学園都市第二世代物語 > 01


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初めて投稿致します。
皆様どうぞ宜しくお願い申し上げます。

*地の文あり、小説形式?というのでしょうか。
*基本的に主人公が語る方式ですが、場面によっては他の人の視点や、第三者
 視点で書かざるを得なかった部分があります。
*基本メンバーは科学サイドのみ、魔術サイドの人々は出ません。
*書いてみてわかりましたが、男性キャラが全く足りませんのでオリキャラで
 補充せざるを得ません。ご了承下さい。
*一応完結させたのですが、全ての伏線は回収できませんでしたし、種明かし
 をしたに過ぎない状態になっています。
 続きをどういう形にするか、まだ決まっておりませんが、まずは投稿して
 みようということでやってみました。

どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 

  01  「佐天利子」

 

「行ってきま~す!」

「気を付けて行ってらっしゃい、利子」

どこにでもある、朝の風景。

あたしは佐天利子(さてん としこ)、中学2年生。東京のとある中学に通っている。

今日は珍しく母が見送ってくれた。というのは、母は学者で、ざっと月の半分はどこかに出張してしまい家にいないからだ。

母の名前は佐天涙子(さてん るいこ)という。その筋ではかなり有名で、日本のみならず海外にも知られており、年に数回は海外出張もある。

昔、小さい頃は母に連れられて一緒に講演に行った事もあったらしい。

らしいというのは、記憶がうろ覚えだからだ。

でも、小学生になった頃からあたしは知り合いに預けられるようになり、母は一人で出張するようになった。

もちろん最初は、あたしは泣きわめき、床に転がり、うずくまって最大限に抵抗したが、その日の母は強かった。

「お母さんの言う事が聞けないような子は、私の子じゃないよ!」

「そんなにいやなら、どこにでも行きなさい!」

こども心にも、本当に捨てられるかもしれない、という恐怖心がわきあがるくらい、そのときの母はとても怖い顔をしていた事を覚えている。

あたしは恐ろしくなり、そして諦め、せめてもの抵抗として「なら早く帰ってきて」と泣いたのだった。
 


  ――――― 父はいない ――――
 


小さい頃は「遠いところにいるのよ」と言われ、小学校に上がったときに「あなたのお父様は、あなたが生まれてまもなく事故で亡くなったの。とても立派な人だったわ」 と教えられたのだ。

(そうか、あたしのおとうさんはいないんだ) とその時理解した。よそのうちにはおとうさんがいるのに、どうして

うちにはいないんだろう?とずっと不思議だったのだけれど。

でも、直ぐに(おかしいな)と思うようになった。なぜなら、わが家には、父と母の結婚式の写真がないのだ。

ある時、小学校に入って間もない頃、友達の家に遊びに行ったとき、 「見て見て、あたしのうちのアルバムなんだけど~♪」

と彼女の家のメモリアルアルバムを見せられたのだった。

あたしは初めて世の中にはそういうものがある事を知った。

あたしは自分の家に帰り、出張から戻っていた母に 「あたし、パパとママの結婚式の写真見たいな」 と無邪気に聞いてみた。

すると、いつもならどんなにくたびれて帰ってきたときでもニッコリとほほえんでくれる母が一瞬青ざめたのだった。

それは、子供心にも (え?まずいこと聞いちゃったかな?) と思わせるに十分だった。

でも、直ぐに母はにっこりと、でもどこかいつもと違うほほえみであたしにそっと答えてくれたのだ。

「ごめんね、としちゃん。写真、撮ってないの。もう少し大きくなったらちゃんと答えてあげるから」

(大きくなったら、っていくつになったら教えてくれるの?)………………と、もう一度聞こうとおそるおそる母の顔を見上げると、そこには「お願い、聞かないで」と書いてあった。

(聞いちゃいけない事を聞いたんだ) と感じていたあたしは、気まずい空気を吹き飛ばすように

「ママ、おなか減ったよ~、今日のごはんは(なに)?」 と大声を上げ、

母は「はいはい、今日はカレーライスよ」 とホッとしたように答えてくれたことを、あたしは今でもはっきりと覚えている。

 

 

学校はちょうど2学期の期末テストが終わったところ。自分の進路を絞りこまねばならない時が来ていた。

自分はどちらかというと、理系は苦手で、文系に進みたいと思っている。母はあたしを医者にしたいようなのだけれど、そもそもあたしは血を見るのが嫌いなので、かなり早いうちから母には「医者にはなりたくないの」と話していた。

母は「まぁ、あなたの人生だから」と鷹揚に構えていたけれど……
 

「リコちゃーん!! 待ってよー! 一緒に帰ろ!」

マコちゃんだ。いつも元気なあたしの大親友。

ちなみにあたしはみんなから”リコ”と呼ばれているのだ。

「ちょっと待った! ハイ、さっさとコレ触る!」 あたしはとあるキーホルダーを取り出し、彼女の前に突き出す。

「アンタも神経質ねー、大丈夫だってばさー」 とふくれっつらをしながらもマコはそのキーホルダーを左手で触る。

彼女は左利きなのだ。

        

