上条「あの日、もしかしてお前は、俺以上に」


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美琴「じゃあ、そろそろ行くから。見送りありがとう」

上条「向こうについたら連絡くれよな」

美琴「……うん」

麦野「おーい。第三位! 飛行機でちまうぞ。はやくしろ」

美琴「待ってくれてなくていいから。多分、向こうの第二学園都市からもどらないだろうし」

上条「それでも俺は「じゃあね」

上条の言葉を遮りながら顔を近づけ、一瞬だけの口づけを美琴は送る
そのまま、踵を返し行ってしまう。一度も振り向かずに

それが上条当麻にとって御坂美琴の最後の記憶

 

 

 

 

垣根「おい、上条」

上条「あ、わりい。なんだ」

垣根「テストの採点済んだか。今日は合コンだからな。さっさとすましちまえ」

上条「いかねえってんだろ。だいたい警備員が合コンなんて生徒に示しが付かねえだろ」

垣根「何バカ言ってんだ。警備員だからモテんだろうが」

上条「とりあえず、上条さんは行きませんからね。土御門か青ピでも誘え」

垣根「付き合いわりいな。それともアレか。まだ引き摺ってんのか」

上条「何だよ」

垣根「第三位のことだよ。全く、5年も前だろ。三位以下がアメリカの第二学園都市に行っちまったの」

上条「んなわけねーだろ」

???「上条さん。教材の発注の件で話がありますとミサカは話に割り込みます」

上条「あ、悪いな、御坂妹。俺がやっとくから別にいいぞ」

御坂妹「そうですか、ありがとうございますとミサカはお礼を行ってこの場を去ります」

垣根「ま、引き摺ってたら、昔の女と同じ顔の職場にはいられないか」

上条「ったりまえだろ」

嘘だ。ただ、御坂妹を御坂と違う、一人の人間と見ているだけだ。
本当は……

上条「御坂が……」

美鈴『ええ。研究所の事故で……』

目の前が真っ白になった

前に座る麦野のすすり泣く後ろ姿で、この女でも泣くのだなとぼんやりと上条は考える
それ以上は、頭が動かなかった

上条「このたびは……」

御坂の母に型どおりの挨拶を告げる。口が勝手に動いてくれた

美鈴「――――」

何か言われてるのはわかる。でも、少しも頭に入ってこない

美鈴「だから、美琴には5つになる娘がいるの」

上条「え?」

美鈴「だから、あなたと美琴の娘。あの子はそう言ってたわ」

その場で固まった

垣根「おい、ガキども最終下校時間だぞ。とっとと帰りやがれ」

少したった平日。教師としての仕事を終え警備員として同僚の垣根と見回る

垣根「で、第三位のガキのオヤジがおまえだって?」

上条「ああ、そう言われた」

垣根「お前絶対良いように使われてるぞ」

上条「良いようってなんだよ」

垣根「だから言い訳に使われてんだよ。向こうでガキできちまって」

上条「わかってる」

垣根「わかってねえ。あ、俺学校戻るから、適当に引き上げとけ」

上条「おう」

 

???「あの」

不意に声を掛けられ振り向く。小さな人影

少女「あんちすきるのひとですか」

似ていた。打ち止めに、妹達に、番外個体に、何よりも彼女に。

上条「お、おい。もう最終下校時刻だぞ……」

そんな言葉しか出てこなかった

少女「ごめんなさい。でもひとを、さがしてます」

上条「誰を探しているんだい」

少女「カミジョウトウマっていうひとです」

上条「上条当麻は俺だけど……」

少女の瞳が見開かれ、上条を見つめる

少女「……ツンツンあたま! ママのいってたとおりです!」

上条「つんつん頭はひどくないか」

おもわず苦笑してしまう。やっぱりこの少女は

少女「はい! ママからです!」

少女が何枚かの封筒を差し出す。宛名は上条当麻、差出人は御坂美琴

 

