上条「なんだこのカード」 > Season2 > 03


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主人公の朝はインターフォンによってもたらされた

時間は八時半を指していた。学校があれば間違いなく遅刻であったであろう

やれやれと言いながら、身近に有った服を身につける。まるで自分がここに居ることが分かっているように、定期的に鳴り響く音が鬱陶しい

上条「はいはい、今出ますよー」

3分の1程開けた扉から、白髪の男が見えた。即、閉じる。扉から距離を取って、戦闘体勢をとる

一方「御挨拶だなァ、オイ」

悠々と、扉を開けて白髪の男が入ってくる。上条はワンステップでその男の懐へ入れる距離。彼が能力を展開して回避行動をとったなら、届かないだろうが

上条「一体、何の用ですかね。上条さんには貴方が来る理由が見えないんですが」

一方「そういきり立つな。わざわざテメェなんざを虐めに来たわけじゃねえからよ」

白髪の男は、両手を挙げてヒラヒラとし、戦う意図が無い事を示す

上条「……んじゃあ、入れよ」

体勢を戻し親指を立てて振り、玄関で立っている男を部屋の奥に入るよう促す

一方「悪ィな」

部屋を見渡し、テーブルのそばに座る

上条「で、何の用だ?」

ペットボトルから茶を注ぎ、一方通行に渡す

一方「……テメェのそれは、どんな能力からも自分自身も守ってるわけだよな」

右手を見つめながら、話した

上条「んー、何が言いたいのか分からんけども、そうだなぁ、その認識で間違っては無いと思うぞ。まぁ、外的に燃やされたりとかには、右手以外耐えれないけどな」

一方「それは、俺とヤったときと同じように、それ自体を打ち消されてる、って訳なんだよな」

上条「そうだな。お前みたいに反射で弾くから効果が効かないんじゃなくて、それ自体を無くしちまうなぁ」

一方「ンじゃァ、ずっと頭の中で締め付けられるような感覚とかって分かンねェよな」

上条「風邪でも引いたのか?一応、季節の変わり目では有るけど」

一方「ンなもン、俺がかかるかよ。自分の体の事なんざ大概自分で何とかなるンでな」

上条「じゃ、なんでそんな頭痛? が? 」

一方「知るかよ。常に何かの力が加わってる感じがするんだよ。頭痛とか、そンなンじゃねえ。ただ、力だとしてもベクトルが把握できなくてな」

上条「第一位でもわからん事って有るもんなんだな。……ちょっと待て、なんでお前ウチに来たんだよ? 俺関係なくね? 」

一方「知るか。理由はわからねェが、その圧迫にお前とかが一緒に出てくるんだよ。感覚的には、物が思いだせないのを強くした様な感じなんだが、テメエや他一名の事ばっかり出てきやがる」

上条「ハァ? 何だ、常に俺の事考えてるってか? 流石に男はノーサンキューですよ」

一方「こっ、こっちだって願い下げだ!! ……チッ、邪魔したな」

白い髪の男が立つ

上条「そうかい。全く、お陰で貴重な睡眠時間が削れたよ」

玄関で靴をはき、顔だけ上条の方へ向ける

一方「なンなら、永久に寝られるようにしても良いンだぜェ?」

上条「やめてください。そいえば、なんでお前俺の部屋知ってんだ? 」

一方「第一位嘗めんなよ。ンなモン、少し調べれば分かるだろ。そういや、お前昨日学園都市の外部から帰ってきたンだってな」

上条「か、上条さんには心当たりないですけども」

一方「隠したって無駄だ。俺が調べたのは第一学区のデータベースだからな。ご丁寧にダミーのプログラムまで張ってよォ」

目を逸らす上条

一方「別にテメェが外で何しようとテメェの勝手だ。だが、ばれちまった以上、何かのペナルティが下るだろうけどな」

ノブを捻る

一方「せいぜい気をつけるこったな」

上条「あ、ああ。サンキュ」

出て行った男がまた来るわけでもないが、閉じた扉をずっと見ている

(わざわざ来るなんて、よほどの事ですね)

(そんなにも彼の頭脳には貴方で満たされているのでしょうか?ぶっちゃけキモ)

上条(それ以上言うな。第一、その他一名もって言ってただろ?)