――― ピカッ ―――

 

静電気防止キーホルダーはその瞬間輝き、彼女が手を離した後もしばらくLEDライトは光を放っていた。

「ほ~ら見なさいよ、しっかり光ってるじゃない。どこが大丈夫だって? ビリビリは勘弁してよねー、全く。

アンタ、まさか毛糸のセーターでも着て来たんじゃないの?」  と突っ込むと、

「そ、そ、そんなの着てないわよっ!」 とマコが真っ赤になって言い返してくる。

「ほうほう、じゃぁもしかして?」とあたしは………

        

――― ファサァーッ ――― 

 

マコのスカートをまくり上げたのだった。

「あれ? 只の・・・ってゲコ太? ……って何よ、何なのぉ?? わー懐かしいわぁ!!」

一瞬、マコは呆然と立ちすくみ、

次に顔を真っ青にして

それから真っ赤になり

「リリリリリ、リコぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」と叫ぶや否や、あたしに飛びかかってきた。

もちろん対策は打ってある。あたしは、飛び込んできた彼女を抱え込む形を取り、鎖を長く垂らしたキーホルダーを彼女のアタマにガシッと当ててやる。あたしの編み出した安全対策だ。

「かわいいねぇ、リコ!」

「ふにゃ~」 あっけなく彼女は崩れ落ちてしまった。
 

「まったく、只でさえマコは静電気貯め込みやすいんだから……もう冬なんだし自分でもちゃんと対策しなさいよ」

「だ、だからって、なななんでスカートまくるわけぇ?」 うるうるしながらマコが見上げてくる。

か、かわいい。ものすごく可愛い。この姿が見たくて実はやっている、ということは絶対にナイショだ。

「そりゃー、静電気が貯まってる、ということはマコが毛糸のセーターを着ているか、さもなければ毛糸のパンツを履いているしかないでしょー? 

来年には3年生になろうという乙女が毛糸のパンツはマズイでしょ?

でさ、ゲコ太っていつの時代のキャラパン履いてるのよ??」

「そ、そんなもの履いてるわけないでしょー!! だいたい校庭の真ん中で言うことじゃないわよ! 

は、恥ずかしいでしょっ!!」

あ、そうだったっけと、顔を上げ廻りを見ると……

「いやぁ眼福眼福」
「マンガのパンツw」
「中学でスカートめくりかよw」
「なんで女の子同士で……?」


――― やばい、ひじょーにやばい ――― 


「し、失礼しましたーっ! マコ、帰るわよーっ!!」

右手で彼女の左手をひっつかみ、脱兎の如くあたしはマコと共に校門を飛び出した。
 

 

「酷いよー、リコったらぁ………」

「いやぁ、あんなに人が集まってるなんて思ってもみなかったんでねぇ、ごめんね、マコ」

あたしたちは家に向かって帰って行く。あたしたち二人の家は実は凄く近いのだ。

「うう、あたし、もうお嫁に行けない」

「そりゃまた大変だねぇ」

「誰のせいなのよ?」

「まさか……あたし?」

「他に誰がいるのよ」

ちと派手にやりすぎたのだろうか。さすがに少し反省する。

「かくなる上は……、やっぱり学園都市の高校に行くしかないかも……」

「なんで話がそうなるかなー ……はぁ」

来年は3年生。そう、受験の年になる。今まではずっと先だと思っていた「高校受験」がなんとなく見えてきた気がするこの頃。

でも、あたしたちの「来年の受験」の話はちょっと違っているのだった。

「あたしのパパもママも学園都市出身じゃない、やっぱり行ってみたいもん」

「あたしはダメ。行けない」

「前もそう言ってたよね。なんで? リコのお母さんだって同じでしょ?」

「うーん、そうなんだけど……。母さんは絶対反対全否定、だからねー。自分はしょっちゅう行ってるのにさぁ。

ずるいよね。

まぁマコはさ、能力の片鱗が見えるじゃない。もちろんご両親とも ” あの ” 学園都市でスゴイしさー?
 
だから行った方がいいんじゃないかな。あたしは、母さん同様何もないからね。母さん、凄く大変だったっていうのよ。

いじめられたってよく言ってた。無能力者が行くところじゃないって」

それでも、いじめを見返すために母は勉強で頑張った……らしい。あたしとは大違いだ。

「えー、リコが行かないんなら、あたしも行くのやだなぁ」

「なんであたしが行く行かないで、マコが悩むのよ?」

「だって、「あら、二人とも今帰り?」 ママ!?」

交差点を渡ってやってきたのは、マコのお母さんだった。久しぶりだ。1年ぶり……だろうか?