美琴『当麻へ。麻琴がいるって分かった時、真っ先にあなたに迷惑を掛けちゃいけないって思いました。私はレベル5の第三位でどうとでもなるけど、貴方の未来は貴方のもので可能性を奪いたくないから。貴方は優しくてまっすぐだから、私のためにつらい道を選んじゃうから』
『教師になったと聞きました。また、警備員の資格もとったそうですね。正義感の強い貴方にぴったりなお仕事だと思います。体に気をつけて頑張ってください。私も研究所勤めが決まりそうです』
『――----』
『―――――――』
『‐--------』
『逢いたい』

上条(あの日、もしかしてお前は、俺以上に)

泣いていたのかもしれない

 

 

少女「ないてるんですか? どこかいたいんですか?」

気がつくと、当麻は手紙を握りしめて泣き崩れていた。少女が心配そうにのぞきこんでいる

上条「大丈夫さ。心配しないでいいぞ」

返す言葉も強がりが滲んでいて

だから少女は

少女「マコトがないてると、ままがこうしてくれました」

精一杯背伸びして

上条「……ありがとな」

上条の頭を優しくなでててくれた

上条「おま、君はこれを届けるためにきたのか」

まこと「はい! あと」

上条「あと?」

まこと「ママがすきだったまちを、みてみたかったんです」

上条「おうちのひとがしんぱいするだろ」

まこと「おばあちゃんは、『とうまくんがいるからだいじょうぶ』っていってました」

上条「まったく、あの人は……。連絡の一つでも入れてくれれば、あ!」

そこで気がつく。携帯電話を取り出し確認……

上条「こ、壊れてやがる」

するまでもなかった

上条「不幸だ……」

まこと「ふこう?」

上条「いや、何でもない」

もうこの口癖は使わない

上条「今日はもう遅いし、泊ってくか」

まこと「はい!」

少なくともこの子の前では

 

 

 