(ま、今重要なのは第一位では無くてその一個下の人物です)

(どこで何してるか確認しに行きましょう。出来ればもっと早く出たかったですけど )

上条(だったら起こせよな)

(どんな夢を見ていたのか知りませんが、悪夢では無かったようなので)

(私たちも鬼では有りませんからね。ムフフな夢を途中で切られたらあなたが可哀相だったのですよ)

上条(さいですか。……畜生。どんな夢見てたのか記憶にない、だと)

(健全な男の子アピールは置いといて、とっととシャワーを浴びて来て下さい。昨日あれだけ動いたのにそのまま下着で寝てたんですからね)

自分の体の臭いを嗅ぐ。そう言えば起きたとき若干気持ちが悪かったような気もした

すごすごと風呂に向かい、服を脱ぐ。上半身を脱いだところでまたインターフォンが部屋に鳴り響く

一方通行が忘れ物でもしたのか、または土御門だろうと思って、そのまま上裸で出迎える

上条「はいはい。今出ますよー」

半ば寝ぼけたような目で、気の抜けた声で、玄関を開く

御坂「ちょっとアン……な、なんで上着てないのよ!?」

上条「いや、単にシャワーでも浴びようかなって。なんで御坂がウチに? 」

御坂「ホントに? また誰か女の子を連れ込んでるとかじゃなくて? 」

服を着て出ればよかったなと後悔した。有らぬ誤解を招いたか

上条「なんでそうなる。今は誰もいねえよ」

御坂「”今は”って何?誰かいたの? 」

やたら突っかかってくる。若干鬱陶しい。そんな時、部屋から何かの気配がした

咄嗟に、御坂に背を向けて守りの体勢をとる

白井「お姉さま、安心しなさってください。目に着く限りでは、女物のアイテムはありませんわ 」

声の主を聞いて安心する。御坂に向けた自分の背を戻し、部屋の奥へ

上条「風紀委員が不法侵入とは、感心しませんよ? 」

白井「脱走並びに侵入の方がもっと感心しませんわよ、当麻さん 」

嫌な汗が流れる。まさか、風紀委員にまで知られていようとは

御坂「ちょっとアンタ、若干汗臭かったわよ」

さっきまで背を思いっきり向けていたのだ、仕方ないかもしれない

上条「悪い。自分じゃあんまり分からなくてな」

御坂「べ、別にそこまで気にはならいわよ。きらいなにおいじゃないし…」

そのまま部屋の奥へ促す

御坂「へぇ、案外小奇麗じゃない 」

上条「単に物が無いだけだと思いますけどね。それで、何用だ?」

白井「いえ、先に御風呂をどうぞ」

そう言って、御坂の方を見た。意図が伝わる

上条「別に先に要件を聞いても良いぞ? 」

御坂「わ、私たちが気にするのよ。急に押しかけちゃった訳だし。それにアンタも、汗臭いままじゃデリカシーが無いわよ?」

(彼女の言うとおりですね。とっとと入ってきてください)

(まぁ、間違いなく家探しされるでしょうけど。あの子の衣類は全部英国に持っていってるんですか? )

上条(多分、大丈夫だと思う。多分)