相変わらす綺麗な人。マコも全体的には似ている。でも髪がマコは黒髪でおばさんは栗色。

マコはお父さんに似たのだろうか?

あたしは……父さんを知らないから似ているのかわからない。はー、いやな事を思い出してしまった。

おっと挨拶しなきゃ。

「こんにちは、おばさん。母がいつもお世話になってまーす」

「まぁ、ちょっと見ないウチに大きくなって。元気そうだわね」

「母も珍しく家にいますよ。よかったら寄っていきませんか?」

「あら、ほんと? あ、でも私もこれからウチに帰るところなの。

私も久しぶりだから、まずはお義母様に挨拶しないと、ね?」

「ママ、今度はいつまでいるの?」 ちょっと引いていたマコが心配そうな顔でお母さんの顔を見ている。

あたし、おじゃま虫かも。少し歩くタイミングを遅らせてみた。

「ごめんね。今回は3日だけ。そんなことより、勉強は進んでるの? 試験は出来た? 来年は高校受験なのよ?

まぁワタシの娘だから大丈夫だとは思うけど、アイツの血も入ってるわけだから……」

「はいはい、ノロケ話のフラグ立ちました~w」

「なっ、なにを親をからかってるのよっ!」

どう見てもあたしは邪魔だ。親子水入らずだよね。ここはいったん引こう。

「それじゃぁ、私はここで。母におばさんが戻ってきてることは伝えてもいいですか?」

「あら、利子さん、随分他人行儀になったわね? 昔は…いやそんなことよりお母様いらっしゃるのね。

だったら、佐天さん、じゃなかった、あなたのお母さまには私が直接電話するわ。

明日は土曜日だし、ウチでお昼にパーティやりましょって、どうかな?」

「わーい、パーティだぁ! ごちそうだぁ!」

マコがはしゃぎまわる。さっきの悪夢はもうすっかり忘れてくれたらしい。切り替えが早いのも彼女の良いところだ。

「こらっ! もう子供じゃあるまいし、道の真ん中で跳ね回るんじゃないっ!!」

いいなぁ、こういう親子ってのも……

「じゃぁ、リコ~、明日またね~ 待ってるよ! ♪♪」

「利子さん、あなたからもお母様によろしくってね。明日はとっても良い日になりそうだわ」

「はい! こちらこそ宜しくお願いします!!」あたしは深々と二人にお辞儀をして別れた。


………… かくして、明日、パーティが急遽行われる事になった。

ウチの隣の隣、上条家(かみじょうけ)で。

 

「え、こっちにいらしてるんですか? ………… 明日のお昼ですか? ハイ、もちろんOKですとも! 

この佐天涙子、命に代えても!」

いつもはむつかしい事を考えている母も、昨日家に帰るとものすごくゴキゲンだった。

ここ最近見た事がないくらいのハイテンションぶりだった。あんな楽しそうに電話している姿はいつ以来だろうか?

 

そして今は日が変わってその土曜日の朝10時過ぎ。

「うかつなもの持っていけないしなぁ……とりあえずお花は持っていこうか……

みんなでつまめるものは? と…… それよりか、いっそお肉と野菜持っていって、ちゃちゃっと借りてやっちゃおうか……」

あれこれ悩んでいるようだけど、とっても楽しそう。

「あ、利子、そのお花と、ウーロン茶とオレンジジュースの袋持っていって。アタシちょっと電話してみるから」

「はーい」

そこへピロピロと電話がかかって来た。マコからだ。

「おはよー、リコ。いつ来る? 出来ればさー、直ぐ来て欲しいんだけどさー」

「なに? どうしたん??」

「ママよ、ママ。ちょっとテンパっちゃって……」

「母さーん、おばちゃんテンパってるみたいよー」

「ほーぉ? この佐天さんにおまかせあれ!っていっといて。さぁ行くわよ! 佐天一家のお通りだぁーっ!」

……なんなのかしら、このテンション。あたしら一家っていったって二人だし。まぁいいか、ふふ♪

 

 

なんせ隣の隣なので、あたしたち親娘は直ぐに現場に到着した。

上条家。あたしの第2のふるさと、と言ったら大げさかな。

「お待ちしてましたっ!」と門を開けるマコの顔は、救世主を迎えるかのように輝いていた。

「お久しぶりです、佐天おばちゃん!」

「ホント、こちらこそご無沙汰。おととい帰ってきたんだけど挨拶できなくてごめんなさいね。いろいろあって。

(しげしげとマコの顔を見て)

いつも利子の面倒見て頂いてありがとうね、マコちゃん。でもホントお母さんに似てきたわね」

「いえいえ、そんなぁ/// ……。 リコちゃんだって…………そ、そっくりですよぉ!」

……本当にマコは正直。あたしと母さんは実は全然似ていないのだ。女の子は父親に、男の子は母親に似る、と言うけどあたしはきっと父親に似たんだろう。

……どんな顔だか知らないんだけど、あたしに似てたんだろうな。

「で、そんなことよりどうしちゃったの? 何があったの?」

「そ、そうでしたっ! ととととにかく、現場の方へ! こ、こっちですっ!」

おいおい、マコ。アンタまでテンパってどうするんだい?って…………おーい、なんじゃこりゃ??


