続・上条「あの日、もしかしてお前は、俺以上に」4


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ステイル「では、これを日本とアメリカに届ければいいんだね」

インデックス「そう。お願いするね」

ステイル「ああ、任せてくれ」

インデックス「魔術的には意味は薄いけど、神学的に貴重な書物だから、ちゃんと大学に届けてね」

ステイル「大丈夫さ」

インデックス「それと、仕事を頼んどいてなんだけど……」

ステイル「何かな?」

インデックス「体、大丈夫? ここのところ働きすぎじゃない?」

ステイル「心配いらないよ。そんなにやわじゃないからね」

インデックス「……ならいいんだけど。あ、そうだ」

ゴソゴソと机の引き出しをあさるインデックス

インデックス「学園都市に行ったら、これをまことに届けて」

ステイル「……イギリス銘菓、ロンドンせんべい?」

インデックス「そう、とっても美味しいんだよ」

ステイル「わかった。ちゃんと届けるよ」

インデックス「お願いなんだよ」

 

まこと「とうまくん!」

帰宅した当麻を愛しい娘の元気な声が迎える

上条「ただいま。どうした、なんか嬉しそうだな」

まこと「はい! しずりちゃんがきます!」

上条「へえ、麦野が」

まこと「はい! とってもたのしみです!」

上条「そうか、よかったな。浜面たちは?」

まこと「……おしごとでこれません」

上条「残念だな。でも、そのうち会えるさ」

まこと「はい!」

 

 

アメリカ 日本行きの旅客機

ステイル「えーと、僕の座席は……あ、あった」

指定された座席の隣にはステイルより少し年上に見える日本人女性が座っている

ステイル「すいません、席となりなので」

麦野「あ、はいどうぞ」
女性が立ち上がり、ステイルの通るスペースを作ってくれる

ステイル「ありがとうございます」

麦野「いえ、お気になさらずに」

ステイルが席に座ると、女性も席に腰を下ろす

麦野「ご旅行ですか?」

ステイル「いえ、仕事です。学園都市まで。あなたは?」

麦野「私はお墓参りに。あと、友人の子の様子もついでに見てこようかと」

ステイル「そうですか。良い旅を」

麦野「ええ。あなたも」

学園都市、空港

まこと「しずりちゃん、まだですか」

上条「便はついてるし、もう来るだろ」」

まこと「たのしみです」

上条「そうか」

麦野「まこと、上条!」

まこと「しずりちゃん!」

まことが駆け出し、麦野に飛びつく
麦野はそれを優しく抱きとめ、にっと笑う

麦野「しばらく見ないうちに、ちょっと大きくなったんじゃないか」

まこと「はい! せがのびました!」

麦野「そうかぁ! よかったな!」

上条「麦野、ひさしぶりだな」

麦野「上条か。悪いわね、迎えに来させちゃって」

上条「気にすんな。まことが会いたがってたしな」

まこと「しずりちゃん、あえてうれしいです」

麦野「アタシも嬉しいよ」

上条「じゃ、絹旗んとこまで、送ってやるよ」

麦野「ああ、頼む」

上条「じゃあ、また明日な」

まこと「まちをあんないします」

麦野「ありがとうな。二人とも」

絹旗「麦野、この先の花屋に超予約してますから」

麦野「絹旗もありがと」

上条とまことが去っていく
麦野「浜面と理后も、来たがったんだけど……」

絹旗「仕事じゃ、しょうがないですね」

麦野「じゃ、行こうか……」

絹旗「はい…」
ステイル「では、たしかにお届けしましたよ」

職員「はい、ご苦労様です」

ステイル「では、失礼します」

仕事を終え、届け先の研究室をでる

ステイル「さてと、インデックスから上条当麻の娘への贈り物を届けに行くか」

インデックスのためにできる事は全てしてやりたいと思う
たとえ、こんな単純なお使いでも彼女のお願いなら喜んでやろう

ずっと昔にそう決めたから

ステイル「上条当麻の家は、……うっ」

突如、鈍い痛みが頭に響く

ステイル「少し、疲れたかな。まだまだ若いつもりなんだけど……」

ここのところ仕事を詰め過ぎたのかもしれない
インデックスにも心配させてしまっているようだったし。

ステイル「これ届けたら、早めに休むか……」

 

