたさま?」 
 
美琴「久しぶりね」 
 
打ち止め「お姉さま!?ってミカサはミサカはおどいてみる」 
 
美琴「あのさいきなりで悪いんだけど一方通行いる?」 
 
打ち止め「いるけどすごく機嫌が悪いからよした方がいいかもってミサカはミサカはお姉さまの行動を遮ってみる」 
 
美琴「んーちょっと相談があるからさ、あがらしてもらうわ」 
 
打ち止めの制止を聞かず部屋へはいる 
リビングのソファーで横になってバラエティを見ている白髪の男 
TVの音量がちょっと耳障りなくらい大きい 
打ち止めがダスキンモップで美琴の足跡を拭きあげる 
 
美琴「TVの音でかいわね、耳悪くするわよ」

一方「あァン?」

一方「人ンちに勝手にあがりこンで何なンですかァ?」 
 
後ろを一瞥してテレビに視線を戻す 
 
美琴「相談があるの」 
 
一方「どーせ三下のこったろ?クソガキが昨日から騒いでうるせェのなンの」 
 
美琴「じゃあ話が早いわ解決策はないの?」 
 
一方「なンか勘違いしてませンかァ?何で俺が三下助けなきャいけねェンだァ?」 
 
美琴「他に頼る人間がいないのよ!お願いだから力を貸して!」 
 
打ち止め「ミサカからもお願いってミサカはミサカはお姉さまの横で一緒に頼んでみたり」 
 
一方「チッ!」 
 
一方「甘い考えをぶっ壊して悪いがなァ、ご存知の通り俺ン能力はベクトル操作だァ」 
 
一方「能力使用は触れてなきゃならねェ、無くした神経のバイパス役で24時間介護なンざ御免こうむらァ。それに人体をいじりまわすなァ冥土返しの方が上手だ」 
 
一方「しかも三下の能力がある限り俺ら能力者にゃやるこたァねーよ」 
 
一方「できることはせーぜー身の回りの世話とヒーローの心のケアくれーなもんだ 俺じゃできねェよ」 
 
美琴「そうね…ありがと……」 
 
一方「……今回はテメーの責任だァ。どう落とし前つけるか知らねェけどよォ」 
 
一方「この件でこれ以上後悔すンじゃねーぞ」 
  
一方「それだけだァ、テレビ見てェからさっさと消えろクソレールガン」 
 
こちらを振り返らないまま第一位はテレビの音量をさらに少し上げた  
 
美琴「ありがとね、一方通行」 
 
打ち止めに見送られ玄関へ 
 
一方「テレビがうっせェから聞こえねェよ」 
 
リビングで一人つぶやく 
 
一方(こんな時に腐ってるしかできねェで何が第一位だ!クソッタレ) 
 
彼もまた自分の無力感に苛まれていた、超電磁砲に言った事は全て自分に言っていた様なものだった 
 
一方(三下みてェに上手く説教できねェなァ、あいつァやっぱスゲェわ)

 

 

 

病室の前、決意を新たにドアに手を掛ける 

ここ数日何度決意を固めたか 
 
美琴(随分と安い決意よね、でもこれで終わらせる!) 
 
ドアを開けて上条の元へ 
 
美琴「おはよ、具合はどう?」 
 
上条「御坂か?おはよう、変わりは無いよ」 
 
「変わりはない」もこのケースだといい意味ではない 
   
上条「昨日は悪かったな、取り乱して…ほんと恥ずかしいです」 
 
美琴「ううん、アタシだってちょっとビックリしちゃってごめん。アンタの気持ち汲んでやれなくてさ」 
 
上条「美琴センセーに分かってもらえて上条さんは嬉しいですよ」 
 
美琴(ほのぼのとした気持ちになる、あぁやっぱりアタシはコイツ、上条当麻が好きなんだ) 
 
美琴(今しかない!) 
 
二日前の胸の内、そして今回のことに対して自分なりのケジメをつけるべく口を開いた 
 
 

-------------------しょせん人と人は他人同士、思いが重なるのは奇跡に等しい---------------

 