 

綺麗に飾り付けられていた「らしい」 ダイニングルーム。

         
             そこには。


ぐちゃぐちゃになっている食器と料理、それになんか焦げくさい。


 「ふにゃ~」

その中に呆然と座り込む―――― 上条美琴(かみじょう みこと)―――(マコの母)と、

「あらあら、まぁどうしましょう、ちょっと美琴さん、どうしちゃったの?」

あまりの事におろおろする―――― 上条詩菜(かみじょう しいな)――― (美琴の義母/マコの祖母)

「ちょっと、ママったらぁ、なんで電撃しちゃうのよー! しっかりしてよ、もう!」

と美琴をピタピタと叩くマコ―――― 上条麻琴(かみじょう まこと)―――― がいた。

 

 

「いやぁー、安心しましたよ、御坂さ…もとい、上条さんらしいなって、変わってないなーって♪ あはははははっ!」 

母がとても快活に笑っている。

むすー、としていた美琴おばさんは母の笑いに釣られかけて、とっても変な顔になっていた。

「ちょおっとー、そんなに笑う事ないでしょー? そ、そりゃぁさぁ、ちょっとお粗末だったけどさ……」

「いやいや、ご謙遜を。十分お粗末ですよー、これ」

 ――― あたしたちが受けた説明によれば ―――

料理を並べ始めた時に、壁のすみっこからついーっと滑るように「ボク呼びました?」と物体Gが高速で足下に接近するのを捉えた美琴おばさんは、反射的に「ぎゃぁーっ」と叫びバランスを崩した後に電撃が暴発し、TVのギャグそのままに部屋の中のものを吹き飛ばしたらしい。

ご丁寧に最後は金たらいが壊れた天井から落ち、おばさんのアタマを直撃……ということは幸いなかったという。

「あらあら、わたしそれ好きなのよー、今度是非お願いね♪」 

と詩菜大おばさまが発言して、美琴おばさんが「お、お義母さま……」 と落ち込む嫁姑コントが、収まりかかった母をまた笑わせた。
 

「利子、マコちゃん、あんたたちは部屋をちゃっちゃっと掃除しちゃって。アタシその間に料理やっちゃうから」

と、いきなり腕まくりをした母はどこから出したのかエプロンをさっと着て、キッチンにずいっと入り込み、持ち込んだ材料をそこへ並べるや否や「ふんふんふーん」と鼻歌を歌いながら、あっという間に3品の料理を作り上げた。やっぱりスゴイ。

「あらあら、佐天さん、すごいわぁ。やっぱり貴女のそのお料理テク、とっても役にたつわねぇ?」 

と無邪気に母を褒める詩菜大おばさまのむこうで、

「ちょっ、そ、それ、お義母さま、きついですわ」 と美琴おばさんがまた落ち込む。

うーむ、こうして見ていると、麻琴のところ、ちゃんと嫁姑の戦いがあるんだな………。
 

 

 なんやかんやでお昼もまわった頃。

涙「それじゃぁ、かんぱーい!」
美「かんぱーい」
詩「はいはい、かんぱいね、おほほほ」
麻「いっただきまーす!」
利「いただきまーす!」

ということで、ようやく上条家でのホームパーティが始まったのだった。

「もう、ママったら、どうしてジャマー外しちゃったのよ!ダメじゃないの~」 

麻琴が文句を言っている。

(おいおい寝た子を起こすか、いや寝ようとしていた母を起こす、かね) とあたしは心の中でつっこんでみる。

 ――― 美琴おばさんは、実はただ者ではない。あたしたち親娘からすると別世界のひと、と言っても良い。

いわゆる「超能力者」の一人なのだ。私と同じ年の頃、既におばさんはあの学園都市で「超電磁砲<レールガン>」というちょっと物騒な、しかしまさしくドンピシャの 「利子さん、どうかしたかしら?」

(おっと、美琴おばさまのいきなりの攻撃! 読心術か?? 多重能力者に進化したのかっ?)

脳内で絶賛つっこみ中だったわたしは、「は、はいっ??」不意打ちに声がうわずってしまった。

「んー、何か私に言いたそうな顔してたからさ」 

「ママ、話をはぐらかさないの!」  ナイスフォローだよ、マコ。さすがあたしの妹分。
 
麻琴が指摘した「ジャマー」、正式には「AIMジャマー」とか言うらしい。

超能力を押さえ込む、文字通り「邪魔」をする機械で学園都市以外では能力を使う事が厳しく禁じられている事から常時着用しているのだそうだ。

昔はそれこそトラックにでも積まなければならなかったくらい巨大なものだったそうだが、今では非常に小型化されて普段着用していても差し障りがないくらいになっているらしい。

で、料理に奮闘していた美琴おばさんは、装着していた腕輪、すなわちAIMジャマーを外して、おばさまの十八番のひとつ、セルフIHクッキングに取りかかったのだそうだ。

キャンプで無敵の能力だよねぇ、といつも感心している力だ。

そして何もなければ良かったのだが……って、これ、違反なんじゃないの?