上条「座っててくれ、すぐに飯にするからな」

まこと「はい!」

まことの目が机の上の古い携帯電話でとまる。そう、そのストラップに

まこと「げこただ!」

古びたストラップのマスコットに手を伸ばす。それはまことの母が大事にしていたものと良く似ていて

上条「お! おまえもそれ好きなのか?」

盆に夕食を乗せた上条が入ってくる

盆に夕食を乗せた上条が入ってくる

!」まこと「はい! ままもすきでした!」

上条「懐かしいな、たしか御坂にペア機種のストラップがほしいからと言われて」

何度か機種を変更したがこの携帯だけは捨てられず、つい手元に残してしまう

上条「お、そうだ」

画面を操作し、古いデータを呼び出す
今使っているのは壊れたのに、なぜか古いほうだけは動く

上条「ほら」

まこと「ままだ

画面に映った中学時代の美琴をみて、まことが歓声を上げる

まこと「まま、がつこうの、おようふくきています」

上条「ああ、常盤台の制服だな」

まこと「ときわだい?」

上条「みさ…美琴が通ってた中学だよ」

まこと「まこともおっきくなったら、いけますか」

上条「うーん。学園都市の名門校だしなぁ。よそから通えないし、なによりも難関だしな」

まこと「まこと、がくえんとしでくらします! いっぱいがんばります!」

上条「そりゃ、美鈴さんに聞かないとな」
まこと「……とうまくんは、まことがいたらめいわくですか」

少しだけ、顔を俯かせる。その表情が、かつての御坂に、さらに以前のインデックスに重なる。
だから

上条「迷惑じゃねえよ」

まこと「とうまくん」

上条「お前がここにいたいんなら、いくらでもいていい。でも、美鈴さんが良いっていったらな」

まこと「はい!」



美鈴『そうなの。あの子が……』

上条「はい。よろしければ、俺が預かりますが」

なにがよろしければ、だ。美琴たちのことを知らずにのうのうと暮らしてきた癖に良く言う
こんな都合のいい発言は断られて当然だ
美鈴『じゃあ、お願いね』

上条「え?」

美鈴『どうしたの? 変な声出して』

上条「いえ、正直断られると思ってましたから」

美鈴『だって親子で暮らすのに反対する必要もないでしょう』

上条「はい」

美鈴『あの子も寂しいのよ。だから、美琴が見てきた景色に憧れている』

上条「はい、わかります」

美鈴『だから、よろしくね。困ったことがあったら連絡を頂戴。できる事はするから』

上条「はい、ありがとうございます」

なにも分からないうちに幻想を作り始めていたのかもしれない。
あの子と一緒にいる資格が無いと。

上条「じゃあ、ちゃんと家族しないとな」

まこと「とうまくん?」

上条「おばあちゃんの許可がでました! 今日からお前はうちの子だ!」

まこと「はい! ありがとうございます!」

上条「良い返事だな!」

ちゃんと父親はやれるのだろうか。そんな不安がよぎる。できることなら、高校生の頃の自分に幻想だと否定ほしい。
でも、今は大人なのだやっていくしかない。

 

 

 

垣根「よーし! 今日は上条んち行くぞ!」

上条「いきなり何を言い出すんでせうか、ていとくんは」

垣根「いや、お前が第三位のガキ引き取って、一か月じゃん。顔、見たいじゃん」

上条「お前がじゃんじゃん言ったってキモイから。黄泉川先生の真似すんな」

垣根「おい、俺の上司へのリスペクトをバカにするんじゃねえ」

上条「上条さんの常識とリスペクトの意味が違うんだが」

垣根「俺に常識は通用しねえ」

上条「はいはい」
垣根「で、行くからな」

上条「勝手に決めんな」

御坂妹「ミサカも同行しますと、ミサカはさりげなく自分の意思を伝えます」

垣根「お、いいねえ。土産とかひつようじゃね? ガキが喜びそうなもの」

御坂妹「ファンシーグッズや、お菓子が良いでしょうと、ミサカは進言します」

垣根「OK、途中で買ってくか」

上条「おい、勝手に決めんなって言ってんだろ。御坂妹まで」

御坂妹「ミサカには会う権利があります」

上条「権利?」

御坂妹「はい、お姉様の娘なら、ミサカの姪にあたります。親戚として会いたいとミサカは買うお菓子を考えながら言います」

上条「そうだな。妹だからな」

垣根「よし、決まったか。じゃあ、さっさと行くぞ」

上条「なんで、お前がしきんの!」

垣根「いいじゃん! 幻想殺しで無茶するお前のフォローしてるの俺じゃん!」

上条「仕方ないだろ! お前みたいな超能力者じゃないんだから、つか、じゃんじゃんやめろ!」

御坂妹「早くしないとおいてきますよと、ミサカは優しく急かします」

上条「ああもう! 勝手だなお前ら!」

垣根「ようし! みやげも買ったし! いよいよ突入だな」

御坂妹「了解ですと、ミサカはメルヘン同僚に返答します」

垣根「行くぞ! 二等兵!」

御坂妹「さー、いえっさーと、ミサカはノリをあわせます」

上条「いや、合わせなくていいから。ほっといていいから。ま、いっか」



上条「ただいまー」

まこと「とうまくん!」

とてとてと足音が近づいてくる

上条「良い子にしてたか、まこと」

まこと「はい!」

上条「えらいな、さすがだな」

褒めると嬉しそうにまことが目を細める。

垣根「しっかし第三位そっくりだな」

上条を押しのけるように垣根が入ってくる。マジで常識が無い

まこと「おきゃくさんですか?」

垣根「おう、俺は垣根帝督、パパの友達さ。ていとくんでいいぞ」

まこと「はい、ていとくん。こんばんは!」

上条(そのあだ名気に入ってんのかよ)

垣根「おう。挨拶できて偉いな。ほらみやげだ」

まこと「わぁ」

上条「よかったな。ちゃんとお礼言うんだぞ」

まこと「はい、ありがとうございます! ていとくん!」

垣根「うん! 良い返事だな! 誰かさんと誰かさんのこどもとは、思えないな」

上条「どういう意味でせうか」

御坂妹「ミサカが選んだおみやげもあります。一人の手柄にしないでくださいとミサカは注意します」

垣根を押しのけて御坂妹が入ってくる

そこで

まこと「ま、まま……」

時が凍りつく

 

しまった!)