美琴「私はあなたが好きです!!」 
 
時が止まった 
もう止まれない!このまま走りぬける!! 
恥ずかしさで俯きかちに話続ける 
 
美琴「あれから黒子に相談して、ほらあの子って実はあんたの事よく思ってないのよね」 
 
美琴「でもあの子だって今の状況分かってくれて応援してくれてさ」 
 
美琴「すごい怒られるかと思ったけど理解してくれて嬉しかった!」 
 
美琴「それにさっき一方通行にも相談したの」 
 
美琴「打ち止めもアンタのこと心配してたわ」 
 
美琴「んで一方通行なんだけどさ、残念だけどアイツでもどうしようもないみたいでさ…」 
 
美琴「でも諦めないからアタシ!ずっとアンタと一緒にいて世話してあげるから」 
 
プロポーズとも取れる内容に顔が赤くなる 
しかしこの勢いを止めるわけにはいかない 
 
美琴「んで一方通行も『後悔だけはするな』って背中押してくれたの」 
 
美琴「あの一方通行がよ?こっち見ないまま相変わらず捨てセリフみたいだったけど」 
 
美琴「うれしかったわ」 
 
美琴「それで応援してくれる人もいるんだって…、アタシはとんでもないことしたけど、アンタが心から許してくれてまた一緒に笑えるように頑張るから!!」  
 
美琴「迷惑もいっぱい掛けたけど、それまで…ううんそれからもずっと一緒にいてあげるから!」 
 
完璧にプロポーズの言葉だ 
熱がドンドン上がり上条の顔が見れない

上条「言いたい事はそれだけかよ」 
 
震えた上条の声を聞いて熱が急激に冷める 
 
上条「白井や一方通行に相談しただ?俺はもういいって言わなかったか?」 
 
上条「お前を許すからもうほっといてくれって意味だったけど、伝わらなかったみたいだな」 
 
上条「悲劇のヒロインよろしく友達と相談して、勇気付けられて、思いを打ち明けてハッピーエンドってか?」 
 
上条「ふざけんじゃねーぞ!!!!」 
 
心のどこかにヒビが入る 
足が振るえだした 
 
上条「俺の気持ちはどうすんだよ!歩けないんだぞ!トイレもままならねぇ!一生このままだ!」 
 
上条「それを無様に晒し上げて楽しいかよ?可哀想だから世話して『あげる』ってか!」 
 
上条「御坂、お前のせいでこの様だ、7人しかいないLEVEL5だかしらねーけどよ、どこまで上から目線なんだよ!」 
 
上条「知り合いに話題にされてる事実を知っただけでも、惨めな気持ちだ」 
 
上条「御坂、もう俺に近づくな。顔も見たくねぇよ!!」 
 
脳内砂嵐状態。何も考えられないが、上条の言葉だけはしっかりと受け止めてしまっている 
 
上条「さっさとでていけ!!」 
 
投げた携帯が御坂の額に当たる 
血がでてきたが不思議と痛みはない 
痛みを感じる心が折れてしまっているから 
 
 

--------------幻想殺しがまた一つ幻想を打ち砕いた時だった---------------
 

 

禁書「とーま?元気ないけどなにかあったのかな?」  
 
上条「…別に」 
 
禁書「そう?インデックスはとーまにいっぱい迷惑を掛けたからお返しするんだよ。歩けなくても大丈夫!支えて『あげる』んだよ。」 
 
えへんと胸を張る禁書目録 
 
禁書「…とーま?」 
 
上条「お前もかよインデックス」 
 
禁書「え…?」 
 
上条「お前も哀れんで惨めな俺に施していい気になってんのかよ?」  
 
禁書「そんなことないんだよ!?ッッゥグッ!?」 
 
上条「お前も俺を見下してっ!!」 
 
首を絞める上条の手が強まる、ツメを立ててもがく幼いシスター 
 
上条「なんでっ!なんで俺がこんな目に会わなきゃいけないんだよおおおおおおおおおおお!!!!!!」 
 
上条心からの絶叫、涙を流しての絶叫 
不幸不幸不幸我慢我慢我慢 
今まで頑張ってこれた 
しかし年端もいかぬ若い人間、上条にはもう限界だった 
指が首に食い込む、細い首が折れる?折れそう…折れる…手前 
ブンっと腕を振り禁書をほうりやる 
 
禁書「ゲヴォッ!ゲホッ!ォオッ!」 
 
咽る禁書を涙が止まらない上条が言う 
 
上条「すまないインデックスしばらく一人にしてくれ」 
 
禁書「ッッ!ゲホッ!」 
 
何も言わなかったのか言えなかったのか足早に出て行く 
 
上条「………もうだめだ俺」 
 
全てに耐えられない、周囲の視線にも、今の自分の環境にも、今禁書にしたことにも、誰かの優しさにも…  
 

窓の外は大雨だった…雨粒が地面に吸い込まれるように落ちていく 
窓を叩く雨音は親しい友人がノックをしてるようだった…………

数時間後 
禁書は経緯を説明して首の容態を冥土返しに診てもらった 
冥土返しは珍しく怒って上条に電話しようとしていたが禁書が大丈夫だからと収めた
首に痣が残ったので包帯は巻いてもらい病室へ戻る 
 
ドアを開けた瞬間ビュウッと風が吹き抜ける 
外は大雨なのに窓を開けたのだろうか 
車イスがベッドの脇に置いてあるが、上条の姿がない…… 

翌日学園都市LEVEL5の順位変更が行われた 
1位~6位までの発表を飛行船が空を悠然と漂い知らせていた 
 
 
 
 
 
シナリオ02 「愛してる」と言えないままに  
END

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