 

「あらあら、そう言えば利子ちゃんもウチ来るの、ちょっと久しぶりじゃないのかな?」

今日はゴキゲンな詩菜大おばさまがにこにこしながらあたしに話を振ってくる。

(あのう、わずか2日ですけれど……?) と、大おばさまに脳内で軽くツッコミを入れておいて、

「そう『すみません、おばさま、本当にご迷惑ばかりおかけしてしまって。この佐天涙子、ほんとーに感謝致しておりますっ!』」

と私が返事をしようとした途中に母が割り込み、へへーっと平伏する。

「あらあら、いいのよ、止めてちょうだい。私はね、本当に良い子に恵まれて、私の方こそお礼言わなくちゃ。

ウチは男の子だったでしょ? それで当麻が学園都市に行った後は、本当に寂しかったのよ。

刀夜はろくすっぽ家にいないし。

でも、あの子が美琴さんと結婚して麻琴が生まれて、ウチで預かる事になった時は、ああ、ようやく私にも女の子が出来たわぁってホント嬉しかったのよ。さぁこれから……」 

と遠い目をして頬に手を当てて昔に思いをはせている大おばさま。

ふと美琴おばさんの方を見てみると、おばさんは少しプルプルふるえて……え? まさか? 

「ええ、ええ、どうせ私はろくに子供の面倒も見れない嫁失格、母親失格人間ですよ……」

ぶつぶつつぶやいてる。 美琴おばさま、暗黒面に入りかけてる。まずいです、これは。

麻琴は既に警戒信号(黄色のパトランプ)を出してるし。今はちゃんとジャマー付いてる、よね?

大おばさまは気が付かないのか、話を続けてる。これはちょっとあたしが割り込んだ方がいいかもね。

「詩菜おばちゃん、育ててくれてありがとうね。あたし、おばちゃん大好きだよ」

「あらあら、どうしたの今日は。でも嬉しいわ、そう言ってくれると。うふふ、おばちゃんもね、としこちゃんが大好きよ。

本当によかったわ、あなたがウチに来てくれて」

そう、詩菜大おばさまは、あたしの育ての親、というのは言い過ぎかもしれないけれど、それに近い存在なのだ。

正確にいえば、麻琴もまた……。

 

ちなみに、話に出てきた”刀夜 ”というのは、上条 刀夜(かみじょう とうや)さんで、

詩菜大おばさまのご主人、美琴おばさんのお義父さん、麻琴のおじいちゃんにあたるひと。

あたしもたまに顔を合わせるのだけれど、すごく格好いい。若い頃はもてたそうだ。

詩菜大おばさまもその点では結構苦労したらしい。

ただ、この話を出す事は自殺行為なので、今回もあえて触れない。

せっかくのパーティがお通夜になってしまう。華麗にスルーが鉄則なのだ。

 

 

入籍する前に亡くなってしまったあたしの父。シングルマザーとなったあたしの母は、実家から勘当されたと聞いている。

覚悟はしていたらしいが、実際にそう言う状況に置かれて、母は途方に暮れたらしい。

詳しい事情はまだ教えてくれないが、母を救ってくれたのはこの上条美琴おばさん。

お友達のつてであたしを保育施設に入れてくれたそうだ。

母はあたしを学園都市の学校には絶対行かせたくなかったので、小学校に入る前に親娘とも学園都市を退去することにしたそうだが、その際のごたごたを全部引き受けてくれたのも美琴おばさんだったそうだ。

更に母の仕事が急激に忙しくなり、今までのように子連れ出勤することが出来なくなりそうになったとき、再び手をさしのべてくれたのもやはり美琴おばさん。

実家は問題があって預かれないので、当麻おじさん経由でお義母さまに相談してみたら、二つ返事で引き受けてくれたのだそうだ。

実際にはその時には既に麻琴は、美琴おばさんが学園都市ではなく普通の学校に通わせたいからという理由で詩菜大おばさまのところにいたんだけれど。

母はなるべく近くに住みたいからと家を探したら、出来すぎた話だけれど上条家の隣の隣が売りに出たので速攻で購入した。

ちなみにローンはまだ終わっていない(笑

その際の保証人も美琴おばさんがなってくれたそうだ。

何から何まで美琴おばさん頼み。もうウチは美琴おばさんに一生アタマが上がらないんじゃないだろうか。
 

 それで話を戻すと、普段はあたしたちは母娘で暮らし、母は出張に出るときにはあたしを上条家に預けてゆく、という形を取ったのだった。

あたしからすると、家が2軒あるのと同じことだったし、逆に「上条のおば(あ)ちゃんち」 (最初、「あ」を入れて呼んだところ、『あらあら、そんな年に見えるのかしら、ショックだわ~。もう今日はご飯作る元気ないわ~』 とご飯抜きの刑をくらってしまったので、命に関わる禁句のひとつとなった) に行くと、詩菜おばちゃんはとても優しいし、麻琴と一緒に寝るまでおしゃべりできる事が楽しくて、実際のところは母が考えたほど苦痛ではなかった。