この街に帰ってきた一番の目的を終え、麦野は絹旗と歩く

絹旗「さて、これからどうしますか」

麦野「明日はまことを遊びに連れてってやるつもりだけど」

絹旗「じゃあ、これから映画でも行きますか」

ふと、向こうから歩いてくる人影に気がつく
知り合いでは無い
しかし、見覚えはある

「あ、飛行機の……」

絹旗「知り合いですか」

麦野「ああ。飛行機で隣の座席だった」

それは、たしかに飛行機で隣り合った麦野より少し年上にみえる白人の青年だ
これも何かの縁だ。麦野は青年に近づく

麦野「すいません」

ステイル「ああ、あなたは……」

麦野「はい、飛行機で一緒でしたね」

そこで青年の様子がおかしいことに気がつく
顔色が悪い

麦野「あの、大丈夫ですか、ひどくお疲れみたいですけど」

ステイル「いえ、すこし疲れてますけど……だいじょ」

ばた
マンガみたいな音を立てて
青年が地面に倒れる

麦野「だ、大丈夫ですか! 絹旗!」

絹旗「はい! もしもし、きゅ、救急車を!」



麦野「んー、アンタの選ぶ映画かぁ」

絹旗「どういう意味ですか、超失礼です」

麦野「んー」

ステイル「ん、ここは……」

風にたなびくカーテンが視界の隅に映る

ひどく懐かしいこの場所は……

ステイル「学園都市の、病院……」

麦野「気がつきました?」

絹旗「全く、急に倒れるとは、超驚きましたよ」

ステイル「……どうやら、迷惑を掛けてしまったみたいですね」
麦野「困った時はお互い様です」

絹旗「その通りです。でも無理しちゃだめですよ」

ステイル「ありがとう」

麦野「でも、街で倒れるまでなんて」

絹旗「どういう生活してるんですか」

ステイル「仕事が忙しくて……。いや、そうだけど、そうじゃない」

麦野「?」

ステイル「昔から、大切なヒトのそばで働いていてね。彼女のためって言い聞かせてちょっと無理をしてしまったかな」

初対面の人たちに話すような話ではない
しかし、恩人である彼女たちに誤魔化しはしたくなかった

絹旗「恋人か、奥さんですか?」

ステイル「……いや」

麦野「そうですか」

ステイル「情けないな、僕は」

結局、どうでもいい愚痴を吐いてしまった

ステイル「すまない、変な話をしてしまった。忘れてくれ」

麦野「ずっとそばにいるだけ、凄いと思います」

絹旗「麦野?」

麦野「アタシは、同じ街で暮らしているくせに、距離を取ってる。今回だって、アイツらと予定が合わない日をわざと選んで……。それに、一時期は同僚の子育ての手伝いまでバリアーにして」

絹旗「そうだったんですか」

ステイル「……」

麦野「同僚の子育て自体は、たくさん得るものがありました。あの子は私にとっても家族だと思います。でも、手伝い始めた理由は……」

絹旗「麦野……」

ステイル「……」

麦野「アイツと違う街で暮らすこともできない。友達として、少しだけ離れてる。だから、そばにいるだけでも」

「アンタは強い」

麦野「すいません、アタシこそ、変な話しちゃって」

ステイル「いえ、ありがとうございます。元気が出ました」

「げこたです! そっくりでした!」

「いや、だからただの医者だぞ」

「おいしゃさん……。まことがびょうきになれば……」

「こら! そういうこと言っちゃだめだろ」

「ごめんなさい」

「はい! 素直でよろしい。さてと、ここか」
上条「ステイルー! 見まいにきたぞ、ってあれ?」

まこと「しずりちゃん!」

ステイル「知り合いかい」

上条「まあな。つか、お前たちこそ」

絹旗「この人が倒れた時に、超近くにいましたから」

上条「そうだったのか。いや、迷惑掛けたなふたりとも」

麦野「気にすんな」

ステイル「そうだ、せっかくだから……。すまない僕の荷物をしらないか?」

絹旗「ああ、ベッドの下です」

ステイル「ありがとう。はい、まこと」

まこと「ありがとうごじます! なんですか・」

上条「……イギリス銘菓、ロンドンせんべい」
まこと「あけてみんなでわけていいですか」

上条「いいか、ステイル?」

ステイル「構わないよ」

まこと「ありがとうございます」

まことが開けると、整然とならんだせんべいの上に

ステイル「ん? 日本語の診察券?」

上条「手紙もあるぞ」
『とーまへ。最近ステイルが疲れてるみたいなので、なだめすかして騙して冥土帰しの病院に連れてってあげて。 インデックス

追伸 まことを泣かせたら丸齧りだよ』

ステイル「インデックス……」

上条「心配されてんな、お前」

ステイル「みたいだね……」

そう言ってステイルは笑う。
たった二枚の紙で、これから先も頑張れる
そんな確信が、ふっと湧いてきた

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