考えが足りなかった。上条当麻にとって、御坂妹は御坂美琴では無い
全く違う人間だ

でも

このおさない少女にとって……

まこと「まま!」

そんなことが分かるはずもない

まことが御坂妹に飛びつく。上条が固まっている間に

御坂妹「いえ、ミサカはママではありません」
優しく、まことを抱きとめながら、ミサカが言う

まこと「!」

まことの表情が凍る

まこと「……っさい」

上条「おい、まこと……」

まこと「ごめんなさい!」

叫んで、まことがとびだす。

誰一人反応ができない。

上そして、条にとっては永遠に近い沈黙が横たわる

御坂妹「ミサカはあの子になにかしてしまったのでしょうか」

ようやく、御坂妹が口を開く

上条「いや、お前はわるくねえよ」

悪いのは考えが足りなかった自分だ



垣根「とりあえず探すぞ。ガキの足だから遠くには行けねえ

 

上条「ああ」

垣根「俺は未元物質で空から、上条は足で。お前は待機な」

御坂妹「分かりました」

上条「頼む……」

いつまで自分は考えなしのだろうか。インデックスのときも美琴の時も、そして今回も。

 

一方「あン?」

目の前でうずくまる小さな影に一方通行は声を上げる

一方(前にもあったなァ。こンな事)

それは「今」の一方通行を形作る最初の大切な記憶。とても小さな、しかし大切な光をくれた少女との出会い。

まこと「だれですか」

一方「誰でもいィだろ。つか、お前は迷子ですかァ」

少女が顔を上げる。似ていた。一方通行の大切なあの少女に。

まこと「……はい」

俯いた表情が、また一方通行の記憶を揺さぶる

一方「お前ェ、さんし…上条のとこのガキかァ」

第二位から聞いた話を思い出しながら少女に問う。

まこと「とうまくんをしってるんですか?」

やっぱりか。あのガキに似た子どもといえばそれしかないのだろう。

一方「まあな。送ってやンよ」

あ、と少女が声を上げる。戸惑うようなその表情

一方「帰りたくなのかァ?」

まこと「……かえりたいです。でも、いまはいやです」

一方「ちっ、メンドクセェこといってくれちゃって。どこかのクソガキですかァ」

まこと「ごめんなさい」

一方「おィ。ついてこい」

まこと「え?」

一方「今は帰りたくねェンだろ。帰りたくなったら送ってやっから」

一方「とりあえず、ウチに来ィ」

 

垣根は走っていた。空を飛んでみたものの、暗くて地上が良く見えずにあきらめたのだ。

垣根(ちくしょう! 俺が余計なことした)

垣根は逆の結果を想定していた。幼い少女は母の似姿をみて単純に喜ぶと思い込んでいた。
だからこそ、御坂妹が近くにいるときに上条の家に行くと言い出したのだ
しかし、少女は飛び出してしまった。すべて自分の責任だと垣根は思う。

だから走るのだ。少女の無事を祈って

 

 

まこと「おじゃまします」

一方「おゥ。あがれェ」

まことを促して、部屋に上がらせる。昔と違って整理を心がけているので、子どもをあげても問題は無い。まあ、うるさい誰かに言われてしぶしぶ片付けている側面もあるが

一方「なんか食ゥか?」

まこと「……いいです」

一方「ガキが遠慮なンかすンな。オマエの叔母さンなんか初対面でハンバーグ奢らせやがったぞ」

まこと「おばさんですか?」

一方「おゥ。その後もアレが食べていだァ、これが欲しいだァ。好き勝手言ってくれちゃいましてよォ」

???「わぁ、いつかはやるとミサカは思ってたよ」

 

 