あげく、一時期母が頻繁に出張を繰り返していた時、上条家にあたしを迎えに来た母に向かって、

「ねー、お母さん、今度はいつ<来るの?>」と聞いてしまい、母がボロボロ泣き出してしまった事があった。

笑い話にもなるくらい有名なネタだけれど、言われた母には相当のショックだったらしい。

しばらく出張を控えたらしく、確か1ヶ月以上家にいた。

詩菜おばさまから 「麻琴が寂しがってるので、二人で是非うちにお泊まりに来て欲しい」 とお願いが来たのには参ったけれど、母は 「なら、今こそ普段の借りを返すときだぁ~!」 と逆に麻琴を拉致同然に連れてきて、その日は我が家でどんちゃん騒ぎだった。

麻琴が詩菜大おばさまにそれをしゃべったものだから(普通報告するわな)、

「あらあら、私、のけものにされちゃったのね。ああ、凄く寂しすぎるわぁ~」 

とマリアナ海溝より深く沈み込んでしまい、引き上げるのに3日付きっきりでお世話するハメになり、母の休みが詩菜大おばさまのご機嫌をとる事で終わったのは暗黒の歴史の1ページだ。
 

 

ふと気が付くと、

「もうね、楽しいわ。やっぱり子供の笑う声が聞こえる家って、幸せそのものじゃないかしら」

「男の子って、家を出てっちゃうから……。この娘たちは、わたし、私の娘にするんだから~。

うふふふふっ♪ 私に出来た女の子2人。あれもこれもしたいなぁって。」

詩菜大おばさま引き続き絶好調、独演会絶賛開催中。

……というわけで、大おばさまには遠大な、かつ危ない下心がかなりあったようだ。

預けておいてなんだ、と思うけれど、美琴おばさまも母もうすうすこの下心には気が付いていて、あたしたちがおばあちゃんっ子にならないようにかなり気を付けていたらしい。

結果的に、あたしと麻琴は母さんたちからは厳しくしつけられることになったのは言うまでもない。

同性に厳しい、すなわち、母親は娘に厳しく、父親は娘に甘い、という話もあるけれど、あたしと麻琴の場合は、母は厳しく、祖母 (あたしの場合、小母) は甘い、という役割分担をしていたのだろう。
 

そう、麻琴のお父さん。上条当麻(かみじょう とうま)さん。

美琴おばさんはと……ありゃー、黄昏れちゃってるわ……。

「おばさん、当麻おじさんは一緒じゃなかったんですか?」 と美琴おばさまに話を振ってみる。

「えええ? あ、アイツは、じゃなかった、当麻はね、今ちょっと学園都市を離れられないの。

いろいろと難しい舵取りを要求されてるみたいでね。今回もホントに来たがってたのよ。

利子ちゃんと麻琴、アンタたちの顔を凄く見たがってたんだから。

時間があったら動画メールでも送ってあげてね。凄く喜ぶと思うの」

さすが、旦那さんのことになると別人ですね♪

「パパ、会いたいなぁ……、ね、ママ? あたし、学園都市の高校に行きたいんだけど、パパのところダメかな?」

おいおい、麻琴、ここでそういう話出すなよ、凄くマズイよ……あ、母さん気が付いた!

「利子、アンタは絶対だめだからねっ!」  


ほらみろ……


―――― 神様が通っていった ―――― (と英語では表現するらしい)


一瞬、その場が静まりかえった。 
 

 

 


 

「行ってきます」

「寄り道しないで帰ってくるのよ!」

「うぃーす」

「こらっ、下品な言葉、女の子が使っちゃダメっ!」

月曜日の朝。

土曜日にちょっと母とやりあった余韻は日曜1日では消えず、週明けの今日もちょっとギクシャクしたスタートになった。

母とは一緒にいる時間が短いのだから、せめてその間は親娘仲むつまじく過ごしたいとは思うのだけど、逆に不満憤懣やらの方が先に飛び出してきてしまう。

距離の取り方もちょっと難しい。母さん、どうしてああなるかな……。

はぁ、月曜からブルーだ。

上条家のベルを鳴らす。

「はいはい?」

「おはようございまーす、今日も元気な佐天でーす。マコちゃんお願いしまーす」

「はいはい♪ ちょっと待っててね」

詩菜大おばさまがインターホンに出てくるのもいつもの通り。そして……

   ――― 「ひっへひまっふー!」 ―――

マコ、おまえアニメキャラか? パンくわえて飛び出してくるって、テンプレ通り過ぎないか? だけど……?