風呂場へ入った。汗臭いと言われ、若干入念に洗おうとする

白井「さて、チャンスは作りましたよ? 」

物は少ない。どうやらアイツがシャワーを浴びてる時間内に一通り終わりそうだ

御坂「ありがと。でも意外よ。アイツの部屋に行くなんててっきり反対しそうなもんだと思ったのに」

白井「いえ、どうやら国外に出ていたよう、という報告が初春からありまして。その上、懲罰無しとなっていましたから、気になりましてね」

御坂「そう。ん、コレ……」

御坂の手には、青白く長い髪の毛があった

白井「女性のもののようですね」

御坂「黒子もそう思う?アイツめぇ 」

白井「あら、正式な彼女でも無い限り、当麻さんが誰を部屋に招いても文句は言えないのではないでしょうか」

御坂「それはそうだけど……。って、”当麻さん”って言い方してるけどそれは何なの? 」

白井「あら、私ずっとそういっておりませんでしたっけ? 」

御坂「類人猿とかあの殿方って言ってた気がするけど 」

白井「大小のことは有れど、好意のある方へそのような言い方はできません 」

御坂「こ、好意ですって?黒子とアイツの間に何があったのよ? 」

白井「好意と言う以上、周りが羨むそれなりの理由がありましてよ。……はて、なぜでしょう、具体的な起因が出てきませんわ」

白井が額に手を当て、考えている。その時、上条が風呂場から出る音がした

二人は全力で片づけをする。と言っても、物が無い部屋ではすぐだろう

 

(あの様子では、間違いなく家探ししてましたね)

上条(だろうなぁ。ま、自分だけで勝手に出て、それがばれたんだ。仕方ないだろう)

(それだけの理由ではないと思いますがね )

上条「お陰でさっぱりしましたよ。で、何の用だ? 」

話しかけた対象たちは、微妙に息をきらせていた

御坂「ハァ、ハァ……スイスで巨乳の母親で飛び込んだこの長い髪は何?! 」

上条「……はい? 」

白井「お姉さま、それでは全く意味が分かりませんわ。落ち着いてくださいまし」

大きく息を吸う声が聞こえた

御坂「アンタ、人の母親にまで手を出そうとしたわね!?」

一瞬の静寂が拡がる

上条「はて、一体何のことでしょうかね? 」

御坂「とぼけないで。アンタがスイス行きの飛行機の中で私の母に抱きついたのは知ってるのよ 」

言われて、宙を見て眉間に皺を寄せる。言われの無い罪か

(ああ、あの時の女性ですよ)

(脳内の記憶の御坂美鈴とデータ照合、80%は適合していますね。グラマラスですこと)

上条「え、あれ美鈴さんだったのか? 」

思わず声に出た

御坂「そうよ!私の母よ!セクハラで捕まれ!このバカ!」

上条「ちょっとまて、あれは事故だ。飛行機が悪気流に入って揺れたんだよ。ちょうど立ち歩いていたからな」

御坂「ちょうど立ってたってのが怪しいのよ! 」

少女の額に紫電が走る

白井「流石に飛行機の中で、機を狙ってずっと立ってたってのは有りえないと思いますわ、お姉さま」

上条「そうだ、落ちつけ。普通に変質者として捕まるだろ。特にこの物騒なご時世じゃあ」

御坂は満足できないといった顔をしているが、確かに彼らの言うことには筋が通っている。本当に事故だったという可能性も御坂自体、否定していない

黙り込んでしまった御坂に変わって、白井が口を開く

白井「しかし当麻さん、今ご自身で言いましたよね。スイス行き飛行機に乗ったと。都市に外出手続きはとられましたの?」

上条「えーと、その、とったような、とってないような」

白井「はっきり言ったらどうですか、とっていない、と 」

上条のすぐ前まで身を近づけ、視線を合わせない上条の顔を覗き込む

その光景に黙っていた御坂はムッとしたが、当の両者は気が付いていない

上条「あぅ……とって、無い、です 」

白井「素直でよろしい。さて、どうされます。ここで私に捕まりますか? 」

少し間違えればキスしてしまいそうな距離で、妖艶な笑みを浮かべる少女があった

御坂の方は、気が気でない

上条「え、いや、それはt 」

白井「遅いですわ」

と言って、腕を少し前に出して上条の体に触れた

白井「あら、やはり駄目でしたか 」

そう言って、触れていた手を離した

御坂「駄目って、空間移動させようとしたの?」

固まっていた御坂がようやく口を開く

白井「はい。出来ないとは分かっているんですが、なぜか飛ばせるような気がしまして。なぜでしょう 」

少女たちは不思議そうな顔をしていたが、上条には心当たりがあった

あの時、自身をあの中に飛ばしたのは、間違いなくこの少女である

(まさか記憶が残っているとでも?)