上条「ちくしょう、何やってんだ俺は……!」

飛び出すまことの姿に反応できなかった。
どうしようもなく、過去が重なってきてしまって
信仰の道を選んだインデックス
一人で背負った美琴

どっちも止められなかった
美琴はインデックスの時の失敗はしないと誓っていた癖に

いつの間にか、仕方が無かったとあきらめている
言い訳だけが上手い大人になってしまった
上条「くそっ!」
でも

(夫婦は別れれば他人だけど、親子兄弟の血のつながりは切れないってさ)

昔、美琴から聞いた言葉が頭をよぎる。妹達のための言葉だったと思う。

上条「ん」

買い換えたばかりの携帯が鳴る

表示される番号は御坂妹

まこと「ままそっくりです」

まことが、番外個体を見上げながら呟く

番外個体「はじめましてだね。ミサカは番外個体、あなたのママの妹のひとりだよ」

まこと「はじめまして、かみじょうまことです」

驚いた表情を浮かべながらも、まことが返事をする

番外個体「お、挨拶できて感心だね。流石ミサカ達の遺伝子」

一方「何しにきやがったンですかァ」

番外個体「アレ? ご機嫌斜め? お楽しみの邪魔しちゃったかな」

一方「どういう意味ですかァ!」

番外個体「そのまんまの意味だけど。幼女と戯れるのが趣味なんでしょ」

一方「違いますゥ! つか、質問に答えやがれェ!」

番外個体「用はもうすんじゃった」
一方「はァ?」

番外個体「うん。10032号に頼まれちゃってさ。迷子の捜索。で、まこと」

まこと「はい?」

番外個体「かえろっか。みんな心配してるよ」

まこと「でも……」

一方「おい、帰りたくねェなら無理させンな」

番外個体「ロリコンは黙っててよ」

一方「違げェ!」

まこと「おねえちゃんたちはままの、いもうとなんですか?」

番外個体「そうだよ」

まこと「まこと、おねえちゃんをままとよんじゃいました」

番外個体「仕方ないよ。みんなそっくりだもん、お姉様に」

まこと「とうまくんが。なきそうなかおします」

一方「三下がァ? どういう事だァ?」

まこと「まことがママのこというと、とうまくんわらってくれます。でもなきそうです」

ちいさく、「げこた」をみつけたときにと、まことが付け加える

番外個体「なるほど」

一方「え? わかるのォ、オマエ?」

まこと「いぎりすがテレビにでてもです」

一方「あァ、あのシスターか」

まこと「だから、まこと、ままのこといわないようにしてます。でも、でも……」

番外個体「いいよ」

泣きそうなまことを、番外個体が抱き締める

番外個体「ママの事、言っていいんだよ。悲しいの仕方ないでしょ。大好きだったんだもん。君の知らないママのことも聞いていいし、あのひとが知らないママのこと話していいんだよ」

まことを懐かしい体温が包む。でも。

番外個体「ミサカ達はママじゃないし、ママにはなれないよ。でも」

だからこそ

「ミサカとしてあなたの味方だから、全員ね」

 

 

やはり、自分が悪いのかもしれない。御坂妹は自問自答する
無意識のうちに、自分には姉の真似をしてしまっているところがあるのだろう
些細なしぐさやたち振る舞いで
それは、クローンゆえの苦悩からかもしれないし、ただ、ツンツン頭の同僚の気を引こうとしてなのかもしれない。

でも、自分は御坂美琴ではない。それは絶対だ

それでも、あの子の味方でいたい。悲しい時にそばにいて、嬉しい時に喜んでやりたい。
そう思うのだ

俺も味方だからな
そう言って一方通行はまことを送り出した

まこと「やさしいひとでした」

番外個体「そう? どっちかというと、やらしい人じゃない?」

まこと「やらしい?」

番外個体「あ、ごめん。忘れてよ」

まこと「はい!」

番外個体「良い返事だね。お、きた」
御坂妹からの連絡を受けてから、足に意思が漲る
MNWからだと、教えてくれた情報が
前に進ませてくれる

 