   ――― もきゅもきゅ ごっくん ―――

「え? マンガなら食パンにジャムでしょ? ざーんねん。これチョコレートロールパンなんだなっ!」

「そういうことじゃなーい!!」 

   

――― ぽか ―――

 

「いったーい」

「なわけないでしょ、触っただけなのに」

「うう、暴力はいけないんだよ、リコぉ……」

おー、来た来た、お約束のうるうる。あー癒されるなぁ、よし今日も頑張るぞっ!

「リコ、ちょっとダダ漏れなんだけど。アタシおもちゃにして楽しい?」

「そーだよぅ、マコはあたしの活力源だもん! 頼りにしてるんだからねー?」

「ひっどーい、そんなので頼られたくなーい! わたしの汚れなき青春を返してよ-!」

「まっかっせっなっさい! 10年後に利息なしで返してあげるから。楽しみにしてね♪」

「うう、24歳になるまで返してくれないの?……ってところでさぁ、あれからどうしたの? 

 アタシは母さんと御坂ばぁちゃん家に行ったんだけどさー」

………マコぉ、勝てないどころか逆転ホームランかい? アンタってひとは本当に寝た子を起こすのが得意なのねぇ。

せっかく忘れかかったのにまた思い出したろうが。

「……ご、ごめんね? 言っちゃいけなかったかな、そ、そんなつもりで「いいから!その話、またにして!」」

「ごめんなさい」

あー、ホントにもう、さ・い・あ・く・だぁー!
 

 

 土曜日のパーティ後半戦。

出だしでちょっとした騒ぎはあったものの、それをネタにしたりして女だけの姦しパーティはだんだん盛り上がり、オトナ、すなわち母親2名+大おばさまの3名はワインの酔いも加わって、ケンケンガクガクの話になっていた。

「だーから、無能力者にとって、学園都市は地獄以外の何ものでもないんですってば!」

いつもの母の持論だ。

「あの子には、私が味わった苦しみは、絶対に味わせたくない。親として自分の子、娘を守るのは当然です!」

美琴おばさまも思い当たるふしがあるのか、黙っている。

まぁ自分の娘も学園都市に置いていないわけだから、そう言う意味では、母と意見は同じなのだろう。

でも、大丈夫なんだろうか? 学園都市のエライひとであり、レベル5であり、超電磁砲<レールガン>こと学園都市のスーパースター、と言えるひとが自分の娘を学園都市に置いていない、っていうのは。

絶対ワガママとしか思われないよねぇ……。まぁおかげであたしは麻琴という得難い友を得たんだけど。


――― 普段ならばこの辺で母の発言は終わり、無限ループ2周目に入る……のだが ―――


今回は違った。トンデモ爆弾が炸裂したのだ。
 

 「御坂さんはいいんです。レベル5だし、今は学園都市統括理事会メンバーだし。

麻琴ちゃんだってもう能力者の片鱗みえてるし」

あらら、旧姓で呼んじゃってるよ。って、何もマコを引き合いに出さなくてもいいのに。

「ちょ、ちょっと、佐天さん、ウチの麻琴が?」 

え? これにはちょっと驚いた。おばさん知らないの? そりゃホントに母親失格だよねー(棒読み

というか、麻琴、あんた自分の親に何も言ってなかったの? 

「ちょっと、麻琴、こっち来なさい。アンタ、そ、そ、そうなの?」

(見せてあげなよ) あたしは無言で静電気防止キーホルダーを麻琴に渡した。

麻琴は「エヘ」とばつの悪そうな顔をしつつ左手で受け取った 

                            ―― その瞬間 ――

キーホルダーはカッと輝いたかと思うと 

                      ――「パン」と乾いた音を立てて ――  

    
                                        ―― 壊れた ――

 

「マコ……」あたしもこれには驚いた。昨日の帰り道でも、せいぜいライトが長く光る程度だったのに……

言い出しっぺの母も絶句していた。

詩菜大おばさまは「あらあら……」といったまま二の句が継げず。


そして、本人が一番驚いていた。 黙って、そして……震えてる? 
 

美琴おばさんはさすが 「電撃使い<エレクトロマスター>」 だけのことはあり、瞬時に能力<レベル>を見て取ったようだ。

しばらく目をつぶってなにやら神経を集中していたようだけれど。

「よし、解った」  おばさんが目を開いてにっこり笑った。

「麻琴の生体電磁波、記憶したわ。今までなんとなく感じていたけど、気にしてなかったからね。

ごめんね、麻琴。もう大丈夫。というかもう逃がさないからね、わかった?」

よくわからないけど、身近すぎて気に留めていなかったってこと?