(そうだとしても、彼女も一方通行同様、曖昧な物が残っているようですね。あの時間移動は存外、不完全な物なのかもしれません )

上条が白井の頭の上に右手を置く

白井「どうしましたの? 」

上条「い、いやー、何かぼけてるようだから、おまじない、かな。ハハハ」

(反応がありませんね。もし何かに抑えられているようなら、これで記憶が戻るかもしれないと思ったんですが)

(恐らく、それこそ脳の記憶野を直接触らないとだめなようですね。かかってる力となると、時空の安定作用のものが考えられますが、これは一体どういったアプローチで力が加わるのか分かりませんから )

白井「あら、子供扱いですか。お姉さま含め幼稚な体形ですが、心は立派に淑女ですのよ? 」

上条「あー、はいはい。わかりましたよ。それで御嬢様方、他に質問は御有りですか? 」

また子供扱いして、という声が上がる。一方、御坂はやっと白井が上条から離れ、一安心

御坂「そ、そういえばアンタさっき、”今”はって言ったけどいつもは女が居るの?」

ここに 流石に不法滞在の暴食シスターが男子寮に居ますとは、風紀委員の前では、少女たちの前では言えない

上条「いや、それは言葉のあやってやつですよ。そんなこと、紳士の上条さんが許すわけないでしょう? 」

適当な言い訳をした。御坂の表情が変化していく

御坂「へぇ、そうなの?じゃあコレは何かなぁ? 」

御坂が見せたのは、一本の髪の毛。青白がかった色で、長い

白井「それに、不自然に空いている衣類の収納スペースも気になりますわ 」

白井が指差す先には、普段少ないながらも禁書の衣類が入っている、収納棚

本日何度目かのあうあうタイムが訪れる。こういうときに頭の中の奴らは全く援護してくれない。逆に笑っているレベルであろう

上条「そ、その髪はえっと、前に俺が怪我した時さ、家から出れなくて、クラスの女の友達が親切にその間のプリントとか持ってきてくれたんだ 」

上条「で、そのスペースは、夏用の毛布を入れててさ、邪魔だったから実家に持って帰ったんだよ 」

御坂と白井の方を交互に見ながら、上条は弁解した

(何というか、苦しいですね。30点)

(この状況自体は合格圏の面白さなんですがね )

脳内の彼女らと同じ気持ちなのだろう、目の前の少女たちは目を細めた冷めた目線で上条を見つめている

(ま、冗談はこの辺にして、想像以上に時間を浪費しましたから、そろそろ第二位について調べましょう)

上条(うぇぇ。こんなんだったら今までずっと寝ておきたかった)

上条「えっと、上条さんはこれから少々用があるのでこの場を去りたいのですがー、駄目? 」

前日までとんでも日程で欧州に行っていたのだ、彼には何かしらの役割があるということは彼女らにも分かる

御坂「そ。まぁ今日はその苦しい言い訳を信じてあげる。行きましょ、黒子 」

部屋から出る御坂。それに続く後輩

白井「はい、お姉さま。あ、そうそう当麻さん。あなたの不法出入については特別に懲罰なしの裁定が出ていますので気にしないで下さいまし 」

と言って、手をひらひらさせて去って行った

あのツインテール、分かってて、からかうためだけにやっていたようだ

(直情電撃娘より、その後輩の方がやり手ですねぇ)

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