上条「まこと!!!!」

腹の底から声を絞り出す
恥も外聞もない
ただ、娘に向かって走り出す。

まこと「とうまくん!」

まことが駆け寄ってくる
両手を広げて、小さな体を抱きしめる

上条「心配させんなよっ!」

まこと「ごめんなさい」

上条「いい! 悪いのは俺だ!」

大切な小さなぬくもりを離さないように

まこと「でも!」

上条「でもじゃねえ! 俺が悪い! だからもう失敗しねえ!」

かつて、インデックスに、美琴に言えなかった言葉を

上条「俺がそばにいる! お前が大人になるまで!」

違う立場で、紡ぐ。

上条「大人になっても、お前が困ったら何より先に助けに行く!」

まこと「とうまくん! まことは、まことは」

上条「だから! 俺からはなれんじゃねえ!」

やっと、自分の幻想を上条当麻はぶち壊したのだろう

 

番外個体「じゃあ、ミサカは行くから。10032号によろしくね」

まこと「はい!」

上条「世話になったな。一方通行によろしくな」

番外個体「一方通行のことはミサカに関係ないんだけど」

そう言って、番外個体は帰って行った。

???「ぜぇ、ぜぇ。やっと見つけたぞ……」

上条「垣根!」
まこと「ていとくん!」

垣根「おう、ぜぇ、み、見つかったな……。良かったぜ」

上条「お前、走ってきたのかよ」

垣根「はぁ!? 何言ってんですか! 超飛んできたんですけど! 超優雅でした!」

上条「はぁ」

垣根「あ、疑ってますぅ? 何なら証明してあげますけどぉ!」

上条「何だよ。証明って」

垣根「お前ら二人抱えて、飛んであげますぅ」

まこと「ほんとですか!」

垣根「このていとくんに常識はつよしねえ! あ、噛んじゃった」

上条「ま、まことが喜んでるならいいけどな」
垣根「到着!」

まこと「すごいです! とんでました! すごいです!」

上条「良かったな」

垣根「喜んでくれて結構。まぁ、第三位も飛んだとか飛ばないとかいうしぃ、頑張ればお前も飛べるかもな」

まこと「ほんとうですか! まこともとべますか!」

垣根「おう。頑張ればな」

まこと「はい! がんばります」

上条「頑張れよ」

御坂妹「おかえりなさいとミサカは三人を迎えます」

上条「おう、ありがとうな。留守番」

御坂妹「いえ、大丈夫です。では、そろそろ良い時間ですし、ミサカはそろそろお暇します」

上条「送ってくか?」

御坂妹「いえ、大丈夫ですとミサカは気遣いをさりげなく断ります」

まこと「あの、おねえちゃん」

御坂妹「なんですか?」

まこと「また、あそびにきてくれますか」

御坂妹「はい、喜んで……」

まこと「ありがとうございます!」

御坂妹「あなたが大きくなって、父さんを嫌いになって汚物扱いする時期になっても、ミサカはみかたです」

上条「いま、そういうこと言うのやめててくれます? つか、それお前も俺を汚物扱いするみたいなんですけど!」

御坂妹「まこと、またきますからねと、ミサカは名残惜しみつつ別れを告げます」

まこと「はい! またこんど!」

垣根「よし、冷蔵庫開けるぞ」

上条「あ、お前は帰らないんだ。予想してたけど」

垣根「のど渇いちまったからな。あ、違うぞ。上空を飛んでの気圧差とかだからな」

上条「はいはい」

まこと「とうまくん」

上条「なんだ?」

まこと「ままととうまくんは、どうやってであったんですか」

上条「どうやってって、そりゃあ……」

美琴から聞いた知らない出会いの話をするべきか

記憶にある自販機での出会いを話すべきか

上条「ま、いっか」

まこと「?」

上条「長くなるぞ?」

両方話せばいい

まこと「はい!」

どんなに長くなったっていい

これからは一緒なのだか

ずっと

 

 

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