というか、麻琴に能力があることはうすうす感じていたのだろうか? じゃぁなぜ驚いたんだろう?

「は、はい。ごめんなさい」  麻琴も混乱してるみたい。怒られると思っていたのだろう。

そこであたしは別のことに気づいた。じゃぁ昨日のアレは、麻琴は本気じゃなかったのだろうか? 

あたしは麻琴に遊ばれていたのだろうか?

「ち、違うわ、リコ」 さすがマコ。昨日の事を思い出したのか?

「怖い顔しないで、リコ。違うのよ。昨日は何ともなかったの」

あたしの顔に何か書いてあるってかい? それともつのが生えているとか、かしらん。

「今、初めてなの、こんなこと。ただちょっと、ママを驚かせてやろう、って思ってエイッと集中したら、壊れちゃったの。

ううっ、ご、ごめんなさぁーい!」 とわんわん泣き始めてしまった。

え、これってあたしのせいですか? ちょっと母さん睨まないでってば。

元はと言えば、母さんが言い出しっぺじゃないの! なんであたしのせいなのよ……

当麻おじさんの叫び借りたいなぁ、ホント。

「麻琴、びっくりしちゃったのね。そうよね、いきなりだもんね。怖かったよね。大丈夫、大丈夫。

あなたはママの娘だから。ママがちゃんと守ってあげる。おめでとう。あなたも能力者なのね」

ああ、こういうのって親娘だなぁ……。

でも終わりのところで、母が一瞬苦い顔をしたのがわかった。あたしにもその訳がわかる。

図らずも、あたしたちもやっぱり親娘なんだなー、と改めて思ってしまった。

麻琴たちとは全く逆だったけれど。

「さてと、じゃぁ一度、あなたを学園都市に連れて行って、ジャマーを作らないとね」

「え、学園都市に行けるの?」 麻琴が急にキラキラキュピーンになった。立ち直りはやっ!

「もちろんよ。そうしないと、あなた、こっちで能力暴発させたらおおごとよ」

あのーおばさま、数時間前に誰かさんがそれをやっちゃったような。お忘れでしょうか……?

「もちろんあっちでも違う意味で大変だけどね。早いほうが良いわよね」

バッグから小さなホルダを取り出すと、それをパタパタを開き、指を当てるとなにやら3次元ホログラムが出てきた。

さすが学園都市。見慣れないものが何気なく出てくるなぁ。ま、いつものことだけれど。

「うん、水曜日の午後がいいかな。お義母さま、水曜日一日、麻琴を休ませたいのですが、よろしいでしょうか?」
 

テキパキと話を進める美琴おばさん。きっと仕事がデキるおんな、ってこういう感じなんだろうな。

ちょっとカッコいいな。

いきなり話を振られた詩菜大おばさま。でもさすが、あわてずにコクンとうなずいて、

「はいはい、ええ、良いわよ。でも……麻琴ちゃんはひとつオトナの階段を上ったのね。おめでとう、かしら。

ああ、でもちょっと寂しいわ。私もなんだか急に歳を取ったような気がするわ……で、利子ちゃんはどうなの?」

「へっ? わ、わたしですか? と、ととんでもない。私はフツーですよ、フツー。佐天利子、中学2年ですっ」

と、あたしはあたふたとわけのわからない回答をしてしまった。

落ち着いて考えると、ちょっと失礼な答えだったのだが美琴おばさんはさすが、あたしの聞きようによってはきつい答えをスルーしてくれた。

「じゃ、麻琴、火曜日学校終わったら、中央線に乗ってXX駅まで来てくれる? 私が迎えに行くから。

パスポートはまだ有効よね? 忘れないでね、入れなくなるから。

申請はあとでやっておくから、月曜日の朝には入場許可が下りてるわ。久しぶりに家族3人揃うわね」

「パパと一緒出来るの? やったー、ねぇどこで晩ご飯食べるの? あたし、中華がいいかな? 

パパ、私が能力出たって言ったら泣いちゃうかな?」 

さすが、色気より食い気の麻琴だわ。

「大丈夫。アンタの能力なんか、パパなら簡単に消せちゃうから」

「えー、せっかく出来たのに。そんなパパなら嫌いになるからいいもん!」

あたしたち親娘と詩菜大おばさま、完全に空気。

お呼びでない。こりゃまた失礼致しましたって、化石ギャグをどうしてあたしは知っているんだろ?

 

しかし、今から思えば、母のあの爆弾発言。まさに爆弾だった。

全てはあの発言から。

運命の歯車は、今までとうってかわって、突然違う方向に回り始めたのだった。
 

 →  02 「学園都市へ」

 

*タイトル、次ページへのリンク追加、改行及び美琴の一人称の修正等を行いました。(LX:2014/2/23)

 

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