とあるミサカと天草式十字凄教 > 01


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最初に簡単な注意を


・主人公はとあるミサカと建宮になります

・作者が台本形式を苦手としているため、セリフの前に名前はつきません

・恋愛要素が入ってきます(特定のカップルが苦手な方などはご注意ください)


これらの点を踏まえて、お付き合いしてくださる方はよろしくお願いします

 

 

 

 

 

 

 

 

8月16日、学園都市のとある研究所



2人の研究者が、言い争いをしていた。


「ドクター天井、これは決定事項でス」

「そ、そんな!?それでは、私に入る金が…」

「このままでは、『絶対能力進化計画』そのものが破綻しますヨ」


1人は天井亜雄。かつて『量産型能力者計画』を指揮していた、優秀な科学者である。

だが、その計画は樹形図の設計者の予測演算の結果不可能と判断されたため、凍結されてしまった。

その時負った負債を返済するため、彼はこの『絶対能力進化計画』に参加していた。


「ようやく実験が軌道に乗ったところなんだぞ!」

「それをみすみす外部研究施設へ引き継ぐなど、話にならない!」

「…では、このまま謎の襲撃者が計画を台無しにするのを待ちますカ?」

「クソ…」

「お引き取りを、ドクター天井。借金の返済プランはご自分でお考えくださイ」


結局、失意のうちに天井は研究所を後にした。

 

 

『絶対能力進化計画』

――超電磁砲こと御坂美琴のクローンを、2万回一方通行に殺させることで、レベル6へ進化させるという狂気のプラン。

その計画を知った御坂美琴が、実験関連施設を無差別に破壊。

すでに残る実験施設がわずか2基となり、実験存続が危ぶまれることになった。

実験責任者は、計画維持のために外部研究施設へ実験を委託することを決定した。

もちろん、そのためには多額の利権を相手に支払う事になる。

つまりそれは、天井に入ってくる報酬が格段に下がることを意味していた。


(…どうすればいいのだ、私は…)

(これというのも、全ては『量産型能力者計画』が中止させられたから…!)

(私なら成功できたかもしれないじゃないか…)

(とにかく金、金が必要だ)


(!)

(そうだ、アイツを売ってしまおう。少しは金になるはずだ)


天井はすぐに自宅へ戻ると、その地下室で保存されている『実験動物』に目をやった。

さっと目を通し、異常が無い事を確認。

それを確認すると、学園都市外部の知り合いへ電話をかけた。


(すでに役に立たない『量産型能力者計画』の残骸、検体番号00000号を外部に売ってしまおう)

(欲しがっていた連中なら山ほどいるんだからな)


やがて取引が成立し、すぐに『検体番号00000号(フルチューニング)』を渡すことになった。


(焼け石に水だが、当座の金にはなった。悪く思うなよ)


そして天井は培養器ごと、その中で眠る少女をどこかへ運び出した。

それから4時間後、学園都市を遠く離れたとある港


フルチューニングを買ったのは、とある魔術結社だった。

彼らは『学園都市に敵対する研究所』の振りをして、天井と取引をした。

謎の多い科学サイドの情報を手に入れるためである。

無事にフルチューニングを受け取った彼ら4人が、彼女を培養器から取り出し、急いで船に積み込もうとした時…


「いかんよなぁ、こんなモノを見ちまったら、助けない訳にはいかないのよ」


フランベルジェが神速で舞い、4人の魔術師を圧倒した。


「…バカな、天草式十字凄教の人間だと…!?」

「おや、知っているのか。我らも有名になったものよな」


フランベルジェを握る男が、この場にそぐわぬ笑顔を見せる。


「…落ち着け、奴は1人だ!あの女教皇(プリエステス)がいないなら、数で倒せる!」

「いやあ、話はちゃんと聞くべきなのよな?…“我ら”って言ったろ?」


その言葉にギョッとして魔術師が辺りを見まわし、ようやく彼らはその気配を感じ取ることが出来た。

40、いや50人ほどの天草式十字凄教のメンバーが、武器を構えて包囲している事を。


「…何故だ、何故お前らが邪魔をする…?」

「そんなことは“決まっている”のよな」


そして、フランベルジェを軽く振りまわして、男――天草式の教皇代理、建宮斎字は1つだけ尋ねた。


「…我らが女教皇から得た教えは?」


天草式十字凄教が、声を揃えて答えた。


「救われぬ者に救いの手を!!」


それからわずか30秒後。天草式十字凄教は“救われぬ者”だったフルチューニングを救い出し、姿を消した。

天草式十字凄教のとある拠点


「無事に間に合って、なによりなのよな」

「結構ギリギリでしたけどね」


笑顔の建宮に答えたのは、五和と呼ばれる少女だ。

培養器から取り出されていて、意識の無いフルチューニングを五和が看病していた。


「それにしても、魔術結社が誘拐を企んでいるって教えてくれた“電話の人”は誰なんでしょうね?」

「それが分からんのよ」


五和の問いに、困ったように頭を掻きながら建宮が答える。


「電話の声も、機械で変えてあったみたいだしね」

さらに、実際に連絡を受けた金髪の女性、対馬も2人の会話に加わった。

「まあ、エグい事で有名なあの魔術結社に連れて行かれずに済んで、結果オーライなのよな」

「それはそうですけど…」


釈然としない様子の五和に、対馬が同意して言った。

「この子の名前や所属すら分からないし、早いとこ目が覚めるといいわね」


その言葉に建宮がイヤ、と反応した。

「所属は予想できる。多分、学園都市の能力者ってヤツなのよな」

「どうして建宮さんはそう思うんです?」

「簡単なことだ、五和。この子が入っていたと思われる培養器が、学園都市製だったのよ」

「あ」


思わず五和は項垂れる。あまりにも簡単なヒントが有ったではないか。

「でも、どうしてあいつらはこの子を培養器から取り出したのかしら?」

「多分、学園都市の人間を信用していないからだろう。発信器か何か付けられていると思ったのかもしれん」


対馬の疑問にも、よどみなく建宮が答えた。


「う…あ…」


その時、意識の無いフルチューニングが声を上げた。

慌てて五和が駆け寄って、話しかける。


「大丈夫ですか?ここは天草式の隠れ家で安全です。安心してください」

「…?…状況の把握が…出来ません…」


思わず顔を見合わせる天草式十字凄教のメンバーたち。



『妹達』の試作型が天草式十字凄教と交差するとき、物語は始まる――!

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